「ガアアアアアアアアア!!!」
羅刹たちは千滋たちに襲い掛かる。
「セバスチャン、命令だ。あいつらを倒せ」
「御意 ご主人様」
ガガガガガガガガガ
自分の得意技、銀食器投げで攻撃するセバスチャン。すると
「がぁ……」
「く…苦し」
千滋の言う通り弱っていく。中には灰になっていく羅刹も居た。
「本当に灰になっていくんだな」
「灰になった奴は回復力を調べられたみたいだな。っと危ないぞ」
グイ
「わぁ!?」
千滋に引っ張られるシエル。
「くそ…後少しで血がぁ」
千滋が引っ張らなければ、シエルは間違いなくこの羅刹に襲われていただろう。
「シエル。早く銃の準備。こいつは俺が相手してやるから」
「あ、ああ」
「血を…よこせぇ!!」
襲い掛かる羅刹。ただし
ザシュッ
「誰がまがい物に血をやるかよ」
羅刹の首が斬り飛ばされた。千滋の手には木刀ではなく、真剣があったのだ。
【明治時代に日本は軍人や警察官吏以外は刀を身に付ける(つまり武装する)ことを禁じる廃刀令が発布されました。しかし当たり前に持っていた物を捨てるのは簡単に出来ないもの。なので刀を仕込んだ杖を所持、携行することが流行したのです。(千滋さんは木刀に仕込んだのですね)】
「坊ちゃん!」
セバスチャンが駆け寄る。
「丁度いい。まがい物退治するからちょっと待ってろ」
「ああぁぁぁぁぁ!!!」
「遅い!」
ザシュ!
ドス!
鬼特有の身体能力で斬り捨てたり、心臓に突き刺して千滋は倒していく。
「す…すごい」
「エリザベス様以上の実力ですね」
シエルの婚約者は天真爛漫かつ無邪気、可愛い物好きな性格なのだが可愛い容姿とは反対に見事な剣技を持ち、周りからは「天才剣士」と呼ばれるほどの実力者なのだ。千滋はその剣技に加え、被っている帽子を一回も落とさない。外套や衣服に返り血を一滴も付けなかった。
ざあああぁぁぁ……
「よし。ここに居た奴は全部終わったな。行くぞ」
「あ、ああ」
「そうですね。行きましょう」
時々現れる羅刹を倒しつつ進む三人。
カチャ
「ここは?」
「研究室の様だな」
扉を開けると中には大きな研究室があった。手術道具。色んな薬などが沢山ある。更には銀が置いてあった。
「人体実験は此処でやっていたって事か」
「ん?……セバスチャン、シエル見つけたぞ」
千滋は研究室に入り、ある薬を持つ。
「これが変若水だ」
「それが変若水」
まさか血のような姿に驚くシエル。セバスチャンは何かを感じ取った。
「とりあえず壊すぞ」
ガッシャ――――ン!!!
バキャ!!
ドゴ!!
ビリビリィ!!
そこにあった変若水や研究成果が書かれたノートを無表情で処分していく千滋。その様子にシエルはドン引き。
「な、なんか怖いな」
「鬼たちに迷惑をかける薬ですからね。分かりますよ」
バルド、メイリン、フィニによって苦労しているセバスチャンはその気持ちを理解していた。すると
「何をしてるのだお前たちはぁ!!!」
「「「!」」」
今回の黒幕、フリッツ・ヘイグが現れた。