帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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使い魔ゲットします

イッセーside

 

 

 

アーシアが悪魔になって、一週間くらいが経った。

最初の頃はアーシアに悪魔の仕事とか出来るのかなとハラハラしていたが、案外うまくやってるみたいで少し安心した。

契約してくれた人も優しくしてくれているみたいだ。

そんなある日のこと。

 

「アーシアもそろそろ使い魔を持ってみない?」

 

「使い魔……ですか?」

 

「そう、使い魔よ。アーシアはまだ持っていないでしょう?」

 

「すみません。使い魔ってなんすか?」

 

俺も気になるな……。召喚獣みたいなものか?

ミッテルトの質問に部長は丁寧にこたえてくれた。

曰く、使い魔は悪魔にとって、手足となる使役すべき存在であり、情報伝達、偵察から追跡、他にも悪魔の仕事で役に立つとのことだ。

突如としてポンっと手品みたいな音がする。

すると、部長の手元に赤いコウモリが現れた。

 

「これが私の使い魔よ」

 

部長の髪と同じ色なんだな……。なんていうか、気品がある。

次に朱乃さんの手に小さな鬼が現れる。

 

「私のはこの子ですわ」

 

小鬼か……。

あんなのも使い魔にすることが出来るのか。なんていうか、向こうの鬼とじゃまるで違うな……。

手乗りサイズで愛嬌がある。

小猫ちゃんが呼び出したのは白い子猫だ。

 

「……シロです」

 

小猫ちゃんだけに子猫が使い魔。

イメージにあってるし、なにより可愛い。猫を見ると黒歌を思い出すな……。そう思って触ろうとすると威嚇された。ショック……。

ちなみに木場の使い魔は小鳥だった。

 

「イッセー君、僕の解説が適当すぎるよ……」

 

「……もう突っ込まねえぞ……」

 

なぜか心を読まれるのはもういつものことだ。

まぁ、とにかくアーシア以外の部長の眷属はみんな自分の使い魔を持っているのはみたいだな。

確かに今後の悪魔活動を行う上でも使い魔を持っておくと助かることがあるのかもしれない。

アーシアもうらやましそうに見てるし、ペットみたいなものだ。特に問題もないだろう。

 

「部長?使い魔って人間や堕天使でも捕まえられるんすか?」

 

「う~ん、事例は少ないけど、人間が使い魔を持つことも何度かあったらしいわ。たぶん大丈夫……だと思う」

 

なるほど。さっきまでは悪魔だけのものだと思ってそこまで興味はなかったが、俺も手に入るかもとなると話は別だな。

 

「部長、使い魔ってどこで手にいれるんですか?」

 

「冥界に使い魔の森と呼ばれる場所があるの。そこで使い魔を手に入れるのよ」

 

使い魔の森。

そんないかにもな場所もあるのか……。なんかRPGとかでありそうな名前だな。

そんなこと考えていると、朱乃さんが床にあった魔法陣に魔力を込める。すると、魔法陣は淡い光を放ち始めた。なるほど、ここから行くわけだ。

 

「部長、準備整いましたわ」

 

こうして俺は使い魔を手に入れるために使い魔の森に向かうことになった。

 

 

 

 

 

*******

 

 

 

使い魔の森。ずいぶん薄暗い森だな……。

やたらと背の高い巨木がそこらじゅうに生えていて、日の光のほとんどを遮ってしまっている。

雰囲気からして、何が出てきてもおかしくない。

森の中を見渡していると、

 

「ゲットだぜぃ!!」

 

「ひゃ!」

 

「え、なんすか、今のどこかで聞いたことあるフレーズは⁉」

 

突然の大声にアーシアは可愛い悲鳴を出して俺の後ろへと逃げ込んだ。

声がした方を見ると帽子を深くかぶり、ラフな格好をしたおっさんがいた。

 

「俺はマダラタウンのザトゥージ! 使い魔マスター目指して修行している悪魔だぜ!」

 

「「アウト────────‼」」

 

いや、まてまてまて……。完全にアウトだろ!?

明らかにポケ○ンのサ○シじゃねえか!?なんだマダラタウンて!?マ○ラタウンの間違いだろ!?

 

「ザトゥージさん、連絡しておいた子達を連れてきたわ。イッセー、アーシア、ミッテルトよ。

この人は使い魔のプロフェッショナル、ザトゥージさんよ。今日は彼のアドバイスを参考にして、使い魔を手に入れなさい。いいわね?」

 

いや、さりげなくスルーしないでください部長!

え?こんなおっさんに習うの俺? 

 

「よろしくな‼」

 

「「…………」」

 

こうして俺は微妙な空気のまま使い魔を手に入れることになったのだった。

 

 

 

 

**********

 

 

 

 

 

「それで、ザトゥージさん?使い魔ってどんなやつがオススメなんすか?」

 

「そうだな。人によって好みは変わってくるんだが、俺のオススメはこれだぜぃ!」

 

ミッテルトの言葉にザトゥージさんは懐から図鑑をとりだし、俺達に見せてくる。よかった。さすがに図鑑まではパクリじゃない。普通に紙だ。

ザトゥージさんは図鑑の写真を指差して言った。

図鑑には見開きいっぱいに迫力の絵で描かれた一匹のドラゴン。

 

「あの…………これは?」

 

「おう! そいつは五大龍王の一角、天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)ティアマット! 龍王唯一のメスでもある!まぁ、魔王並みに強いんで、使い魔にしようとした悪魔などはいないけどな!」

 

「…………」

 

えーと、魔王並み?いやいや、とんでもない化け物じゃないか⁉なんでそんな奴がこんなところにいるわけ⁉

 

『魔王級といっても覚醒魔王ではない。向こうで言うところの魔王種といったところだ。まあ、ティアマットはその中でも最強の強さを誇っていてな、ぶっちゃけ並みの覚醒魔王より強いぞ……』

 

あ、覚醒してるわけじゃないのか。あー、びっくりしたー……ってそれでも十分危険だろ!?

しかも五大竜王最強?その五大竜王が全員魔王種級と仮定すると相当やばそうだぞ!?

並みの覚醒魔王より強いって言葉も聞き流してねえからな!!

なんでそんな奴がこんな辺鄙なところに?明らかに使い魔のレベル越えてるよな?

 

『アダルマンだって竜王のウェンティをペットにしてただろう。まあ、相棒ならいけると思うがおすすめはしない』

 

いや、確かにそうだけどさ……。ん?おすすめはしないってどういうこと?

 

『…………相棒は以前俺と飲みに行った時のこと覚えているか?』

 

ああ、覚えている。あれは確か、リムルに疑似魂(ギジコン)に憑依してもらって仮の肉体をもらった時だっけ?

あの時は久々の体にはしゃいでいたドライグがめっちゃ飲み食いしてたの覚えている。

あれ?そういえば、酔った勢いでとある竜王に貸していたアイテムを封印されたせいで返せず、今もその竜王に追われている的な話を聞いたような……。

 

『その竜王がティアマットだ』

 

ああ、なるほど。それでできれば会いたくないと……。 

……いや、それはドライグの自業自得だろ。ぶっちゃけ喧嘩するほうが悪いと思う。そもそも白い龍との喧嘩が原因で封印されたんだろ?

ほんと、しょうがないやつである。

 

「まあ、今のお前の宿主は俺なわけだし、使い魔云々はともかく謝りに行ったほうがいいな」

 

『……すまん』

 

いいって俺とドライグの仲じゃないか。

なんやかんやで十年以上一緒にいるのだ。ドライグは俺にとっても親友みたいなものだしな。

 

「いいわね! イッセー、龍王を使い魔にしなさい!」

 

「……さりげなく無茶言いますね部長」

 

まあ、もともと会いに行くつもりだし、一応聞いてみるけどさ。そもそもこっちが悪いことした立場だし、たぶん無理なんじゃないかな……。 

 

「イッセーならなんとか出来るんじゃないの? 伝説のドラゴン同士で意気投合できそうじゃない」

 

「……まあ、期待しないでくださいね」

 

とりあえず場所を知らないことには始まらないな……。

 

「すみませんザトゥージさん。そのティアマットがどこにいるかわかりますか?」

 

「おいおい、本当にやるのかい?

確か、昨日はあの辺りにいたぜぃ。もしかしたら今日もいるかもしれないぜぃ」

 

そう言いながらザトゥージさんは俺の肩に手を置いて遥か向こうにある山を指差した。

 

「あのあたり……」

 

それにしては妖気(オーラ)を一切感じない。

もしも妖気(オーラ)を完全に遮断しているとしたらとんでもないな。

もしかしたら、ミッテルトと同等かそれ以上かもしれない。

俺は部長に断りをいれてティアマットのいるという場所に向かっていった。

 

 

 

*******

 

 

 

山の中にて鎮座している恐るべき巨体。体長10メートルはありそうな青いドラゴンが山の上にて眠っていた。

そして妖気こそ感じないものの、その威圧感は隠すことが出来ていない。

なるほど、これが五大竜王ティアマットか……。

感じる力は覚醒する前のカリオンさんと同等……下手したらそれ以上かもしれない。

そうこうしてると、ティアマットも俺に気づいたようだ。

 

「……人間?いや、ただ者ではなさそうね……。それに何やら懐かしい気配もする……。貴方、何者なのかしら?」

 

「はじめまして。俺今代の赤龍帝、兵藤一誠と申します」

 

「赤龍帝……ですって!?」

 

目を見開くティアマットさん。ドラゴンの姿だからわかりにくいけど、その目からは探し求めていたものをついに見つけたとでも言わんばかりの思いが込められている。

 

『ひ、久しぶりだなティアマット。げ、元気にしてたか?』

 

努めて明るい口調で話しかけるドライグ。

しかしそれとは裏腹にティアマットからは苛立ちが感じられる。

 

「今まで私から逃げていたあなたがどういう風の吹きまわしかしら?」

 

『……その節は本当に済まないと思っている』

 

誠心誠意謝罪するドライグ。しかし、どうやらティアマットは許すつもりはないようだ。

 

「謝罪とかいいの。とっとと貸したものを返しなさい」

 

『い、今の状態では返したくとも返せんのだ!』

 

まあ、確かに今のドライグは籠手に封じられている状態だし返せんわな。仮に疑似魂(ギジコン)魔魂核(アバターコア)を使って作った体に入ったとしても、各地に散らばった以上、手元にないんだから返すことはできない。

ゆえにドライグにできることは謝ることくらいしかできないわけだ。

 

「まあ、確かに今のドライグに言ったところでね……。そこで私は考えたの」 

 

ん?何だろう……。

 

「ドライグがだめなら宿主に連帯保証人として肩代わりしてもらおうってね……」

 

 

・・・・・・・・・・・・・は?

 

 

「ええええええええええええええええええええええ!?」

 

ちょっと待てよ!なんで俺!?

そんな俺が生まれる前からの借金を肩代わりするなんて嫌だぞ!?

 

『すまない、相棒!』

 

「いや、すまないじゃねえよ!なんで俺までそんな太古の借金の保証人にならねえといけねえんだよ!?」

 

『そ、そんなこというなよ……、親友だろ俺たち……』

 

「たとえ親友でも嫌なもんは嫌なんだよ!!」

 

ギャーギャー言い合う俺たちをあきれたような目で見つめるティアマット。

 

「……それにしても、かなり変わったわねドライグ。籠手になってから何かあったのかしら?」

 

『まあな、正確に言えば、今の相棒に出会ってからだな……』

 

確かに昔に比べるとドライグも変わったよな……。

初めて会った頃は傲慢な感じがしたけど、今は以前に比べると謙虚というか、棘がなくなった感じがする。

まあ、自分とは比べ物にならないほどの強者を数年の間で何人も目にしてきたからその影響なのかもしれないな……。

 

「……で、赤龍帝の宿主は結局何しに来たのかしら?ただ謝罪しに来ただけってわけでもなさそうだし……」

 

そうだ。忘れてた。

部長に言われたもう一つの要件も伝えないと……。

 

「えっと……、誠に申し上げにくいんですけど、ティアマットさん俺の使い魔になる気とかあります?」

 

「は?」

 

俺の言葉に気の抜けた声を出すティアマット。

そりゃそうだ、初対面の相手からいきなり使い魔になれ、なんて言われたら驚くに決まっている。

そもそも竜王は誇り高い生き物だ。上位龍族(アークドラゴン)ならともかく、すでに竜王(ドラゴンロード)に至っているドラゴンはミリムさんでも手懐けられないと聞く。

世界が違うとはいえ、ティアマットさんも誇り高き竜王だ。聞き入れてはくれないだろうな。

 

「プッ、アハハハハ」

 

そんなことを考えているとティアマットさんは突然笑いだす。

まあ、こんなこと言うやつふつういないしティアマットさんからすると可笑しいことなんだろう。

 

「久々に笑ったわね……。過去にも何人か私を使い魔にしようとたくらんだ悪魔はいたけど、まさか人間にそんなこと言われるなんて夢にも思わなかったわ」

 

そりゃそうだろ。

というか、悪魔にそんな馬鹿がいたことに驚きだわ。 

 

「いいわ。チャンスをあげましょう」

 

「チャンス?」

 

「私を使い魔にしようとする者にいつも与えている試練の様なものよ。私は自分より弱い者に従う気はないの……。だから……」

 

ティアマットさんはその強靭な翼をはためかせ、飛翔をする。

改めてみるとやはりでかいな……。

抑えていた膨大な妖気(オーラ)も開放しているし、これはもしや……。

 

「私に勝つことができたら、使い魔になってあげてもいいわよ」

 

やっぱそういうことだよな……。

 

「よし!やってやらあ!」 

 

空を飛ぶティアマットさんを見据えて俺は()()()()()()()構えをとる。

ここ久しく実戦なんてしてなかったし、別に戦闘狂ってわけでもないんだが、少しワクワクする自分がいる。

敵は竜王。相手にとって不足なしだぜ!!

 

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