帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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社会人になりました。


迷宮ボスと対決です

 木場side

 

 

 

 

 

「やっと着きましたね」

 

「ええ、ここが五十階層……」

 

 五十階層……テンペスト地下迷宮の表向き最後の階層だとイッセー君から聞いている。約二日かけてここまで辿り着いたわけだけど、僕達はその扉の前で少し尻込みをしていた。……扉の前から凄まじい気配が漂っている。間違いなく、今の僕達よりも格上の存在が向こう側にいる。

 

「じゃあ、開けるわよ」

 

 部長の言葉に僕達は頷き、今までとは異なる豪華な装飾の扉を開ける。

 ギギィ……と重厚感のある音とともに扉が開ききると、眼の前に二頭の怪物が鎮座していた。

 片方は数メートルはあろう牛頭。もう片方は同じくらいの大きさの馬頭だ。二頭とも、日本や中国などの土地に存在する妖怪であり、“はぐれ悪魔”となった個体と戦ったこともある……でも。

 

「……これは、とんでもないわね」

 

 眼前の二頭は今まで出会った牛頭馬頭とは比べ物にならないほどの圧倒的な威圧感を放っている! これは最上級悪魔……もしかしたら、魔王様の眷属にも匹敵するかもしれない! それほどの威圧感だ! 

 二頭の牛頭馬頭はニヤリと口角を上げ、高らかに宣言する。

 

「よく来たな小童共! 俺の名はゴズール! 迷宮五十階層の守護者よ!」

 

「俺の名はメズール! 同じく五十階層の守護者だ!」

 

 っ!? 今までの迷宮の守護者達が知性なき獣のような存在だったから、勘違いしてたけど、流石に迷宮最後の守護者となると、人間と同じく知性ある存在のようだね。

 厄介だ。二頭────いや、この二人は恐らく相応の経験を積んでいるし、その分技術も卓越しているはず。今までの力任せの存在と同じに考えてたら痛い目を見るだろうね。

 

「そちらが名乗ったのだから、此方も名乗らせてもらうわ。私はリアス・グレモリー。こことは違う世界の魔王の妹でイッセーの友人よ」

 

 相手の名乗りに部長も返す。それを聞いたゴズールさんとメズールさんは僕達を吟味するかのように観察すると、クックッと笑い出した。

 

「うむ。貴殿らのことはイッセー殿から聞いている。本来、五十階層の守護者は交代制で行っているのだが……」

 

「イッセー殿からは二人同時に出撃しろと言われてな。イッセー殿がそこまで言うほどの者達。どれほどのものか楽しみよ」

 

 ゴズールさんは部長と軽く握手を交わし、直ぐ様武器を取る。メズールさんも同様で、既に武装を展開している様子だ。

 ゴズールさんは盾と巨大な戦斧。メズールさんはゴズールさんと同様の盾と槍を装備している。どちらの武器も相応の業物だということが見てわかる。あれは僕の作る魔剣と比べても遜色のないかもしれない。

 

「油断せずに行くわよ!」

 

 部長の号令で僕達も構える。二人はそれを見て不敵な笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

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 イッセーside

 

 

 

 

 

「来たぞ。イッセー」

 

「どうやら始まったばかりのようだね」

 

 声の下方向を見ると、アザゼル先生とサーゼクスさんが部屋に入ってくるのを確認できた。どうやら、皆の迷宮攻略の模様を見物しに来たみたいだな。

 

「なるほど……あの二人の牛頭馬頭……相当な使い手だな」

 

「ええ、二人共伊達で五十階層の守護者をやっているわけじゃありませんからね」

 

 十傑と比べると舐められがちだが、ゴズールとメズールは各々が準魔王種級の力を持っており、カリオンさんが進化する前……祝福(ギフト)を受け取る以前のフォビオさんよりも強い。しかも、一人でも厄介だが二人が組むとそのコンビネーションで下手な魔王種を撃破できるほどの力を発揮する。

 子ども達の中でも彼奴等と一対一で勝てるのはアカヤとシンシヤだけだ。

 まあ、集団戦なら工夫をすれば、子ども達でも勝てる相手だし、今の部長達にはちょうどいい相手だろう。

 

「特にメズールは部長達と相性が悪いっすからね。どうやって戦うのか見物っすね」

 

「相性が悪い? それはどういう……」

 

「どうやら始まるみたいだぜ。俺も気になるが……まあ、見りゃわかんだろ。最初からネタバレ食らっちゃつまらねえしな」

 

 アザゼル先生の言葉を聞いて、サーゼクスさんは少し考えてモニターへと視線を戻す。

 

「……アザゼルの言う通りか。ここは見物させてもらうとしよう」

 

 サーゼクスさんの言葉を聞いて、俺達もまた視線を戻した。

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 リアスside

 

 

 

 

 

「滅びよ!」

 

「ぬぅ!? これは……っ!?」

 

 私は魔力を貯め、滅びの魔力を放つ! それを見たゴズールさんは回避する素振りを見せるが、回避しきることができず、右腕を消し飛ばした! 

 

「ぐぬぅ、この俺の右腕を消し飛ばすとは……大した威力だな」

 

 ゴズールさんは抉り取られた右腕を見ながら感心するように呟く。感心しているところ悪いけど、この隙を見逃したりはしないわよ。

 

「今よ! 右側を中心に狙いなさい!」

 

「ああ、わかってるさ!」

 

 ゼノヴィアは即座にゴズールさんの右側面に回り込み、デュランダルに聖なる力を込め、解放する。だけど、ゴズールさんは慌てることなく、()()を振るいゼノヴィアを薙ぎ払った! 

 

「ふん!」

 

「っ!? がはっ!」

 

 咄嗟のことで回避することができず、ゼノヴィアはその一撃を喰らってしまう。

 

「再生……それも、尋常ではない速度で……」

 

「ククク、その通りよ。俺の“超速再生”の前にその程度の攻撃は無意味よ!」

 

 そういいながら、ゴズールさんは右腕を掲げ、自慢の戦斧を振り回す。それを回避しながら、私は再び滅びの魔力を放つ。それを見たゴズールさんは戦斧を回転させ、滅びの魔力に真正面から対抗する。どうやらゴズールさんの戦斧は彼の魔力で覆われているらしく、いとも容易く滅びの魔力を打ち消してしまった! 

 

「はあっ!」

 

「むぅ!」

 

 一瞬の隙をつき、イリナが光の槍を投げつけ、ゴズールさんの眼を潰す。ゴズールさんはそれを鬱陶しげに引っこ抜き、逆にイリナに投げつける。イリナはそれを弾き飛ばしつつ、一気に近づきゴズールさんの攻撃を掻い潜る。

 

「ここまで近づけば、その斧は振り回せないわよ!」

 

 イリナの攻撃を喰らいながらもゴズールさんはまるで慌てずに再生を続ける。瞬間、ゴズールさんの角が紫電を纏いながら激しく発光する。それを見たイリナは冷や汗をかきながら、急いで場を離れようとするが、間に合いそうにない。

 

「ここは私が! 雷光よ!」

 

「っ! “電撃角(ライトニングホーン)”!」

 

 朱乃の雷光とゴズールさんの紫電が激突する。二つの雷は激しいスパークを起こし、直後に爆発する。イリナは何とか回避できたようね。

 

「あひがとうね、朱乃さん」

 

「これくらい、どうということはありませんわ」

 

「ゴズールばかりに目を向けてていいのか?」

 

「「!?」」

 

 いつの間にか、朱乃とイリナの後ろにメズールさんが回り込んでいた! メズールさんはその槍でイリナと朱乃を丸ごと串刺しにしようとする。

 

「させません! “フルバースト”!」

 

「滅びよ!」

 

 ドゴォォンッ!! 

 

 私の滅びの魔力とロスヴァイセのフルバーストでメズールさんを吹き飛ばそうとする。複数属性の魔力の破壊力は凄まじい爆発を起こす! でも、メズールさんはまるで応えた様子がなく、気にした素振りも見せずに朱乃とイリナを貫こうとしていた。

 

「そうはさせない!」

 

 ガギィィンッ! 

 

「むっ!」

 

「炎の聖魔剣!」

 

 ゴォォォゥッ!! 

 

 間一髪の所で祐斗が聖魔剣で防ぐ。どうやら騎士のスピードで間に合ったようね。祐人はメズールさんの槍を捌き、炎の聖魔剣から放たれる炎で牽制する。

 

「ほう、俺の槍を止めるとはやるな! だが……」

 

「なっ!」

 

 メズールさんは至近距離での祐人の炎をも容易くかき消し、祐人を吹き飛ばす! 

 

「……魔力の攻撃が……効かないのか!?」

 

「ほう、気づいたか! 俺の“魔力妨害”は俺の周囲に近付く魔法や魔力の働きを妨害し、無力化する。どれほど強力な魔法も俺の前では無意味よ!」

 

 魔力妨害……確か、メロウも使っていた技ね。その力で私の滅びの魔力やロスヴァイセのフルバーストをも無力化させられたということね、厄介だわ。

 

「喰らえ! “馬超連槍”!」

 

「させませんっ!」

 

 祐人を貫かんとする槍をアーシアが結界で防ぐ。眷属の中でも防御結界の構築に長けているアーシアの結界は流石の一言であり、罅割れながらもメズールさんの槍による連撃を見事に防いでみせた! 

 

「やるな……俺の槍を防ぎ切るとは……だが、これならどうだ! “馬槍穿槍”!」

 

「っ! きゃああっ!?」

 

 アーシアの結界を見たメズールさんは、まるで槍をドリルのように回転させ、結界を削りながら破壊する! アーシアはその威力に耐えきれず、吹き飛んでいく! 

 

「アーシア!」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

 慌てて私は翼を羽撃かせ、アーシアを受け止めて地面に降りる。アーシアは礼を述べながら、再びメズールさんと向き合う。

 

「挟み撃ちよ!」

 

「死ねぃ!」

 

 っ!? 私とアーシアが着地したタイミングでゴズールさんとメズールさんが双方から槍と斧を私達に向けて振り下ろしてきた! “瞬動法”で高速移動をしたのね! このタイミングは躱せない。

 

「させないって言ったはずですよ!」

 

「ほう?」

 

「ここは私が……」

 

「むっ?」

 

 すかさずに瞬動法で移動をした祐人がゴズールさんの剣を弾き、小猫がメズールさん目掛けて飛び膝蹴りを繰り出す。メズールさんは槍でそれを弾き、素早く槍を持ち替えて、着地をした小猫に放つ。それを見た小猫は真剣白刃取りでメズールさんの槍を防いでみせた! 

 

「ぐっ……」

 

「ほう、力で俺と張り合うとは……やるな、小娘!」

 

「っ!?」

 

 メズールさんは槍を押し込むのではなく、勢いよく持ち上げることで小猫を上空へと跳ね飛ばす。小猫は悪魔の翼を駆使して何とか中空に踏みとどまった。しかし、メズールさんは掌から炎を出し、それを小猫に向けて放つ。

 

「“炎馬掌来”!」

 

「さ、させませぇぇんっ!」

 

 メズールさんから放たれた炎をギャスパーが停止させ、その隙に小猫は離脱する。それを確認すると、ギャスパーは停止を解除し、炎はそのまま突き進んでいった。

 

「ふむ、中々面倒なユニークスキルを持っているな……いや、異世界の者なら神器というやつなのか?」

 

「流石にイッセー殿が認める存在ということだな」

 

 祐人と剣を交えていたゴズールさんがその力で祐人を弾き飛ばし、メズールさんと共に私達の前に立ち塞がる。私は弾き飛ばされた祐人に尋ねる。

 

「祐人。どうかしら?」

 

「……どうやら、メズールさんは魔法攻撃が得意のようですね。先程も槍の間に魔法を織り交ぜてるのが見えました。対して、ゴズールさんは近接戦闘に特化してるみたいです。あの斧さばきは僕でも見切ることが難しかったです」

 

 成る程。大体は私の考えと同じね。

 ゴズールさんの斧は遠目から見た私も見切ることはできなかった。でも……。

 私は先程までの戦闘を振り返り、改めて皆に指示を出す。

 

「ゴズールさんは祐人、ゼノヴィア、イリナ、朱乃に任すわ。私とロスヴァイセは小猫を前衛にしつつ、メズールさんを対処する。ギャスパーはアーシアを守りつつ、自己判断でサポートをしてちょうだい」

 

「なっ! それは危険では? あのメズールさんは魔力攻撃を主とした部長達では相性が悪い。それよりも、僕達がメズールさんの方を……」

 

「いえ。正直、私じゃあゴズールさんの攻撃が見切れそうにないのよ。でも、剣士である三人なら見切れる筈よ。あの雷も、同じ雷の使い手である朱乃なら対処できると思うわ」

 

「……なるほど。でも、ゴズール殿の再生能力はどうするんだ? あの再生能力はデュランダルでも突破できるかどうか……」

 

「いえ、それは違うと思うわ」

 

 確かに、普通に考えればゼノヴィアの懸念も最もだと思うけど、私は先程の再生を見て思うところがあるの。

 

「確かにあの再生能力は驚異的だけど、あれ程の力が長く続くとは思えない。いつか限界が来るはずよ」

 

 思い返すは先程の攻防。あの時、ゴズールさんは私の滅びの魔力をわざわざ斧で弾いていた。あれ程の再生能力があるんだったら、そんな事しないで気にせずに攻撃すればいいもの……このことから、あの人の再生能力には限界があるんじゃないかと思うのよね。

 

「メズールさんにしたって、妨害できる魔力には限界があるはず……私の滅びと、ロスヴァイセのフルバーストならそれも可能なはず」

 

「成る程。確かにそれは一理ありそうだね」

 

「わかりました。やってみせましょう」

 

 ゼノヴィアとロスヴァイセは気合を入れ、各々の戦う相手に向かい合う。それを見た二人の守護者は面白そうに口角を上げた。

 

「いいだろう! かかってこい!」

 

 ゴズールさんの宣言を皮切りに戦闘は再開する。私達は全霊を持って、この二人に挑むのだった。

 

 

 

 

 

 




書き溜め尽きたんで投稿遅れるかもです(最近小説書くモチベが……一応執筆でき次第、なるだけ時間通りに投稿します)

イッセー対ミッテルト

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