帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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今回批判あるかも


五十階層突破です

 木場side

 

 

 

 

「はあ!」

 

「えい!」

 

 イリナさんとゼノヴィア、二人の連撃がゴズールさんに迫る。激しいながらも息のあった連携はエクソシスト時代より培われたものだろうね。ゴズールさんはその凄まじい連携を前にしながらも慌てることなく、巨大な斧を駆使してその攻撃を防いでいた。

 

 ガギィン! 

 

「中々の連携だが、俺には通じん! “電撃角(ライトニングホーン)”!」

 

 イリナさんとゼノヴィアの波状攻撃を弾いたゴズールさんはそのまま角に雷を貯め、二人に向けて放とうとする。

 

 バチバチィ! 

 

 凄まじいまでの雷撃。多分、直撃すれば無事じゃ済まないと思う。でも、二人は慌てることなく、ゴズールさんにそのまま向かっていく。二人の行動に訝しげにするゴズールさんだが、すぐにその瞳は驚愕の色に染まった。

 

「させませんわ!」

 

「なぁっ!?」

 

 ゴズールさんの放った雷撃は二人に直撃することなく、別の方向へと誘導された。朱乃さんは強力な電磁波を発することで、ゴズールさんの雷を誘導したのだ。これには流石のゴズールさんも目を剥いているみたいだ。

 

「今だ! 聖魔剣!」

 

 ズドドドドドドドドッ!! 

 

 僕はその隙を見逃さず、聖魔剣を地面に突き刺し、地より這い出る数多の剣でゴズールさんの足を縫い留める! 

 

「ふん、なめるなよ!」

 

 ゴズールさんは自らを貫いた聖魔剣に冷や汗をかきながらもその強靭な肉体で無理やり脱出しようとする。バリバリと軽快な音とともに聖魔剣の拘束を破ったゴズールさんは瞬時に肉体を再生させ、僕に襲い掛かろうとする! 

 

「さ、させません!」

 

 そこに薄緑の綺麗な障壁が眼の前に現れ、ゴズールさんの攻撃を防ぐ! アーシアさんの結界が僕を守ってくれたんだ! 

 

「雷光よ!」

 

 動揺するゴズールさんに雷光の矢が迫る! 直ぐにそれに気づいたゴズールさんは角より出る電撃で矢を迎撃していくけど、アーシアさんの障壁に気を取られて反応が遅れた分、いくつかの矢を喰らったみたいだね。

 

「今がチャンスね!」

 

「ああ、畳み掛けるぞ!」

 

 再びイリナさんとゼノヴィアが波状攻撃を仕掛ける! ゴズールさんはそれを斧で迎撃しようとするけど、ゼノヴィアとイリナさんら僅かな隙を見逃さず、次々と細かい傷をつけていく! 

 

「お前の動きは見切った!」

 

「またまだ行くわよ!」

 

「ぐっ……」

 

 振り下ろされる斧を回避すると、ゼノヴィアはデュランダルに力を込め、それを解放する! デュランダルから放たれた聖なる一撃はゴズールさんの斧を持ってしても防ぐことはできず、斧とともにゴズールさんを袈裟切りにした! 

 

「無駄だ! この斧は最早俺の一部も同然! 我が身同様再生させることもできるのだ!」

 

「「!?」」

 

 ゴズールさんの宣言通り、斧はみるみると再生し、大技を放ち隙だらけとなったゼノヴィアを斬り裂かんと襲ってくる! 僕はすかさずゼノヴィアの前に立ち、ゴズールさんの斧の軌道をずらしてみせた! 

 

 ビリビリッ! 

 

 くっ! わかってはいたけど、なんて重い攻撃なんだ!  こうして受け止めるだけでも腕がしびれる! 

 

(でも、負けるわけには行かない!)

 

 力は向こうが圧倒的に上。速度も正直あまり変わらない感じだ。このままでは押し切られる。……このままじゃ駄目なんだ! ここで強くなれなきゃ、僕達はいつまで経ってもイッセー君におんぶに抱っこの形になってしまう! 力ではどうあがいても敵わない……なら、もっと速く! 

 

「うおおおおっ!!」

 

 ガギギギギギギギギィン! 

 

「なっ!? さらに速度が上がっただと!?」

 

 僕は脚が悲鳴を上げているのを無視しながら、更に強く踏み込んで速度を上げる! 

 だけど、その速度にもゴズールさんは即座に対応している。まだだ。まだ足りない。もっと速く……もっと強く! 

 

「デュランダル!」

 

「雷光よ!」

 

「えいっ!」

 

 ガギィィンッ! 

 

 そこにゼノヴィアとイリナさん、朱乃さんの三人が割って入る。三人の波状攻撃を前には流石のゴズールさんも耐えきることができなかったらしく、後方の壁まで吹き飛ばされる。それでもまだ再生するんだから凄まじい。

 

「でも、負けない!」

 

 再生の速度が速いんだったら、それよりも速く倒すんだ! ゼノヴィアのような破壊力を持たない僕にできるのは速度を活かすこと……再生が間に合わないほどの速度で剣撃を叩き込むしかない! 

 

「うおおおおおおっ!!」

 

 ガガガガガガッ!!! 

 

「ぐっ、まだ上がるというのか……っ!?」

 

 徐々に僕の斬撃に対応しきれなくなったらしく、ゴズールさんの体に少しずつ攻撃が入るようになってきた。もっと、もっと……イッセー君にだって負けないぐらい、速く! 

 

『────確認しました。個体名木場祐斗がユニークスキル“疾走者(ハヤキモノ)”を獲得しました』

 

「なっ!?」

 

 何処からともなく変な声が僕の頭の中に響いた。次の瞬間、僕は今までにないくらい疾く動いた! 

 突如として加速した僕の剣に対応できず、ゴズールさんは切り裂かれ、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「がはっ!?」

 

 何だ……今の速度は……? 僕自身が制御できないほどの速度……。それが前触れなく唐突に出たんだ。さっき聞こえた声から察するに、これがユニークスキルと言う奴なのか? 

 

「ぐっ、まさかユニークスキルを手に入れるとはな……だが、今手に入れたばかりの力を全て把握できる道理なし……これで終わりだ!」

 

 ゴズールさんは雷を纏わせた斧を僕目掛けて思い切りぶん投げた! 僕はすぐに立ち上がり、身構えるが体勢が悪い……でも、心配はいらない! 

 ゴズールさんの斧を狙い撃とうとしている朱乃さんの姿が目に写っていたから……。

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 朱乃side

 

 

 

 

 

 裕斗君目掛けて飛んでいく斧に狙いをつけ、私は手を翳す。

 

「雷光よ!」

 

 バチィッ! 

 

 雷光の矢は斧目掛けて真っ直ぐと翔んでいき、見事に斧を弾いてみせた。

 

「チィ! だが、この斧は我が身同然といったはずだぞ!」

 

 その宣言通り、弾かれた斧は旋回し、ゴズールさんの手元へと戻っていく。そして、その遠心力を利用し、肉薄するゼノヴィアちゃんとイリナちゃんを弾き飛ばした! 

 

「ぐっ……」

 

「手強いわね……」

 

 電撃は封じている。次はあの斧を封じなければならない。でも、ただ壊すだけじゃ駄目……どうすれば……。

 

(……いいえ、ここで弱気になったら、イッセー君の隣になんか立てそうにありませんわ!)

 

 メロウとの戦い……私は母様と戦い、母様の尊厳を救おうと必死だった。でも、それをいとも容易く踏み躙られて、心が張り裂けそうになって……そんな中、彼は私の無念を晴らすため、必死に戦ってくれた。

 私の為に必死で戦ってくれたイッセー君。あの時の姿は忘れない。

 

(私はその恩を返したい! その為にも、強くなりたい!)

 

 イッセー君やミッテルトちゃんが過ごしたここでなら、私も強くなれるかもしれない。そう思って私はこの世界に来た。

 実際、ここの人達は凄まじい強さを持っている。子ども達ですら、私達を上回る程の力を持っているのだから、他の人達の強さは想像を絶するものなのでしょう……。

 

「でも、諦めたりはしませんわ! 強くなってイッセー君に褒めてもらう為にも、絶対に負けませんわ!」

 

『────確認しました。個体名姫島朱乃がユニークスキル“稲妻様(カミナリサマ)”を獲得しました』

 

 瞬間、私の放つ雷が更に大きな物となった! それだけじゃない、以前よりもスムーズに雷を放つことができている……。これがユニークスキル……。

 

(イッセー君の言ってた通りね……)

 

 イッセー君は、こちらの世界では魔素と呼ばれる大気に漂う魔力の作用で修行をすれば、ユニークスキルと呼ばれる力を手に入れやすいかもしれないと言っていた。流石はイッセー君ですわね。

 

(でも、いきなり使っても今の裕斗君の二の舞いになってしまうのがオチ……まずは新しく得た力がどのようなものなのかを見極めないと……)

 

「雷光よ!」

 

 私は雷光の弓矢に新たな力を込め、それを放つ! 

 以前の雷光よりも速くなったそれをゴズールさんはいとも容易く弾き返していく。

 

「フハハハッ! この程度かぁ!?」

 

 速度は上がっても威力までは変わっていない? そう思いながら、私はもう一度雷光の矢を放つ。ゴズールさんは余裕の笑みを浮かべながら、それを先程のように防ごうとする……しかし────

 

 ズガァァァァンッ!! 

 

「なぁっ!?」

 

 なんと、斧に触れた矢は炸裂し、凄まじい爆発と放電を起こしたのだ! 

 

「これは……相手に雷光を蓄積する力?」

 

 そう考えれば説明がつく。今までの雷光の力が彼の斧にどんどん蓄積していき、限界を迎え、暴発したのね。

 これなら、サポートだけでなく私も相手にダメージを与えることができる……。

 

「ぐっ、やってくれたな……」

 

 ゴズールさんは斧を再生させながら、私に雷を放つ。それを受け止めながら、私は再度雷光の矢を生成し、それを放った。

 

「ぐっ、何度も食らうとでも……」

 

「させん!」

 

「私達の事を忘れないでよね!」

 

 雷光の矢を全て雷で弾き返そうとするのを見て、イリナちゃんとゼノヴィアちゃんがそれを防がんと奮起する。

 再び開始されたその波状攻撃を防ぐことができず、ゴズールさんは私の雷光を幾度かその体で受けてしまった。

 

 ズガァァァァンッ!! 

 

 炸裂する雷光の矢が彼の身体を大きく抉る。その再生能力で肉体の損傷を治しつつ、ゼノヴィアちゃんとイリナちゃんを両断せんとその斧に力を込める……でも。

 

「させません! 私だって、お役に立ちたいんです!」

 

 アーシアちゃんがその斧の一撃を遠隔の結界で見事に防いでみせた。アーシアちゃんの魔力の操作も向上しているみたいね。私は頼もしい後輩の力に思わず笑みを浮かべる。

 

「瞬裂斬っ!」

 

 ザンッ! 

 

 大きく目を見開いたゴズールさんの隙を見逃さず、裕斗君が今までとは比べ物にならない速さでその腕を切り裂いた。

 ゴズールさんの腕は斧とともに地に落ちる────それよりも速く、裕斗君はゴズールさんの体を切り刻んでいく! 

 

「ぐおおおおおおっ!?」

 

 彼の眼でも見極められない圧倒的な速さに苦悶の声を浮かべる。それを見たゼノヴィアちゃんとイリナちゃんも、合いの手を挟むように、剣撃を叩き込んでいく。

 

「まだまだ行くわよ!」

 

「デュランダルの力、思い知るといい!」

 

 デュランダルと光の剣により、ゴズールさんは壁際にまで吹き飛ばされる。でも、彼は苦悶の表情の中に僅かな笑みを浮かべている様子。何かある。その考えは間違っていなかったようで、ゴズールさんに集中している三人の後方で斧がスーッと浮かび上がり、三人を同時に斬り裂かんと旋回しながら彼の手元に戻っていこうとしている。

 

「これは躱せまい! “牛鬼旋嵐斬“!」

 

 斧は雷を纏い、今までにない速度で裕斗君達に迫っている。アーシアちゃんの障壁も、私の矢も間に合いそうにない速度。それを見て焦るけど、私はふとあることに気付いた。

 彼の斧が帯電しているだ。彼の角から出る電撃? ────否、あれは私の雷の魔力だ。それを確認した私は咄嗟に手を翳し、魔力を込める。

 

 ────ズンッ!! 

 

 すると、猛スピードで三人に迫っていた斧は、突如として地面に急降下し、めり込んだのだ! 

 

「なにぃ!?」

 

 あまりに突然のことで眼を丸くするゴズールさん。私自身、驚いている。あれは……磁力? 

 

(対象に帯電させる力は電撃の威力を上げるだけじゃない……電磁力として対象を拘束することもできるのね)

 

 流石にゴズールさん本人には通じなさそうだけど、金属製の武器にならば凄まじい効果を発揮しそうですわね。

 呆然とするゴズールさんの眼前にまで迫る三人。三人はそれぞれの武器を解放し、一気に解き放った! 

 

「デュランダルッ!!」

 

「天使の光、見せてあげるわ!」

 

 ザンッ! ザンッ! 

 

 デュランダルの輝きとイリナちゃんの光の剣が彼の腕と角を切断する。

 反撃の術を失った相手に裕斗君は聖魔剣にありったけの力を込め、一気に加速させた! 

 

「朧・地天轟雷!!」

 

 ズドォォォオンッ!! 

 

 朧流の上段の斬撃がゴズールさんに降りかかる。角と腕を失ったゴズールさんは躱すことも防ぐこともできず、そのまま脳天にその剣の一撃を喰らった! 

 

「……見事」

 

 勢いよく血を頭から吹き出しながらそう言い残すと、ゴズールさんは粒子となって消えていった。

 こうして、私達の戦いは幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 小猫side

 

 

 

 

 

「クハハハハッ! やるな小娘! 拳でこの俺の槍を捌くとは……」

 

「くっ……」

 

 私はメズールさんの槍をなんとか受け流しながら、拳を放っていた。

 メズールさんの槍さばきは尋常じゃない……それでも、何度か攻撃を食らわせることはできている……でも……。

 

(堅い……それに、再生している……)

 

「クククッ、その通り! ゴズールの“超速再生”程ではないが、俺も“自己再生”による再生能力を備えているのだ!」

 

 メズールさんもゴズールさんと同じで再生能力を持っているみたいですね……それに、先程から“気”を流していると言うのに、応えた様子がまるでない。

 私が不審に思っていると、メズールさんは笑いながら私の疑問に答えた。

 

「どうやら貴様も仙術が使えるようだが……黒歌殿やモミジ殿ほど洗練されたものではないな! ならば、俺の魔力で貴様の“気”を抑え込めば、影響は受けんよ!」

 

 やはりそうですか……。姉様もこの場所で修行していたと言っていたし、メズールさん達はフェンリルとは違って仙術を抑え込む術を知っているんだ……。

 

(やりにくい……でも……)

 

 負けるわけにはいかない。

 神祖の弟子達は皆、魔王であるセラフォルー様や、神であるオーディン様をも上回る力を持っていた……。

 イッセー先輩や姉様と共にいる以上、“禍の団”だけでなく、神祖の手下とも相対しなくちゃならない。

 

「そのためにも……こんな所で負けるわけにはいかないんです……!」

 

 決意を新たに拳を握る。すると、今までに感じたことがないほどの大きな力が私の拳に宿るのを感じた……。

 

『確認しました。個体名白音がユニークスキル“拳闘者(ナグルモノ)”を獲得、それと同時にエクストラスキル“仙術”を獲得、“拳闘者”と統合されます』

 

「なにっ!?」

 

 ドゴンッ!! 

 

 今までにない程の手応えを拳から感じる。メズールさんは口から唾液を吐き、信じられないといった表情で私を見ている。

 

「ぐはっ……この威力、先程までとはまるで違う……しかも、仙術が強化されているだと……?」

 

 私もそれは感じている。今まで意識して操っていた“気”を、まるで自分の身体の一部みたいにスムーズに巡らせる事ができている……。

 

「ユニークスキルにエクストラスキル……イッセー先輩と姉様の言っていた……」

 

 この感覚がスキルとやらの恩恵なら凄いことだ。まだまだ未熟だろうけど、この力があれば少しはイッセー先輩や姉様達に追いつけるかもしれない。

 

「まだまだ行きます……」

 

「フン、舐めるなよ。先程は不意を付かれたが、二度は通じんよ!」

 

 宣言通り、メズールさんは私の拳を逆に受け流したりして回避している。何度か直撃はするけど、先程みたいなダメージはない……多分、魔力で防御しているんだ。

 

「どうした! ユニークスキルを得てもこの程度か────っ!?」

 

「今です! フルバースト!!」

 

 ドゴォォォォォンッ!! 

 

 私は一瞬の隙をついてその場から離脱する。瞬間、風や炎、水に雷といった様々な属性の魔力を浴びた攻撃がメズールさんを襲った。

 先程までずっと魔力をためていたロスヴァイセさんが“フルバースト”でメズールさんを攻撃したんだ。

 メズールさんは自らの身体を見て驚いている様子。その姿はボロボロで、先程までとは違い、間違いなくダメージを受けているみたいですね……。

 

「ぐっ、なるほど……仙術か! “気”の力で我の“魔力妨害”を弱めたのだな!」

 

「その通りです。小猫さんが仙術で貴方の防御を崩したおかげで私の魔法が効くようになったんですよ」

 

「小癪な真似を……だが、その程度で……」

 

 そこまで言うと、メズールさんは目を見開き、バッと振り返った。そこには大気が震えるほどの魔力を溜めていた部長の姿があった……。

 

 

 

 

 ****************************

 

 リアスside

 

 

 

 

 

 小猫が時間を稼いでくれたお陰で魔力を溜める事ができた。

 私は今まで“隠形法”で姿と気配を隠しながら、ずっと魔力を溜めていた。元々はメズールさんの防御ごと貫くためのものだけど、小猫が彼の防御を剥がしてくれた今なら、一撃で消滅させられるはず。

 ────私の滅びの魔力と、()()()()を組み合わせれば! 

 

「行くわよ! “消滅の魔星(イクスティングイッシュ・スター)”!」

 

 私の滅びの力が一直線にメズールさんに向かっていく! その破壊力は、普段のものを遥かに超越している! 思い返すはシンシヤちゃんとの戦いだ……。

 あの時、私は一矢報いることすらできず、彼女に敗北を喫した。もしも彼女が本気だったら、多分何をすることもできずに全滅していたかもしれない。彼女からはそれほどの強さを感じた……。

 

(悔しい!!)

 

 自分よりも年下の子どもに敗北するなんて……。確かに彼女は強かった。でも、それはそれとして本当に悔しいのよ! 

 

(このままじゃあ、イッセーに追いつくなんて夢のまた夢よ……)

 

 その不甲斐なさを糧に、私は迷宮に入る以前からずっと自分自身の力と向き合っていたの。全てはイッセーと隣で闘いたいがために……。

 そんな時、私の頭に不思議な声が響いた。さっき迄はまだ慣れずに使えなかったけど、集中して力を溜められたお陰でやっと制御できた。

 

「ユニークスキル“消失者(ケシサルモノ)”! その力、見せてあげるわ!」

 

 このスキルは滅びの魔力の精密操作を可能にし、破壊力を強化することができる。それこそ、()()すらも飲み込み、空気を消滅させてしまう程の滅びの力を……。

 この特性を付与すれば、空気抵抗といったものがなくなり、今までにない速度で滅びの魔力を打ち出すことができる。

 その速度に焦りを覚えたメズールさんは、咄嗟に障壁を作り出そうとする────無駄よ。

 

「ギャスパー」

 

「は、はいぃぃぃっ! が、頑張りますぅぅ!!」

 

「うおっ!?」

 

 障壁を貼ろうとしたメズールさんの動きが止まる。その時間はわずか数秒もない。それでも、速度の上がった新しい滅びの力ならその隙をつくことができる! 

 

「……ここまでか……」

 

 バシュゥゥゥゥゥゥゥッ!!! 

 

 そう言いながら、メズールさんは滅びの力に飲み込まれる。その破壊力と吸引力は凄まじく、小猫とギャスパー、ロスヴァイセ達も巻き込まれないように必死に堪えている。その破滅的な破壊力に巻き込まれたメズールさんは、塵一つ残らず消滅した。

 

「……勝った?」

 

 まだ実感がわかない。メズールさんの身体は消滅し、魔力の残滓も感じない。それを見たギャスパーはへなへなと座りながら、嬉しそうに言う。

 

「や、やりましたぁぁ!」

 

「ええ」

 

「やった……」

 

 ギャスパーの言葉に頷く皆。

 チラリと裕斗達を見ると、ほとんど同時にゴズールさんを倒していたみたいだ。それを見た私はようやく実感が湧いてきた。

 

「勝った……勝ったのね……!」

 

 嬉しい。貴族としては抑えなければならないのかもしれない。それでも、勝った実感が湧いてきた私はついついガッツポーズをしてしまうのだった。




リアス、木場、小猫、朱乃のユニークスキル解禁です!
本当は出すかどうか滅茶苦茶悩んだんですけど、今後神祖達と戦う上で、やはり根本的なパワーアップはしないとなと思い、解禁しました。
ちなみにこの四人はイッセー加入前のグレモリー眷属達です(ギャスパー除く)。
ギャスパーのユニークスキルはどんなのにしようかまだ考え中というのもあるのですが、出すとしたら相応しい章があるかなと思い、この四人にしました。
取り敢えず、ユニークスキル獲得組の現時点のステータスを出しときます。

リアス・グレモリー
EP 16万9666
種族 上級悪魔
加護 グレモリーの加護
称号 グレモリー家次期当主、(キング)
ユニークスキル “消失者(ケシサルモノ)
消失、対象指定、魔力操作、思考加速、魔力感知
消失は滅びの魔力の滅ぼす範囲を拡張させる力。この力を使用することで、大気や魔力といった非物質も消滅させることが可能(抵抗可能)。また、対象指定は滅びの魔力の滅ぼす対象を設定できる力。モデルは特になし。

姫島朱乃
EP 15万2263
種族 眷属悪魔
加護 グレモリーの加護
称号 グレモリー眷属女王(クイーン)、雷光の巫女
ユニークスキル “稲妻様(カミナリサマ)
帯電、蓄電、魔力操作、解析鑑定
このスキルの目玉は帯電と蓄電。帯電は相手に電力を帯びさせ、電磁石化させるというもの。また、蓄電は相手に電力を蓄積し、電撃の威力を底上げさせるというもの。モデルは金色のガッシュのジケルドとザグルゼム
 

木場裕斗
EP 16万3586(聖魔剣+5万(最大))
種族 眷属悪魔
加護 グレモリーの加護
称号 グレモリー眷属騎士(ナイト)
ユニークスキル “疾走者(ハヤキモノ)
加速、脚力強化、魔力感知、思考加速
騎士としての速度を求めた結果生まれた木場のスキル。加速はある地点から一気に速度を加速させるというものであり、制御は難しいが、脚力強化と合わせることで、並の覚醒魔王をも上回る速度を発揮することができる。モデルは沢田綱吉のxグローブVersionボンゴレ。

 

塔城小猫
EP 24万2992
種族 眷属悪魔
加護 グレモリーの加護
称号 グレモリー眷属戦車(ルーク)
ユニークスキル “拳闘者(ナグルモノ)
剛力、金剛身体、連撃、思考加速、仙術
殴ることに特化したユニークスキル。剛力は拳の力を強化し、金剛身体は肉体の強度そのものを強化する。この二つは併用可能であり、金剛身体で強化された拳に更に剛力を乗せることもできる。連撃は殴れば殴るほどに威力を上げる権能であり、仙術もこのスキルに組み込まれ、強化されている。モデルは七つの大罪のデリエリの連撃星

イッセー対ミッテルト

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