帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

114 / 155
新しい武器です

 イッセーside

 

 

 

 

 

「新しい……武器ですか?」

 

「そう。皆のために用意してもらったんだ」

 

「ど、どういうことなの? イッセー?」

 

 フフフ、驚いてる驚いてる。部長も小猫ちゃん達も、まさか自分専用の武器を用意してるだなんて思っても見なかっただろうな。

 

「まず、部長達の強化を考えていたのは部長達だけじゃない……俺とミッテルトも部長達を強くするために色々考えてたんですよ」

 

「迷宮攻略もその一環……でも、戦闘経験を底上げしても、装備の差で負けるなんて例もいくつかあるんすよ」

 

 具体例をあげるならアルベルトさんだな。帝国侵攻時に彼はクリシュナさんと戦い敗北している。

 仙人級のクリシュナさんと当時魔王種級だったアルベルトさんは身体能力的には五分。戦闘経験や技術を加味すれば、アルベルトさんが圧倒的に有利だった。

 そんなアルベルトさんが負けた理由が武器にある。武器性能で相手に上回られたから、当時のアルベルトさんは負けてしまったのだ。

 それくらい武器は戦いにおける重要なファクターだ。

 

「そこで、俺が皆に合いそうな武器を見繕ったんです」

 

「お前が見繕ったのか? ……いや、確かにコイツラの事を見続けたお前が直接見繕ったほうが手っ取り早いか」

 

 アザゼル先生は呆れたように呟く。それに対してクロベエさんとカイジンさんはやれやれと言ったふうに呟く。

 

「イッセーのやつ、いきなり来て武器を作ってくれって頼んできてよぅ……苦労したぜ」

 

「んだ。でも、性能は保証するだよ」

 

 そう。この武器、俺がこの世界に来た後すぐに作ってくれるように頼んだんだ。今の部長達の力を強化するためにも最適な武器だと思うぜ。

 

「……ありがとうイッセー。クロベエさんもカイジンさんもありがとうございます」

 

「いいってことよ」

 

「んだ。こちらこそ、いい仕事させてもらっただべよ」

 

「……まあ、木場とゼノヴィアは聖魔剣とデュランダルがあるし、今回は見送る感じだ。あと、ロスヴァイセさんもだけど……大丈夫?」

 

 実は木場とゼノヴィア、ロスヴァイセさんの武器は用意してないんだよな……。木場の聖魔剣はどんな武器でも自分の想像力次第で作れるわけだし、下手に新しい武器を渡すと長所を阻害しかねない。デュランダルも同じく、既に“伝説級”の武器を持っている以上、これ以上の武器はいらないだろう。ロスヴァイセさんに関しては、まだ眷属入りしたばかりでどんな武器が合っているのかわからないというのが大きい。

 一応事後相談になっちゃうけど、三人に聞いてみる。もし、こういう武器がほしいとか言われるんなら、クロベエさん達に頼む必要があるしな。だが、ゼノヴィアと木場は特に気にした様子はないようだ。

 

「そうか。まあ、構わないよ。イッセーの言う通り、私にはデュランダルがあるからな」

 

「僕も同じさ。イッセー君が選んでくれる武器には少し興味があるけど、僕には皆の想いが詰まった聖魔剣がある」

 

「新しい杖とかは興味ありますが、現状は私も問題ないです」

 

 それなら大丈夫かな……。正直文句言われたらどうしようと思ってたから、少しホッとしたぜ。じゃあ早速皆に武器を渡すとするか。俺は並んだ武器類から一つを取り出し、それを部長に渡した。

 

「これは籠手ね……」

 

 部長が手に取ったのはスマートな形状をした赤い籠手。その色合いは何処となく部長の真紅の髪を想起させるな。

 

「ああ。嬢ちゃん専用の“真紅の籠手”だ。コイツは素の威力は勿論、使用者の魔力の力を直接纏わせるっていう力があるんだ。嬢ちゃんは接近戦が弱いって話だが、コイツを使えば話に聞いた“滅びの魔力”とやらを纏わせた徒手空拳による攻撃ができるようになるぜ」

 

「通常の魔力も増幅される効果も付いてるだ。役に立つ筈だべ」

 

「なるほど……それは戦術の幅も広がりそうね」

 

 部長はお気に召したようで籠手をつけながらじっと眺めている。

 

「…………籠手……フフ、イッセーとお揃いね」

 

「ぐっ! リアスばかりズルい!」

 

「ぐぬぬ……私も籠手が良かったです……」

 

 何やら皆怨めしそうに部長を睨みつけている。対して部長はどこ吹く風。うっとりと自分の武器を眺めている。何だこの反応? 

 

「えっと、朱乃さんにはこれです」

 

「あらあら。これは大幣ですわね」

 

 朱乃さんに渡したのは大幣。木の部分は綺麗な黄金色をしており、神々しさを持っている。

 

「ああ。そいつは“雷の大幣”。雷の魔力を増幅させるんだ。さらに、増幅させた雷をそのまま貯蔵することもできる」

 

「本人の魔力が尽きたとしても、予め貯蔵した雷を使えば大分楽になるだよ」

 

「大幣は普段から使ってますし、大分使いやすそうですわ。ありがとう、イッセー君」

 

 朱乃さんは目を輝かせながら俺にお礼をいう。そう言ってもらえると、見繕った甲斐があるな。

 

「私のはグローブですね……」

 

「ああ。小猫ちゃんのは“生命のグローブ”。疲労軽減効果や軽い怪我を治癒する力があるんだ」

 

 小猫ちゃんは火車による遠距離攻撃もできるけど、基本的には近接戦闘特化型だからな。下手に特殊な効果を付与するよりも、負担を軽減する方がいいだろうと考えたんだ。

 

「次はアーシアだ」

 

「わ、私のもあるんですか!?」

 

「勿論! 色々悩んだけどな……」

 

 そう言って俺はアーシアに数枚の御札を渡す。

 

「こいつは“祈の護符”。魔力貯蔵と魔力付与、それとアーシアが使う魔法の力を底上げすることができるんだ」

 

 コレを使えばアーシアの防御魔法は更に強固なものとなる。それだけじゃない。この札の凄い点は魔力を付与できるところにある。

 付与した魔力はアーシアの意志で自由に発動することができ、コレを使えばアーシアがその場にいなくとも、札を持っている者の回復ができるんだ。

 

「ありがとうございます! イッセーさん!」

 

 アーシアが札に触れると、札はアーシアに吸収されるかのように消えていく。

 不思議そうにするアーシアだがこれは俺の考えた通りの現象だ。流石はクロベエさん、要望通りだな。上手く行ったみたいでよかったぜ。

 

「い、イッセーさん……これは……?」

 

「大丈夫。俺の“赤龍帝の籠手”にアスカロンを同化させたのと同じで札がアーシアの中の“聖母の微笑”と融合したんだ」

 

「神器と融合だと?」

 

 俺の言葉にアザゼル先生が問いかける。その表情は驚愕に満ちており、今の現象に驚いているのがよく分かる。

 

「はい。神器は思いの力で如何様にも形を変える。現に、アスカロンもドライグと同化してますからね。その現象から思いついて、クロベエさんに頼んでみたんです」

 

「なるほど……同化現象を利用したのか……面白い発想するな」

 

 アザゼル先生は興味深そうにアーシアをジロジロと見つめ、アーシアは少し困惑しつつも照れくさそうにしている。

 神器の同化現象は持ち主の思いに左右される現象だけど、何時でも切り離しが可能なため、真の意味で同化しているわけではない。でも、この札にはクロベエさんの“神職人”の“物質変換”と“空間収納”の力が付与されており、アーシアが触れることでその力が発動する仕掛けを施していたんだ。結果、札とアーシアの神器は完全に溶け合い、融合した形になっているわけだ。

 札はアーシアの意志で自由に作れるし、神器と一体化しているからアーシアの魔力が尽きない限り、札が尽きることもない。我ながらなかなかいいアイデアだと思うな。

 

「で、お次はギャー助。武器ってほどじゃないけど、このコンタクトをやるよ」

 

「こ、コンタクトですか?」

 

「ああ。これはお前の視界を強化する力があるから、コレがあれば遠距離からでもくっきりはっきり見えるぜ」

 

 勿論それだけじゃない。この“魔眼専用コンタクト”には魔眼の力の対象指定ができるようになる。魔眼の効果が適用される相手をギャスパーの意志で指定可能だから、乱戦中でも“停止世界の邪眼”の力を使うことができるんだ。

 これは以前アザゼル先生が作った“神器封印メガネ”を参考に俺が設計した。神器を封印するのではなく、指向性を持たせるためのコンタクトというわけだ。ちなみにコンタクトにした理由は戦闘中に外れる心配がないため。眼鏡だと弾かれると吹っ飛ぶ恐れがあるけど、コンタクトにはそれがないしな。

 ギャスパーにコンタクトを渡すと、ギャスパーは少し狼狽えながら辺りをキョロキョロしている。どうしたんだ? 

 

「どうした? ギャスパー?」

 

「……こ、コンタクト怖いですぅぅ!!」

 

 ……なんかイラッと来た。コイツ、こういう所はまるで成長してないな。その発言にカイジンさんは愉快そうに笑っている様子。

 

「まあ、気が向いたらでいいさ」

 

「うぅ……は、はいぃ……」

 

 まあ、ギャー助はなんやかんやで根性はあるし、戦闘になればつけてくれるだろう。……多分。

 

「最後はイリナだな。イリナにはこの“聖刀”だ」

 

「ありがとう! イッセー君!」

 

 俺はイリナに聖剣ならぬ“聖刀”を渡す。イリナはエクソシスト時代は“擬態の聖剣”を日本刀のような形にして戦っていたので、それに合わせて聖なる力がふんだんに込められた日本刀の作成を依頼したんだ。

 クロベエさん自身に聖なる力はないけど、この工房には神聖魔法も使える鍛冶職人もいるからな。それに“神職人”の力を組み合わせることで作られたってわけだ。それを受け取ったイリナはまじまじと刀を見つめている。

 

「イッセー君、これも何か特別な力があるの?」

 

「おお、鋭いな。イリナの刀はミームと同じ“孔空き”の武器で、宝玉を嵌め込む事で属性を変更できるんだ」

 

 俺はそう言いながら、イリナの刀の柄にある穴に宝玉を嵌め込む。すると、刀は風を纏い鋭さを更に増していった。

 

「これは“風の宝玉”。見ての通り、刀に風属性を付与する宝玉だ。コレ以外にも“水”“土”“炎”の宝玉も渡しとくから、状況に合わせて使ってくれ」

 

「す、凄い! ありがとうイッセー君! この刀、大事にするね!」

 

 イリナは刀の力を知ると、大はしゃぎで刀をぶん回し始めた。危ないだろ……。

 まあ、嬉しそうにしてくれてよかったよ。俺はクロベエさん達にポイントを譲渡しながら皆を微笑ましく見つめるのだった。

 

「お邪魔します!」

 

「うん?」

 

 誰かが工房に入ってきた。扉の方を見ると、そこにはヴァーリチームの魔法使い、ルフェイの姿があった。

 

「あれ、ルフェイ? なんでここに?」

 

「あっ! 赤龍帝さん達もココに来てたんですね」

 

 ルフェイはとことことこちらに歩いてくると、カイジンさんとクロベエさんの方に向かい合った。

 

「えっと、クロベエさんとカイジンさん……で合ってますか?」

 

「おう、俺がカイジンだ」

 

「おらがクロベエだ」

 

「あっ、本当ですか! 私、ルフェイ・ペンドラゴンと言います。今日はアダルマン先生とガドラ老師に言われてココに来ました」

 

「……先生? 老師?」

 

 ルフェイの口から出てきたのは意外な名前。テンペストでも五指に入る魔法使い二人の名前だ。てか、先生ってどういうこと? 

 

「あ、実は私、リアスさん達が迷宮攻略してる時、アダルマン先生と話をする機会があったんです」

 

 なんでも、ルフェイはヴェルザードさんの手で三バカが何処かへ連れて行かれて手持ちご無沙汰となったらしい。そんなルフェイを見かねたのか、リムルの勧めでアダルマンさんと会合し、魔法使い同士で少し戦ってみたらしい。

 ルフェイは負けじと今までに覚えた魔法の数々を総動員したらしいが、それでもアダルマンさんには傷一つつけることすら叶わなかったようだ。

 

「アダルマン様は“聖魔十二守護王”っすからね。まあ、当然っすよ」

 

「はい。凄い魔法でした……これが魔法の極みなんだって思えるほどで……正直、感動すら覚えましたよ!」

 

 そして、アダルマンさんはアダルマンさんでルフェイに素質でも見出したのか、ガドラさんと一緒に少しの間魔法を教えてやると申し出たらしい。

 

「なるほど……それで、ココに来たのは?」

 

「あ、ハイ。アダルマン先生曰く、この世界の魔法体系と私達の魔法体系は全然違うものとなるとのことで、最初のうちは補助具として杖を使ったほうがいいって言われて……それでココを紹介されたんです」

 

 なるほど。そういえば、ルフェイは箒には乗ってるけど、杖とかは使ってなかった気がする。魔法使いの使う杖は魔法発動の補助具だ。魔力をスムーズに流す為にも結構重要となってくる。

 

「なるほどな……よし、わかった。俺達が嬢ちゃんに合う杖を作ってやるよ」

 

「本当ですか。ありがとうございます!」

 

 ルフェイは深々と二人にお辞儀をする。いい子だなこの子……なんでテロリストやってるんだろう。

 

「それにしても……アダルマンさんにガドラさん……か」

 

「確か、以前イッセーが言っていた人たちよね。“迷宮十傑”だったかしら?」

 

「はい。原初と比べても遜色ない魔法を使う、超弩級の魔法使いですよ」

 

 アダルマンさんは究極能力“魔導之書(ネクロノミコン)”を、ガドラさんも究極能力“魔道之書(グリモワール)”を持ってるし、ルフェイからすれば歩く魔法図書館に稽古付けてもらえるようなものだ。現時点でも進化前のフォビオさんとかと同じくらいの強さはあるし、二人に修行をつけてもらえば化けるかもな。

 

「私達も負けてられないわね」

 

 伝え聞いた“迷宮十傑”の強さから考え、部長も俺と同じ結論に至ったのかルフェイ相手に闘志を燃やしている様子。

 他の面子も新たな武器で気合が入ってるみたいだな。

 

「あ、折角ですので武器を持ったまま写真撮影します?」

 

「あら? じゃあ、お願いしようかしら」

 

 新作の武器をキラキラした目で眺めていたフラメアがそんな事を言ってきた。

 部長はそんなフラメアの申し出を笑顔で快諾し、新しい武器を見せびらかすように構える。見ると、他の皆も同じように構えてるな。木場とゼノヴィアも聖魔剣とデュランダル構えてるし、ロスヴァイセさんも鎧姿になって佇んでいる。

 

「折角っすし、うちらも混ざりましょ」

 

「おお、そうだな。アザゼル先生も混ざろうぜ」

 

「ん? でも、俺今武器とか持ってねえぞ」

 

 “堕天月刀(フォールナ)”を構えたミッテルトと”赤龍帝の籠手(ドライグ)“を呼び出した俺も皆の中に混ざり、アザゼル先生を誘う。だが、アザゼル先生は今回武器を持ってないとのことで見送るみたいだ。

 ここでミッテルトは何かを思いついたらしく、とても悪い顔となる。

 

「あれ? アザゼル先生も武器持ってるんじゃないすか? 見てみたいっすね“閃光と暗黒(ブレイザー・シャイニング・)の龍絶剣(オア・ダークネス・ブレード)”」

 

 ……ん? ブレイ……なんだって? 怪訝に思ってると、アザゼル先生は顔を真赤にして口をヒクヒクと動かしている。

 

「……おい、ミッテルト。ナンデお前がそれを知ってる……?」

 

「ああ、この間シェムハザさんが教えてくれたんすよ。何か当時のビラまで見せてくれて……いやぁ、秀逸だと思うっすよ」

 

「シェムハザァァァ!!」

 

 な、何だ何だ!? アザゼル先生顔を赤くして絶叫してる! シェムハザさん、なんかミッテルトと仲良くなってるのは知ってたけど、何を教えたんだ!? 

 

「今うち持ってるっすし、混ざんなかったら皆に見せても……」

 

「だぁ! わかったよ! 撮りゃいいんだろ撮りゃよ!」

 

 アザゼル先生は五大竜王の封じられた人工神器を取り出し、皆に並ぶ。

 それを確認したフラメアは自慢のカメラを構え、ボタンを押す。

 

「ハイ、チーズ!」

 

 パシャッ!! 

 

 その写真は皆が笑顔で楽しそうだ。俺もなんか嬉しくなってくるぜ。

 

「サンキュー、フラメア」

 

「いえいえ、皆いい表情ですよ。星五つです!」

 

 フラメアの五つ判定! 嬉しい限りだぜ。

 

「じゃあ、行きましょう! テンペストはまだまだ見どころ盛りだくさんですよ!」

 

 工房を出た俺達はフラメア主導のもと、さらなる観光へと洒落込むのだった。

 




リアス達の武器は全て“特質級(ユニーク)”となっています。
これは武器進化も想定したイッセーの配慮。
あと、イッセーからすれば究極能力も究極贈与も変わらないと思ってる。
進化の過程でリムルの改造を大幅に受けるか受けないかですしね。

イッセー対ミッテルト

  • 書く
  • 書かない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。