帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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お待たせしました。
書き溜めが溜まってきたのでぼちぼち再開していきます。



第九章 修学旅行はパンデモニウム
もうすぐ修学旅行です


 イッセーside

 

 

 

 

 俺は瞑目し、眼前の墓に祈りを捧げる。

 その隣には、同じく俺とともに祈りを捧げる朱乃さんとバラキエルさんの姿もある。

 

「……本当によかったんですか? 私の母様のお墓もここに建ててもらって……」

 

 もう一つのお墓に祈りを捧げていた黒歌と小猫ちゃんも此方の方にやってきた。

 小猫ちゃんは少しだけ申し訳無さそうな感じに見えるが、朱乃さんは気にするなと言わんばかりに笑みを浮かべている。

 

「……ええ、勿論よ。小猫ちゃんのお母さんもこの国が故郷。ならば、故郷の土でゆっくりと休ませたほうがいいですもの」

 

「ありがとうにゃん。朱乃」

 

「うふふ、どういたしまして」

 

 朱乃さんは黒歌の感謝の言葉に微笑みを返し、改めて眼の前のお墓に眼を向けた。

 

「……ルミナス様には感謝しないといけませんわね」

 

「……ああ。全くだ」

 

 俺達は朱乃さんのお母さん、そして小猫ちゃん達のお母さんのお墓に墓参りしていた。

 メロウによってズタズタに引き裂かれた二人の遺体は俺が気絶している間にルミナスさんが綺麗に修復してくれたらしい。

 そして、朱乃さんの神社の裏に二つのお墓を建てて、それぞれにそれぞれのお母さんの遺体を眠らせてあげたとのことだ。

 ここなら兵藤家からも近いし、通学路にあるから毎日だって墓参りをすることができる。

 聞くと、朱瑠さんのお墓は姫島家にあったため、朱乃さんも行くことはできず、藤舞さんに至ってはお墓すらなかったらしい。朱乃さん藤舞さんの二人の尊厳は取り戻され、今やっとあるべき場所に戻ることができたわけだ。

 

「そもそも、朱瑠の墓に来ていたのは一族の中でも朱雀だけだったと聞く……しかし、ただでさえ多忙な朱雀だ。一人で管理などできるはずもない」

 

 必然的に朱瑠さんのお墓に目は行き届かなくなり、結果として今回の騒動に繋がったわけだ。

 朱雀さんというのは朱乃さんに従姉にあたる人らしく、今回姫島のお墓でなく、朱乃さんの神社のお墓に供養することができたのもこの人の働きがあったのだという。

 いつか、その朱雀さんにもお礼を言わないといけないな。

 

「じゃあ、そろそろ行きましょうか」

 

 俺の言葉に皆は帰宅の準備をする。

 その最中、一陣の風が吹く。まるで、俺達を見送るように。

 

「……朱乃さんと小猫ちゃん、黒歌も俺が守ります。だから、安心してください」

 

 俺はそう言い残し、その場を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 

 

 

 

「イッセー君を……ください……」

 

 修学旅行を目前にした夜。俺は朱乃さんに迫られていた! 

 薄い生地の浴衣姿! そこからみえる白いお肌! チラチラ見える……というか、はだけてきてる豊満なおっぱい! 

 最高かよ! 

 崩れた浴衣から見えるおっぱいに視線が釘付けになっていると、朱乃さんは艶のある表情で四つん這いになりながら、ジリジリと俺に近づいてくる! 

 

「もうすぐイッセー君は京都に行ってしまうのですね……」

 

 悲しそうな声を発しながら、朱乃さんは俺の首に手を回し、ピッタリと柔らかボディをくっつけてきた! 

 き、気持ち良すぎるぅぅぅ! しかも、滅茶苦茶いい匂いに鼻を突き抜けてくるんだけど!? や、ヤバイ! これ以上は俺の理性が……

 

「そ、そんな、朱乃さん! 三泊四日なんですし、そこまで不安がらなくても……」

 

 や、ヤバイ! 脳みそが吹き飛ぶ! 浴衣の帯も取れてるし、ほぼほぼ全裸じゃないか! さながら女神のような美しい身体! あ、鼻血出てきたかも……精神生命体なのに……

 

「丸2日、あなたがいない日があるのですよ……。私、寂しくて死んでしまうかもしれない……」

 

 あの戦い以降、朱乃さんは甘えん坊の傾向を強めていた。

 それはそれで滅茶苦茶可愛いし、嬉しいんだけど、少し不安な面もあるかもしれないな。

 まあ、あの戦いを乗り越えたことで、精神的にも強くなったけど、アレは朱乃さんにとって滅茶苦茶辛い戦いだったからな……。そういう意味では仕方がないのかもしれない。

 もっとも、朱乃さん以上に俺が危ないんだけどね! 

 学校じゃ変わらずお姉様って感じなのに、俺の前では年下の女の子にしか見えないんだもん! 部長もそうだけど、朱乃さんは俺を萌え殺すつもりなのかもしれない! 

 

「だから、三泊四日分のあなたを補充しようと思って……」

 

「ほ、補充……ですか?」

 

「ええ。イッセー君に触れて……触れられて……私はあなたの男を感じて、女であることを体験するの……」

 

 し、刺激的すぎますよ朱乃さん!? まずい! 鼻血が止まらん! やばいやばい! 朱乃さんが可愛すぎる!! このままでは本当に一線を越えかねんぞ!? 

 

「さあ、イッセー君……」

 

「あ、朱乃さん……」

 

 ゴクリと生唾を飲み込む。朱乃さんは目をつぶりながら顔を近づけていき、俺の唇を……

 

「なにしてんすか?」

 

「朱乃。それは看過できないわよ……」

 

 ……言いしれない鬼気を感じて首を動かすと、そこには紅色のオーラを迸らせる部長と神々しい金色の魔力を吹き荒らすミッテルトの姿があった。

 しかし、朱乃さんは一切動じることなく、うふふと妖艶な笑みを浮かべ、俺に抱きついてくる。

 

「あらあら。怖いお姉さん達が私とイッセー君を睨んでいますわ。きっと、私たちの仲に嫉妬してるんですわね」

 

「いつからイッセーと朱乃さんはそんな仲になったんすか! 何度も言うっすけど、イッセーの恋人はうちっすよ!」

 

「全くよ……私のイッセーを誘惑するだなんて、随分と大胆ね。朱乃……」

 

「いや、部長もしれっと何いってんすか!? イッセーはうちのっすからね!?」

 

「うふふ。今のうちに何処かに行っちゃいましょう。イッセー君……」

 

 朱乃さんはそう言いながら、柔らかもちもちボディ全体を擦るように俺の身体に身を寄せてきた!! 

 ほっぺが! おっぱいが! 二の腕が! 太ももがあぁぁぁぁっ!? 女性特有の柔らか感触と弾力がムニュムニュと俺の全てを機能停止にさせようとしてくるぅぅぅっ! 

 朱乃さん! どうしてそんなにモチモチなの!? 吸い付くようにフィットしてくるんですけどぉぉぉっ!! 

 

「朱乃さんばかりずるいです」

 

 ────っ!? 突然の第三者の声! 気づくと俺の頭部を抱きかかえる何者かの姿がある! 

 

「こ、小猫ちゃん!?」

 

 そう、それは小猫ちゃんだ! 仙術で気配を遮断し、部屋に入ってきたのか!? 

 薄い生地の白装束に猫耳と尻尾の破壊力がやばすぎる!! 

 朱乃さんに負けず劣らずすべすべなお肌! しかも、甘く、いい匂いがする! 

 

「私だって……先輩と離れるのは寂しいです……」

 

 小猫ちゃんはそう言いながら、背中にピッタリと身体を寄せる! 

 うおおおおっ! なんて素晴らしい感触なんだっ! しかも、さり気なく尻尾を俺のウデに巻き付けている! 凄くいい毛ざわりだ……。

 

「こ、小猫まで……イッセーは私のものなのよ!」

 

「いや! うちっすよ!」

 

 そう言いながら、部長とミッテルトはプルプルと震わせながらさらにオーラを迸しらせる! 家がミシミシいってるし、コレってマズイんじゃ……。

 

 バタン! 

 

 さらに扉を開ける音。現れたのはアーシアだ。

 

「わ、私だって! えーい!」

 

 アーシアは可愛らしい掛け声とともにベットに飛び込み、俺の足をガシッと捕まえて、ギューッとしがみついてきた! 

 

「イッセーさんは渡しません! 今日は私と一緒に寝るんです!」

 

「いや、イッセーと一緒に寝るのは私にゃん♪」

 

 瞬間、四方八方から掴まれていた俺をするりと取り出し、豊満なおっぱいに俺の顔を埋めるように抱きかかえる黒い影! 

 黒歌だ! お、おっぱいの感触が顔いっぱいに! ああ、滅茶苦茶いい匂いが充満してやがる……。

 

「そ、そんな……」

 

「くっ、ずっと気を伺ってましたわね。黒歌さん……」

 

「姉様。イッセー先輩を返してください……」

 

 アーシアは瞳をうるうるとさせながら黒歌を見つめ、朱乃さんと小猫ちゃんは即座に臨戦態勢をとり、黒歌を睨みつける。

 

「にゃはは。こういうのは取ったもん勝ちだにゃん♪」

 

 俺は景品か何かですか!? 二人は一斉に黒歌に向かっていくが、黒歌はそれを軽やかに回避する。俺を抱えたまま気を使って窓を開け、黒歌はそのまま超スピードで窓からの逃走を図り……

 

「ここは通行止めよ……」

 

「にゃがは!?」

 

 何者かに思い切り蹴りを入れられた。蹴り飛ばされた黒歌はそのまま勢いよく壁に激突し、目をぐるぐると回している。

 

「じ、ジウ!?」

 

「悪いわね。この時間に外に出すと護衛が面倒なの」

 

 黒歌を蹴り飛ばしたのはまさかまさかの人だった! そういえば、父さん母さんの護衛要員として、しばらくここに滞在するって聞いていたけど、まさかずっと見張っていてくれたのか!? 

 

「全く。鼻の下を伸ばしすぎよ変態ドラゴン。情けないと思わないの?」

 

「うぐっ!?」

 

 冷たい蔑むような目で俺を睨むジウ。ジウはため息をつくとそのまま俺をお姫様抱っこで抱え上げ、呆然とする部長とミッテルトをするりと躱し、そのまま扉を開けようとする。

 

「なぁ!? ちょっ、ジウ!?」

 

「こんな面倒事を見るのはごめんよ。わたしの部屋を貸してあげるからとっとと寝ることね」

 

「……ちょ! させないっすよジウちゃん!」

 

 部長よりも先に正気に戻ったミッテルトは割と本気で木刀を振るい、ジウの脇腹を狙った鋭い一撃を放つ! しかし、ジウはそれを容易く躱し、そのまま扉を蹴破ろうとした! 

 

「させないわよ」

 

 ドプッと液体から何かが飛び出たかのような音が鳴る。それと同時に扉の陰から緑の影が現れ、ジウの脚を鷲掴みにすることで静止した! 

 

「と、トーカ!?」

 

 現れたのはトーカだ! トーカはそのままジウをぶん投げ、一瞬の隙をついて俺を奪い取った! 

 

「くっ……」

 

 ジウは中空でクルリと回転して勢いを殺し、そのままふわりとベッドに着地する。

 トーカはそのままジウを睨みつけ、自らの獲物を取り出して構える。

 

「……ついに本性を現したわね。護衛の為に外に出られると困るというのは同感だけど、部屋に連れ込むのは話が別よ」

 

「……そもそもこの騒乱はこいつがこの場にいるから起きたこと。部屋を分ければ解決するわ」

 

「あら? それであわよくば自分がイッセーと寝ようっていう魂胆でしょ? 見え見えなのよ女狐が」

 

「……殺すぞ。蜥蜴風情が」

 

「やってみなさいよ……」

 

 ジウは何やらトーカの物言いが気に食わなかったらしく、“伝説級”の剣を取り出しそれを構えた! 

 ジウは聖人に覚醒してるわけだし、数値の上では圧倒的にジウ有利だけど、トーカはソウエイさんの地獄の訓練を耐えきってるからな……勝負はわからん……って、そうじゃねえ!! 

 

「おい、お前等! こんなところで本気喧嘩する気かよ!?」

 

「仕方がないじゃない。この蜥蜴が喧嘩を売ってきたのだから……。帝国兵として売られた喧嘩は買うわよ」

 

「あら? 護衛対象を巻き込むだなんて護衛失格ね。帝国兵もたかが知れてるわ」

 

「貴女に言われたくないわね。そもそも、最初に獲物を取り出したのは貴女でしょう?」

 

 バチバチと火花を散らすジウとトーカ。それに触発されたのか、ミッテルトまで刀を取り出し、それを構えた。

 

「オーケーオーケー。よ〜くわかったっす。それなら、ここで勝った人がイッセーを総取りっすよ」

 

「それなら話が早いにゃん♪ かかってくるにゃん」

 

 オイオイ!? 何やってるのこの人たちは!? さ、流石に全力じゃないだろうけど、それでもこんな深夜の一部屋で何マジ喧嘩しようとしてるのこの人たち!? 

 

「聖人に最上級悪魔と同等の龍人に魔王以上の力を持つ二人……上等よ! 例え格上が相手でもイッセーは渡さないわよ!」

 

「うふふ。彼女達もここでは本気を出せませんし、私の勝ちの目もありそうですわね」

 

「……負けません」

 

「うう。わ、私は戦えませんけど、それでもイッセーさんと一緒に寝たいという気持ちは皆さんにも負けません!」

 

 うおっ!? 部長に朱乃さんに小猫ちゃん! そして戦う術をほとんど持たないアーシアまでもが枕を携えて構えてやがる! 

 なんかどんどんとんでもないことになってるぞ……。女の子が俺を取り合うという最高のシチュエーションなのに、どうして空気が物凄く薄くなっていくんだよぉぉぉぉっ!? 

 

「悪いっすけど、手加減しないっすよ」

 

「負けないわよ。イッセーは」

 

「イッセー君は……」

 

「イッセーさんは……」

 

「先輩は……」

 

「「「「「私(うち)のものよ(にゃん)!!」」」」」

 

 皆の叫びが部屋を木霊する。

 

 ギィィ……バタン! 

 

 俺はどうすればいいのか全然わからなくなり、やがて考えるのをやめてこっそりと部屋を出る。

 

「うにゅう……お兄ちゃん……何か合ったの?」

 

「……何でもないよ。たまには一緒に寝るか、セラ」

 

「うん……」

 

 どうやら騒音に目覚めたらしいセラが若干寝ぼけながらやってきたので、俺は寝かしつける意味でもセラと一緒に寝ることにした。

 ……修学旅行、無事行けるのかな。俺。

 

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