帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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22巻読みました
ふざけるな馬鹿野郎!!
最高の内容でしたよ!!やっぱ神だと思ったよ!!原作が最大手だよ!!


しかし、そのおかげで大分大幅な設定変更を余儀なくされた……どうしよ……


英雄派との激突です

 木場side

 

 

 

 

 

 イッセー君とダイスケが激突すると同時に天高くまで舞い上がる! どうやら、僕たちが巻き添えにならないための配慮みたいだ。

 悔しいけど、僕たちではあの戦いは役不足。でも、悲観するつもりはない。僕たちは僕たちにできることをするまでだ! 

 

「やれやれ、俺が赤龍帝とやりたかったんだけどな。まあ、仕方がないか。ゲオルク、グレートレッドを呼び出す準備に取り掛かるぞ!」

 

「了解」

 

 曹操の一言に制服にローブを纏った魔法使い風の青年……ゲオルクとやらが手を突き出す。青年の周囲に様々な文様の魔法陣が縦横無尽に出現した! 魔法陣に羅列された数字や魔術文字らしきものがものすごい勢いで動き回る! 

 ロスヴァイセさんのフルバーストにも負けない量だ! 

 

「……ざっと見ただけでも北欧式、悪魔式、堕天使式、黒魔術、白魔術、精霊魔術……なかなか豊富に術式が使えるようですね……」

 

 ロスヴァイセさんも目を細めている。神滅具持ちの上、魔法の達人……厄介だね。

 九尾の御大将────八坂さんの足下に巨大な魔法陣が展開される。

 

 オォォォオォオオオォンッ! 

 

 八坂さんが雄叫びをあげる! 

 双眸が大きく見開き、全身の金毛が逆立っている! あれは明らかに危険な状態だ! 何をしようとしているんだ……? 

 それを見ていたゲオルクが笑みを浮かべながら言う。

 

「グレートレッドを呼ぶ魔法陣と贄の配置は良好。あとはグレートレッドがこの都市のパワーに惹かれるかどうかだ。ここには天龍と龍王が一匹ずついるのは案外幸いなのかもしれない。曹操、悪いが自分はここを離れられない。魔法陣の制御をしなくてはならないんだが、これがまたキツくてねぇ」

 

 ゲオルクの言葉に曹操は手を振って了承する。

 

「了解了解。さて、どうしたものか。“魔獣創造”のレオナルドは他の構成員と外でやり合ってるし、堕天使の総督に魔王レヴィアタン、セラフのメンバーもいるらしいしな……ジャンヌ、ヘラクレス」

 

「はいはい」

 

「おう!」

 

 曹操ほ呼び声に細い頭身の剣を持った金髪の女性と巨躯の男が前に出る。

 ……こうして向かい合っただけでわかる。今までの英雄派とはレベルが違う。

 

「彼らは英雄ジャンヌ・ダルクとヘラクレスの魂を継いだ者たちだ。ジークフリート、お前はどれとやる?」

 

 曹操の問いかけにジークフリートは切っ先を僕に向ける。

 

「僕は聖魔剣の木場祐斗を貰うよ。先日の借りを返したいからね」

 

「じゃあ、私は天使ちゃんにしようかな? 可愛い顔してるし」

 

「俺はそっちの銀髪姉ちゃんだな! 随分気持ち悪そうにしてるがよ!」

 

 僕がジークフリート、イリナさんがジャンヌ・ダルク、ロスヴァイセさんがヘラクレスか

 

「やれやれ、私は余ってしまったか。まあいい。露払いは私がやろう。それが終わったら、木場。お前の援護をする」

 

「……いいのかい?」

 

「ああ。あの者たちも凄まじい使い手だが、その中でもジークフリートは別格に思えるからね」

 

 ……ゼノヴィアはそう言いながら、他の英雄派の下へと向かっていく。ゼノヴィアの力なら、すぐに終わるだろう。

 

「よし、俺は九尾の御大将をやるぜ。兵藤達に負けてられねえからな」

 

 そう言いながら、匙君は黒い炎に身を包む! 次第に炎は広がり、巨大に膨れ上がっていく! 

 

「“龍王変化(ヴリトラプロモーション)”ッ!」

 

 炎は盛り上がり、形をなし、やがて匙くんは体の細長い東洋タイプのドラゴンに変身した! 

 

 ジャァァアアアァッ! 

 

 黒いドラゴンはそのまま九尾の御大将と真正面から対峙する! 黒い炎は魔法陣を囲み、どんよりとした薄黒いオーラを放っている! 

 

「私は九重ちゃんを守りながら、皆さんをサポートします!」

 

「うむ、かたじけない……頼む、皆。母上を助けてくれ……」

 

 泣き出しそうな声の九重ちゃんの言葉に僕たち全員が頷く。

 僕たちはそれぞれの相手と向かい合う。そんな中、一人の人影が曹操の元へと歩み寄った。

 

「暇そうにしてるわね。“自称”英雄さん?」

 

「ん? 君はあの時の……」

 

「初めまして。私はジウ。帝国所属の人間よ」

 

 ジウさんはレイピアを構えながら冷たい瞳を曹操に向けている。そんなジウさんに曹操は笑みを浮かべた。

 

「ふむ……あの時も思ったが、凄まじい殺気だ。まだ人間にこんな実力者がいたとはね。一応聞いておくが、英雄派に入る気はないか? 君ほどの使い手なら大歓迎だ」

 

 曹操さんの言葉にジウさんの視線はさらに冷たくなる。

 

「お断りよ。私にはすでに仕えるべき主がいる。お前からはあの御方の十分の一も魅力を感じないもの」

 

 そんなジウさんの言葉に、曹操の近くにいた英雄派は神器を向け、攻撃を仕掛ける! 

 

「貴様! 曹操に向かって!」

 

「人類の裏切り者が!」

 

 どうやら禁手らしく、普通の神器以上のパワーを持つ攻撃がジウさんを襲う! しかし、ジウさんはレイピアに一薙で英雄派の首を跳ね、魔術でもう一人の心臓を貫いた! 

 

「なっ……!?」

 

「かはっ……!?」

 

 瞬時に絶命する英雄派。それを見た曹操は獰猛な笑みを浮かべ、聖槍を構えた! 

 

「やれやれ……随分非情だね。面白そうだ」

 

「悪いわね。私は暗殺が得意なの。あの子達みたいに優しくないから覚悟しなさい」

 

 二人がそう言った後、一瞬の静寂が訪れる。

 

 オオオオォォォォォンッ! 

 

 ジャアアァァァァァアッ! 

 

 匙君と九尾の御大将が同時に攻撃を仕掛ける! 

 それと同時にジウさんは英雄派の遺体を蹴り上げ、目潰しをしながらレイピアでの攻撃を仕掛けた! 

 

 ガギィィィィィィィンッ! 

 

 曹操はそれを読んでいたらしく、それを躱しながら聖槍を放つ! 二人の攻撃は凄まじく、その余波で大地が悲鳴を上げているみたいだ! 

 曹操とジウさんの聖槍とレイピア! 匙君の黒い炎! そして、上空で繰り広げられる竜巻のような戦い! 

 そんないくつもの激突を繰り広げながら、僕たちの戦いの幕が上がった! 

 

「行くよ!」

 

 ギィン! ギィィィンッ! 

 

 僕の聖魔剣とジークフリートの魔剣が銀光を走らせ、火花を散らす。

 ジークフリートは三刀流、対して僕は二刀流。手数の多さでは負けている……()()()()()()()()()()()! 

 

「はあ!」

 

「蹴りだと!?」

 

 ビュカッ! 

 

 一瞬の隙をついた蹴り────否、斬撃はジークフリートの鼻先を掠める! 

 以前、イッセー君との模擬戦で使用した足からの魔剣。それをさらに改良して、足そのものに魔剣をまとわせることができるようになった! 魔剣の形をうまく変えることで、速度は下がるどころかむしろ向上する! イッセー君からも褒めてもらった一撃だ! 

 

「ぐっ、危ないところだったな」

 

「まだまだこれからだよ!」

 

 僕は足だけでなく、肩や肘からも魔剣を作り出し、変幻自在の斬撃を繰り出す! 

 ジークフリートも負けじと応戦するが、手数の多さは僕のほうが上だ! 

 

「なるほど、聖魔剣は肉体のどの部位からでも出せるのか。こうなると手数は圧倒的にそちらが上だな。……しかし、軽い!」

 

「っ!」

 

 ガギィィィンッ! 

 

 ジークフリートのグラムの一撃が僕を強引に弾き飛ばす! やはり、武器の格ではジークフリートが遥かに上。その上、さっきまでのは不意をつけただけであり、剣術の総合的な腕も僕と大差がない……どころか、あの手数に対応できた分、僕より僅かに上かもしれない。

 

「エクス・デュランダルッ!」

 

「っ! 上かっ!」

 

 ザバァァァァァァァァンッ! 

 

 僕とジークフリートが睨み合っている中、ゼノヴィアも合流してくれた。どうやら、英雄派の構成員は片付いたみたいだね。

 

「すまない、遅れた」

 

「いや、いいタイミングだったよ」

 

 ゼノヴィアは僕の作り出した高純度の魔の力が付与された魔剣を受け取る。神々しい光を放つ聖剣と、禍々しい力を放つ魔剣の二刀流は不思議と様になっている様子だ。

 それを見たジークフリートは笑みを深める。

 ────くる! 

 

「なるほどなるほど。本当に君たちを舐めてたみたいだ。この状態で二対一は分が悪そうだ。ならば────“禁手化(バランスブレイク)”ッ!」

 

 ジークフリートから言いしれない重圧が解き放たれる! 背筋に冷たいものが走り抜ける感覚だ! 

 

 ズヌッ! 

 

 ジークフリートの背中から、新たに三本の銀色の腕が生えてくる! その姿はさながら、阿修羅! 

 ジークフリートの腕はそれぞれ帯剣していた残りの剣を握り、僕たちに向かって構えている! 

 六刀流……というわけか! 

 

「魔剣ディルディングとダインスレイヴ。そして悪魔対策光の剣。これが僕の禁手“阿修羅と魔龍の宴(カオスエッジ・アスラ・レヴィッジ)”。“龍の手”の亜種たる神器ら禁手も亜種だったわけだ。能力は単純、腕の分だけ力も倍加する。技量と魔剣だけで戦う僕には十分すぎる能力さ」

 

 なるほど……ただ腕が増えただけじゃなく、力や速度も倍加している。厄介だね。僕もユニークスキルを全開にするしかなさそうだ! 

 

「悪いけど、それでも僕たちは負けるつもりはないよ!」

 

「木場の言う通りだ。簡単に勝てるとは思わないことだな!」

 

 僕たちはそう言いながら、再びジークフリートと切り結ぶ! 戦いはまだ始まったばかりだ! 

 

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 イリナside

 

 

 

 

 

「光よ! はっ!」

 

 私は上空から光の槍をジャンヌ目掛けて投げつける! 

 けど、ジャンヌはそれをやすやすと避けながら、逆に攻撃を仕掛けてくる! 

 

「いいね! 天使ちゃんは攻撃も素直でお姉さん感激!」

 

 逆に喜ばれている。……いや、舐められているのね! だけど、こっちも滑られっぱなしじゃ終わらないわよ! 

 

「だったらコレはどう!」

 

 ゴウゥゥゥッ! 

 

「っ!?」

 

 私は聖刀を取り出すと、即座に風と炎の宝玉を嵌め込み、炎の竜巻を発生させてジャンヌを中に閉じ込める! それを見たジャンヌは驚愕した表情となる! 

 

「なに? ジャンヌ・ダルクの魂を受け継ぐ私に炎って、嫌味のつもり?」

 

 閉じ込められたジャンヌは手に持つ聖剣で竜巻に穴を開け、脱出しようとする! でも、竜巻で視界が封じられてる今、コレは避けられないはず! 

 

「くらえ!」

 

「っ!?」

 

 私は竜巻の目────上空から滑空して一気に詰め寄る! もちろん、ただ滑空するだけじゃなくて、風の宝玉を聖刀に嵌め込んで、より速度が出るようにしているわ! 

 これなら、簡単には避けられないはず! ジャンヌは冷や汗を流しながら、慌てて地面に魔力を流し込む! 

 

「────聖剣よ!」

 

 瞬間、叫ぶジャンヌの足元から数多の剣が生えてくる! 私は全身に風の膜を作ってそのまま突っ込み、ジャンヌを斬り裂こうとする! 

 

「負けるものですか!」

 

 ガガガガガガギィィィンッ! 

 

「きゃっ!?」

 

 剣のせいで失速はしたけど、それでもジャンヌの肩を切り裂くことができた! 

 まだ浅いけど、少なくとも片手を封じることはできたはず! 

 ジャンヌは肩を押さえながら、こちらを睨みつける。でも、それは一瞬ですぐに獰猛な笑みを浮かべてきた! 

 

「やるじゃん。正直舐めてたわ。流石は天使ちゃんね」

 

「これでも天使長ミカエル様のAなんだから! 舐めないで!」

 

「そっかー。ミカエルさんの……その刀も未知数だし、このままじゃ勝てそうにないわね。じゃあ、お姉さんも大サービスしちゃうわよ!」

 

 そう言いながら、ジャンヌは新たな聖剣を生み出し構える。

 

「お姉さんの能力は“聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)”。どんな属性の聖剣も創れるのよ? でも、このままじゃ本場の聖剣には叶わない。けど、例外もある────“禁手化”♪」

 

 ドォォォォオオオンッ! 

 

 ジャンヌの足元から大量の聖剣が生み出される! しかも、聖剣はすごい勢いでかさ夏まで、何かを作り出そうとしている! 

 ジャンヌの背後に作られたのは────聖剣でできた大きいドラゴン! こんな事もできるのね! 

 

「この子は私の禁手“断罪の聖龍(ステイク・ビクティム・ドラグーン)”。ジー君同様、亜種よ」

 

 そう言いながら微笑むジャンヌ。ハッタリじゃないわね。あのドラゴンからは、すごい力を感じるわ。

 ドラゴンはそのまま、口元に聖なる光を集め、私に向かって解き放とうとしている。アレは当たったら、ヤバいかもしれないわね。

 

「……聖ジャンヌ・ダルク。聖人の魂を引き継ぐ人と戦うなんて、天使としては複雑ね。でも、ミカエル様と皆のため! 平和が一番!」

 

 私は気合を入れなおして、土の宝玉を嵌め込んで、大きな壁を作り出す! 壁は聖刀の聖なる力が付与されて、ちょっとやそっとじゃ壊れないくらいには固くなってる! 

 

 ドゴォォォォォンッ! 

 

 ブレスと土の壁はすごい音を立てながら拮抗する! 

 それを見たジャンヌは訝しげに私の刀を見つめている。

 

「……この子のブレスを弾くなんて……あの刀、やっぱり未知数ね」

 

「行くわよ!」

 

 ガラガラと音を立てて崩れた土壁を目眩ましにして、私は新たに炎と水の宝玉を嵌め込んでジャンヌに近づく! まだまだ勝負はこれからなんだから! 

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 ロスヴァイセside

 

 

 

 

「くっ……魔術を受けてもモノともしないなんて……」

 

 ヘラクレスと名乗った巨漢の男は縦横無尽に攻撃を繰り出してくる……私がいくら攻撃しても、ヘラクレスは狂気として突っ込んでいる! 

 

「ハッハッハーッ! いいねぇ、いい塩梅の魔法攻撃だっ!」

 

 ドォォォォンッ! 

 

 ヘラクレスが拳を突き出すと、その場が爆発する! 恐らく、これがこの人の神器なんでしょう……まるで、爆弾を握って拳を繰り出してるみたいですね……。

 

 ドォォォォンッ! 

 

 拳が空振りを起こしても、周囲への被害が甚大だ。……もしもこれが創られた空間内じゃなかったら……少しゾッとしますね。

 

「俺の神器は攻撃と同時に相手を爆破させる“巨人の悪戯(バリアント・デトネイション)”! このまま、アンタの魔法を拳で弾きながらの爆発ショーでもいいけどよぉ、どいつもこいつも禁手になったら、流れ的に俺もやっとかないと後でうるさそうでな! 悪いが一気にふっとばさせてもらうぜぇ! おりゃあぁぁぁっ! 禁手ぅぅぅぅっ!」

 

 ヘラクレスの叫びとともに巨体が光り輝く! 光がヘラクレスの腕、足、背中にまとわりつき、肉厚の突起となった! あれはまるで……いいえ、ミサイルそのもの! 

 

「これが俺の禁手っ! “超人による悪意の波動(デトネイション・マイティ・コメット)”だぁぁぁぁっ!」

 

 ヘラクレスは私に照準を向けて叫ぶ! ま、まずい……このままでは皆さんにも被害が出てしまう……っ! 

 私は急いで距離を取ろうとする! 本丸御殿から少しでも遠くに移動しないと……っ! 

 

「ハッハッ! いい女だぜ! 仲間を巻き込まないように俺の気を逸らそうってか! 乗ってやるよぉぉっ!」

 

 ヘラクレスは高笑いと同時にミサイルを発射する! この威力……拳の比じゃなさそうですね! 

 私は咄嗟に攻撃の魔法陣を作り出して、なんとかミサイルを迎撃しようとする……でも、間に合いそうにない! 

 ミサイルは私目掛けて突き進んでいき……

 

 ドガァァァァァァァァァァァァァンッ! 

 

 凄まじい爆発音を響かせた……って、あれ? 今の、絶対直撃したと思ってたんですけど……。

 恐る恐る目を見開くと、そこには複数枚のお札と薄緑色の障壁が私を守るように辺りを取り囲んでいた! 

 

「な、なんだとぉ? 俺のミサイルが防がれたっていうのかっ!?」

 

 ハッとした私が下を向くと、そこにはお札を構えるアーシアさんの姿があった! 

 

「大丈夫ですか! ロスヴァイセさん!」

 

 アーシアさんの存在に気づいたヘラクレスは、そのままアーシアさんにミサイルを放つ! でも、ミサイルはアーシアさんのお札で生み出した結界にすかさず阻まれてしまう! 

 

「あんな小娘が俺の爆発を防ぐだとぉ!?」

 

 プライドを傷つけられたのか、ギリギリと歯軋りをするヘラクレス。その隙を突いて私は防御に回していた魔力をそのまま攻撃に転化し、フルバーストをヘラクレスに向かって放つ! 

 

「っ! ────チッ!」

 

 ドォォォォォォォンッ! 

 

 意識が完全に外に向いていた状態でのフルバースト! 咄嗟に防御したようですが、先ほどまでのように無傷とはいかなかったようですね。

 健在ですが、それでもダメージは負ったように見受けられます。

 

「クックック、舐めてたぜぇ! なかなかいいなお前らぁ!」

 

 ヘラクレスは笑みを浮かべながら、垂れてきた血を舌で拭う。

 どうやら、向こうも本気になったようですね……。でも、負けませんよ! 

 

 

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 

 ジウside

 

 

 

 

 カギィン! バギィン! ガガギィィィンッ! 

 

「なるほど……自称とはいえ英雄を名乗るだけのことはあるわね」

 

「そちらこそ! 俺達以外の人間にまだコレだけの手練がいただなんて、嬉しいね!」

 

 ガギィィィンッ! 

 

 何度目かの打ち合いのあと、私とソウソウは距離を取る。神話級の槍にバーニィ並の槍術。身体能力で勝っているから負けてはいないけど、長期戦になると不利になるのはコチラね。

 

「いいね。やはり、君もコチラに来ないかい? 化物と戦うのなら、人間もコレくらいインフレしないといけないしな」

 

 槍をくるくると回しながらそう言うソウソウ。どうやら他の連中と違って禁手とやらは使う気がないようね。

 まあ、好都合だわ。イッセー達なら舐められたものだと憤慨しそうなものだけど、私は戦士じゃなくて暗殺者。どう戦うかではなく、どう殺すかだ。

 

「……貴方、異種族に恨みでもあるの? なんでそんなに化物と戦うことに拘るの?」

 

 私の問いにソウソウは少し悩みながら答える。

 

「恨みか……直接的にはないな。だが、英雄は異形を倒すものだろう? 異形は人間の敵であり、人間の手で討たなければならないんだからな」

 

「……あら、そう? 随分ペラペラな大義ね?」

 

 まるで紙のように薄い理由だ。やはり、コイツはイッセーやマサユキ様とはまるで違う。

 演技とはいえ、勇者パーティーやって間近で英雄を見た私だからこそわかる。

 英雄はたとえ弱くても……ガタガタと震えながらでも……民や仲間のために戦おうとするマサユキ様(あの御方)。そして、普段はアホでも誰かのために一直線になれるイッセー(ド変態)のような存在のことだ。

 コイツは違う。

 

「よくわかったわ。私、貴方のこと生理的に無理。だから────死ね」

 

「!?」

 

 ガクリと膝をつくソウソウ。その口からは血がボタボタと垂れている。

 

「これは……毒か!?」

 

「ええそうよ。わざわざ風下に立って時間稼ぎに付き合ってくれてありがとう。死んでいいわ」

 

 私は毒霧を密かに散布し、風の精霊の力を借りてソウソウを取り囲んでいた。

 コイツは戦いながらもいつでも勝てると油断してたようだし、馬鹿で助かったわ。

 あとは首を跳ねて終わり……そう考えてレイピアで貫こうとする。

 

「────っ」

 

 ……いえ、まだ終わってないわね。嫌な予感がする。

 こういう予感はたいてい当たるもので、ソウソウは自らに聖槍を突き立て、毒を浄化していた。

 流石は聖なる力を宿す神話級。どうやら、神聖魔法のような力があるみたいね。毒を不浄なものとして打ち消したみたい。

 

「はあ……はあ……危なかったな。油断しすぎたか……だが、今のが俺を殺す最初で最後のチャンスだ。もう隙は見せない!」

 

「あらそう。まあ、まだまだ殺りようはあるんだけどね……」

 

 毒が無理となると、どう殺すか。私はレイピアを握り、再びソウソウと撃ち合った! 

 

 

 

 

 

 

 

 

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