帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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さらば京都です

 イッセーside

 

 

 

 

 

 激闘を終え、俺たちは京都の疑似空間から共に世界に戻り、宿泊していたホテルの屋上で先生たちと話していた。

 先生は負傷者の手当てを他のスタッフに指示しながら、忙しそうにしている。

 今回の作戦は俺達の勝利だ。京都を囲んでいた英雄派の構成員に“魔獣創造”のアンチモンスターは基本的には大したことなかったらしい。

 何でも、ヒナタさん大活躍だったそうだ。連合部隊は当初、人間であるヒナタさんの指揮下に入ることを躊躇ったものもいたそうだが、そこはヒナタさん。

 獅子奮迅の活躍で連合部隊からもその実力を畏敬の念で見られたらしく、既に一部でファンができてるんだとか。

 連合部隊と戦っていた英雄派には魔王や先生と戦うことも想定してか、禁手を使う者が多数いたらしいか、基本的にはヒナタさんの一閃で吹っ飛んだとのこと。

 

「俺もヒナタの力は初めて見たが、凄まじいものだったな。誇張抜きでイッセー以上なんじゃねえかと思ったぜ」

 

「ヒナタさんは人類最強候補の一人にも挙げられる勇者ですからね。実力は折り紙付きですよ」

 

 実際、模擬戦ではすげえ的確に剣戟を打ち込んでくるし、冷酷非情というか、とにかく怖いんだよな、あの人。怖すぎて“洋服崩壊”を放つのも躊躇ってしまうし……。一般人の間では今だにマサユキと並ぶ存在の一人として挙げられてるし、ルドラやクロエといった超越者には及ばないもののそれを除けば人類最強はヒナタさんだろうな。

 ただ、最優先で狙うべきだった“魔獣創造”の担い手である少年には逃げられたらしい。ヒナタさんに対悪魔や堕天使用のアンチモンスターなど微塵も通用せず、あと一歩で確保できるといったところで思わぬ邪魔が入ったらしい。

 

「旧魔王派か……」

 

「ええ。悪魔……それも魔王級の力を持つ者が現れてね。上空からの不意打ちを弾き飛ばしたときにはもうその姿はなかった。恐らく、絶霧の転移を使ったんじゃないかしら?」

 

 聞いてみると、確かに曹操やダイスケ達が撤退した時刻とヒナタさんが“魔獣創造”の少年のもとに辿り着いた時刻は被っている。

 ダイスケの力で強化した絶霧で転移されたんじゃ、不意打ちもあって逃げられても仕方がないか。

 

「魔力感知で見たところ、敵は手足が義手義足に感じられた。多分、シャルバって奴なんじゃないかしら?」

 

「シャルバだって!?」

 

 シャルバ……その名を聞いたアーシアの体が強張るのを感じる。彼奴、暴走状態のセラにボロ雑巾みたいにされて再起不能になったと思ってたんだけど、まだ懲りてなかったのか。

 奴がいるとなると、旧魔王派はまだまだ健在なのかもしれん。はた迷惑なやつだ。

 

「元ちゃん! 大丈夫!?」

 

「元士郎! しっかりしろ!」

 

「だ、大丈夫……多分……」

 

 シトリー眷属の叫び声に振り向くと、担架に運ばれている匙の姿が。

 ああ。そういえば、龍王化の反動で大分やばいことになってるんだったか。意識こそあるものの、凄まじい激痛が全身襲ってる状態なんだと。

 まあ、現状の匙が一時的にとは言え、魔王種級にまで力を底上げするんだし、それくらいの代償はあって当然か。

 ちなみに今回の顛末は部長やミッテルトにも伝わってるらしい。帰ってきたらじっくり話を聞きたいとのことだ。これはねっちょり説教コースになりそうな予感……。

 

「赤の坊や。うちの馬鹿が迷惑かけたようじゃな。それは謝るぜぃ」

 

 俺が少しどんよりしていると、初代の爺さんが話しかけてきた。

 うちの馬鹿……多分、美猴のことだろうな。まあ、うん。多大な迷惑をかけてますよアイツは。でも、ヴェルザードの地獄の拷問を受けてるし、それでチャラにしようかね。

 

「お前さんは『覇道』と同時に『王道』も歩もうとしている。今までの赤龍帝にはなかったことじゃ。いいこった。言われるまでもなかろうが、これからも精進せぃ。それでは達者での。玉龍、九尾のもとに会談に行くぞぃ」

 

『あいよ、クソジジイ。じゃあな、ドライグ!』

 

 それだけ言い残して初代の爺さんと玉龍は去っていった。なかなかいいコンビだったな。

 二人を見送った俺たちはそのまま部屋に戻ることにした。

 

「イッセー。後で伝えておくことがあるわ」

 

 テスタロッサさんがすれ違いざまにそう言う。俺は嫌な予感を感じつつも、それに頷くのだった。

 

 

 

 

 ****************************

 

 

 

 

 修学旅行最終日。

 前夜に大激戦をした影響で、木場達の疲労は寝てもまるで取れなかったようで、疲弊した体を引きずりながら、お土産巡りを敢行していた。

 俺? 俺はまだ余裕。というのも、迷宮内では全力戦闘を丸一日行うとか普通にあったし、たった小一時間の消耗なら一眠りすれば取れるのだ。勿論、“真紅の赫覇魔龍帝(クリムゾン・ジャガーノート・ダークネス)”を使えば話は別だけどな。

 そんなこんなで俺はアーシアやゼノヴィア、イリナに肩を貸しつつ京都タワーなどの名所を巡り、お土産を買い、京都を離れることとなった。

 

「赤龍帝!」

 

 新幹線のホームに来たら、九重と八坂さんが見送りに来ていた。九重は嬉しそうに八坂さんと手をつなぎながら、笑顔で俺を呼んでいる。

 

「イッセーでいいよ」

 

 俺がそう言うと、九重は真っ赤になりながらもじもじと俺に聞いてくる。

 

「い、イッセー。ま、また、京都に来てくれるか?」

 

「ああ、また来るよ。約束だ」

 

 そう言って俺は九重に小指を差し出す。それを見た九重も小指を絡め、指切りをしながら約束を誓う。

 

「か、必ずじゃぞ! 九重はいつだってお前を待つ! 約束じゃからな!」

 

「ああ。その時は裏京都の案内も頼むぜ!」

 

「もちろんじゃ!」

 

 九重は指切りをしながら嬉しそうに言う。

 

 ピピピピピピ

 

 発車の音がホームに鳴り響く。

 

「そろそろだな。じゃあな、九重!」

 

「うむ! またなのじゃ、イッセー!」

 

 そう言って俺たちは新幹線のドアの前に立つ。それを確認すると八坂さんが言う。

 

「アザゼル殿、赤龍帝殿、そして悪魔、天使、堕天使の皆々、本当にすまなかった。礼を言う。これから魔王レヴィアタン殿、闘戦勝仏殿、そして異世界からの使者殿と会談するつもりじゃ。良い方向に進めていきたいと思うておる。二度とあのような輩によってこの京都が恐怖に包まれぬよう、協力体制を敷くつもりじゃ」

 

「ああ、頼むぜ、御大将」

 

 先生も笑顔でそう言って八坂さんと握手を交わした。そこにセラフォルーさんも手を重ねる。

 

「うふふ、皆は先に帰っててね☆ 私は八坂さんと猿のおじいちゃん、ヒナタさんにテスタロッサさんと楽しい京都を堪能してくるわ☆」

 

 セラフォルーさん、かなり楽しげだな。まあ、俺も政治についてはさっぱりわからんし、そこら辺は専門家におまかせするのが一番だな。

 それだけやり取りして俺達は新幹線に乗車する。ホームで九重が俺に叫んだ。

 

「ありがとう、イッセー! 皆! また会おう!」

 

 手を振る九重に俺達も笑顔で手を振った。

 

 プシュー

 

 閉じる新幹線の扉。発車してもなお、九重が俺達に手を振り続けるのが見えた。

 

「なんやかんやで楽しい修学旅行だったな……」

 

 英雄派との戦闘もあったけど、観光もしっかりできた。

 清水寺、銀閣寺、金閣寺に嵐山。その他にもたくさん観光名所を巡ることができた。

 なにより、九重や八坂さんにも会えたしな。

 

「今度はミッテルト達も連れていきたいな」

 

 俺はそう思いながら、遠く離れていく京の街を車窓から見送るのだった。

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 

 

 

 

「以上が、京都で起きた事の顛末です」

 

 京都から帰還した俺たちは部長に滅茶苦茶怒られていた。

 正座するは俺、木場、アーシア、ゼノヴィア、イリナ……そして、黒歌の六人だ。ロスヴァイセさんは二日酔い+戦闘で完全にダウンしたらしく、帰宅早々ぶっ倒れて自室で寝てる。お疲れさまです。

 

「……ところで、何で私まで怒られてるにゃん?」

 

「そりゃ、黒歌っちは今回の事件知ってたからっすよ」

 

「にゃは……」

 

 そう。どうやら現地に残った者達の中で黒歌だけは今回の事件を把握していたらしい。

 なんでも、ヒナタさんと事細やかに連絡を取ってたみたいだ。それでも話さなかったのは、こちらの意図を汲んだのと、そもそもコレだけの戦力が揃っていれば問題ないだろうと楽観視してたのが大きいみたい。

 

「全く、なんで知らせてくらなかったのかしら?」

 

「どうせ話せばうちらがそっちに行くとか思ったんっしょ? アザゼル先生にも後でお灸を据えたほうがいいっすね」

 

「はあ? おいおい、俺もかよ……」

 

「どうせ口止めしたの先生っしょ? ホウレンソウくらい守ってほしいものっすね。まあ、確かに向こうの敵は歯ごたえがまるでなかったし、修行相手にもならなかった感じだったし、そっちに行ってたかもですけど」

 

 ジト目でアザゼル先生を見つめるミッテルト。アザゼル先生は気怠げに頭を掻いている。

 

「此方から電話した時に少しくらい相談して欲しかったですわ……」

 

「……そうです。水臭い」

 

「で、でも、みなさん無事で帰ってきてくれたのですから……」

 

 キャスパーよ、お前は庇ってくれるのか。本当にいい後輩だぜ。

 

「まあ、イッセーは現地で新しい女を作ってたけどな」

 

「あ?」

 

 先生の言葉を聞いたミッテルトは鬼の形相でこちらを睨む! 

 

「しかも、九尾の娘だぞ」 

 

「イッセー……貴方って子は……」

 

「また新しい女作ってきたんすか?」

 

「ま、待て! 誤解だ! 相手はまだ小学生の子供だぞ! 流石に対象外だわ!」

 

 何のことかと思ったら、九重のことかい! あの子はまだ小学生くらいの年齢だろ! 流石にそんな小さい娘をそんな目では見ねえよ! 

 

「……それならいいんすけどね。本当に大丈夫っすか?」

 

「当たり前だろ。先生も人聞き悪いこと言うなよ」

 

「でもよ、あの八坂を見た限り、将来相当な巨乳美人に進化するぞ?」

 

「それはそうかもですけど、俺はそこまで小さい子への趣味はありません!」

 

 ドゴンッ! 

 

 唐突に俺を殴る小猫ちゃん! 俺はあまりにも突然のことに対応できず、そのまま突っ伏してしまった! 

 

「……え? なに? 何で殴られたの、俺?」

 

「……なんとなくです」

 

 え? 割とマジでついていけないんだけど……あ、わかった。そういうことか! 

 

「別に小猫ちゃんのこと言ったわけじゃないよ? 俺、小猫ちゃんは滅茶苦茶可愛いし、素敵な女の子だって思ってるし……ぐぶっ!?」

 

 ドズンッ! 

 

 今度はミッテルトに殴られた! な、なんで威力の拳だよ……っ!? 

 

「な、何故……」

 

「何彼女の前で女の子口説いてるんすか? ホント、そういうところっすよ、イッセー」

 

 く、口説いた覚えは……あ、あれ? 小猫ちゃんがすごく照れた表情になってるんだけど? 

 それを見たミッテルトはため息をつき、呆れながらも俺に回復魔法をかける。

 

「まあ、そっちはそっちで大変だったみたいっすし、今回はコレで許してあげるっすよ」

 

 ふう……無罪放免か。良かった良かった。ミッテルトの許しの言葉を聞いた皆は思い思いに足を崩し、やっと落ち着くことができた。

 そこで朱乃さんが思い出したかのように手をポンと叩き、口を開く。

 

「そういえば、妖怪の世界でも『乳龍帝おっぱいドラゴン』の正式な放送が決定したそうですわ。また、有名になりそうですわね。イッセーくん」

 

「マジすか?」

 

 あれ、妖怪の世界でも放映されるのか。基軸世界でも輸出の話が出てるらしく、リムルは難色を示しつつも最終的に深夜枠で放映することになりそうだし、なんかとんでもないことになってるよな。俺の特撮番組。

 

『そ、そうか。アレが基軸世界でも……他の奴らにも観られ、観られ……う、うおおおおおおおおおんっ!』

 

 ドライグ泣いちゃったよ。ま、まあアレが見られるとなると、確実に皆に弄られるだろうしな。

 

「あ、そういや学園祭前にフェニックス家の娘が駒王学園に転校してくるそうだぜ?」

 

 ────っ!? マジで!? 見ると、部長や朱乃さん達も知らなかったらしく、目を点にしている! 

 

「レイヴェルこっちに来るんですか?」

 

「ああ。リアスやソーナの刺激を受けて日本で学びたいと申し出たそうだ。確か、小猫やミッテルトと同学年だ。猫と鳥で馬は合わなそうだが、それを見るのも一興かもな」

 

「……どうでもいいです」

 

 先生の言葉に小猫ちゃんは不機嫌そうな声音で答える。あれ? 小猫ちゃんってレイヴェル嫌いなのか? そういえば、話してるところ見たことない気もするな。

 

「でも、なんでここに転校してくるんでしょうかね?」

 

 別に駒王学園じゃなくてもいい気がするんだかな。聞いた話じゃ、悪魔が通う人間界の学校も駒王学園だけじゃないらしいし……知り合いが多いからか? 

 

「……あの不死鳥っ娘、そういえば以前イッセーにあった時、妙に艶っぽい顔してたっすよね。面倒そうな予感がするっす……」

 

「ま、そういうことだろうな。ミッテルト達も大変だな」

 

「……帰ってきても安心できないんですね」

 

 アーシアの声のトーンが低い! よく見ると、女子全員が複雑そうな顔してる! なに!? 何なの!? 

 

「耐えろ、アーシア。コイツに付き合うことは耐えることでもある。最近、私も覚えてきたぞ」

 

「そうね。……私も耐えなきゃ駄目なのかしら?」

 

「私は耐えるより攻める方に専念しますわ」

 

「全く、よくまあ彼女の目の前でそんな発言堂々とできるっすね」

 

 意味深なことをつぶやくゼノヴィアとイリナ! 挑戦的な笑みを浮かべる朱乃さん! 獰猛な笑みで返すミッテルト! な、何事ですか? 

 

「まあ、いいわ。取り敢えず、目先の問題に集中しましょう。もうすぐ学園祭よ。貴方達がいない間も準備は進めてきたけど、ココからが本番……そして」

 

 部長は笑みを消し、真剣な顔で部員を見渡す。

 

「サイラオーグ戦ももうすぐだわ。イッセーがいるとはいえ、ルール次第では敗北だってあり得る。絶対に気は抜けないわ。改めて、そちらの準備にも取り掛かりましょう」

 

「「「「はい!」」」」

 

 部長の言葉に大きく返事をする。

 サイラオーグさん……あの人と戦えるのは楽しみだ。学園祭も大事だが、こっちも大事だよな。

 ……そうだ。大事と言えば、この事はミッテルトとも共有しなきゃ駄目だな。

 

「ミッテルト、黒歌も少しいいか。神祖についてなんだが」

 

 俺が小声で二人に囁くと、ミッテルトと黒歌は真剣な顔でこちらを見た。

 

「……話は聞いてるっすよ。神祖の権能……そして、配下の魂の件っすね」

 

 既に話はモス経由で伝わってたみたい。ならば話が早い。

 

「ああ。究極能力を付与できるという権能。そして、殺した配下の魂を、あのテスタロッサさんが掌握できなかった件についてだ」

 

 そう。なんでも、テスタロッサは裏京都にて相対した新生十二蟲将を始末した際、その魂を掌握することができなかったらしいんだ。

 テスタロッサさんは原初の悪魔。それでいて、魔力や魂の精密操作はディアブロさんに次ぐ力を持つ実力者。

 そのテスタロッサさんが殺した相手の魂を掌握できないなんて、普通じゃありえない話だ! 

 

「それだけじゃないっすよ。テスタロッサさんに聞いたんっすけど、そもそも神祖は天魔大戦でも現れてるらしいじゃないっすか。うちとイッセー達がイヴァラージェと殺り合ってる間に、テスタロッサさんが始末した筈なんすよ」

 

「ああ。俺も、向こうでその話をテスタロッサさんから聞いた」

 

 神祖トワイライト。テスタロッサさんによると、俺達がイヴァラージェと戦ってる間に、神祖はヴェルザードさんの協力者としてギィさんとの戦いに参戦していたらしい。

 てか、あの時ギィさん教えてくれればいいものの……。リムルとはあの会合の日に共有してたらしいけど……。

 だが、その時の情報によると、ヴェルザードさんと共に現れた神祖には魂を掌握する力に究極能力を付与する力。そんな権能確実に持ってなかったはずなんだ。

 

「二人の神祖に異なる権能。一体、何が起きてるんすかね……」

 

 俺たちは神妙な顔つきで話し合う。神祖の正体も謎だ。

 ……奴は一体何者なんだ? 

 

 

 

 

 ****************************

 

 三人称side

 

 

 

 

「……う、うぅ……」

 

「大丈夫かい? レオナルド?」

 

 絶霧の内部にて作られた英雄派のアジトでは、何かに怯えているレオナルドを曹操達が宥めていた。

 

「レオナルドがこうも怯えるとはね。一体、向こうの戦場では何があったんだか……」

 

「生き残った者の話によると、魔王レヴィアタンと堕天使総督以外に、妙な人間の女がいたそうです」

 

「……人間の女?」

 

 ゲオルクの言葉に曹操は興味深そうに呟く。続きを言うように促すと、ゲオルクは紙面にまとめた戦場での様子を事細やかに説明する。

 

「当初、数百体のアンチモンスターを引き連れた英雄派の面々達は悪魔や堕天使、天使に妖怪の連合軍ともある程度は渡り合えていたそうです。ところが、西洋風の鎧を纏った人間の女性……彼女が現れたことで戦場は一変。アンチモンスター達は足止めにもならず、禁手に目覚めた神器使いですら、成すすべもなく倒されたとのことです。その後、彼女は護衛のために作られた魔獣をも簡単に屠り、容易くレオナルドを追い詰めた。助けが遅れていれば、レオナルドは間違いなく殺されていたでしょうね」

 

「ふむ……それ程の使い手がまだいるのか。……ダイスケ、キミは何を知ってるんだい?」

 

 曹操は鋭い目つきでダイスケを睨む。どこ吹く風のダイスケに苛立ちながらも曹操は言葉を続けた。

 

「あの戦い、警戒すべきは赤龍帝兵藤一誠だけだと考えていた。ところがだ、ジウという少女の参戦により、俺達は撤退をやむなくされた」

 

 事実、ジウは強かった。身体能力では完全に曹操を上回っており、聖槍がなければ敗北していたのは間違いなく自分であると確信していた。

 もし、彼女がいなければ兵藤一誠をダイスケが抑えてる間に曹操はあっさりとグレモリー眷属を制圧できていただろう。

 だからこそ、解せない。あれほどの使い手が無名などということあるわけがない。神器を使うわけでもないのにあの強さ。それはダイスケにも共通していることだった。

 曹操の問いかけにダイスケは少し考える。だが、別に隠しておく必要もない。むしろ、この話を聞いて曹操が強くなるのなら願ったり叶ったりだ。そう考えたダイスケは笑みを浮かべて語りだす。

 

「……やれやれ。仕方がないか。じゃあ、教えてあげるよ……“基軸世界”についてをさ♪」

 

 ダイスケの語る事実。それを聞いた曹操はその闘争心を更に燃え上がらせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 




どうもはんたーです
これにて、修学旅行はパンデモニウム編を終えたいと思います。
次章、第十章はいつも通り書き溜めができ次第投稿したいと思います。
神祖関連とか今後のことも練りたいので、多分、数カ月後とかになると思います。
お楽しみにどうぞ
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