帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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バアル戦開幕です

 イッセーside

 

 

 

 

 

 ゲーム開始時間まであと僅か。

 俺達はドーム会場の入場ゲートに続く通路でその時を待っていた。ゲートの向こうから既に観客の入り乱れた声と凄まじい熱気がピリピリと伝わってくる。

 俺達の服はお馴染み駒王学園の制服だが、俺が“地獄蛾(ヘルモス)”の糸を原料に一新したもので、高い魔力耐性を誇る優れものだ。防御力も比ではないだろう。

 ゼノヴィアは何時もの自前の戦闘服だけどね。まあ、作りは俺達と同じにしてるけど……。

 それ以外にも、ロスヴァイセさんは鎧姿。アーシアはシスター服を着ている。

 それぞれのリラックス方法でギリギリ真似待機する中、リアスが重い口を開く。

 

「……皆、これから始まるのは実戦ではない。けど、実戦に等しい重さと空気があるわ。人が見ている中での戦いだけど、臆しないように気をつけてちょうだい!」

 

『さぁ、いよいよ世紀の一戦が始まります! 東口ゲートからはサイラオーグ・バアルチームの入場です!!』

 

「「「「わぁぁぁああああああああっ!!!」」」」

 

 入場のアナウンスに会場が一斉に沸き立った! 

 こっちにまでビリビリ伝わってくる声援! 歓声! 

 バアル眷属の入場にドーム会場が大きく震えてやがる。

 ミッテルトと一緒に参加したスイーツコロシアムを思い出すな。だが、熱気は確実にあの時以上だ! 

 

「……き、緊張しますぅぅっ!」

 

「……大丈夫。カボチャだと思えば怖くないよ」

 

 緊張するギャスパーと落ち着いた様子の小猫ちゃん。らしい会話だが、小猫ちゃんもよく見ると緊張してるな。まあ、コレだけの大舞台だし当然と言えば当然か。

 

「ゼノヴィアさん、イリナさんがグレモリー側の応援席で応援団をやると聞いたのですが」

 

「そのようだぞ。なんでもおっぱいドラゴンのファン専用の一画で応援のお姉さんをすると言っていた。しかも、応援団長はフォールンレディとのことだ」

 

 というアーシアとゼノヴィアの会話も聞こえてくる。

 応援団か……しかも、団長はミッテルトと。これは負けられねえな。

 そういえば、レイヴェルもおっぱいドラゴンのファン席側に席が取れたと言っていたな。

 もしかしたら、ミッテルトとレイヴェルとイリナは同じ席にいるのかもしれないな。 

 

『そして、西口ゲートからはリアス・グレモリーチームの入場です!!』

 

 ついに俺達が呼ばれた。

 

「「「おおおおおおおおおぉぉぉぉっ!!!」」」

 

 既に観客もかなりヒートアップしてるな。

 皆も気持ちを切り替えて、表情を厳しくしている。

 リアスが皆を見渡して一言だけ言った。

 

「ここまで私についてきてくれてありがとう。────さあ、行きましょう、私の眷属たち。勝ちましょう!」

 

「「「はいっ!」」」

 

 返事をする俺達。そして、俺達はゲートを潜った。

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 ??? side

 

 

 

 

 

 VIP専用の一室にて、ボリボリと美味しそうにお菓子を食べる少女がいた。

 美しい桜金色(プラチナピンク)のツインテールを靡かせ、少女はじっとフィールドを見ていた。

 

「ずいぶん楽しそうね」

 

 少女の後ろに控えている二人の男女。

 その片割れたる有翼人の女性が言う。それを聞いた少女は答える。

 

「当然なのだ! リムルも一緒だしな!」

 

 そう言いながら、少女は同じソファー席に座るリムルと肩を組む。

 それに苦笑しながらもリムルの視線はフィールドに釘付けとなっていた。

 

「それにしても、レーティングゲーム……か。面白い事考えるよな。テンペストでも採用しようかな……ゆくゆくは冥界と交流戦なんてことも面白そうだ」

 

「うむ。妾も以前より黒歌から話は聞いていたが……中々面白そうな趣じゃのう」

 

「ルールありきの戦いも確かに面白そうだね、我が君。その時はエスプリやアゲーラも一緒にやらせようかな?」

 

 リムルの言葉に答えるように銀髪の少女は笑い、カレラは構想を浮かべる。

 それを聞き、夢が膨らむな、とリムルは呟く。リムルの楽しそうな姿を見て、少女もまた楽しそうに笑みを浮かべた。

 

「どんな戦いが見れるか……楽しみなのだ!」

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 イッセーside

 

 

 

 

 大歓声の中、俺達が目の当たりにしたのは広大な楕円形のフィールドの上空に浮かぶ二つの浮島だ。宙に浮く岩と表現したほうがいいかもしれない。

 フィールドに浮かぶ浮島の一つにサイラオーグさん達バアル眷属が揃っている。

 

『さぁ、グレモリーチームの皆さんも陣地へお上がりください』

 

 アナウンスがそう促す。

 どうやら、あの上が各陣営の陣地となるらしい。

 岩の浮島に繋がる長い螺旋階段を登り、俺達は陣地の上へと辿り着く。

 俺達と向かい合う形でバアル眷属が見える。だが、かなりの距離があるようだ。

 一体、どんなゲームなのだろうか。このフィールド全体を使った空中大決戦的とかか? 例えば、フィールドを飛び回って、この下に落ちたら負けとか? 

 そういうルールのゲームもあったし、今回はその類いか、はたまた別の何かか……。

 陣地には人数分の椅子と謎の台。

 そして、一段高いところに設けられた移動式の魔法陣。どうやら、あちら側も俺達の陣地と同様のようだ。

 候補がありすぎて絞れんな。今夜のゲームはどんな方式なんだ? 

 そう考えていると、会場にアナウンスが響く。

 会場に設置された超巨大モニターに映り込んだのはイヤホンマイクを耳につけたド派手な格好の男性だった。

 

『ごきげんよう、皆様! 今夜の実況は私、元七十二柱ガミジン家のナウド・ガミジンがお送りいたします! どうぞよろしく!』

 

 おおー、実況つきなのか。流石はプロ仕様のゲームだ。

 

『今夜のゲームを取り仕切る審判役にはリュディガー・ローゼンクロイツ!』

 

 宙に魔法陣が出現。

 そこから銀色の長髪に正装という出で立ちのイケメンが現れた。

 

「……リュディガー・ローゼンクロイツ。元人間の転生悪魔にして最上級悪魔。しかもランキング七位の人です」

 

 ほう、あれがそうなのか。

 現時点で唯一の元人間の最上級悪魔。レーティングゲームの現役トップランカーとして有名な人だ。

 

「「「キャアアアアアアッ!! リュディガー様ぁぁぁあああ!!」」」

 

 女性を中心に凄まじい歓声が! 

 流石はレーティングゲームのトップランカーといったところか。

 そんな人が審判という時点で既に豪華すぎる。まさに破格の扱いと言っていいだろう。それだけ、このゲームの注目度が高い証拠だな。

 

「でも、グレイフィアさんじゃないんだな」

 

 ライザーの時といい、シトリーとの時といい、今まで審判は皆あの人だったから、今回もそうなのかと思ってたんだけどな。

 俺がそう呟くと朱乃が言った。

 

「大王家が納得するわけがありませんわ。グレイフィアさんはグレモリー側ですから」

 

 ……言われてみれば、そりゃそうだな。

 グレイフィアさんはサーゼクスさんの『女王』だし、グレモリーのメイドでもある。

 グレイフィアさんな不正云々はありえないが、大王側がそれで納得するはずもない。本当に政治というのは面倒くさいな。

 

『そして、今回の特別ゲスト! 解説として堕天使の総督アザゼル様にお越しいただいております! どうも初めまして、アザゼル総督!』

 

 ────と、画面一杯に見知った男性が映される。

 ……………………。

 俺達は全員唖然としていた。

 男性────アザゼル先生がニッコリと笑顔で挨拶をする。

 

『いや、これはどうも初めまして。アザゼルです。今夜はよろしくお願い致します』

 

 ……せ、先生何してんの!? 

 そういや、今夜は特別な仕事があるからVIPルームからの観戦はできないとか言ってたけど、これのことだったのかよ! 

 そうですか! 今夜はゲームの解説役ですか! 全然聞いてねえよ! 

 

『アザゼル総督はサーゼクス・ルシファー様をはじめ、各勢力の首脳の方々と友好関係を持ち、神器研究の第一人者としても有名でありますが、今日の一戦、リアス・グレモリーチームの専属コーチをされた上で、どう注目されているのでしょうか?』

 

『そうですね。私としましては両チーム共に力を出しきれるのかという面で────』

 

 などと、先生は営業スマイルで解説を始めやがった! 

 先生のあんな爽やかスマイル見たことねえよ! 

 なんていうか、外面の厚い人だな……。

 先生の紹介が終わったところでカメラが隣に移り、端正な顔立ちに灰色の髪と瞳を持つ男性を映した。

 

『更に、もう一方お呼びしております! レーティングゲームのランキング第一位! 現王者! 皇帝ディハウザー・ベリアルさんですッ!』

 

「「「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」

 

 今までで一番の盛り上がりを見せる観客席! 会場全体の振動がこちらにまで届いてくる! 

 ディハウザー・べリアルは朗らかに口を開く。

 

『ごきげんよう、皆さん。ディハウザー・ベリアルです。今日はグレモリーとバアルの一戦を解説する事になりました。どうぞ、よろしくお願い致します』

 

 ────あの人が皇帝べリアル。レーティングゲーム現王者。ランキング一位。

 なるほど、凄まじい威圧感だ。魔王種のようだが、下手な超級覚醒者よりも強そうだ。少なくとも、ジウより強いと見て間違いないだろう。

 実況者がアザゼル先生とディハウザー・ベリアルに話を振る。

 それをリアスは真剣な表情で見つめていた。

 彼はリアスにとって将来の目標だ。リアスの夢、レーティングゲームの各タイトル制覇を達成するには、必ずあの男が立ちはだかるはずだ。

 そんな王者を見て、リアスは決意に満ちた評定をする。

 

「ディハウザー・ベリアル。いつか必ず────。けれど、今は目の前の強敵を倒さなければ、私は夢を叶えるための場所に立つ事すら出来ないわ」

 

 リアスの言う通り。

 今日俺たちが戦うのは皇帝ベリアルではなく、目の前のサイラオーグさんだ。

 相手も気合に満ち満ちているし、俺達も気合を入れねばな。

 そうこうしているうちに開設が進んでいく。

 

『まずはフェニックスの涙についてです』

 

 フェニックスの涙……地味に気になっていた要素だ。

 現在、テロリストどもの影響で高騰しているから、ギリギリまでどうなるかわからないと聞いてたけど、結局どうなるんだろう? 

 リアスもその有無で戦術が変わると言ってたな。

 

『皆さまもご存じの通り、現在テロリスト集団、禍の団の連続テロにより、各勢力間で緊張が高まり、涙の需要と価格が跳ね上がっております。そのため、用意するだけでも至難の状況です。しか────しっ! 涙を製造販売されているフェニックス家現当主のご厚意とバアル、グレモリー、両陣営を支持されるたくさんの皆さんの声が届きまして、今回のゲームで各チームに1つずつ支給される事となりました!』

 

 その声と共に長巨大モニターには高価そうな箱に入った二つの瓶────フェニックスの涙だ。

 その知らせに会場全体が沸き上がる。

 そうか、涙は支給されることになったのか。そういや、レイヴェルも「なんとか用意したい」って言ってたな。

 助かるけど、逆にバアル側も一度だけ一名の復活が可能ってことになるな。

 まぁ、使うのは勿論向こうの王様になるだろう。 

 

「……サイラオーグ・バアルを二度倒す覚悟を持たないといけないみたいだね」

 

 木場が険しい面持ちで呟く。

 実際、今の木場達なら戦術次第でサイラオーグさんを倒せる確率もある。だが、木場達では涙の許容量を超えたダメージを出すことは難しいだろう。

 こっちにはアーシアがいるから涙の重要度は正直低い。

 それでも、回復の即効性は涙のほうが上だし、アーシアが早々に退場する可能性もあるから使用に迫られることもあるだろう。

 取り敢えず、ここは王であるリアスに持たせるのが妥当なところだろうな。

 王であるリアスが負けてしまえば、そこで俺達の敗北になるわけだし。

 

『このゲームには特殊ルールがございます!』

 

 やっぱりあるのか特殊ルール! 

 実力を直接封じるものではないとの話だが、今回のゲームは大勢の観客で賑わっている。

 レーティングゲームはエンターテイメントの要素も含んでいるから、今回は観客を盛り上げるためにそちらを強調したルールになるだろうな。

 

『特殊ルールをご説明する前にまずはゲームの流れからご説明致します! ゲームはチーム全員がフィールドを駆け回るタイプの内容ではなく、試合方式で執り行われます! これは今回のゲームが短期決戦を念頭に置いたものであり、観客の皆さんが盛り上がるように設定されているからです! 若手同士のゲームとは言え、その様式はまさにプロ仕様!』

 

 試合方式! 

 チームバトルができないこともないだろうが、基本はタイマンが多くなるかもしれんな。

 見ると、仲間達も予想外の展開に顔を険しくしている。基本的には多人数のチーム戦の修行をメインにやってたからな。試合形式となると、それらが活かせるか分からなくなる。

 なんか、期末テストのヤマカンが外れたみたいな気分だぜ。

 

『そして、その試合を決める特殊ルール! 両陣営の王の方は専用の設置台の方へお進みください』

 

 設置台というと、陣地にあるあの台のことか。気にはなっていたが、どうやら大分重要なもののようだな。

 促されたリアスとサイラオーグさんがそれぞれの設置台前に移動する。

 すると、台から機械仕掛けで何かが現れた。

 巨大モニターにもその光景が映し出される。

 画面に映し出されたのは────サイコロだった。

 

『そこにダイスがございます! それが特殊ルールの要! 今回のルールはレーティングゲームのメジャーな競技の1つ! ────“ダイス・フィギュア”です!』

 

 ダイス・フィギュアか……。

 確か、サイコロで出場選手を決める特殊ルールだったな。

 旗の奪い合いである“スクランブルフラッグ”と同じくらいメジャーなルール。ダイスを使った代表的なゲームだ。

 

『ご存じではない方のために改めてダイス・フィギュアのルールをご説明致します! 使用されるダイスは通常のダイス同様六面、1から6までの目が振られております! それを振るい、出た数字の合計で試合に出せる手持ちが決まるのです! 人間界のチェスには駒の価値と言うものがございます! これは基準として「兵士」の価値を1とした上で盤上での活躍度合いを数値化したもの! “悪魔の駒”でもその価値基準は一定の目安とされておりますね! 勿論、眷属の方が潜在能力以上の力を発揮して価値基準を超越したり、“変異の駒”のように駒自体にアジュカ・ベルゼブブ様の隠し要素が盛り込まれていたりして想定以上の部分も多々ありますが、今回のルールではその価値基準に準じたもので執り行います!』

 

 駒の価値……『騎士』が3で『僧侶』も3、『戦車』が5で『女王』が9ってやつか。

 あくまで基準になるらしいが、どうやら今回は特異な『変異の駒』みたいに基準に当てはまらない駒価値のものも通常通りに取り扱うらしいな。

 

『まず、両チームの王がダイスを振り、出た目の合計で出せる選手の基準が決まります! 例えば出た目の合計が「8」の場合! この数字に見合うだけの価値を持つ選手を試合に出す事が出来ます! 複数での出場も可能です! 「騎士」なら価値は3なので、2人まで出せますね! 駒消費1の「兵士」ならば場に8人も出せます! そして複数の駒を消費された眷属の方もその分だけの価値となります! 例えば、バアルチームの場合「兵士」の駒を7つ使われたという“兵士”選手が駒価値7となります! また、今回眷属候補である兵藤一誠選手は特別に駒価値10の評価が与えられております!』

 

 俺は10か。限りなくマックスに近い数値だな。

 てか、組める奴一人もいねえじゃねえか! まあ、とやかく言っても仕方ないけどさ! 

 ていうか、出た目の合計が最小の2とかだったらどうなるんだ? 

 そんな疑問を抱いていると、ちょうどそのことが説明されていく。

 

『今回は両陣営とも駒価値1から2の該当選手がいません。そのため、出た目が3から選手を出せるということになります! 合計数字が2になった場合は振り直しとなります! また、試合が進むにつれて手持ちも減りますので、当然出せる選手の数字にも変化があります。この場合も互いの手持ちと合致さるまで振り直しとなります!』

 

 まぁ、当然だな。

 それで、肝心の『王』の駒価値はどうなるんだ? 

 

『王自身の参加は事前に審査委員会の皆様から出された評価によって、出場できる数字が決まります! 無論、基本ルール通り王が負ければその場でゲーム終了でございます!』

 

「審査委員会の評価?」

 

 俺が疑問を口にすると朱乃が答えてくれた。

 

「事前にゲームの審査委員会が部長とサイラオーグ・バアルが、ダイス・フィギュアでどのぐらいの駒価値があるか、評価を出すのです。これは王自身の実力であったり、眷属の評価、対戦相手からの比較などから算出されるそうです。だから、ゲームによって王の数字は変動しますわ」

 

 朱乃の補足説明で理解できた。

 なるほど。リアスとサイラオーグさんの駒価値はゲームの審査委員会が決めるのね。

 と、なると数字次第ではサイラオーグさんが連続出場できる数値の可能性もあるのか。

 ワンマンチームは評価低いと聞くし、流石に序盤に出てくることはないと思うけど、警戒するに越したことはなさそうだな。

 

『それでは、審査委員会が決めた王の駒価値はこれですッ!』

 

 実況者の叫びとともに、巨大モニターに表示された二人の名前の下に高速で数字が動き出す。

 やがて、軽快な音と共に数字が表示される。

 

『サイラオーグ・バアル選手が12! リアス・グレモリー選手が10と表示されました! おおっと、サイラオーグ選手の方が高評価ですが、逆に言いますとマックスの合計が出ない限りは出場できない事になります!』

 

 ふむ……このゲームでは、サイラオーグさんの方がリアスよりも評価が高いと……。まあ、妥当な数値ではあるか。

 リアス自身も納得しているらしく、冷静だ。

 

「……試合で巻き返すだけだわ」

 

 だが、内心は大分熱くなってる様子だな。

 この調子なら、試合でも活躍してくれそうだぜ。

 

『それともう1つルールを。同じ選手を連続で出す事は出来ません。これは王も同様です!』

 

 了解了解。一拍あけないと再出場できないのね。つまり、サイラオーグさんやあそこの兵士の連続出場はないってことか。

 

「最初の数字が12だとしても、サイラオーグ自身が序盤から出てくるなんて事は無いと思うわ。彼の性格上、きっと自分の眷属をきちんと組み合わせて見せてくる。そのために厳しいトレーニングを重ねたのでしょうから。でも、必ず彼自身も出てくる。合計数字次第だけど、何処かで仕掛けてくるでしょうね。バトルマニアなのは確かだと思うから」

 

 バトルマニア。まあ、そうだな。

 サイラオーグさん、本当に楽しそうに戦うからな。

 俺がそう考えていると、部長がアーシアに視線を向ける。 

 

「このルールだとアーシアを単独で出すのも、組んで出すのも悪手ね。アーシアは眷属一の防御力を持っているけど、サイラオーグの力はそれをやすやすと突破する。そして、あの兵士……警戒に越したことはないわ。フェニックスの涙なしで回復できるのはコチラの利点、アーシアはここで帰ってきた者を回復させてちょうだい」

 

「はい、お姉様。私はここで皆さんのケガを癒やします! だから、皆さん無事に戻ってきてくださいね!」

 

「「「「「もちろん!」」」」」

 

 アーシアの激励に俺たちは声を合わせる。

 

「逆にアーシアさんが出てこないことは読まれるでしょうね」

 

「ええ、こちらは実質、戦闘要員が八名となるわ」

 

 八名。まぁ、仕方がない。

 後方にアーシアが控えてくれる方がありがたいしな。

 

『さあ、そろそろ運命のゲームがスタートとなります! 両陣営、準備はよろしいでしょうか?』

 

 実況者が煽り、審判が手を大きく挙げた

 

『これより、サイラオーグ・バアルチームとリアス・グレモリーチームのレーティングゲームを開始致します! ゲームスタート!』

 

 開始を告げる音と共に、観客の声援が会場中に響き渡った。

 

 

 

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