帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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サイラオーグの力です

 イッセーside

 

 

 

 

 

 女王対決の幕が閉じ、第六試合のダイスを振るうときが来た。

 両王がダイスを振るい、出た数字は────マックスの12! 

 ここで来たか! マックスの目が! 

 

『出ました!! ついにこの12が出ました! この数字が意味することはサイラオーグ選手が出場できるということです!!』

 

『おおおおおおおおおおおおおっ!!』

 

 実況の声に観客が大いに沸く。

 それに呼応するかのようにサイラオーグさんは上着を脱ぎ捨てた。

 戦闘に用意したのか、黒い戦闘服を着こんでおり、鍛え上げられた見事な体格が浮き彫りとなる。

 ついにあの人が出るか。サイラオーグさんの視線がこちらを向いた。

 闘志を燃やし、戦意に満ちたその相貌。この距離からでも重圧がかけられる。相当鍛錬を積んだのだろうな。

 

「それじゃあ、俺がでます」

 

 サイラオーグさんと戦えるのは現状俺だけだ。俺は魔法陣へと向かおうと立ち上がる。

 

「イッセー君」

 

 その時、木場が俺の肩に手を置いた。そして、真っ直ぐに呟いた。

 

「僕とゼノヴィアとロスヴァイセでサイラオーグさんに挑むよ」

 

 ────騎士が二人、戦車が一人で合計は11。確かに出られる数字ではある。

 木場達では徒党を組んでもサイラオーグさんには勝てないだろう。

 だが、それを分かったうえで木場は自分たちが出ると言っているのだ。

 

「大丈夫。負けるつもりはないよ」

 

 木場はニッコリとイケメンスマイルで言った。

 リアスも木場が言わんとすること察したようだ。

 

「あなた達、何を……」

 

「僕達ではサイラオーグ・バアルには勝てません。それは重々承知です。ですが、一番強い存在との戦いをイッセー君に任せる……それで、本当に強くなったことになるんでしょうか?」

 

 木場の言葉にリアスは押し黙る。

 

「相手はフェニックスの涙を残している上、不確定要素である“兵士”もいる。イッセー君ならそれでも盤上をひっくり返せると思う……けど、ここは僕たちがやらなくちゃいけないと思うんだ────。ゼノヴィア、ロスヴァイセさん、付き合ってくれますか?」

 

「勿論だ。イッセーと部長がうしろに控えているというだけで勇気が持てる」

 

「そうですね。今のままでは私たちは足手まといにになるでしょうし、強くなるためにもここは私たちが出ましょう」

 

「……本当にいいのか? はっきり言うぞ、俺はサイラオーグさんがどんな手を使おうと勝つ自信がある。今、この状況でお前達が出る意味はあるのか?」

 

 俺の問いかけに木場は頷く。

 

「確かに……ここでイッセー君を出せばサイラオーグ・バアルにも勝てるかもしれない。でも、それじゃあいつまでも僕達が君に頼り切るだけで、真の意味で強くはなれないと思うんだ。僕達が君に追いつくためにも、君と対等であるためにも、どうかこのワガママは許してほしい……」

 

 皆も覚悟が決まった顔をしていた。

 実際問題、サイラオーグさんと俺が戦えば確実に俺が勝つ。だが、それを承知の上で木場達は相手を疲弊させようというのだ。

 正直なところ、万全な状態のサイラオーグさんと闘いたい気持ちもある。だが、ここで皆の覚悟を無下にするわけにもいかないな……。

 木場の言葉にリアスは静かに頷く。

 

「……そうね。祐斗、貴方の気持ちはよくわかるわ。私も、今のままじゃあダメだということはわかっているもの」

 

 リアスはそう言いながら自分の掌を見つめる。リアスもリアスで王の在り方について悩んでいるのは知っている。ここがリアスの正念場だ。リアスは覚悟を決めたらしく、木場たちに向き直り、大きく息を吐く。

 

「分かったわ。三人とも、お願いするわね」

 

「はい。────僕達がサイラオーグ・バアルを倒します」

 

「ああ。こちらとしても、負けるつもりはない!」

 

 木場の言葉に頷くゼノヴィア。どうやら気合いは十分のようだな。

 

「……ゴメンなさい。心の中で覚悟を決めていたのに、また貴方達に教えられてしまったわ……。私は本当に甘くて、ダメな王ね」

 

 リアスの自嘲に木場は首を横に振った。

 

「僕たちは部長と出会って、救われました。ここまで来られたのも、部長の愛があったこそです。あなたに勝利を必ずもたらします」

 

 木場はそれだけを言い残し、ゼノヴィアとロスヴァイセさんと共に転移魔法陣へ向かう。

 そして、三人はバトルフィールドへと転送されていく。

 

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 

 

 

 

 

 三人が転移した場所は湖の湖畔。三人の眼前には腕組をして先に待機していたサイラオーグさんが立っていた。

 三人を見て言う。 

 

『リアスの案か? お前達では俺に勝てんことは分かっているだろう』

 

 全てを認識した上での台詞。

 木場たちは何も答えないが、サイラオーグさんは感心するように口の端を上げていた。

 

『そうか。リアスは王として一皮むけたようだ。────もう一度言う。おまえらでは俺に勝てん。いいんだな?』

 

『ええ。ですが、負けるつもりは一切ありません。僕達がイッセー君頼りではないと証明する、いい機会だ!』

 

『いい台詞だ! お前たちは何処までも俺を高まらせてくれる……ッ!』

 

 木場の覚悟を聞き、サイラオーグさんはうち震えている様子だった。

 そのオーラに大地が鳴動してやがる! 

 

『第六試合、開始してください!』

 

 審判の合図! 

 それと同時にサイラオーグさんの四肢に奇妙な文様が浮かび上がる。

 あれがサイラオーグさんが身体にかけている枷の術式か。見た限り、シンプルに負荷を与える仕様のようだな。

 

『俺の体の縛りを負荷を与える枷だ。これを外し、全力でお前たちに応える!』

 

 淡い光がサイラオーグさんの四肢から漏れると、紋様が消える。

 次の瞬間────

 

 ドンッ!! 

 

 サイラオーグさんを中心に周囲が弾ける! 風圧が巻き起こり、足元が激しく抉れてクレーターとなった! 湖の水が大きく揺れて、並立っている! 

 クレーターの中心では体から白い輝きを放つサイラオーグさん。

 あれは────

 

『……なんて奴だ。闘気を纏っていやがる。しかも、ここまで可視化するほどの濃厚な質量……』

 

『となりますと、サイラオーグ選手は気を扱う戦闘術を習得していると?』

 

『いや、サイラオーグが仙術を習得しているという情報は得ていない』

 

 先生に皇帝べリアルが続く。

 

『はい、彼は仙術などは一切習得していませんよ。あれは体術を鍛え抜いた先に目覚めた闘気です。純粋にパワーだけを追い求め続けた彼はその肉体に魔力とは違う力を手にいれたのです。あれは彼の有り余る活力と生命力を噴出させて、可視化した状態……それに、それだけではありません……』

 

 ディハウザーさんは総笑みを浮かべると、サイラオーグさんがそれに応えるようにオーラを鎮めていく! 

 

 ピンッ! 

 

 サイラオーグさんの可視化していたオーラが完全に消える。

 おいおい……アレって……。

 

『彼はその有り余るエネルギーを完璧に留め、全身に張り巡らせることで本来の戦力の120パーセントもの力を発揮することができる。その力は最早、最上級悪魔に比肩すると言ってもいいでしょう』

 

 やっぱりか! あのエネルギーを全て身体に押し留めることで無駄なく効率的に身体強化に当てやがった! 

 今のサイラオーグさんは、進化前のカリオンさんと同等────どころか、上回るかもしれん! 

 表面上は緩やか。だが、三人はその力を肌で感じているのだろう。

 サイラオーグさんから放たれるプレッシャーに三人は表情を険しくしていた。

 サイラオーグさんが吼える。

 

『一切の油断はしない! 覚悟を決めたおまえ達は侮っていい相手ではない! 俺は取られてもいい覚悟でこの戦いに臨もう! それこそが俺であり、相手への礼儀だ!!』

 

 ドッ! 

 

 サイラオーグさんが跳ぶと同時に立っていた地面が大きく削れ、サイラオーグさんの姿が消える! 

 速いっ! 

 

『させません!』

 

 ロスヴァイセさんは縦横無尽に魔方陣を展開させてフルバーストを撃つ体勢に入った。

 

『ロスヴァイセさん、そっちです!!』

 

 なんとか動きを捉えた木場は聖魔剣の切っ先を向けた! その先にはサイラオーグさんの姿! よく捉えたな、木場! 

 そこへ間髪入れずにロスヴァイセさんのフルバーストが撃ち込まれる! 

 

 ドドドドドドドドドドドドドッ!! 

 

 大質量であらゆる属性の魔法が放たれていく! 

 そこにゼノヴィアの聖なる波動の乱れ撃ちも加わる! 

 

『ふんっ!』

 

 バンッ! 

 

 サイラオーグさんが向かってきていた魔法と聖なる波動の全てを拳で撃ち落としていた! 

 サイラオーグさんは高速で次々と降り注がれる魔法と聖なる波動の雨を掻い潜り、ロスヴァイセさんとの距離を一気に詰めていく! 

 

『逃げ──』

 

 木場がロスヴァイセさんに逃げるように言おうとするが、それよりも先にサイラオーグさんの拳がロスヴァイセさんを捉えていた。

 直撃した瞬間、その周囲一帯の空気が揺れる! 

 ヴァルキリーの鎧が粉々に砕け、四散していく。

 苦悶の表情となるロスヴァイセさんはそのまま、湖の遥か彼方へ吹き飛ばされていく! 

 同時にその体が光に包まれてながら、湖に落ちていった。

 だが、サイラオーグさんは拳をじっと見つめて眉間にしわを寄せている。

 

『……感触が違う……偽者か!』

 

 もう気づかれた! 

 そう、アレはゼノヴィアが借り受けたエクスカリバーの一つ“擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)”がロスヴァイセに化けたもの! 本物のロスヴァイセさんはフルバーストを放つと同時にもう一振りのエクスカリバー“透明の聖剣(エクスカリバートランスペアレンシー)”を使い、透明化して潜伏しているのだ! 

 サイラオーグさんはそうと気づくやいなや、即座に魔力を波動のように展開する! 

 ゼノヴィアの聖なる因子でパワーアップした透明の聖剣は並の使い手の魔力感知をも回避する! だが、サイラオーグさんの魔力感知ではなく、魔力の波で相手の位置を探ろうというのだ! 

 

『うおおおおおおおっ!!』

 

 ゼノヴィアがサイラオーグさんを妨害すべく、真正面から斬りかかる! 

 

 フッ! 

 

 しかし、サイラオーグさんはゼノヴィアを遥かに上回る速度で瞬時に背後に移動! そのままゼノヴィアを蹴り飛ばそうとする! 

 

『くっ!?』

 

 ゼノヴィアは驚愕しつつも、咄嗟に身をよじって放たれた蹴りを避ける。

 

 ゴオオオオオッ!! 

 

 その蹴りの勢いは凄まじく、一帯の空気を大きく震わせ、前方の湖を真っ二つに割った。

 見ると、ゼノヴィアはボタボタと鼻血を流している。

 風圧だけであの威力! もしも直撃してたら、頑丈なゼノヴィアも問答無用でリタイアしてただろう! 

 その凄まじい威力に驚愕する木場とゼノヴィアに対し、サイラオーグさんは不敵に笑みを浮かべる。

 

『魔法の使い手はまだ様子見か……恐らく、確実に当てられるタイミングで姿を現すつもりだろうな。当面はお前達二人が相手。さあ、かかってくるがいい!』

 

 不敵に笑むサイラオーグさんを見て、ゼノヴィアと木場も全身からオーラを迸らせた! 

 

『木場ッ! こいつはヤバいッ! 全力中の全力でなければ勝てないぞっ!』

 

『解っている! 後先考えるのは後回し! 相手は遥かに格上……イッセー君を相手にしてるつもりで行ったほうがいい! この男は、それほどの相手だッ!』

 

 二人の緊迫ぶりを見て、サイラオーグさんは満足そうな笑みを見せた。

 

『それでいい! そうでなくてはこの拳は止められんぞッ!』

 

 ダンッ! 

 

 その場を勢いよく飛び出し、闘気を纏わせた拳で木場に殴りかかる! 

 木場は前方に聖魔剣を幾重に張り、壁を作るが────

 

 バリィィンッ!!!! 

 

 聖魔剣の壁は儚く呆気なく、拳の一撃で破壊されてしまう! 

 

『やわいな。これでは俺の攻撃は止められんぞ』

 

『ええ、わかってますよ!』

 

 木場の笑みと同時にサイラオーグさんは視線を足元に向ける! 見ると、蛇腹剣のような形状の剣がサイラオーグさんの足を絡め取っていた! 

 

『ぬぅ!?』

 

 前方の壁は囮! 本命はサイラオーグさんの機動力を削ぐための枷をつけることだったか! 

 あの聖魔剣には魔力を吸収する力と純粋な重量に重きを置いている! サイラオーグさんの足を止めれるのは一瞬にも満たないだろうが、その一瞬で十分だ! 

 

『今です! フルバーストッ!』

 

『喰らえっ! 光闇無影斬ッ!!』

 

 ゼノヴィアが魔剣とデュランダルを大きく振るう! 

 それと同時にロスヴァイセさんも姿を現し、透明になっていた間に溜めていた魔力を全開放した最大威力のフルバーストを放つ! 

 パワータイプ二人による最大火力の攻撃! 

 それを見たサイラオーグさんは足の枷を外すと笑みを浮かべて拳を構える! 

 

『なるほど……聖魔混合の波動と全属性の魔力の塊……面白い! 俺の拳とどちらが上か勝負ッ!』 

 

 ドゴォォォォォォォォォォォン!! 

 

 サイラオーグさんは拳に魔力を集中させ、一気に解き放つ! 

 俺の“覇竜絶影拳(ドラゴニックバースト)”と同質の技だ! 凄まじい波動のぶつかり合いは嵐となり、フィールド全体を包み込む! 

 

 ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!! 

 

 フィールド全体が鳴動する。砂煙が巻き上がり、画面越しからでも伝わる衝撃だ。

 砂煙が収まると、そこには血に濡れたサイラオーグさんの姿があった! ────だが

 

『いい波動だ。だが、俺を止めるにはまだまだ足りんな』

 

 首をコキコキ鳴らし、プッと血を吐くサイラオーグさん! 

 ダメージはある……だが、あの様子からして消耗は自己補完の範疇だ! 

 現に、サイラオーグさんの傷は自身の生命エネルギーで既に塞がりつつある……というか、アレって“自己再生”か!? 肉体を鍛えていく中で習得したっていうのか!? 

 つくづくとんでもない人だな……。見る見る傷が治っていく様を見たロスヴァイセさんとゼノヴィアは目を細めて構えつつも、驚きを隠せてない様子だ。

 

『私達二人の最大火力を放って、まるで堪えてないなんて……』

 

『……バケモノめ』

 

『ゼノヴィア! コンビネーションでいくよ! ロスヴァイセさんはサポートをっ!』

 

 木場はゼノヴィアにそう告げ、聖魔剣を作り出してその場を駆ける! 

 ゼノヴィアもそれに続き、聖魔剣とエクス・デュランダルの二振りによる高速の剣戟を繰り出す! 

 それを最小の動きでかわしながら、サイラオーグさんは向かってくる聖魔剣を拳で粉砕していく。

 木場は素早く聖魔剣から聖剣に変化させ、例の龍騎士団を出現させる! 

 

『いけぇぇぇっ!!!』

 

 木場の命を受けて、龍騎士達が高速でサイラオーグさんに向かっていく! 

 

『新しい禁手かッ! 是非もないッ!』

 

 サイラオーグさんは嬉々として真正面から龍騎士団を迎え撃ち、高速の斬戟を掻い潜りながら一撃で騎士達を屠っていく! 

 

『数が多く、速さもある! だが、俺が相手では────』

 

 ガシャン、という儚い音を立てて最後の龍騎士が破壊された。

 

『硬さが足りない』

 

 サイラオーグさんの洗練された体術に戦慄する木場。

 圧倒的だな……これは認めざるを得ない。サイラオーグさんはもう十分魔王級の実力者だ。旧魔王の中に入れても普通に戦えるんじゃなかろうか? 

 少なくとも、ゴズールとメズールが組んでもサイラオーグさんには敵わないだろう。それ程の高みにサイラオーグさんは到達している! 

 よくまああの短期間でここまで練り上げたものだ。

 俺なら勝てるけど、“禁手”を使わない素の状態なら相応に手こずるかもしれん。少なくとも、最初にあった時のヴァーリよりは確実につよいぞ、アレ。

 だが、木場とゼノヴィアとロスヴァイセさんは怯むことなく攻撃を加える! 怒涛のコンビネーションだが、サイラオーグさんには通じない! 

 

『才気溢れる動きだ。隙も見当たらん。────しかし、この場では俺の方が上だ』

 

 ドッ! ゴッ! 

 

 三人の攻撃を避けきったサイラオーグさんの掌底がゼノヴィアの腹部へ、回し蹴りが木場の脇腹にきまる。

 

『ガフッ!』

 

 メキメキという音と共に二人は血を吐いてその場に崩れ落ちる。

 今のでかなりのダメージを受けたな。ただの一撃だけど、それだけで二人ともリタイア寸前に追い込まれている。

 

『……掠っただけでも相手に致命傷を与える拳打。それを受けて意識を保つとはな……』

 

 木場もゼノヴィアもロスヴァイセ三もダメージで手が震えている。

 木場が血を吐きながらも小さく笑った。

 

『まだまだですよ……イッセー君の攻撃の中には、これよりもっと威力の高い拳打もありましたからね……』

 

 木場は聖魔剣を杖にしながら立ち上がる。

 

『……脇腹どころか全身がいたい……でも、体はまだ動く……まだ、戦える!』

 

 ゼノヴィアもよろよろと立ち上がりながらデュランダルを構えた。

 

『……まだ、寝てられん! イッセーのため、部長のため! 剣を振るおうか!』

 

『私も……グレモリー眷属の中ではまだ新米だけど、みんなより年上なので……皆が立ち上がる中で倒れるなんてことできません!』

 

 ダメージを受けてもなお立ち上がる三人にサイラオーグさんは最高の笑みを浮かべていた。

 

『まだ、楽しませてくれるのか……!!』

 

『ああ、楽しませてやるさ……!!』

 

 ゼノヴィアがそう言うと、再び戦いが始まった! 

 闘気を纏った右のストレートが再び繰り出される! 

 それと同時に木場とゼノヴィアがサイラオーグさんの右腕に斬りかかった! 

 木場の聖魔剣はサイラオーグさんに振り下ろされるが、闘気だけで刀身を砕かれていく! 

 そこにゼノヴィアのデュランダルが振り下ろされるが、闘気を張り巡らせた肉体に阻まれて深くまで斬り込めなかった。

 歯がみするゼノヴィアだが、そのデュランダルの柄を────木場も握りしめた! 

 その瞬間、デュランダルが莫大な閃光とオーラを解き放つ! 拮抗する拳と剣! 

 だが、少し斬り込めただけでそれ以上先には進まない! このままでは余波で二人が吹き飛ばされる! 

 そう思った刹那、ロスヴァイセさんがデュランダルに全属性の波動を纏わせる! 

 聖魔だけではない! 火風土水あらゆる属性の力を纏ったデュランダルは金色ではなく虹色の光を見せている! 

 そのオーラはサイラオーグさんの闘気を越え、ついには右腕を切断する! 

 

『見事だ。右腕はくれてやろう。ある程度の傷ならば自ら闘気を操ることで癒せるが、流石にない腕を生やすほどの力はない。これで俺は否応なく涙を使わなければならない。兵藤一誠には万全の態勢で挑みたいからな』

 

 

 そらだけ言うと、サイラオーグさんは鋭い蹴りでゼノヴィアを蹴り上げ、拳の一撃でふきとばす! 

 ゼノヴィアの目からは光が消えている。完全に意識を失ったようだ。

 だが、それを気にする様子もなく、サイラオーグさんは木場の顔面に手を伸ばし、思い切り地面に叩きつける! 

 

 ドゴンッ! 

 

 その衝撃で巨大なクレーターが生み出され、木場の頭は地面にめりこむ! 

 

 ドゴンッ!! 

 

 それと同時に豪快な音が響く。

 クレーターが出現し、土埃が舞い上がると同時にロスヴァイセさんに接近していたサイラオーグさんがその腹部に鋭い正拳突きを放ったのだ。

 サイラオーグさんの一撃を食らったロスヴァイセさんはゼノヴィアと同じく一撃で白目を剥き倒れ込む。

 勝負アリだ。しかし、木場は崩れ落ちながらも笑っていた。

 

『僕たちの役目は……これで十分だ。後は、僕の主と僕の親友が貴方を屠る……』

 

 三人がリタイヤの光に包まれていく。

 サイラオーグさんは自身の右腕を回収し、消えていく二人に言った。

 

『────見事だった。おまえ達と戦えたことに感謝する』

 

『リアス・グレモリー選手の『騎士』二名、『戦車』一名リタイヤです』

 

 

 

 




サイラオーグがここまで強化された理由としてイッセーの存在が挙げられます。
イッセーは修行して強くなった結果素で魔王級の力があるため、初めて出会った時点で原作と変わらないサイラオーグにとっては完全上位互換。
そのイッセーを仮想敵とし、追いつくためにサイラオーグは本来アドバイザー程度の役割であるディハウザーに模擬戦を頼み込み、結果としてディハウザーとのタイマンでは勝てないまでも普通に勝負できるレベルまで成長してます(D×D読者の方は知ってるサイラオーグの切り札を使えば勝負はわからないレベル)
その上、肉体と闘気を鍛え続けた結果エクストラスキル自己再生を習得、闘気を肉体に押し留めることで本来拳に闘気を一点集中させて放つはずの「掠っただけで致命傷になる拳打」をるろ剣の和尚よろしく全身で放てるようになってます。
ちなみにイッセーが以前「小猫ならサイラオーグと殴り合える」的な発言してましたが、それは当初のサイラオーグの話で今のサイラオーグは普通に無理。
まだまだイッセーのほうが強いですが、多分戦えば原作の方のクレイマンには勝てる
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