帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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リアスとアーシアの戦いです

イッセーside

 

 

 

 

 

 驚きだな。神器を宿してるのかなくらいには思っていたが……まさか、レグルスが神器そのものだったとはな……。

 ドライグみたく神器に宿った存在は精神生命体の特性を持っている。

 多分、レグルスは“天使族”や“悪魔族”のように元々の持ち主の肉体に受肉しているんだ。

 “山狼族(オオカミ)”に受肉した“天使族(エンジェル)”が“長鼻族(テング)”になるように、多分レグルスも受肉した段階で通常の神器とは異なる存在に変質したのだろう。だから、俺もパッと見の解析ではそこまで見抜くことができなかった。

 意志を持つ神器が人に受肉した新種族……名付けるとすれば“器人族”ってところかな? それがさらに悪魔に転生してるわけだからまた別の種族になるのかもしれないけど、中々面白いな。ドライグも同じことできるの? 

 

『いや……基本的に宿主が死ねばそれで終わりのはずだ。俺も今までの宿主が死んだときは意識を消失し、気付いたら別の宿主のなかにいたからな』

 

 なるほど。それを考えるとレグルスは本当にレアケースなんだろう。アザゼル先生じゃないけど、俺も興味があるなを

 ……まあ、今は置いておこう。神滅具相手に部長がどこまでやれるかは分からないけど、今は目の前の敵に集中するべきだ。

 

「ふんっ!」

 

 ズンッと重い一撃をサイラオーグさんの鳩尾に加える! 凄まじい衝撃とともにミシミシと骨が鳴る音が聞こえてくる。だが、サイラオーグさんは一切怯むことなく、鋭い眼光のまま俺の顔目掛けて拳を放ってきた! 

 

 ドオォンッ! 

 

 顔面に叩き込まれた一撃は大気を震わせる。いい拳だ。

 これで覚醒してないってんだから、本当にとんでもないぜ。

 口のなかに血が溜まっていくのを感じる。この拳は確実に俺にダメージを蓄積してやがる! 

 

「おらっ!」

 

「むっ!?」

 

 俺はサイラオーグを蹴り上げ、ガードを崩す。

 そのまま俺は闘気を込めた極大の拳でサイラオーグさんに渾身のアッパーをかます! 

 

 ゴバァァァァンッ! 

 

 ド派手な爆発音を鳴り響かせ、サイラオーグさんの身体が中空に投げ出される。

 俺は拳に込めたままだった闘気を解放し、一気に爆発させる! 

 

「“覇竜絶影拳(ドラゴニックバースト)”!」

 

 ズバァァァァァンッ! 

 

 放出されるオーラの砲撃! サイラオーグさんは空中で体勢を立て直すも、ダメージが大きいらしく焦点が定まっていない。

 

「くっ……ならばっ!」

 

 サイラオーグさんは翼を展開し、大きくする! そのまま翼で自らの身を包み込み、防御をする! 

 覇竜絶影拳の強烈な一撃はサイラオーグさんを飲み込んでいく。やがて、衝撃が霧散すると、空中で煙を立ち込ませながらも眼光を緩めないサイラオーグさんの姿があった。

 肩で息をし、全身の傷は自己再生をもってしても容易には癒えない。それでもサイラオーグさんはしっかりと両の足で地面に降り立ち、構えを取る。

 

「強い……これほどのものか……っ!」

 

 サイラオーグさんはボロボロになりながらも満足そうに笑みを浮かべている。

 この人はまだまだ諦めていない。俺も負けてはいられないな。油断をすると足元を掬われそうだ。

 俺もまた、笑みを浮かべて構えをとる。

 

 ドッ! 

 

 俺の蹴りとサイラオーグさんの蹴りが凄まじい衝撃を発しながら激突する! 勝負はまだまだこれからだ! 

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 リアスside

 

 

 

 

 

「行くわよ!」

 

 私は“真紅の籠手”に滅びの魔力を纏わせて、レグルスに手刀を放つ! 

 

『くっ!』

 

 レグルスはそれを避け、即座に私の後ろに回り込む! 図体に見合わず、速い! 祐斗には及ばないまでも、ゼノヴィアと比べると遜色ない感じね! 

 私は身を翻して爪の攻撃を避け、そのまま次の攻撃に移行する! 左手に溜めていた滅びの魔力による至近距離からの攻撃! 

 

「滅びよ!」

 

『舐めるな!』

 

 レグルスはその大きな顎で滅びの魔力を噛み砕き、霧散させる! こんな方法で私の滅びの魔力をかき消す辺り、流石は神滅具といったところかしら? 

 それに、あの至近距離からの滅びの魔力を簡単に弾く辺り、遠距離からの滅びの魔力は効果が薄そうね。速度もゼノヴィア以上。多分、最大威力を込めてもあのスピードじゃあ簡単に避けられてしまう。

 

「でも、それならば直接叩き込むだけよ!」

 

 私は籠手を装備した拳を握りしめて、レグルスにパンチを放つ! 

 

 ゾリュッ! 

 

『ぐおっ! 滅びの魔力を纏った籠手だと!?』

 

 滅びの魔力を纏った拳は金色に輝くレグルスの体をも削り取り、着実にダメージを与えていく。

 レグルスは負けじと爪による攻撃を放つ! その一撃は当たったら間違いなく致命傷。でも、大丈夫。

 

 ガギィィィンッ! 

 

『なっ!? 我が爪を弾くほどの結界だと!?』

 

 中を浮く護符から解き放たれた結界が私の身を守る。

 アーシアの護符を使った防御方陣がレグルスの爪と激突する。結界はヒビこそ入ったものの、レグルスの爪を弾いてみせた! 

 

「大丈夫ですか! リアス姉様!」

 

「ええ、ありがとう」

 

 神滅具の攻撃すらも防ぐだなんて、流石はアーシア。でも、油断はできない。そもそも、アーシアの結界は私の滅びの魔力ですら簡単に弾くほどの硬度を誇る。それに一撃でヒビを入れるとなると、私がまともに食らったら一撃でアウトね。

 

 バッ! 

 

『何ッ!?』

 

 でも、敢えて接近戦で攻める! 私はカウンターを食らわせようとするレグルスの動きを見切り、蹴りを叩き込む! 

 

 ドゴッ! 

 

『ぐっ……』

 

「まだまだ行くわよっ!」

 

 ドッ! ガッ! ガギィンッ! 

 

 殴る! 蹴る! 叩く! 

 私はレグルスにダメージを与えるために何度も何度も攻撃を叩き込んだ! 

 

『な、なんと! リアス選手インファイトでレグルスと渡り合っている────っ!?』

 

『マジかよ……いや、格闘技術が低いって課題を克服するためにイッセーと組み手とかしてたのは知ってたけど……いつの間にかにこのレベルになってたのかよ』

 

 先生の言う通り、私は魔国からこちらに戻って以降イッセーと組手を何度も行っている。

 以前、イッセーに言われた接近戦の弱さを克服するため────何より、イッセーから貰ったこの“籠手”を無駄にしないため。

 私の拳は滅びの魔力を纏わせている“籠手”以外は全て生身。

 今の私の技術では、滅びの魔力を生身に纏わせることはできない。イッセー曰く、いずれはそういう事もできるかもとの話だけど、そこまで行くには相応の年月を修行に費やさなくてはならないと言う。

 でも、純粋な魔力による身体強化ならば私だってできる。むしろ、『王』である私は他の眷属の誰よりも魔力総量が大きいのだから、並の強化ならば上回る筈! 

 そもそも、私だってイッセーにつきっきりで修行させてもらってるんだから、このくらいどうってことないのよ! 

 

 ドゴォンッ! 

 

 私の蹴りがレグルスを後方に吹き飛ばす。レグルスは体勢を立て直しながらも私が蹴りを入れた部位を見つめていた。

 

『ぐぬっ……この威力……そこらの『戦車』の比ではないな。リアス・グレモリーはウィザードタイプだと聞いていたが、認識を改める必要がありそうだなっ!』

 

 ビュカッ! 

 

 その言葉と同時に鋭い爪撃が私の身体を掠める! 掠っただけで凄まじい激痛! 

 きっと、エネルギーの差が尋常じゃないのね。見ただけで分かるけど、多分純粋な魔力の総量だけでも私の倍以上はある。

 イッセーや祐斗の速度に慣れていなければ、多分今の一撃を避けきれずに終わっていたわね。

 それでも、今ので確信した。やっぱり今のインファイトによる接近戦法がこの場での正解のようね。

 離れた距離にいれば、一瞬で間合いを詰められるだろうし、逆にこちらの攻撃は当たりそうにない。

 アーシアの守りの中に引き籠っての攻撃も考えたけど、その場合此方は移動できない上、結界を壊されたら即チェックメイトになる。

 ……もしも、イッセーに出会っていなかったら勝負にもならなかったでしょうね。そういう意味でも私はイッセーに守られてることを強く感じる。

 

「回復します!」

 

「ありがとう、アーシア」

 

 アーシアの遠距離からの回復で私の傷は癒えていく。レグルスは憎々しげにアーシアを見据えるが、私を放ってアーシアに向かおうとすれば致命的な隙を晒すことになるのが分かっているから動けない。

 

「まだまだ行くわよっ!」

 

 私は距離を取って滅びの魔力をレグルスに放つ。レグルスは当然それを容易く防いでみせる。やっぱり滅びの魔力は防がれるわね。でも、この一瞬を見逃しはしないわ!

 

『なっ!?速っ!?』

 

 私は滅びの魔力を防いだレグルスに急接近し、再度滅びの魔力を纏わせた拳で攻撃する。拳はレグルスに届き、その胴体にヒビを入れる。すぐさまレグルスは尾を撓らせ私の拳を弾き、カウンターを食らわせようとする。

 それを危なげなく回避すると、レグルスが距離を飛び退いて距離を離してくる。

 

『……貴様、滅びの魔力で大気そのものを消し去ったのか……空気抵抗をなくし、速度を上げ、匂いや音を消すことで俺の反応を遅らせた……』

 

 気づかれたようね。私は遠距離から放つ滅びの魔力に“消失者”の力を乗せることで大気そのものを一時的に消失させた。

 真空となった空間は結局周囲の大気に押しつぶされるため、ほんの一瞬しか持つことはない。本来生物が住むには適さない真空だけど、一瞬通り過ぎる程度なら悪魔の肉体で耐えられる。真空の空間では音が響くこともなければ匂いがすることもない。感覚が鋭いものほどその誤差で意識の隙間を縫うことができる。これもまた、イッセーとの修行で編み出した技の一つ。

 絡繰りをこうも簡単に見抜かれるなんて……神滅具というだけあって戦闘経験も豊富そうね。レグルスはこちらを吟味するように目線を向ける。やがて、可視化できるほどにオーラを高め、言う。

 

『……なるほど。簡単には行かないようだな……ならばっ! 武人ではなく、獣として貴殿を葬ろう!』

 

「っ!?」

 

 レグルスの纏う空気が一気に変わった! 

 ────瞬間、レグルスは鋭い爪を何度も何度も私に目掛けて放ってきた! 

 

 ドガガガガガガガガッ!! 

 

 さっきまでとは違う! 技術じゃなくて、本能のままに暴れてるかのような……。

 今までは技術で私が勝っていたからこそ、相手の攻撃を見切ることができたけど、今のレグルスは技術をかなぐり捨てて野生の本能で無闇矢鱈に攻撃している! 

 ただでさえ、身体能力も魔力も向こうのほうが上……それを前面に押し出している! 

 

 ドゴォォォォンッ!! 

 

 地面が砕け、足場が崩れる! 私は翼を展開し、滞空しようとするが、レグルスは瓦礫の合間を縫って私に渾身の魔力を込めた牙を叩き込もうとする! 

 

「危ない、姉様!」

 

 アーシアがとっさに障壁を展開するが、高密度のエネルギーを持つレグルスの牙はアーシアの障壁を越え、私の翼を食いちぎった! 

 

「────っ!?」

 

 翼から鮮血が流れ出る。私は必死に体勢を立て直すけど、間に合わない! レグルスはそのまま私の胴体に牙を突き立てた! 

 

「リアス姉様っ!」

 

 アーシアが涙を浮かべながら、私の名を叫ぶ……意識が朦朧としている……でも、この距離なら……っ! 

 

『なっ!? ぐおっ!?』

 

 ゾリュッ! 

 

 私は最後の力を振り絞り、レグルスの顔を削ぐ! 

 レグルスは咄嗟に飛び退いたが、顔半分に鋭い亀裂が入っている……。

 

『……凄まじい限りだ……このままだと傷ものこっていただろう……。だが、ここまでだ。貴様のフェニックスの涙はこちらで使わせてもらう』

 

 そう言いながら、レグルスは牙に挟ませたフェニックスの涙を掲げる。

 いつの間に奪われていたのね……。なんて情けない……。

 バリンとレグルスは涙を噛み砕き、傷を回復させる。私は歯軋りしながらも何とか立ち上がるけど、レグルスは私を蹴り飛ばして再び倒れさせる。

 そのままレグルスは私に近づいてくる。

 

「させません!」

 

 アーシアが護符による結界を展開し、私達の周りを包む。レグルスは忌々しげに結界を睨みつけるが、何もせずに口を開く。

 

『しぶといな……だが、娘の神器でもこの傷では戦線復帰はできまい……』

 

 レグルスの言う通り。アーシアの神器は傷は回復しても失った部位や血液、魔力まで回復するわけではない。引きちぎられた翼に内臓まで食い込んだ牙の出血。

 傷自体の回復はできるでしょうけど、全快には程遠い。それではレグルスに勝つことはできない。

 悔しい……私は唇から血が出るほどに歯を食いしばる。

 

「ごめんなさい、リアス姉様。私……」

 

「……いいわ。気にしないで」

 

 涙ながらに謝るアーシア。

 レグルスは私たちを一瞥すると、殴り合いをしているイッセーとサイラオーグに目線を向けた。

 

 

 




イッセーがレグルス=神器であることにきづかなかったのはレグルスが受肉して新種族になっていたからです。
レグルスは人間形態を普通に持っているため、転スラの世界観と照らし合わせたら十分あるかなと思いました
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