帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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文才ほしい……


堕天使対決です

ミッテルトside

 

 

 

あれが木場っちの禁手(バランスブレイカー)っすか。

見た感じ特質級(ユニーク)最上位。剣の等級で言えば四本そろったエクスカリバーもほぼ同じだったけど、木場っちはさらに気闘法を上乗せして強化した。魔力感知も使えるようになったみたいだし、さすがっすね。

 

「何と言うことだ!聖と魔の融合など理論上不可能なはず!」

 

え?理論上不可能?いや、割と似たようなことできる人たくさんいるんすけど……そんなこと考えているとコカビエルが話しかけてきた。

 

「貴様らの世界ではどうか知らんが、こちらの世界では本来なら不可能なことなのだよ。まあ、貴様にとってはどうでもいいだろうがな……」

 

なるほど。それでバルパーはあそこまでうろたえてるんすか。

そんなバルパーを気にともせず、木場っちは聖魔剣をバルパーに向けた。

 

「バルパー・ガリレイ。覚悟を決めてもらおう!」

 

そう言いながら、ゆっくりとバルパーに近づく木場。

木場っちだけじゃない。ゼノヴィアちゃんも新たなる聖剣を携えて近づいている。

それにしてもあの剣……下手したら伝説級(レジェンド)はありそうっすね。あれがゼノヴィアちゃんの自信の源ってところすかね?まあ、今のゼノヴィアちゃんでは真価を3割も引き出せないでしょうけど、それでも聖魔剣を持つ今の木場っちとだって互角に戦えそうっすね。

すると、バルパーは突如思い至った顔をしながら喋り出した。

 

「そうか、分かったぞ!聖と魔、それらを司る存在のバランスが大きく崩れているのなら説明はつく!つまり、魔王だけでなく、神も──」

 

瞬間、コカビエルが槍をバルパーに投げつける。ズドンとその槍はバルパーの胸を貫き、一撃で絶命させた。

酷いことするっすね……。悪人だし同情はしないっすけど……。

 

「なんで殺したんすか?」

 

「用済みとなったから消しただけさ。気にするな」

 

そう言ってコカビエルは攻撃の力を強める。さすがは堕天使の幹部というべきか、一発一発が意外と重い。

でも当たらなければ問題はないのだ。うちはすべての攻撃を優しく受け流す。

剣の極意は“流れ”。流れを読めばこの程度の攻撃を受け流すことくらいどうってことない。

うちは蹴りをコカビエルみぞおちに叩き込む。

 

「ぐお!?」

 

剣を使うからといって剣以外を使わないという通りはない。うちは斬り合いながら、空中に仕込んでいた魔方陣を一気に開放する。

 

「“聖なる裁き(ホーリージャッジ)”」

 

聖なる光弾が四方八方から降り注ぐ。コカビエルはそれを翼を盾にすることでガードする。

しかしそのためにコカビエルの動きが止まった。うちはそこを見逃さず攻撃を仕掛ける。

 

「“朧・紫電突”!」

 

回避不能の朧流最速の突き技。コカビエルは見えてないながらも本能で危機を察知したのか、体をひねり、回避しようとする。

しかしこの技はそんな甘い技ではないっすよ。うちはコカビエルのわき腹をその一撃で貫いた。

 

「グハッ……」

 

血反吐と臓物をばらまきながらコカビエルは校庭へ墜落する。

コカビエルは確かに強い。でも、魔素量も技量(レベル)もうちの方が上だったのだ。

こうしてあまりにもあっけなく堕天使対決の決着はついた。

 

「勝負ありっすよ……」

 

「す、すごい……」

 

「これがミッテルトちゃんの本当の力……」

 

ケルベロスとの戦いを終えた朱乃さんと小猫ちゃんの感嘆の声が聞こえる。うちはそこまでたいした存在じゃないんすけどね……。

 

「さあ覚悟しろ!コカビエル!」

 

ゼノヴィアちゃんがデュランダルとやらを突き立てて勧告する。

だが、コカビエルの目は笑っている。何かを企んでいる?

 

「ククク、まさかここまでやるとは思ってなかったぞ小娘……。だがな……」

 

そう言いながらコカビエルは何やら先程の聖剣の因子によく似た玉を懐から……っ!?

 

「!?ミッテルトさん!?」

 

不味い!何かわからないけど嫌な予感がする。

うちはコカビエルに止めを刺すべく堕天刀を掲げる。

しかし、時既に遅く、コカビエルは握りしめていた玉を破壊する。

瞬間、凄まじい衝撃がうちらを襲った。

 

「ぐっ!?」

 

「きゃあ!?」

 

「何が起きたんだ!?」

 

「これは……」

 

あまりの衝撃で吹き飛びそうになるのを耐える木場っちたちを尻目に、うちは上空に佇むコカビエルを見上げる。

コカビエルの傷は回復しており、心なしか、身体が一回り大きくなったようにも感じる。

だが、何より違うのは、身に纏うエネルギー。コカビエルは先程よりも大きな圧力を醸し出している。その魔素量(エネルギー)は明らかに魔王種を上回っている。

 

「貴様ならわかるだろう小娘よ。先程の玉は、バルパーを含む俺に恨みを持つものの魂で作られた結晶だ。そしてそれを解放したことにより、俺は新たなる力を手に入れたのだ!!」

 

「……やっぱりそういうことっすか」

 

つまりは覚醒したってことっすね。進化の眠りを必要としていないところを見るに、恐らくは以前リムル様に聞いた人形傀儡師(マリオネットマスター)クレイマンと同じ“疑似覚醒”といったところっすかね?

 

「ククク、力が溢れる。素晴らしい!これが覚醒した俺の力だ!俺は魔王にも勝る新たなる力を手に入れたぞ!」

 

こいつ、これが目的だったんすね……。最初から違和感は感じていた。なぜ堕天使組織の幹部であるコカビエル本人が、わざわざ教会を襲撃したのか?

部下に任せるには荷が重いと言うのもあるっすけど、どうにもこそ泥みたいな真似を、幹部自らする理由はなんなのか?

恐らくコカビエルは、エクスカリバー奪取と同時に人間の魂を集めたかったんでしょう。恐らくはメロウとやらと接触してから、覚醒を知ってから、自ら覚醒を果たすために……。

恐らくはそれ以外にも、たくさんの人間を密かに殺しているのだろう。

パルパーが持ってきたというこの話も、本人にとっては都合がよかったに違いない。

 

「な、なんてオーラだ……」

 

「今までのコカビエルの比じゃありませんわ」

 

その威圧感に木場っちたちは思わず後ずさりする。無理もない。木場っちからすればとんでもない化け物っすからね。

 

「ククク、さあ、第2ラウンドといこうか小娘よ」

 

この妖気(オーラ)……今のうちすらも越えているだろう。いくら技量でうちが勝ってるとはいえ、そこまで決定的な差というわけでもない。これで勝てるかどうかはうちもわからなくなってしまった。

…………少なくとも、今のままでは。

 

「……ククク、アーハッハハ!」

 

「……み、ミッテルトさん?」

 

木場っちが心配したようにうちを見つめる。そりゃそうだ。敵がパワーアップしたタイミングで笑いだしたら、うちだって頭おかしいと思うだろう。

でもいまは勘弁してほしいっすね。

 

「覚醒した程度でうちに勝てるつもりっすか?あいにく、うちとあんたじゃ潜った修羅場の数が違うんすよ。御託はいいからかかってくるっす。うちは全然怖くないすからね……」

 

コカビエルは笑みを引っ込め、青筋たててうちを睨み付ける。

どうやら目の前の小娘にバカにされて相当キレているようだ。

 

「小娘ごときが……図に乗るなよ!!」

 

コカビエルは、先程までとは比べ物にならないほどの巨大な光の槍を投げつける。

その槍は校舎そのものを全壊させてしまった。

 

「……ん?」

 

だが、遅い。うちはコカビエルに接近し、頬を思いきりぶん殴った。

 

「ぐは!?」

 

予想外の攻撃で反応が遅れたのだろう。コカビエルはうちの拳により体育館へと吹き飛ばされた。

コカビエルはすぐに立ち上がり、不機嫌そうに折れた歯を捨てる。

 

「ペッ、なんだ?今までは手加減でもしていたのか?」

 

「あいにくそうじゃないんすよ。うちはあんたに見栄を張っただけっすよ」

 

これがうちの持つ力。

見栄を、虚勢を張ることで身体能力を数倍まで引きあげるユニークスキル“ 見栄者(カザルモノ)”。

上がるのは身体能力っすから、ぶっちゃけ格上には効果の薄いスキルだ。

でも、コカビエルは覚醒したとはいえ精々EP70万~80万といったところだろう。

これくらいの差ならば、このスキルで十分埋めることが出きるはずだ。

 

「さあ、ここからが勝負っすよ」

 

もちろんこれはただの見栄。実際このレベルになると勝てるかどうかは本当にわからない。

それでもうちは笑いながら高らかに宣言した。

 

 

 

 

**************

 

リアスside

 

 

「す、すごい……」

 

傷だらけになりながらもソーナを倒した私は、ソーナを彼女の兵士に任せ、戦場へと向かった。

そこで見たのは想像を遥かに越える異次元としか形容できないような戦いだった。

上空で繰り広げられている謎の女とイッセー、黒歌の戦い。

そして今体育館で行われているコカビエルとミッテルトの戦いだ。

コカビエルが放つ槍を全て刀で弾き飛ばし、ミッテルトの側も刀だけでなく、徒手空拳をも取り入れ、コカビエルにダメージを与えている。

ミッテルトは隙をついてコカビエルに強烈な蹴りを入れる。コカビエルは踏ん張りつつも後方へと吹き飛ばされ、愉しそうに笑い出した。

 

「クハハ、やるな小娘よ!いいだろう!俺の新しい力を見せてやる」

 

そういうやいなや、コカビエルは球体のような塊を自身を中心に展開した。

その球体はどれ程の速度を持っているのやら、今までコカビエルを圧倒していたミッテルトですら躱しきれず、直撃した。

 

「が!?」

 

ミッテルトは恐らく内蔵を痛めたのだろう。血を吐きながらもすぐに立ち上がり羽をだし、刀を構える。

その羽の数は12本。堕天使や悪魔は翼の数で強さがわかるって言うけど、ここまでとは……。

 

「痛つ、なんすか?今の?」

 

「これが俺の新しい力、ユニークスキルというんだったか?」

 

「……なるほど、覚醒したことによりユニークスキルを手に入れたんすか……」

 

そのゆにーくすきるが何のことかはわからないけど、あのミッテルトが冷や汗をかいているのだから厄介な代物なのだろう。コカビエルは再び球体をミッテルトに向かって放つ。

しかし、ミッテルトは一切怯まずコカビエル目掛けて突進する。今度は12枚の羽をも利用し、球体を受け流しながらコカビエルへと接近した。

 

「これで終わりっすよ!コカビエル!!“朧・流水斬”!!!」

 

接近し、渾身の居合を叩き込もうとするミッテルト。

しかし、その居合はコカビエルに当たることはなかった。

コカビエルは球体のようなものと()()()()()()()、ミッテルトの背後に回ったのだ。

 

「なっ!?しまっ……」

 

コカビエルは背後から渾身の拳をミッテルトの背に叩き込んだ。

そして倒れこんだミッテルトを追撃するかのごとく、槍を用いて怒涛の連撃を叩き込んだ。一撃一撃が衝撃波を伴うほどの威力。それでもどれだけ頑丈なのかミッテルトのドレスは破れない。ならばとコカビエルは何度も何度も槍を突き刺す。あまりの猛打にミッテルトは反撃できず、ついに限界がきたようで、とうとうミッテルトの纏うゴスロリ服を破り、槍はミッテルトの身体を貫いた。

 

「ぐはっ!?」

 

「どうした?この程度か小娘!?」

 

「っ……調子こいてんじゃねえよ!!」

 

ミッテルトはお腹を槍で貫かれたまま、コカビエルの顎をカウンターで思いきり蹴りとばす。その一撃で脳が揺れたのか、コカビエルは目の焦点が定まってないように見える。

 

「“朧・疾風雷覇”!!」

 

横なぎの一閃。ミッテルトの渾身の一撃はコカビエルを容易く吹き飛ばした。

だがそれでもなおコカビエルは立ち上がってくる。その目にはギラギラとした闘志が見える。

対してミッテルトは、血反吐を吐きながら貫かれたお腹をおさえている。

 

「ククク、覚醒した俺とここまで戦えるとは……やるな」

 

「あんたこそ……堕天使幹部ってのは伊達じゃないようっすね……」

 

ミッテルトは貫通した槍を引き抜き、淡い魔力の光を当てる。

どうやら回復魔法の一種だったらしく、ミッテルトの傷がみるみる塞がっていく。

まるでアーシアの神器みたいね……。

 

「傷は塞がったようだが、失った血までは治らないようだな。その出血では長くは持つまい……」

 

コカビエルの言葉を肯定するかのように、ミッテルトはおぼつかない足取りで立ち上がる。

だかその目からは諦めてる様子が微塵もない。

 

「楽しかったが……この後も控えてるのでな。これで終わりだ……」

 

コカビエルが再び光の槍を作り出し、ミッテルトに止めを刺そうとする。

まずい!私は思わず彼女を守るために飛び出そうとする。

その時だった。

 

「させん!!」

 

ゼノヴィアが聖剣を用いてコカビエルを攻撃したのだ。

エクスカリバーではない……あれは……デュランダル!?

ゼノヴィアのデュランダルの一撃を、コカビエルは煩わしいものでも触れるかのように槍で払った。

 

「煩わしい……雑魚が邪魔するな……」

 

「コカビエル!僕の聖魔剣の力、喰らってみろ!!」

 

聖魔剣?あれは禁手なの?

裕斗は聖なる波動と魔の波動、両方を放つ不思議な剣でコカビエルを攻撃し出した。

 

「えい!」

 

「雷よ降り注げ!」

 

それだけではなく、朱乃と小猫もコカビエルに対して攻撃を仕掛けた。それをぼんやりと見ていたそのときだった。

 

『部長!』

 

聞き覚えのある声が頭のなかで響いた。

 

 

 

 

**************

 

 

コカビエルside

 

 

忌々しい。

先程まではあの小娘との実に愉しい時間を過ごすことができ、上機嫌だった。

だが、小娘に止めを刺そうと言う瞬間に取るに足らない雑魚がわらわらと出てきたのだ。

 

「全くもってうっとうしい!!」

 

俺は造り出した星を使って白髪の女を吹き飛ばす。

 

「がは!?」

 

「!?小猫ちゃん!!」

 

ククク、素晴らしい力だ。

これが俺の新しい力……ユニークスキル“星見者(ホシヲミルモノ)”。

星と呼ばれる球体を操るスキルだ。覚醒を果たした瞬間、俺はこの力がどう言うものなのかを本能で理解し、結果的に小娘をも地に伏せることができた。

この力があれば、サーゼクスをも弑することができる。俺はそう確信しながら星を悪魔どもに向ける。

 

「させませんわ!雷よ!」

 

すると黒髪の小娘が雷を放ってきた。

……ん?あの娘、どこかで見覚えが……。

 

「ああ、貴様バラキエルの娘か。リアス・グレモリーは相当のゲテモノ好きと見えるな」

 

「……その男の名を呼ぶな!」

 

バラキエルの娘は先程よりも大きな雷を俺に打ち出してきた……。

何かおかしい……。違和感がある。そしてその答えはすぐに出た。

俺の背後から、先程始末した白髪の娘が殴りかかってきたのだ。

 

「えい!!」

 

「なっ!?馬鹿な……あの小娘ならまだしも、貴様ごときが星の一撃に耐えられるはずが……」

 

俺はその攻撃を避けながら思わず叫ぶ。

それに先程のバラキエルの娘の雷……奴の魔力ではもうあそこまでの威力は出せないはずだ……。

 

「合わせろ!グレモリーの騎士!!」

 

「ああ!!」

 

「な!?」

 

今度は聖魔剣のガキとデュランダルの娘の同時攻撃。

本来ならば容易く弾き飛ばせるはずだ……。

……にもかかわらず、奴らの攻撃は一枚とはいえ、覚醒した俺の翼を切り裂いて見せた。

 

「滅びよ!!」

 

「グレモリーっ!?チィ…………」

 

リアス・グレモリーの滅びの魔力が俺目掛けて向かってくる。その一撃は俺の翼をまたしても奪い去る。

 

「なんだ?何が起きていると言うのだ……」

 

あり得ん!あの小娘ならまだしも、コイツラにここまでの力などなかったはず!何が起こっているのだ?

 

「ミッテルトちゃんのおかげですわ」

 

「ミッテルトが私たちに力を貸してくれたのよ」

 

その言葉で俺は悟る。あの小娘の力でコイツラは強化されたのだと言うことを……。

 

「そうか、あの小娘そんなこともできたのか……」

 

俺は歯軋りしながらグレモリーどもを睨み付ける。

落ち着け、いくら強化されようと、こいつら程度では何人いようがたかが知れている。

あの白髪の小娘を見る限り、耐久力も上がっているようだが首を跳ねれば問題あるまい。

そう思い直し、槍を構え直す。

するとグレモリーどもは怯えるどころか全員が不適な笑みを浮かべている。

怪訝に思っているとその答えはすぐに出た。

俺の背後から信じられないほどの魔力が立ち上っていたのだ。

 

「決めてください……」

 

「御膳立てはしてやったのだ。ここで決めなければ許さないぞ」

 

「行って下さい」

 

「僕たちの分もぶつけるんだ」

 

「行きなさい!ミッテルト!」

 

そこには刀を構え、目を瞑る小娘の姿があった。

 

 

 

 

**************

 

 

ミッテルトside

 

 

(みんな…感謝するっすよ)

 

うちはボロボロになりながらも剣を構えながら、部長たちに感謝の意を示す。

うちは部長の姿を確認した後、思念通話で部長たちに時間稼ぎをお願いした。

うちの持つもう一つのユニークスキル、“思慕者(オモウモノ)”はうちが強化した力を他者へ譲渡するという力を持っている。

とは言え危険な賭けであったことに代わりはない。疑似とはいえ覚醒した存在相手に時間稼ぎなんて、自殺行為以外何者でもないのだ。

 

(それでも皆、うちを信じてくれたんすよね)

 

ならば答えねばならない。皆の期待に……。

血を流しすぎたからか足取りも重いしフラフラする。それでもうちはコカビエルを見据えた。コカビエルもうちを見据え笑みを浮かべている。

おそらく次の一撃で勝負が決まるだろう。

 

ふとイッセーと黒歌っちの戦いが目に入る。どちらも凄まじい力を放ちながら戦闘を続けている。それを見て思わず嫉妬の感情が溢れてくる。

相変わらず黒歌っちはすごいな……。

今のうちではどうあがいてもあそこまでの力は出せない。

うちが黒歌っちにつっかかるのは実のところ嫉妬でしかない。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()黒歌っちに対する嫉妬。

正直その思いは消えない。

でも、イッセーの彼女はうちなんすよ。うちはイッセーの彼女として情けないところ見せるわけには行かないんすよ!

 

(イッセー、ちからを貸してほしいっす)

 

うちは瞠目し、脳裏にイッセーのことを思い浮かべる。

うちの“思慕者(オモウモノ)”にはもう一つの権能がある。

それは…………

 

 

 

──好きな人を思うほど強くなれる──

 

 

 

イッセーを想うだけでうちは力が沸いてくるんすよ!

 

「神へ祈りを捧げ給う。我は望み、聖霊の御力を欲する。我が願い、聞き届け給え。万物よ尽きよ!」

 

うちは神聖系最強魔法の力を堕天刀に注ぎ込む。うちはすかさず堕天刀を納刀する。

魔力を帯びた堕天刀は神々しい光を放ちながらその時を待つ。

 

「……なるほど。コイツらはあくまで時間稼ぎ。その技が本命と言うわけか。いいだろう決着をつけようじゃないか」

 

コカビエルは今までの光の槍ではなく、球体を槍のように変形させ、魔力を注ぎ込みながら構える。

どうやら迎え撃つつもりのようっすけど、この技が完成した以上、抗うことは不可能っすよ……。

 

「行くぞミッテルト!“星天墜槍突(スターブレイク)”!!」

 

コカビエルの凄まじい一撃は凄まじい速度でうち目掛けて飛んでくる。

普段のうちならば抗えないほどの威力……でも……

 

「負けるつもりはないっす!!」

 

そしてうちは堕天刀を解き放った。

 

 

「“崩魔・梅花ー五華突”!!!」

 

 

技と技がぶつかり合い、凄まじい衝撃が鳴り響く。

その余波によりうちの片腕が弾けとぶ。

だが、コカビエルがどうなったかわからない。魔力感知を行うだけの魔力すらない今の状態では油断できない。

やがて土煙は勢いをなくしていき、煙が張れるとそこには……

四肢と翼が消失し、立ち上がることのできない状態となったコカビエルがいた。

 

「……うちの……勝ちっすよ」

 

「……ああ、俺の敗けだ」

 

私はそう、静かに宣言した。

そしてコカビエルは満足そうにそう呟いた。




崩魔・梅花ー五華突
崩魔霊子斬(メルトスラッシュ)”と“梅花ー五華突”を掛け合わせたミッテルトオリジナルの超絶聖剣技(オーバーブレイド)
ミッテルトが二つのユニークスキルにより、最大まで力を高めた状態でしか使用できず、それでも正直成功率は五分五分。ミッテルトの腕が弾けとんだのも技の威力の高さゆえであり彼女にとっては奥の手の諸刃の剣である。
だが決まれば究極保有者をも殺すことができる力を持ち、現にミッテルトは模擬戦の際、この技で一度黒歌の結界を貫き、黒歌を倒したこともある。
まだ技そのものを習得してないため使えないが、いずれは“八重桜ー八華閃”にこの技を掛け合わせたいと考えている。




コカビエル
EP 42万1329→疑似覚醒82万1329
種族 堕天使
称号 堕天使幹部
魔法
ユニークスキル 星見者(ホシヲミルモノ)
魔力感知、星作製、星間移動

神の子を見張る者(グリゴリ)”幹部の上級堕天使。数少ない武闘派幹部の1人であり、戦争狂でもある。先の大戦後に行動を起こそうとしないアザゼルやシェムハザに業を煮やし、天使・堕天使・悪魔による三つ巴の戦争を再度引き起こすべく暗躍していた。
その最中、カグチ、メロウと出会い、基軸世界に興味を示す。現在の目的は三大勢力の戦争を踏み台に力を高め、基軸世界に挑戦すること。
その下準備として覚醒のための魂集めをしており、バルパーに計画を持ちかけられた時も都合がいいと考え、手を組むことにしたと言う。
なお、魂の持ち主は全て裏の世界の人間であり、表の一般人には今のところ手を出していない。
星見者(ホシヲミルモノ)は星を作ると言う権能をもち、星は射程距離こそあるものの高い威力と速度を持つ。また、星と位置を入れ換える星間移動と言う権能を持つが、こちらは一度使うとしばらくインターバルが発生する。


コカビエルは旧約聖書において、人間に天体の兆しを教えた堕天使だそうで、このようなスキルを使わせてみました。モデルはまんまブラクロの星魔法。
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