帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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今回はミッテルトの過去編です。
少し胸糞描写もあります。
それでもよろしければどうぞ。


ミッテルトの過去です

ミッテルトside

 

 

 

「近頃、魔物の国とやらがものすごい勢いで発展している。その国の調査を貴様に命じる。魔物である貴様ならば警戒もされないだろう。命をもって遂行しろ」

 

「ハイ、お任せください」

 

命を持って……。おそらくうちは捨て駒に等しいんでしょう。危険かどうかもわからない魔物の国、そこの情報をつかむのがうちの仕事。それがわかっていてなお、うちはそれを引き受けた。

逆らうことなどできないのだから……。

 

**********

 

 

「え? ここはどこ……?」

 

これは今から二十年以上も昔のこと……。

うちがこの世界に召喚されたのは、まだ6歳くらいの時だったっす。

うちを召喚したのはファルムス王国という、当時の基軸世界でも有数の大国とされる国だった。

ファルムスの大国たる所以は数多くの異世界人を保有するという軍事力。

人間は異世界からこの世界に召喚される際、ユニークスキルという強力な力を身に宿す。

その力こそファルムスが大国たる理由だったのだ。

そんな中召喚された者の一人がうちだった。

 

「な、なんだこれは……。黒い……翼……?」

 

「ま、魔物……? まさか異世界の魔物だというのか?」

 

周りのざわざわと騒ぐ声が聞こえてくる。

妙な光に包まれ、気付いたらまるで見知らぬ土地にいた。この時のうちは本当に混乱していた。状況がまるで理解できなかった。

すると人間でありながらすさまじい……かつて遠目からみた堕天使幹部級の魔力を纏う老人が近づいていき……。

 

「ふむ、まさか異世界にも魔物がいるとはな。じゃが利用価値はあるじゃろう。せいぜい死ぬまでわしらファルムスの役に立つがいい」

 

「え?」

 

そういうや否や、老人──魔人ラーゼンはうちの胸に杖を突きだしてきた。その瞬間、すさまじい激痛、魂そのものが侵されたかのような嫌な感覚がうちの体を包み込んだ。

 

「きゃああああああ!?」

 

その時うちはラーゼンによりとある呪いを受けた。

それはかつてミュウランさんという人が、魔王クレイマンにかけられた呪いと近いもの。

すなわち、生殺与奪の権を完全に握られる呪いだった。

その呪いの激痛から、うちはすぐに意識を手放した。

 

 

 

**********

 

そこから先のファルムスでの生活は……一言で言えば壊滅的。当時の教義で、魔物の存在を認めないとしていたルミナス教の過激派の多かったファルムスでの、うちへの対応は最悪そのものだったのだ。

目が気にくわないだの態度がむかつくだのなんだの下らない理由で鞭に打たれるなんざ当たり前。食事も残飯のようなものしか与えられない。

他国との戦争などの際は必ず最前線に送られ、死にかけることなんざ腐るほどあった。

しかもある程度成長し、大きくなるにつれ、うちへの対応はさらにひどいものになていった。

 

「全く、下等な魔物を使ってやるだなんて俺たち優しいな」

 

「本当だな、感謝しろよ……」

 

「あ……、ありがとう……ございます……」

 

うちは下卑た欲望のはけ口としてファルムスの兵士たちにいいように使われるようになっていた。

兵士以外にも、うちと同じ境遇のはずのほかの異世界人なんかにも好きなようにいじられて、でも魂にかけられた呪いのせいでどうすることもできなくて……。

 

「う、ううああ……」

 

ただただ泣き寝入りをすることしかできなかった。

そんな中覚えたことが、心の均衡を保つため、虚構を、見栄を飾ること。

 

「次の戦線ではお前を送り込むが、かまわんな……?」

 

「ハイ、もちろんです。この程度、私にとっては造作もありません」

 

反抗することはできない。それでも生きてさえいれば、いつかきっと解放されるはず。だから最期まで頑張ろう。

そんなことなんて現実的に考えてあるはずもないのに、自分自身に見栄を張って自分自身を励まし続けた。

 

その結果手に入れたのがユニークスキル“ 見栄者(カザルモノ)”。

見栄を張り、自分の押し殺すことで自らを強化するというスキルだ。

なんともうちらしいスキルだ。うちはそう思った。

 

 

**********

 

 

「何……ここ……」

 

初めてやってきた魔国は……一言で言うと圧巻された。街にやってくるなんてことは一度もなかったんすから……。

今まで奴隷も同然の扱いを受けていたうちにとって、ここまで活気づいていた街は見たことがなかった。

あたりから漂ういい匂いは、どことなく、ぼんやりとした記憶にある故郷の様で懐かしい気持ちななり、あまりの人の多さでふらついてしまいそうになっていた。

 

(こ、これじゃあ任務どころじゃないっす……)

 

ま、まずは何処か拠点となりうる場所を作らねば……。

そう考えていた矢先……。

 

「おっと、大丈夫?」

 

「あ、すみません」

 

うちはとある警備員にぶつかった。その顔立ち日本から来た異世界人とどことなく似ている。

その警備員はぶつかり倒れたうちに、迷わずに手を差し伸べてくれた。

 

「だ、大丈夫?立てる?」

 

「は、はい……」

 

手を差し伸べられる。そんな経験久しくなく、一瞬あっけにとられたがうちは取り合えずその手をつかんだ。

その次の瞬間だった。

 

 

ぐうううううう

 

 

大きな腹の音が鳴った。思えばもう三日は食事をしていない。

 

「腹減ってるの?」

 

「……は、はい」

 

「そっか。じゃあさ、俺もこれから飯にするところだし、一緒に食べてく?」

 

「……いいん……ですか?」

 

「もちろん。そこにうまい飯屋があってさ。あ、自己紹介がまだだったっけ。俺は兵藤一誠。君は?」

 

「……ミッテルト……です」

 

「ミッテルトか。よろしくな」

 

これが、うちとイッセーの初対面だった。

 

 

 

*********

 

 

「たくさん食べるんだよ」

 

「ありがとうございますゴブイチさん」

 

イッセーとともに行ったのは、町でも大人気だという定食屋。この街の盟主も頻繁に通っているという。

だが、うちはその情報よりも目の前の料理にこそ驚愕した。

そこにあったのは前の世界でメジャーな大人気料理だったのだ。

 

「カレー?」

 

「アレ?知ってるの?」

 

イッセーの言葉にうなずくと、イッセーは嬉しそうな顔になった。

 

「ひょっとして、ミッテルトって地球出身だったりする?」

 

「はい」

 

「マジか!同郷に会えるなんてめっちゃうれしいぜ!ここのカレーおいしいから食べてみなよ」

 

おずおずとうちはスプーンを手に持ち、カレーを掬う。

見た目、におい、何もかもが懐かしい。うちはそれを恐る恐ると口に含んだ。

その瞬間。

 

 

 

 

 

「う、ううう…………」

 

 

 

思わず涙があふれてきた。温かい。こんな食事するのいつ以来だったかな?

 

「?ど、どうしたミッテルトちゃん?ま、まずかった?」

 

「……ごめんなさい。ごめんなさい」

 

どうしよう。涙が止まらない。

カレーが美味しい。美味しいよ……。

うちは泣きながら、嗚咽しながら目の前のカレーをすべて平らげたのだった。

 

 

 

*********

 

 

「お恥ずかしいところをお見せしました」

 

「いやいや、突然泣いたときは驚いちゃったけど、泣くほどおいしかったといわれたら料理人冥利に尽きるってもんさ」

 

ゴブイチさんはそういいながらうちのことを慰めてくれた。

イッセーもなぜか誇らしげだ。

 

「どう?メチャクチャおいしかったでしょ?」

 

「はい。ありがとうっす。兵藤さん」

 

「どういたし……ん?す?」

 

「あ」

 

(しまった。やっちまった)

 

この時うちはファルムスの人たちにしゃべり方まで制限されていた。

故に本来の口調を隠していたのだが、故郷の料理を食べたことで気が緩んだのか、うっかり素の言葉で話してしまったのだ。

 

「……実は、これがうち本来のしゃべり方なんす。変っすよね」

 

「いやいや、全然そんなことないよ。俺の友達にもそんな口調の奴いるし」

 

イッセーのその言葉の直後、食堂のドアが勢いよく開き、大きな鼻が特徴的なゴブリンが入ってきた。

 

「いや~疲れたっす。ゴブイチさ~ん何かないすか?」

 

「……ほらな」

 

「……プっ、本当っすね」

 

この日うちは、久しぶりに心の底から笑うことができたんす。

 

 

*********

 

 

それからうちはイッセーの家で世話になりながら魔国連邦になじんでいった。

リムル様は同郷で、なおかつ年が近いからこそ励まし合えるものもあると思う。そんな理由でうちはイッセーの家に住むことになった。

 

「イッセー、あんたなにやってるんすか!?」

 

「うげ、見つかった……」

 

「逃げるっすよ!イッセー!」

 

暮らしていてわかったことはイッセーは無類の女好きであるということ。

特に巨乳が好きなようで、よくおっぱいの大きい人相手にゴブタと共にナンパしたりしていた。

でも、ただの女好きって訳でもなく、優しい人であると言うことも暮らしていてわかった。

それを特に感じたのがうちが魔獣に襲われたときだった。

もちろんうちならばなんなく追い払うことができたんすが、イッセーはうちを庇って代わりに戦ったのだ。

当時はまだドライグの力をうまく扱うこともできなかったため、イッセーは魔獣相手に割と酷い目に遭っていた。

それでも後ろにいるうちをかばって戦い抜いたのだ。

当時のうちはそれが本当に不思議だった。

ファルムスの兵士ならばむしろうちを盾にして逃げようとするだろう。なのになぜそうしなかったのか……。

うちは思いきってその日の夜に聞いてみた。

 

「……なんで逃げなかったんすか?」

 

その言葉にイッセーは少し悩んだ後、照れ臭そうに答えてくれた。

 

「あのな、女の子置いて逃げるなんてカッコ悪いことするわけねえだろ。特にミッテルトは友達なんだから……」

 

友達……。

うちには縁遠い言葉だと思っていた。

でもイッセーは何てことないようにそういってくれた。

この時うちは心の底から幸せだった。

シュナ様からは織物を教わった。ハクロウ師匠からは剣術を、ゴブイチさんからは料理を……そして何より、イッセーのおかげでうちは心を取り戻していくことができたんだと思う。

 

でも、それは長く続くものではなかった。

 

 

『ミッテルトよ、首尾はどうだ?』

 

『っ!ら、ラーゼン様……』

 

『時期が来た……これよりファルムスは行動を起こす。お前も役割を果たすがよいぞ……』

 

『……了解しました』

 

うちは魔物の力を抑制する結界をはるために行動に移そうとした。

堕天使であるうちは聖なる力にも適性がある。

ゆえに任されたことだった。

だが……

 

「どこ行くつもりだよ!?ミッテルト……」

 

「……イッセー。そこをどくっすよ」

 

「今町は大変なことになってる。お前も早く避難した方が……」

 

ああ、うちはこれからこの人を……魔国の皆を裏切らなくてはならない。

辛いな……苦しいな……でも……仕方がないんすよ……うちの魂の呪いが、逆らうことを許さないのだから。

 

「え?」

 

突如斬りつけられたイッセーは何が起こったのかわからないようだった。

後ろから近づいていたファルムスの兵士に気づかなかったのだ。

 

「いつまで油を売っているミッテルト。とっとと結界を張りに行くぞ」

 

「……はい」

 

「ま、待てよ……。どういうことだよミッテルト……」

 

「……うちは……私はファルムス王国のミッテルト。この国を滅ぼすため、この街に来たのです」

 

イッセーは信じられないといったふうにうちを見つめる。

心が苦しい……でも、涙を堪える。

 

「今までご苦労でしたね。貴方のおかげで諜報が捗りました」

 

「……今まで、騙していたのかよ?」

 

「ええ、貴方はお人好しでしたし、見てて滑稽でしたよ」

 

「フフフ、魔物に近しい人間にはお似合いの最期だな」

 

イッセーを見て可笑しそうに嗤うファルムスの兵士に殺意がわく。でも、非難する資格なんてうちにはない。

だってうちは、これからこの国を滅ぼすための結界を貼るのだから……。

 

「貴方と過ごした日々、悪くありませんでしたよ」

 

「……………っ」

 

そう言いながらうちはその場をあとにした。

その時うちは自分の頬に流れる涙に気づかなかった。

 

 

 

 

**************

 

 

「き、きいてないぞ!?こんな化けも……」

 

目の前で兵士が燃え尽きるのが見える。

ベニマル様の黒炎だ。初めて見たけどすごい威力。

 

「よお、ミッテルト」

 

「……ベニマル様。私が相手です」

 

「あいにくお前の相手をするつもりはない。お前の相手はこいつに任せる」

 

「……っ!?」

 

そう言ってベニマル様の背後から現れたのはイッセーだった。イッセーは強い決意を秘めた目でうちを見据えた。

 

「……う……私を殺しに来ましたか」

 

「違う」

 

てっきり騙された恨みをはらすために来たと思ったうちは、思わず首をかしげた。そして、その後に続く言葉はうちの予想だにしなかったものだった。

 

「お前を助けに来た……ミッテルト」

 

耳を疑った。助けに来た?

うちは今までイッセーを騙し、この国を滅亡直前まで追いやった大罪人だ。助けられる道理なんて……。

 

「話を聞いていなかったんですか!?私は……うちは今までイッセーを騙してたんすよ!!」

 

「じゃあなんであの時泣いたんだよ!!」

 

イッセーの叫びにうちは思わず黙り込んでしまう。

イッセーはうちと打ち合いながらも叫び続けた。

 

「騙してたって言うんなら泣く必要なんてないだろ!!あの時カレー食ったときの涙も嘘だったのかよ!!一緒に遊んだときの笑った顔も嘘だって言うのかよ!!全部嘘だったなんて絶対言わせねえぞ!!」

 

イッセーはうちと打ち合いながら叫ぶ。この時はまだうちの方が強かったけど、イッセーの気迫に思わず後ずさりしてしまう。

 

「うちだって……うちだってこんなことしたくないんすよ!!」

 

「でも駄目なんすよ!!逆らえないんすよ!!うちには、召喚されたときにかけられた魂の呪いで命令には逆らえない!!」

 

「ずっとずっと心が苦しかった!!最初から裏切るってわかってたのに仲良くなりたいと思ってしまった!!」

 

「苦しかった!!辛かった!!」

 

うちも我慢ができずに堰が途絶えたかのように叫ぶ。

叫べば叫ぶほどうちはうち自身の弱さにうんざりする。

 

「もう嫌っすよ……。始めてできた友達を裏切るだなんて……。もう、消えてなくなりたいっす……」

 

うちはその場で座り込んで泣いてしまった。

 

「お願いっすイッセー。うちを……殺してください」

 

ベニマル様とイッセーはなにも言わずに黙り込む。

ベニマル様の瞳には憐憫の情が込められている。

 

「……いやだ!」

 

「え?」

 

イッセーは涙も流しながらそう言った。

 

「言ったろ。俺はお前を助けに来たってよ……」

 

そう言いながらイッセーは拳に魔力を籠める。訓練のときに相手が女性だった際よく使う“洋服崩壊(ドレスブレイク)”だと一目で気づいた。

 

「イッセー!?なにを!?」

 

「俺の“洋服崩壊(ドレスブレイク)”でお前の魂に纏わりついているの呪いとやらを破壊する」

 

「はあ!?そんなことできるわけ……」

 

「やってみねえとわかんねえだろ!!ドライグ!!」

 

『boost!』

 

イッセーは魔力をドライグの力で倍加する。

 

「ユニークスキルが俺の願望からなるってんなら、洋服以外だって破壊できるはずだ……。お前が俺の欲望から生まれたって言うのなら……俺の友達を助けるためにも、俺に力を貸しやがれ欲情者(ヨクヲモツモノ)!!」

 

そしてイッセーは魔力を解き放った。

そしてドライグの倍加の作用がイッセーの魔力だけでなく、ユニークスキルの力までも引き上げたのだ。

その結果………

 

 

 

 

パリン!!

 

 

 

「あ……」

 

 

 

 

うちの服と共に魂の枷が外れる音がした。

 

 

 

 

 

**************

 

 

 

 

「…………どうして……」

 

「ん?」

 

「どうして呪いが、“洋服崩壊(ドレスブレイク)”で壊せると思ったんすか?」

 

「あ~、実はリムルの案なんだよ。リムルが、女性の裸を覗きたいと言う理由で服が破れる権能を作れたんだから、助けたいと強く思えばきっとスキルは応えてくれるってさ……」

 

曰く、リムル様はうちの魂の呪いに気付いたらしい。魂の呪いは普段は奥底に潜んでいるため、日常生活では気付くことはできなかったが、ファルムス侵攻時に強制力を持たせるため、呪いの力が表面に出た。それを遠視で確認できたから気付いたそうだ。

その後、うちがイッセーを殺さずにいたことと、何よりミュウランさんという仕方なく従っていた前例があったからこそ、うちの行動も本心ではないと考えたらしい。

 

「……それでも、助けてもらえる道理なんてなかったのに、なんで……」

 

「友達だからに決まってるだろ。理由なんか他にねえよ」

 

「ま、住民は必ず生き返る。だがらリムル様が許すと言うのなら、俺としても異論はない。お前にも同情する点はあるしな……」

 

うちはその言葉を反芻する。

こんな裏切り者のうちを受け入れてくれる。

そんなこともうないのだろうと考えていたからこそ、その暖かさに涙が出てくる。

 

「……あ、あと純粋にミッテルトのおっぱい見たかったって気持ちもある」

 

「…………はあ!?」

 

イッセーの爆弾発言に思わず目を白黒させる。あの土壇場でなに考えてるんすかこの人!?

 

「い、いやさ……俺ってどちらかというと大きいおっぱいの方が好きなんだけど、最近小さいおっぱいには小さいなりのよさがあるということに……」

 

「いや、聞いてないっす」

 

全くこの男は、変なところでしまらないすね。見ればベニマルさんも頭を抱えてうつむいているし……。

裸なんざファルムスの兵士にだってさんざん見られてきた。でも、イッセーに見られたと思うと何故か猛烈に恥ずかしい。

顔を赤くしながらむくれるうちを見て、イッセーは思わず吹き出してしまう。

それにつられてうちもまた笑った。

 

「じゃあ、早速帰ろうぜ。俺たちの家によ……」

 

イッセーはうちに自分の上着をかけ、うちを背におぶる。

少し気恥ずかしさもあったけど、その背はとても温かく、うちを安心させる。

何よりも、一緒に帰ろうと言ってくれたその言葉がうちはとても嬉しかった。

 

 

 

(ああ、そうか。うちってイッセーの事好きなんすね……)

 

 

うちはこのとき、始めてイッセーへの恋心を自覚したのだった。

 

 

 

 

**************

 

 

「ふあ~……」

 

部屋から覗く朝日の眩しさでうちは目を覚ます。

 

懐かしい夢を見たな……。

 

そう思いながらうちは辺りを見渡す。

部屋には部長やアーシアちゃん、そしてしばらく家に泊まることとなった黒歌っちがまだ寝息をたてている。

うちは起こさないようにそっと部屋を出る。

先日の戦いの傷が響いてるのかまだ不調だが、それでもうちはイッセーの部屋に向かう。

 

「スゥー、スゥー」

 

「……」

 

うちはイッセーの寝顔をじっと見つめる。

同居人が増えた今、なかなかこんなことできなくなったけど、しばらくはうちに独占させてほしいっすね。

 

「…………」

 

うちは寝ている隙きにイッセーに軽く口づけをする。

イッセーは気付いてないのか軽く寝返りを打つ。そんな何気ないことでうちは思わず笑ってしまう。

 

「大好きっすよ、イッセー」

 

そう告げてうちはお弁当を作るため台所へと向かったのだった。

 




ストックがつきたのでしばらくは休みます。
またストックが貯まったら再開しますが、就活とかもあるので多分早くても二~三ヶ月とかかかると思います。
ただし、エタりはしないのでお許しください。
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