帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

6 / 155
少し雑だったかな?


悪魔祓いと相対します

イッセーside

 

「今日は結構遅くなったな……」

 

「まあでもよかったんじゃないすか?部活に入ったお陰でどんだけ遅くても帰る時間一緒なんすし」

 

俺はミッテルトと共に自転車二人乗りで帰宅していた。

現在夜の十時頃、かなり遅くなっちまったな……。

今日は普通にオカルト研究部らしいUMAやらの講義を行ったのだが、その調べ事でかなり時間が長くなってしまったのである。

研究員時代に魔国連邦(テンペスト)でもたまにあったけど、やっぱ面白いこととか興味あることとか調べてると時間の流れがかなり遅く感じてしまうな。

 

「今母さんいねえしな……晩飯どうする?」

 

「そうっすね。冷蔵庫を見て有り合わせの……ん?」

 

ふと俺達はドアの空きっぱなしになっている一軒家が目に入った。

それだけならまあ気にはなるけど無視してたと思う。

 

「……なんすかね?この殺気」

 

「…………」

 

でも、その家からは強烈な殺気となにやら妙なオーラを感じる。

なにかあるな。

そう確信した俺はミッテルトと顔を見合わせ家の中に入った。

 

「お邪魔するっす」

 

「スミマセーン。誰かいませんかー?」

 

…………

どれだけ待っても返事はない……。

やはりこれは何かあるな……。

俺達は強いオーラを感じる部屋へと向かう。

そこはリビング。ソファー、テーブル、テレビ、どこにでもあるありふれたリビングだ。

ただ、一点……。

醜悪なオブジェがあることを除けば……。

恐らくはこの家の主だろう。切り刻まれ、傷口からは臓物もこぼれており、上下逆さまで壁に貼り付けられている。

死体の打ち付けられている壁には血で書かれた文字がある……。

ひでえ。一体誰がこんなことを……?

 

「趣味悪いすね……」

 

「……何て書いてあるんだ?」

 

言語は魔法でどうにかなっても文字がわかる訳じゃないからな……。

 

「『悪い事をする人はおしおきよ!』って聖なる言葉を借りたものさ……」

 

背後から声が聞こえ俺は振り返る。

そこには白髪の男がいた。年は俺よりちょっと上くらいか?神父の格好をしているが服のあちこちに血が付着している。

 

「んーんー?なんだいなんだい?結界張ってる筈なのに、どーして一般ぴーぽーがいる訳?」

 

何だコイツ……。

妙にハイテンションなやつだな……。

快楽殺人犯かなにかか?

 

「俺は神父♪少年神父~♪デビルな輩を切り殺し~♪ニヒルな俺が嘲笑う~♪

っと言うわけで自己紹介!

俺はフリード・セルゼン!趣味は悪魔殺し!とある悪魔祓い組織に所属してる末端でございますよ!以後宜しく~♪まあキミたちとはもうすぐイナイイナイばいちゃ!だけどね~♪」

 

言動が無茶苦茶、情緒不安定かよ……。

しかし、悪魔祓い……ってことは天界陣営のやつなのか?

何て言うか、全然そうは見えないな……。

まあいいや、そんなことより言いたいのは……。

 

「おい、お前か?この人殺したの?」

 

「イエスイエス!!だって悪魔を呼び出す常習犯だったらしいし~、殺すしかないでしょ!

というわけで、俺が正義の制裁を加えてやったのさ!」

 

「正義?こんなイカれた殺しが?笑わせるんじゃないっすよ」

 

怒りで顔を歪ませるミッテルト。

そうか……、ミッテルトは思い出してしまったのか……。

ファルムス王国の奴らを……。

 

……正義を振りかざし、非道な真似をしてきた連中を。

 

「はあ?なんなのお前ら?そのカスもしかしてお知り合いでしたか~?そりゃ悪い事しちゃいましたね~。

でもね、悪魔に魅入られたほうが悪いんですよ

悪魔に頼るのは人間として終わった証拠。だから俺殺して上げたわけ……。

むしろ感謝してほしいくらいなんですけど」

 

何が感謝だ……。ふざけてやがる。

話にならない。

 

「別に知り合いじゃないけど……、俺たちはお前みたいなイカれ野郎が大嫌いなだけだ。悪魔だってここまでのことはしないぞ……」

 

いや、悪魔族(デーモン)の特定の方々ならするかもだけど……。

 

「はぁ~?何いってんの?悪魔はクソですよ。これ常識。知らないんですか~?

というかその言い方だとあんたらも悪魔と関わりがあるってことかな?なら、あんたらもお仕置きしないとね~♪」

 

そう言うや否やフリードは刀身のない剣の柄と拳銃を取り出す。

柄だけの剣に気をこめることでビームサーベルのような光の刀身が輝きだす。

ならばこっちも“赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)”を……。

 

「な、何をしてるんですか!?」

 

 突然誰かの声が響き、神父はそちらに視線を移す、俺も一緒に視線を移す……っておいおい、何でここにいるんだ?

 

「ア、アーシアちゃん!?」

 

ミッテルトの驚いたような声が響く。

そう。そこにいたのはついこの前、町で道に迷っていたシスターの女の子、アーシアだった。

アーシアがどうしてこんなところにいるんだ!?

 

「おんや、助手のアーシアちゃんじゃあーりませんか。どうしたの?結界は張り終えたのかな?」

 

「!!い、いやァァァァァッ!?」

 

アーシアは壁に貼り付けられた死体を見て悲鳴を上げる。

ってちょっと待て?今あの神父なんて言った?助手!?アーシアはコイツの仲間なのか……!?

俺とミッテルトはその事が信じられずアーシアのほうを見る。

 

「可愛い悲鳴ありがとうございます!そっか、アーシアちゃんは初めて見るんだね、コイツは糞悪魔に魅入られた哀れな人間の末路だよ。よ~く見て覚えてね」

 

「そ、そんな……」

 

アーシアは震える声で呟く。

どうやら同じ一味ではあるみたいだけど何をしてるかは知らなかったってところかな?

するとふとアーシアと視線が合う。アーシアも俺達に気付いたようだ。

 

「あ、あなたはイッセーさん……?ミッテルトさんも……」

 

「あれあれ?もしかして知り合いだったんですか~?

それとも彼氏かな~?うわッ、アーシアちゃん清純ビッチ!!でもごめんちアーシアちゃん、コイツこれを見ちまったから死んでもらうんだ。

それにほら、こいつも二股?してるっぽいしさ~。そんな最低男死んだほうが人のためっしょ?

アーシアちゃんもコイツが天国に行けるようにお祈りしてあげなよ!」

 

「そ、そんな……フリード神父、止めて下さい!この人たちは私を助けてくれた方なんです!」

 

「ムリムリ。それにこの二人も悪魔に魅入られた存在っぽいのよ~。悪魔のことを知ってる風な感じで話してるし~。ならば、それ抜きでも殺す対象なんでございますよ~♪わかるでしょ?」

 

「でも……」

 

「ひゃはははは! 残念だけどアーシアちゃん、悪魔と人間は相容れません!悪魔と取引なんてするクソ人間も同様です!

それに、僕達、堕天使様のご加護なしでは生きてはいけないハンパ者ですよぉ?」

 

堕天使?

フリードはともかく、アーシアが?

というかそもそも神父やシスターって聖書の神率いる天界陣営じゃなかったの?

ふと俺の脳裏には先日戦った女堕天使の姿が写る。

もしやあいつか?

 

 

バッ

 

 

俺が考え事をしているといつの間にやらアーシアは俺を庇うように神父に立ち塞がっていた。

 

「おいおいアーシアちゃん、キミ、何してるか分かってるの?」

 

「もう嫌です、悪魔に関わったというだけで何の罪もない人達をが殺されるのを見てるだけなんて……そんなのおかしいです!」

 

「はぁァァァァ!?バカこいてんじゃねえよ!悪魔は糞だって教会で習わなかったのか?お前頭にウジ虫でもわいてんじゃねえのか!?」

 

憤怒の表情につつまれるフリード。しかしそれを見てもアーシアは怯まず、下がる気配が微塵もない。

強い子だな……。

そしてそれを見たフリードはゆっくりとアーシアに近づき……。

 

バキッ!

 

 

「キャッ!」

 

持っていた拳銃でアーシアを殴った。

ってマジでやりやがったコイツ!

 

「アーシア!」

 

床に倒れたアーシアに駆け寄る。

よほど強く殴られたのか顔面に痣ができている。

コイツ、マジでアーシアを殴ったのか……!

 

「……堕天使の姉さんからキミを殺さないように念を押されてるんですけどねぇ……ちょっとむかつきマックスざんすよ。殺さなきゃいいわけだから、ちょっくらレ○プまがいのことでもさせてもらいましょうかね……ッとその前にそこのゴミからおかた付けしましょうかね」

 

そう言いながらフリードはビームサーベルで俺達に斬りかかる。

そこへ羽を生やしたミッテルトがバイサー戦から携帯している木刀でそれをいなした。

 

「ってはぁ!?堕天使!?あんた堕天使だったの!?」

 

「そうっすよ……。といってもあんたらの親玉とは何の関係もない、いわゆる“はぐれ”っすけどね……」

 

どうやらフリードはミッテルトが堕天使だったことに驚いている様子。見ればアーシアも驚いている。

 

「はぐれね……。堕天使が悪魔と一緒とか恥ずかしくないわけ?」

 

「別に恥ずかしくないっすよ。確かにうちは悪魔の友人と一緒にいるっすけど皆いい人たちっすから」

 

フリードの攻撃をいなすミッテルト。

傍目から見れば一方的にフリードが攻めてるように見えるがミッテルトは木刀に妖気(オーラ)を纏わせ、フリードの猛攻を全てさばいている。

フリードは自分の攻撃が当たらないことに苛立ってるようである。

 

「ちっ!調子に乗らないでもらえますかね!?」

 

フリードがビームサーベルにさらに力を込める。

どうやら全力っぽいな……。

しかし、それでもミッテルトの敵ではない。ミッテルトは余裕そうにフリードを見据える……ん?

なんだ?

フリードが飛び出そうとしたその時、床が青白く発光した。

 

「何事さ?」

 

疑問を口にだすフリードの足元が光り徐々に形を作っていく。

……あ、これグレモリー眷属の魔法陣だ。

ってことは……。

 

「あ、イッセーくん。ミッテルトさんもこんなところで何してるの?」

 

「あらあら、大変ですわね」

 

「……神父」

 

木場に朱乃さんに小猫ちゃん。

なんでここに……と思ったが考えてみれば、ここは彼女たちの契約主の家なんだ。

そこで異常があれば察知することもできるのかもしれない。

 

「おーおー!悪魔の団体さんですか?何?仲間意識バリバリで助けに来たとかそんな感じ?悪魔と堕天使の友情?いいですねえ反吐が出そうだ」

 

そう言いながらフリードは朱乃さんたちに斬りかかる。

すかさず木場が剣をだし、フリードの一撃を受け止めた。

 

「……とても神父とは思えないな……。だからこそ、『はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)』をやってるわけか」

 

“はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)”?はぐれ悪魔の悪魔祓い(エクソシスト)版ってことか?

 

「あいあい!そうでござーすよ!俺的には快楽悪魔狩りさえできりゃ大満足なんですよ!これがな!」

 

剣と剣でつばぜり合う両者。

見た感じ二人の技量(レベル)にそこまで差はなさそうだな……。

木場の眼光はフリードを見据え、フリードはそれをケタケタ笑っている。

 

「厄介なタイプだね。悪魔を狩ることだけが生き甲斐……僕たちにとって一番有害なタイプだ」

 

「はあああ!?悪魔さまに言われたかないのよぉ?てめえら蛆虫連中にどうこう言われる筋合いはねえザンス!」

 

「悪魔にだって、ルールはあります」

 

微笑みながら言う朱乃さん。目は笑ってないけど。

 

「消し飛びなさい」

 

木場が離れたのを見計らって部長が大きな一撃を放つ。

その結果、フリードの後方、リビングの壁が消し飛んだ。

 

「私は友人を傷つけようとする輩は許さないことにしてるの。覚悟しなさい」

 

部長は魔力を漲らせ、鋭い視線でフリードを見抜く。

しかし、フリードは余裕の表情だ。

 

「!部長、この家に堕天使らしき者が複数近づいていますわ。このままではこちらが不利になります」

 

あ、ほんとうだ。なにやら複数の気配が近づいてくる。

これがフリードの自信の源か。

 

「くっ……、皆!撤退するわよ!」

 

「させると思ってるんですかね!?」

 

撤退をしようとする部長に襲い掛かるフリード。

木場も対応しようとしてるが間に合いそうもない。

しかたがないな。

 

「ふん!!」

 

ドゴ!!

 

「な!?ぐえ!?」

 

俺はすぐさま部長の前に立ち、部長に斬りかかろうとしていたフリードの横っ腹を蹴り飛ばす。

その威力でフリードは呻き声をあげながら壁にめり込んだ。

 

「大丈夫ですか?部長?」

 

「……え、ええ。ありがとう」

 

少し戸惑っているものの無事みたいだ。

部長は朱乃さんと共に魔法陣の準備を着々と進める。

 

「……イッセー、ミッテルト。貴方達は大丈夫?」

 

「はい、問題はないっす」

 

それを聞いた部長は頷きながら魔法陣の上に乗る。

あの魔方陣で移動できるのは悪魔だけらしい。

堕天使のミッテルトや人間の俺は使えないとのことだ。

 

「アーシアも一緒に……」

 

俺とミッテルトなら魔法陣を使わずともアーシアをこの場からつれていくことができる。

それを提案するもなんと部長のほうから却下されてしまう。

 

「ダメよイッセー。彼女は堕天使に関与している者。背後関係が分からない今、ここで堕天使と争えば悪魔と堕天使の間で大きな問題になりかねないわ」

 

「でも……」

 

部長の言っている意味は理解できる。

何が原因で悪魔と堕天使の争いが大きくなるか分からない今、下手に堕天使とその関係者に関わるわけにはいかい。

ここでアーシアを連れて行けば、それが原因で悪魔と堕天使間で大事になる可能性もあるということだ。

俺たちは戦争がどういうものかを知っている。

それの引き金になりかねないとなると躊躇いも少し生まれる。

それでも……。

 

「……いえ、行ってください。皆さんに迷惑はかけられません」

 

「アーシア!?」

 

アーシアが悩んでいる俺たちの背を押す。

その目には涙も浮かんでいるようだ。

糞、情けねえ……。

だけど、リアス部長のいる今この場では何もできない。

だから俺は決意する。

 

「必ず助けに行く。だからそれまで待っててくれ」

 

アーシアの手を握りしめ、俺はアーシアと約束をする。

アーシアは少し驚いたような顔をしたが、その後すぐに笑顔になる。

 

「ありがとうございます。イッセーさん」

 

俺の立場は一般人。あくまでどの勢力にも所属してないただの人間だ。

部長がいる今はまだしも、俺一人ならば言い訳もたつしどうにでもなるはず。

そう決意した俺はミッテルトと共にこの場を後にする。

 

待ってろよアーシア。必ず助けてやるからな!!




木刀
バイサーのいた廃墟でたまたま落ちてた普通の木刀。
当然特別な力なんてないが、ミッテルトの妖気を纏わせることで強化している。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。