帰ってきたらD×Dだった件   作:はんたー

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妹分の怒りです

 イッセーside

 

 

 

 

 俺達はディオドラの“騎士”が待っているだろう神殿に足を踏入れたとき、俺達の視界に見覚えのある者が映り込む。

 

「や、おひさ~」

 

 現れたのは白髪の神父。

 

「なんだ。生きてたのか、フリード」

 

 そう、俺達の目の前に現れたのはフリード・セルゼン。

 あのいかれたクソ神父だった。

 エクスカリバー事件の時以来か。正直、まだ生きてるとは思わなかった。

 

「ひどい言いぐさだな~イッセー君? イエスイエス。僕ちんキッチリキッカリ生きてござんすよ?」

 

 相変わらずふざけた野郎だな……。

 というか、“騎士”二人はどこ行った? 

 

「フリード。ディオドラの“騎士”はどうした?」

 

 俺の問いに嫌な笑みを浮かべるフリード。

 フリードは口をモゴモゴさせると、ペッと何かを吐き出した。

 見てみると、それは人の指だった。

 

「俺様が食ったよ」

 

 フリードの言葉に俺は天魔大戦で一度だけ戦ったあの男を思い出す。

 ……何てことしやがるんだよ! 

 小猫ちゃんが鼻を押さえながら目元を細めた。

 

「……その人、人間止めてます」

 

 小猫ちゃんが忌むように呟く。

 奴はニンマリと口の端をつりあげると、人間とは思えない形相で哄笑をあげる。

 

「ヒャハハハハハハハハハハッハハハハハッ! てめえらに切り刻まれたあと、ヴァーリのクソ野郎に回収されてなぁぁぁぁぁぁっ! 腐れアザゼルにリストラ食らってよぉぉぉぉぉおおっ!」

 

 ボコッ! ぐにゅりっ! 

 

 異様な音を立てながらフリードの体の各所が不気味に盛り上がる。

 神父服は破れ、四肢は何倍にも膨れ上がった。

 

「行き場無くした俺を拾ったのが“禍の団”の連中さ! 奴ら! 俺に力をくれるっていうから何事かと思えばよォォォォオオっ! ぎゃははははは! 合成獣だとよっ! ふははははははっははははっ!」

 

 ドラゴンやコウモリ、そのほかにもいろんなものを混ぜたような、異形の形になるフリード。

 

「……歪だにゃん」

 

 黒歌の言葉が全てを表している。

 歪すぎる! 腕も足も全身の全てが目茶苦茶で統合性がまるでない! 

 これを作った奴はどういう頭の構造してるんだよ! 

 これじゃあ、正直言って短期間しか持たないだろ……。

 

「……気持ち悪いの」

 

 セラは半眼で睨みながら呟く。

 実際、変化したフリードは醜悪な見た目をしている。

 他の部員も思わず顔をしかめている程だ。あまりにも酷すぎる! 

 

「ヒャハハハハハハッ! ところで知っていたかい? ディオドラ・アスタロトの趣味をさ。これが素敵にイカレてて聞くだけで胸がドキドキだぜ!」

 

 フリードが突然ディオドラの話しを始める。

 

「ディオドラの女の趣味さ。あのお坊ちゃん、大した好みでさー、教会に通じた女が好みなんだって! そ、シスターとかそういうのさ!」

 

 女の趣味? シスター……? 

 俺の中で直ぐにアーシアと直結した。

 フリードは大きな口の端を上げながら続ける。

 

「しかも、狙う相手は熱心な信者や教会の本部に馴染みが深い女ばかりだ。俺様の言ってることわかる? さっきイッセー君達がぶっ飛ばした眷属悪魔の女達は皆元信者なんだよ! ぜーんぶ、元は有名なシスターや聖女様なんだぜ! ヒャハハ! マジで趣味いいよなぁぁ! 悪魔のお坊っちゃんが聖女達を誘惑して手篭めにしてんだからよ! 熱心な聖女を言葉巧みに騙して墜とすんだと! まさに悪魔の囁きって奴だ!」

 

 ……それでか! 

 ミッテルトの言葉の意味がわかった! 

 そのままフリードは嘲笑しながら話を続ける。

 

「ある日。シスターを犯すのが大好きな悪魔のお坊っちゃんはチョー好みの美少女聖女様を見つけました。会ったその日からエッチな事をしたくてたまりません。でも、聖女様は教会にとても大切にされていて、連れ出すにはちょいと骨が折れると判断しました。そこで『ケガした自分を治療するところを他の聖職者に見つかれば、聖女様は教会から追放されるかも☆』と考えたのでしたぁ! 傷跡が残ってても、エッチなことができれば問題ない! というわけでさぁ!」

 

 ……最初に話を聞いたときから、おかしいと思ってた。

 現魔王の血縁者で上級悪魔であるディオドラが教会の近くでたまたま怪我をし、たまたま悪魔も治せるアーシアに助けられる。

 そんな偶然があるのか? あまりにも話しができすぎている。

 恐らく、今まで戦った眷属達もそうやってディオドラに逆らえなくなっていたのだろう。

 

 ────あの時、彼を救ったこと、後悔してません。

 

 俺の脳内で、笑顔でそう言いきったアーシアの言葉が思い出される。

 

「信じていた教会から追放され、神を信じられなくなって人生狂わされたら簡単に僕のところに来るだろう……ってな! ヒャハハ! 聖女様の苦しみはお坊っちゃんにとっては最高のスパイス! 最底辺まで堕ちたところを救い上げて犯す! 心身共に犯す! それが坊っちゃんの最高最大のお楽しみであります! ヒャハハ! マジで笑えるわあぁっ!!」

 

「ッ!!」

 

 駄目だ。もう我慢できそうにない。

 俺は一歩前へ飛び出そうとしたその時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お前、もう喋るな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へっ? ────って、ギャアア!?」

 

 

 

 

 

 

 瞬間、セラが俺よりも早く飛び出し、フリードを殴り飛ばしたのだ! 

 フリードはその一撃に耐えきれず、後方の壁まで吹き飛ばされる! 

 見ると、セラの予想外の行動に、皆あっけにとられている。

 

「ま、待つんだセラちゃん! 危険すぎる! ここは……」

 

「ストップだ。木場」

 

「イッセー君!?」

 

 俺は飛び出そうとした木場を制止する。

 今のセラからは濃密な怒気と、すさまじいオーラが感じ取れるのだ。

 木場たちは感じ取れてないみたいだけど、今のセラは存在値を50万にまで高めている! 

 

「……ここは、セラに任せたほうがよさそうにゃん」

 

 黒歌もそれを感じ取ったようだ。

 木場や部長も、俺達の言葉に多少の戸惑いを覚えながらも引き下がる。

 俺達は改めて吹き飛ばされたフリードを見据えた。

 

「がはっ!? な、なんだこのガキ!?」

 

 フリードは殴られた頬をさすりながらも異形となった口からブレスを吐き出した! 

 その熱量は大したものだが、セラはまるで動じなかった。

 セラは片手を付きだし……。

 

「“多重障壁展開(カーテン)”」

 

 瞬間、おびただしい数の障壁がその一撃を防ぐ! 

 なんだアレ!? この世界に来て色々な術式見たけど、見たことがない術式だぞ!? 

 見ると、部長も驚いている。この世界の魔法なら、部長のほうが詳しいと思うが、そんな部長でも見たことないようだ。

 

「はあ!? 嘘だろ!? 僕ちん最大の攻撃なんだけ……アバッ!?」

 

 セラは片腕を変形させ、鈍器のような形状にしてフリードを殴る! 

 よろつくフリードに対し、更に変形! あれは……鉈か? 

 

 ダン!! 

 

「ギャアア!?」

 

 セラは鉈で容赦なくフリードの腕をぶった斬る! 

 痛みに悶絶するフリードにセラは無表情で呟く。

 

「そんなくだらない理由でアーシアお姉ちゃんを困らせるなんて、許せないの。あの男も、それを笑うお前も……」

 

「ぐっ! 調子こいてんじゃねえぞガキがぁぁっ!!」

 

 フリードはそう言うと、凄まじいスピードで縦横無尽に走り出した。

 恐らくは先程食べたという“騎士”の力を取り込んだのだろう。

 

「ヒャハハハハ! どうですかこの速さ! ディオドラの“騎士”二人をぺろりと平らげて、そいつらの特性も獲得したんですよぉぉぉ! 無敵! 超絶モンスターと化したフリードくんをぉぉぉ!?」

 

 メゴッ! 

 

 鈍い音とともに、フリードは再び吹き飛ばされる。

 フリードの速度に合わせ、セラがカウンターを顔面に炸裂させたのだ! 

 

「無敵? この程度で? 笑わせるの」

 

 セラは嗜虐的な笑みを浮かべながら、ゆっくりとフリードへ近づく。

 頬についた血を舌なめずりする様は、見てて少し恐怖を覚えるくらいだ。

 

「せ、セラちゃんってこんなに強かったんですね」

 

 ギャスパーもそんなセラに少しビビってるのだろう。

 その眼からはわずかな怯えが見て取れる。

 気持ちはわかる。正直、この俺ですら本能に訴える恐怖を感じたのだから。

 

「つ、強すぎるだろ……なんなんですかお前はぁ!」

 

 セラはそのままフリードを吹き飛ばした! 

 気を失ったフリードを見据え、セラは告げる。

 

「私は真神セラ。皆の……アーシアお姉ちゃんの妹なの!」

 

 セラの一撃でフリードは完全に動きを停止させている。

 これがセラの力か。見ると、部長たちも信じられない様子で驚いている。

 ────強い。少しとはいえ、戦い慣れている感じもする。

 セラの正体はいまだ謎に包まれているけど、今の未知の術式を見て、少しわかったような気がした。

 

「黒歌、一応聞くけど、今の術式わかる?」

 

「ううん。初めて見るものだったにゃん。以前から思ってたけど、セラは多分……」

 

 ────セラはおそらくこの世界の存在ではない。

 以前聞いたヴェルグリンドさんの話によると、世界は二つだけじゃない。この世界や基軸世界以外にも、数多の次元世界が存在するらしい。

 どちらの世界でも、見たことないような金属で形作られていたことから、予想はしていたけど、セラはこの世界の存在ではないのだろう。

 

「お兄ちゃん、お姉ちゃん! 早くアーシアお姉ちゃんを助けに行くの!」

 

 おっと、そうだった。セラの考察は正直後でもできることだ。

 今はアーシアを救うことが何よりの最優先事項。

 

「……そうね。今はアーシアが先決よ。ありがとうセラちゃん」

 

 部長たちも同じ結論に至ったようだ。

 気合を入れなおし、俺達はディオドラが待つであろう最後の神殿へと駆け出すのだった。

 ディオドラ────。

 てめえは俺がぶん殴ってやるから覚悟していろよ! 

 

 

 

 

 ****************************

 

 

 アザゼルside

 

 

 

 

 

 俺はレーティングゲームのバトルフィールドで旧魔王派の悪魔どもを片付けていた。

 俺は残りを部下に任せ、フィールドの隅へと向かう。

 そこにいたのは小柄な少女。黒いワンピースを身に着け、細い四肢をのぞかせている。

 

「────お前自身が出張ってくるとはな」

 

「アザゼル。久しい」

 

「以前は老人の姿だったか? 今度は美少女とは恐れ入る。何考えてやがる────オーフィス」

 

 俺は目の前の少女────“無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)”オーフィスに訪ねる。

 こいつは“禍の団”のトップにして最強のドラゴンだ。こいつが自ら出張るとは、今回の作戦はそれほど重要ででかいのか? 

 

「見学。ただ、それだけ」

 

「高みの見物ね……。ここでおまえを倒せば世界は平和か?」

 

「無理。アザゼルでは我を倒せない」

 

 はっきり言ってくれる。まあ、そうだろうな。俺だけじゃあコイツを倒せない。

 仮にここに集まってもらった各神話の神々たちを総動員しても無理だろう。

 だが、お前をここで倒せば“禍の団”に深刻な打撃を与えられるのは確実なんだ。

 

「久しぶりだな、オーフィス!」

 

「タンニーン!」

 

 そこに現れたのは元龍王のタンニーンだ。

 タンニーンは大きな目でオーフィスを激しくにらみつける。

 

「せっかく若手悪魔が未来をかけて戦場に赴いているというのに、貴様が茶々を入れるのが気に食わん! あれほど、世界に興味を示さなかった貴様が今頃テロリストの親玉だと!? 何が貴様をそうさせた!」

 

「暇潰し、なんて冗談は止めてくれよ? おまえの行為はすでに世界各地で被害を出しているんだからな」

 

 

 

 俺もタンニーンに続き、オーフィスに問う。

 こいつがトップに立ち、その力を様々な危険分子に貸し与えた結果、各勢力に被害をもたらしている。

 死傷者も日に日に増えている。もう無視できないレベルだ。

 だが、何がこいつを動かしているのか、俺には分からなかった。

 いままで、世界の動きを静観していた最強の存在が何故今になって動き出したのか。

 返ってきた答えは予想外のものだった。

 

「────静寂な世界」

 

 …………。

 

「は?」

 

 一瞬、何を言ったのか理解できなかった。

 すると、オーフィスは紫色の空を見上げながら言った。

 

「故郷である次元の狭間に帰り、静寂を得たい。ただそれだけ」

 

 ────っ! 

 おいおい、マジかよ。

 普通ならホームシックかよと笑ってやるところだが、次元の狭間ときたか。

 あそこには確か────。

 

「そこにはグレートレッドがいる。我はグレートレッドを倒し、次元の狭間に戻りたい」

 

 確かに今、次元の狭間を支配しているのは奴だ。

 なるほど、こいつは奴をどうにかして次元のはざまに戻りたいのか。

 まさか、それを条件に旧魔王派共や他の勢力の異端児に懐柔されたのか? 

 ────そうかヴァーリ。おまえの目的が分かったぜ。

 俺の思考が答えを出そうとしたとき、何者かがこの場に転移し来る。

 

「お初にお目にかかる、俺は真の魔王アスモデウスの正当なる後継者、クルゼレイ・アスモデウスだ。貴殿に決闘を申し込もう」

 

 ……ハハハ、首謀者の一人がご登場か。

 

「旧魔王派のアスモデウスか」

 

 ドン! 

 俺の言葉を聞くや、クルゼレイは全身から魔力をほとばしらせる。あの時のカテレアに匹敵するエネルギー……こいつもドーピング済みってわけか。

 

「旧ではない! 真なる魔王の血族だ! カテレアの敵討ちをさせてもらうぞ!」

 

 俺は人工神器を構え、疑似禁手を発動しようとする。

 ────瞬間、何者かが転移魔法陣で乱入をしてきた。

 赤く輝く魔方陣から現れたのは、紅髪の魔王────サーゼクスだ。

 

「サーゼクス? お前、何で?」

 

「いつもアザゼルばかりに任せては悪いからね。それに、クルゼレイを説得したい。現悪魔の王として、直接話を聞きたいんだ」

 

 全く、お人好しめ。

 だが、サーゼクスの思いは無駄になりそうだ。

 サーゼクスを視認した途端、クルゼレイの表情は憤怒と化したのだ。

 

「忌々しい偽りの存在! 直接現れるとはなっ! 貴様らさえいなければ、我々は……ッ!」

 

「クルゼレイ。矛を収めてくれないか? 今ならまだ話し合いの道も用意できる。前魔王の子孫や幹部たちと会談の席を設けたいんだ」

 

「ふざけるな! 堕天使どころか天使とも通じ、汚れ切った貴様に悪魔を語る資格はない! 悪魔以外の種族はすべて滅ぼすべきというのがなぜわからん! それに俺に偽物と話せというのか! 大概にしろ! 我らこそが世界を支配すべき存在なのだ! オーフィスの力を利用し、新たな世界を作り出す! そのためには、貴様ら偽りの悪魔は邪魔なのだ!」

 

 そういいながら、クルゼレイは攻撃を仕掛ける。

 それを見たサーゼクスは一瞬、悲しそうな眼をしながらも、次の瞬間には背筋が凍るほど冷たい目になっていた。

 

「……残念だ。クルゼレイ、私は魔王として、今の冥界に敵対するものを排除する」

 

「貴様が魔王を語るな! 我こそが真なる魔王……」

 

 ギュバ! 

 

 サーゼクスの放つ魔力がクルゼレイの全ての攻撃を消滅させる。

 “蛇”と謎の結晶を合わせ、さらなる力を手に入れたつもりのクルゼレイは、それでもあきらめずに魔弾を放ち続ける。

 だが、その攻撃の全てはサーゼクスには届かない。

 サーゼクスの滅びはすべてを打ち消してしまうのだ。

 これがサーゼクスの力。悪魔の突然変異とも称されるこいつは全勢力の中でもトップ10入りするとすら言われている。

 触れたものをすべて消し、塵芥すら残さない絶対的な滅び────。

 これが歴代最強とも称される魔王サーゼクス・ルシファーの力というわけか。

 

「おのれ! 貴様といい、ヴァ―リといい、何故“ルシファー”を名乗る者は恵まれた力を持ちながら、我らと相いれないっ!!」

 

 クルゼレイは絶大な魔力を両手に宿し、放出しようとする。

 

 ギュバン! 

 

 ────が、極小サイズの滅びの球体がそれよりも早く、クルゼレイの腹を削り取った。

 

「“滅殺の魔弾(ルイン・ザ・エクステインクト)”。残念だよクルゼレイ……」

 

 クルゼレイは信じられないものを見たかのように、腹部を凝視し、血を吐きながら呪詛を放つ。

 

「……な、なぜ……本物の魔王が偽物に負けねばならんのだ……?」

 

 クルゼレイは血涙を流しながらそう言い────。

 

「それはお前が偽物で、あいつが“真なる魔王”だからだよ。クルゼレイさん♪」

 

 何者かに首をはねられた! 

 

「なっ!?」

 

「……?」

 

 咄嗟のことに、サーゼクスは驚きながらも距離をとる。

 無表情だからわからんが、オーフィスすらも少し驚いてるように見える。

 何者だ? 

 

「よう、初めまして。この世界の“真なる魔王”の一柱、サーゼクス・ルシファー。あえて光栄だね」

 

「……君がカグチか。君も“禍の団”のメンバーというわけかい?」

 

 コイツがカグチか。見るのは初めてだな。

 凄まじく濃密なオーラを放ってやがる! これほどのオーラは神々にすらめったにいねえぞ!? 

 ……イッセーはこんな奴と戦ったのかよ! 

 サーゼクスはこいつも“禍の団”の構成員だと思ったようだが、カグチは首を振り、否定する。

 

「いや、俺はあくまで一時的な協力関係ってだけで、“禍の団”のメンバーじゃねえよ。今回はとある目的を果たすために来たんだ」

 

「目的?」

 

 サーゼクスの言葉にカグチはオーラを高め、好戦的な笑みを浮かべる。

 ────次の瞬間。

 

 ドン! 

 

「うおっ!」

 

「ムっ!」

 

 凄まじい爆発が俺とタンニーンを襲う! 

 魔力を感じた方向を見ると、そこには滅びの魔力を携えるサーゼクスと、()()()()()()()()()()()()()カグチの姿があった! 

 

「この世界で()()しかいない“真なる魔王”。あんたの力……どんなものか、試させてもらうぜ!」

 

 カグチはそう言いながら、サーゼクスの滅びの魔力をすべて吹き飛ばしやがった! 

 

「なっ、サーゼクスの滅びをかき消しただと!?」

 

 タンニーンも信じられない様子だ。

 当然だ。アレをかき消すにはどれほどの力がいるってんだよ! 舐めてたつもりはなかったが、こいつら、想定をはるかに上回る化け物だ! 

 

「仕方ない。闘うしかないようだね」

 

 サーゼクスはそう言いながら、魔力をさらに高めた。

 今、この場でとんでもない戦いが巻き起ころうとしていた────。

 

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