これで解説するより実際の映像見てもらった方が何百倍もいいんで
というか完全に試合見ながらこれ読んでもらわないと分からないくらいなんで・・・
11月23日・・・。勤労感謝の日であるこの日、そんなのお構いなしと言わんばかりに今日もトレセン学園は通常営業中だ。それもこれも秋のG1祭りがいけない。なんだあのG1密度は職員の身にもなってくれ・・・。
さて、話は変わり、現在の時刻は既に9時を回っており、いつもなら残業中だ。
だが今日は我が家で待つフラッシュとの約束があるので仕事を持ち返り帰宅することにした。早急に片づけを終え、電車に間に合うように駅まで走る。もう1週間強すれば12月という事もあり、外の空気からは冬らしい鋭い感触がした。
家に付き、一直線でシャワーを浴び、水が滴りながらも着替える。
「もう、あなた!ちゃんと拭いてから来てください。風邪を引いてしまいますよ!」
フラッシュからのきついお叱りを受け、慌ててタオルを頭から被る。式を挙げて5か月前後。既に妻としての貫禄が出始めているフラッシュに苦笑しつソファに座りテレビを付ける。テレビではもう前座の番組も締めに入り、視聴者のボルテージはマックスだ。
俺たちも、ソファの前にあるテーブルにフラッシュお手製の料理を並べ、互い自国のユニフォームに身を包み、キックオフを今か今かと待ち望んでいた。
「いよいよですね・・・。緊張します」
「レースの時よりも?」
「それくらいかも知れませんね」
冗談を言い合いフッと笑う。・・・フットボールだけに。
試合開始のホイッスルが鳴る。
さあ、いよいよキックオフだ。
サッカーワールドカップ2022Eグループ予選 日本対ドイツ
____開始!
「む・・・まだ1分くらいしか経ってないのに攻められるな・・・」
「くっ、固い守りです・・・」
その後もドイツが攻め続ける展開が続く。
だが3分半ほど、突如日本側がカウンターに打って出た。
前線を一気に詰めていき、華麗なアシストからシュートが刺さる。
ボールがドイツのゴールのネットを揺らしたのだ。
「やったか!?」
「いえ、あれはオフサイドです!」
だがフラッシュの言う通りオフサイドの判定を食らい、点が入ることはなかった。
「
その後もハイペースな試合が続いた。ドイツの果敢な攻めに苦しむ日本だったが、それでも必死にゴールを死守する。
「っ・・・。攻め切れませんね・・・」
「ヒヤヒヤする・・・」
だが長時間振り回され、少しずつ選手にも疲れの色が見え始めてきた。ドイツサイドはそのタイミングを見逃さなかった。攻撃の激しさは増し、日本の選手を翻弄するプレーをしながら陣地を切り裂いていく。
「
フラッシュも興奮した様子で応援をしていた。
そんな中、トレーナーは、
「うっま・・・」
選手のプレーに賛美の呟きしか出ないほど魅せられていた。
そしてついに、恐れていた時間がやってくる。
30分頃、必死にゴールを守っていたキーパー、権田選手がファールを犯してしまいPKに持ち込まれてしまう。
「くっ・・・これはしょうがない・・・」
あの状況ではこうなってしまうのも仕方がない。これは誰もが受け入れるような事態だった。
そして・・・
『入ってしまううう!』
「
「くはああ・・・しょうがない。切り替えて・・・」
それからも度々日本も攻めるが得点には繋がらず、寧ろボールをドイツに占有されてばかりいる厳しい展開となった。
「よく攻めています。可能性はまだある・・・」
そんな防戦よりな戦いでも守備陣営の懸命なディフェンスによって、双方新たな得点は生まれることなく前半は幕を下ろした。
「やっぱしドイツ上手いなあ・・・。流れるような美しいプレーだよ」
「ですが、日本の方々も見事な連携です。あれだけ攻められてなお1失点なのは、すごいことですよ」
「確かにね・・・。いやあ、最序盤みたいなカウンターが決められればまだチャンスはありそうなんだが・・・」
「ふふ、そう簡単には行かせませんよ」
「あ、このスープ美味しい」
「かぼちゃのスープですね。故郷の味を再現してみました。気に入って頂けて何よりです」
「あ、後半始まる」
後半が始まると目立つのは前半と変わった陣形だろうか。ディフェンスを3枚にし、攻撃に転じてきた。これは前半でドイツも行っていた戦法である。
だがこの戦法が功を奏した。これまでとは打って変わって積極的な攻めを行いドイツ陣営にプレッシャーをかけていく。
「行ける!行ける!惜しい~」
先程からこんなことばかり言っているくらいには攻めていた。
途中、ドイツの猛攻を紙一重でしのぎつつ少しずつ形勢が変わっていく。
「DF!キーパー!ナイスセーブ!上手い!」
「もう少し!もっと激しく・・・。鉄壁ですね・・・」
その後、少しづつ選手交代をしてきながら人を整え、15分頃には攻防関係が前半とは逆転していた。
「くっ・・・守りが続いてしまっています。ここいらでもう一度攻めに転じたいですが・・・」
「惜しいところまでは行くんだが・・・得点までは遠いか・・・」
「ええ、第4コーナーを曲がった最後の直線の様です」
「上手い。一本」
しかし諦めなければチャンスは巡ってくるものだ。30分過ぎ、ついにその時が来た。
ゴール前、一度は弾かれたシュートが再び放たれドイツのゴールネットに刺さったのだ。
「行ける!もう一回!決まったああああ!」
「もう一度来ます!止め・・・追いつかれてしまいましたか。ですが!まだ時間はあります」
フラッシュの期待とは裏腹にさらに数分後・・・
「ボール持った。上がって!上がって!行けるか?!抜いたあ!」
「抜かれた!?」
「逆転きたああ!」
「な・・・そんな。くっ、敵ながらあっぱれです。しかし、試合は最後まで分かりません!」
「む、疲労が目立ちますね・・・。心配です・・・」
「でも少しずつ攻めに転じてきたな・・・。ここからが真の正念場だぞ・・・」
「7!?アディショナル7!?」
「最後の7分です!ここで決め切ってください!」
この重要なアディショナルタイムはまさかの7分。フラッシュにとっても、トレーナーにとっても非常に長く、思い時間となった。
彼女にとっては刻一刻と迫るタイムリミットが、彼にとっては銃弾の様に飛んでくる数々のシュートが恐ろしく、1分1分が1日にも思えるほど長かった。
「このフリーキックが・・・」
「勝敗を分けます・・・」
そして遂に運命の時間。キーパーすら前線に出て、本当に総力戦となった。
そしてそのキックは・・・
「よおおおおし!」
「
こうして、まさかの2対1、日本が大逆転をするという衝撃の形を迎え試合は幕を下ろした。
「素晴らしい逆転でした・・・。美しかったです」
「そっちの選手も上手だったよ。流石強豪国って感じだった。ナイスプレー」
こうして、日本とドイツの国際夫婦のサッカー観戦は一旦終わりを迎えた。しかし、これでワールドカップは終わったわけではない。
4年に一度の祭典はまだまだ熱が冷めることはないのだ。
あまりにタイムリーなネタなので急遽投稿します
ネタ自体即興に等しいし作者自身サッカー素人なので拙いものにはなりますがご理解お願いします
ちなみに小話なのですが今回守護神として活躍してくださった権田選手の所属する清水エスパルスは私の地元のチームだったりします
頑張ってJ1に上がってきてほしいです
最後にはなりますが素晴らしい試合をしてくださった日本の選手の皆さま、ドイツの選手の皆さま。そして関係者の方々、ありがとうございました
追記
これの数日後フラッシュ産駒のヴェラアズールがジャパンカップに勝利しました
これについてはそんな余裕ないのでここでお祝いを述べさせて頂きます
おめでとう!