隣のお嬢様はネガティブガール   作:星メガネ

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別で投稿しているBanGDream!作品の羽休めも兼ねて書いてました。完全不定期更新ではありますが、よろしくお願いします!(と言いつつ少しストックがあるので、いつも通り3日ごとに投稿します)




Morfonica結成編
第1話 学生は高校から置き勉しがち


「よしお前等、席替えやるぞー!」

 

 

 今日は月ノ森学園に入学して初の席替えだ。名前の順で教室の真ん中に席がある俺としては、早急に別の席に移動したいからありがたい。だって真ん中の席って陽キャの物でしょ?(偏見)

 

 

「ほら四条!くじ引けくじ!」

 

「へーい」

 

 

 陽キャ臭がする若い教師の持つ箱から適当にくじを引き、黒板に書かれた席の表とくじの番号を照らし合わせる。全員が引き終え、それぞれ確定した席に移動を開始。

 

 俺の席はというと────

 

 

「(はい!我楽園に至りし!)」

 

 

 ────この席をゲットして舞い上がらない男子生徒はいない。俺は見事窓側の列の一番後ろを引き当てたのだ。

 

 この席ってスマホ使い放題だからなぁ。俺たち学生にとっちゃ、携帯会社が勧めるギガ使い放題プランよりも胸アツだ。

 

 

「(隣の女子も問題なさそうだし。これは勝ったな)」

 

 

 隣に来たのは、空色の髪に瞳の女の子。名前は確か、倉田ましろだったか。自己紹介の時間は教師にバレねぇようにスマホ弄ってたから、クラスメイトの名前なんざ薄っすらとしか覚えてねぇ。

 

 因みに「よろしく」の挨拶もしてないし、目を合わせてもない。まぁ隣になったところで話すようになるとは限らないしな。

 

 

「次の授業からこの席だけど、ちゃんと受けろよー。うるさいって言われたら直ぐに元の席に戻すからな」

 

 

 そーれだけは勘弁!

 

 その後、残りの時間は自習時間となった。真っ先にお喋りするやつもいれば、クソ真面目に勉強し始めるやつもいる。

 

 

「(まぁ月ノ森だもんな。周りにいるのは必ず何かしらのエリート様だし)」

 

 

 バレエの国際コンクールの優勝者に、日本舞踊の名取がいるとか聞いたことある。他にも全日本U-15サッカー選手権大会のMVPとか、凄腕子役がいるなんてのも聞いたな。

 

 まぁ俺には接点も何もないし、いるってことだけ気に留めて置けばいいだろ。俺は平凡に生きていられりゃそれでいい。

 

 

「(次は……現代文か)」

 

 

 机の引き出しから現代文の教科書とノートを机に放っぽり出して、スマホの電源をつける。

 

 Ge◯shinやろ、Ge◯shin。もう少し周回すれば神◯綾華の天賦レベル最大になるんだよ。

 

 

 

 

 

 

 周回中(自習)

 

 

 

「うし、レベル最大っと」

 

 

 キーンコーン カーンコーン!

 

 

「号令は無しでいいや。ちゃんと静かに授業受けるんだぞー」

 

 

 丁度良く終わってくれた。教師が出て行ったのを確認して、モバイルバッテリーにスマホ挿し込んで充電。

 

 

「おい響也!お前自習中にGe◯shinやってただろ?」

 

「当ったり前だろ。この席来たらスマホで遊べって言われてるようなもんじゃん」

 

「ずりぃぞ!席交換しろこの野郎!」

 

「い〜やだね。ここはもう俺の領地だ。バッグの中に七天◯像だってあるんだぞ?」

 

「モバイルバッテリーのこと言ってんだろうけど、俺じゃなきゃ伝わらねぇからな!」

 

 

 こいつは高本大翔。俺と一緒に外部から月ノ森に入学して、今の所このクラス唯一の友達だ。月ノ森にゃゲーム脳の奴なんてあんまいないし、ゲームの話出来る相手がいてくれるだけでありがたい。

 

 

「あ、そーいや響也。二時限目なんだっけ?」

 

「現代文。忘れてねぇよな?あのBBA忘れ物すると面倒なんだからやめろよな?」

 

「大丈夫大丈夫、置き勉してっから問題ねぇよ」

 

 

 置き勉。それは学生の必須テクだ。わざわざ時間割に従って教科書持ち帰りすんの面倒だからな。俺だって現代文は持って帰らず机の引き出しに放置してた。

 

 じゃあ大丈夫だなと思っていると、教室のドアが開いて、噂の現代文BBAが入ってきた。

 

 

「はい席ついてー!チャイムなりますよー」

 

 

 キーンコーン カーンコーン!

 

 

「うわ、マジで鳴ったし」

 

「いやタイミングばっちりやん。これがBBAの成せる技?いやいらねぇなそんな技」

 

「おう。絶対いらねぇ。んじゃ」

 

 

 チャイム予言というベテラン教師にしか出来ない(?)技を見せたところで、みんなが自分の席に戻っていく。それをよそに、俺は七天◯像に置いておいたスマホを引き出しの中に放り込んだ。あのBBAは授業中歩き回る先生じゃないから、余裕ってわけだ。

 

 さーて二限目は何しようか…………ん?

 

 

「…………」フルフル

 

 

 なんか、隣で倉田が生まれたての子鹿みたいに震えてんだけど。よく見ると机の上に置いてあるのはノートのみ。あちゃー、教科書忘れちまったかぁ。

 

 じゃなくて!あのBBAに言ってこーい!

 

 と思ったところで、数十秒前の自分の発言を思い出した。

 

 

『忘れてねぇよな?あのBBA忘れ物すると面倒なんだからやめろよな?』

 

 

 …………スー、あれ?これもしかしなくても俺のせい?あんな若干脅し文句みたいなこと言った俺が悪い?そう考えたらなんか罪悪感込み上げてきたんだが?

 

 と、とりあえず……教科書忘れたのかどうかを聞かねぇと。俺はBBAにバレないように、彼女の肩を軽くつついた。

 

 

「ヒッ……!」

 

「…………(あーはい、これは完全に怯えてますねぇ。俺のせいですねぇ……)」

 

 

 え俺そんなに怖かった?軽くショックなんだけど。

 

 

「えっと……ごめん。教科書忘れたのか?」

 

「……は、はい……。ご、ごめんなさい……」

 

「あー……(どうすっか。この状況……)」

 

 

 今から言いにいったらどうにかなるかなぁ。けど忘れ物に関しては面倒だからなあのBBA。

 

 うーん、しゃあねぇ。大翔には後々弄られるかもしれないけどこれが最善策だろ。

 

 

「ちょっと邪魔するぞ」

 

「は、はい……え、えぇ!?」

 

 

 俺は自分の机を倉田の方にくっつけて(ごめん盛った。ぎりぎりくっつかないくらい)その真ん中に俺の教科書を置いた。

 

 

「しゃあないだろ。今更言いに行くわけにもいかねぇし、悪いけど我慢してくれ。あと、忘れないように置き勉はしておくべきだ」

 

「お、置き勉……?あ、ありがとう…ございます……」

 

 

 それから現代文の授業はなんとかこれで凌ぎ切ることが出来た。結局スマホ弄れなかったな。

 

 これが俺と倉田ましろの始めての会話だった。なんかヤンキーと勘違いされてそうだけど、この微妙な雰囲気で話を切り出すことは出来なかった。

 

 

 




置き勉とか高校になったら当たり前のようにやってましたね……笑
というかやらなきゃバッグ毎日重いんですよ……。

次回は12月29日の9時に更新予定です!お楽しみに!
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