読んでくださり、本当にありがとうございます!
というわけで星メガネです。今回は大分早く書き終わりました!
ちょっと普段と比べて文字数が多いですが、区切るのもあれだなと思って一話完結です。
「っしゃ、ナイスー!」
「プラチナ昇格戦チャンピオンきちゃー!」
倉田達のバンドのパートが決まって数日後の夜、俺は大翔とA◯exをプレイしていた。やっぱ金曜日の夜はテンション上がるよな。だって明日明後日と休みなんだから。ぶっちゃけ土日休みより金曜日の夜の方が楽しいまである(土日に何かしら遊ぶ予定がある場合は別だが)
因むともう倉田達はバンドの練習に取り組んでいる。何やら月ノ森学園に空きの教室があったらしく、そこの使用許可申請書を二葉が生徒会に提出したそうな。いやー、仕事が早いねぇ。
「これでようやくプラチナだぁ…」
「もうゴールドで沼るのは嫌だな…」
まだランクリセットまで3週間くらいあるが、俺等はゴールドで沼るくらいにA◯exが下手なんだ。プラチナはこれ以上に沼るんだろうな。まぁ一般人はダイヤまでって言うし、苦手な割には奮闘してるだろう。
「どうする?ちょっとだけプラチナ帯行くか?」
「俺は別にいいけど、お前はいいのかよ?お前確か…」
「あぁ。明日はバイトの面接日だな」
実は倉田達のバンドのパート決めが終わってから、俺は本格的にバイト先を探し始めたのだ。それで明日が初めて応募したバイト先の面接日なわけだ。大翔は面接の練習とかしなくていいのかと心配しているんだろう。
「お前やっぱイカれてるわw普通面接前日の夜にA◯exやるか?w」
「別にいんだよ。なんとかなるさ!」
「そのセリフは松風◯馬が言うからカッコいいのであって、お前が言ってもカッコ悪いしなんともなんねぇよ」
こいつ、さては分かってないな?面接ってやる前はめちゃくちゃ緊張するけど、実際やってみると案外大したことないってことを。多分いざやるぞってなったら緊張するとか考えてられないんだろうな。
駄弁りながらマッチ参加を押すことで、俺は大翔に有無を言わさずプラチナ帯へ潜り込むことに成功した。昇格戦をチャンピオンで終えてるから、ポイントには余裕があるからな。ちょっとプラチナ帯行くだけだから、先っちょだけだから!
その後、3戦くらいプラチナ帯に挑むも全て初動負けでマイナスをくらい、その日は解散となった。
────────
「(やっっっっっと終わった……!)」
面接が終わり、俺はバイト先として応募したお店から外へ出てきた。くー、外の空気は最高だ!やっぱ俺は面接とかのクソ真面目な雰囲気が苦手だ。まぁ真面目にやる時はやるけどさ。
「(さて、帰ってゲームやるべ。今のうちに大翔にLINE送っとこ)」
どうせあいつの事だから暇してんだろ。今日も今日とてA◯exのランク行くべ。ダイヤ帯目指して下手くそ二人で奮闘しようではないか。
ついでに菓子とZ◯NEも買って帰るか。ゲームにお菓子は付き物だろうが。エナジードリンクは知らんけども。菓子は何買うかな。やはり王道のポテチか、嫌でもコントローラー汚れるからそれ以外か。けどゲーム中に食べるポテチってどちゃくそ美味ぇからな。
「(さてさて、着きましたよっと)」
歩くこと5分、俺はコンビニに到着。店内に入り、取り敢えずZ◯NEをカゴの中へ。菓子はどうするかと菓子が並んでる陳列棚に目を向けると────
「(何やら、見慣れた後ろ姿が……)」
そこには「う〜ん…」と小さく声を漏らす広町さんがいた。その手に持っているのは不気味なパッケージのおまけ付きのお菓子。いや、お菓子付きのおまけ?いやどっちでもいいわ。
俺は咄嗟に棚の後ろに身を隠す。うーん、これって声をかけるべきなんだろうか。俺は別の意味で声を唸らせた。いやだってさ、俺と広町さんってまだ知り合って日が浅いというか、こうやってばったり会っても話す話題がないなら最初から話しかけない方が双方の身のためじゃんか(陰キャ独特の言い訳)
「(そっっっとポテチ取ってレジ行こ。広町さんに察知されなきゃこっちのもんだ)」
ようは気づかれないようにポテチを取って、レジに直行すればいい話よ。広町さんや、そのまま声を唸らせていてくれ。俺は家に帰って大翔とA◯exするんだ。
だがしかし、現実は非常かな。俺が一歩踏み出した所で広町さんはこちらを向いた。
「あ、四条君だ。こんにちは〜」
「お、おう。こんちは」
結局こうなっちゃうわけか。まぁ広町さんと仲良くなる機会だと思えばいいか。桐ヶ谷お嬢とばったり会うよりはマシだ。振り回される気しかしねぇもんな。
広町さんに近づくついでにポテチをカゴに軽く投げ入れ、彼女がにらめっこしている商品に目を向ける。
「……これ、何て読むんだ?」
「
「あぁ。知らないってか、初めて聞いたし初めて見た…」
パッケージを見るに妖怪の食玩みたいだが、これを好き好んで買って集めたりする子供は中々いないだろうな。そもそも子供で妖怪好きって妖怪ウ◯ッチくらいだろ?ちな俺は初期が好きだった。ケ◯タ、ウ◯スパー、ジバ◯ャンコンビしか勝たん。
「ええ〜、本当に?もしかして四条君、普段あんまりお菓子って食べない?」
「いや、今まさに買いに来てるんだが……俺がシンプルに馴染みがないだけだと思う」
「うーん、人気のお菓子なのに何で知らないんだろ〜……」
何でって、そもそもこのお菓子が駄菓子屋コーナーに普通に置いてある方が想像出来ないんだが……というか、本当に人気のお菓子なのか?おばちゃんが経営してる古い駄菓子屋にありそうなイメージだけど、そう考えたらこのコンビニのチョイスが謎すぎるな……。
「むむ、四条君。まさか『本当に人気なの?』って思ってる?」
「……もしかして広町さんってエスパーなのか?」
見事に心の内を見透かされて困惑している俺に、彼女はスマホの画面を見せつけてきた。そこには雑誌で魍魎列島が紹介されているページが表示されていて、話題沸騰!大人気商品!とデカデカと書かれていた。
「雑誌でも取り上げられてるんだよ〜。これで信じてくれるかなぁ」
「マジ……?俺の知らないところで、妖怪ブームでも来てんのか……?」
その割にはここに並んでるやつはそこまで売れてないけどなぁ(半信半疑)まだ出して日が浅いとかだと信じたいが、ここから売り切れになるイメージが全く出来ん。
「で、広町さんはこのおまけのフィギュアを集めてるのか?」
「うん。そうなんだけど、あと一種類あるシークレットだけが出ないんだよね〜」
「なるほど。食玩って一個一個結構値段するし、被りもあると残り一種類でも長いだろうな」
たまに1ボックス買えば確定で全部揃うタイプのもあるが、出来ないとなると運が確実に絡んでくるからな。ここで悩んでたってことは、既に相当な沼に浸かってるんだろう。
よし、ここで偶然あったのも何かの縁だ。俺は広町さんと同じ食玩に手を伸ばし、敢えて中央の箱を選んでカゴに放り込んだ。
「え?し、四条君?」
「俺も一個買うわ。シークレットが出るとは思わないけど、何かをコンプリートしたいって気持ちは痛いほど分かるからな。もしシークレット出たらあげるわ」
コンプリートしたグッズを並べて飾るのって壮観だしな。達成感と嬉しさで心が一杯になるんだ。俺も家に好きなキャラとか飾ってる身だからな。親には全員同じ顔に見えると言われたが、そんなのは関係ない。自分が満足出来ればそれで良し。
「四条君…!ありがとう〜」
「いいっていいって。んじゃ行くか」
こういう時って遠慮する人が多いイメージだが、広町さんが遠慮しないタイプで助かった。倉田とか二葉だったら絶対に遠慮するんだよな。倉田だったら押し続ければ折れてくれるけど、二葉は絶対に折れなさそう。桐ヶ谷お嬢は広町さんと同じタイプだと思う。
そんなことを考えながら、俺は広町さんとレジへと向かった。
────────
「この何かを開封する感覚、久し振りだな…」
「開封する時って少しドキドキするよね〜」
「何が出るかワクワクもするよな」
コンビニを出て、二人とも魍魎列島を手に取る。にしてもやっぱり不気味なパッケージだな。もしかしたらここのコンビニの店長さんが妖怪好きでイチオシだったりするんだろうか。まぁ中々売れずに店長さんがしょぼくれる未来は容易に見えるがな。南無南無。
こういうのに限らず、新しい物を開封する時ってめちゃくちゃワクワクするんだよな。一時期ダンボ◯ル戦機ハマってたけど、プラモデルが各パーツを組み合わせて少しずつ完成していく時間は本当にワクワクする。
「四条君、シークレット出たら本当にくれるの?」
「おうよ。何せそのために買ったんだからな。遠慮せずに受け取ってくれ」
「うん。じゃあ開けるね」
まぁ広町さんが沢山買って出てないんだから、俺が一つ買ったところでシークレットが当たるはずないんだよな(フラグ一発目)
最初に広町さんが開封し、その後に俺が開封という流れがいつに間にか構築されていたが気にしない。どっちが先に開封しようと結果は変わらないだろうし(フラグニ発目)
「……!はぁ……」
「その感じだと被っちゃったか」
「うん……もうこの子だけで10体目だよ〜……」
どんだけ買ってんだよ……。多分広町さんのこの感じ辺りのお店のやつ買いつくしてんじゃないか?さっすが月ノ森の生徒、やることが違ぇや!そこに痺れる憧れるぅ!
「う〜……もっと買わないとダメなのかなぁ」
「じゃあ次は俺だな。ここで当たったらマジでびっくりだけど、開けるぞ」
開封前に一度パッケージの裏面を見て、念のためラインナップを確認しておく。うん、色んな妖怪いるけどよく分かんねぇや。取り敢えずここに表示されている以外のが出たらシークレットってことだ。まぁ広町さんの反応を見ればシークレットが出たか出てないかなんて一目瞭然なんだけどな。
「よいしょっと。ん、これは……!」
「!?そ、それは……!」
中から出てきたのは、ちょっとどころか大分気持ち悪いけど誰がどう見ても間違いなく河童だ。さっきのパッケージにいたっけなともう一度ラインナップを確認してもその姿は見当たらず、後ろから広町さんの慌てふためく声が聞こえてくる。
てことはまさか……!え、ウソだろ!?
「出たぁ!?」
「やった〜〜〜〜!!!!」
本当に引いちまったよ。シークレット。いやはや、物欲センサーは本当に存在するんだなって。これから俺もGe◯shinのガチャとか全く詳しくない人に唐突に回させてみようかな。
ともかく、さっき言った通りこれは広町さんの物だ。俺は河童を一度パッケージに戻し、それを彼女に差し出した。
「まさか本当に出るとは思わなかったけど、約束通りこれは広町さんにあげるよ」
「四条君、ありがとう〜!」
「おう。にしても、実物見ると大分気持ち悪いな……」
「そうだね〜。シークレットが河童なのもちょっと地味だし、気持ち悪いよね〜。このシリーズが人気な理由もよく分からないよ〜」
そうそう本当に気持ち悪……ん?いやちょい待って。
「ちょっと待って。広町さんって妖怪が好きだから、魍魎列島のコンプリート目指してたんじゃないのか?」
「?妖怪は好きでも嫌いでもないよ?私、色々なおまけをコレクションするのが趣味なんだ〜」
「…………」
月ノ森学園……入学して一ヶ月と半月経ったが、初めて本当に変わった人に出会ったかもしれないな。好きでもないのに“おまけ”ってだけでめちゃくちゃ買ってコンプリートを目指してたってことだろ?
広町さんが集めたおまけコレクションで、おまけ博物館とか作れちゃいそうだな。
「いや〜、四条君のおかげで漸くコンプリート出来たよ〜。次に集めるおまけは可愛いのだといいな〜」
「うんそうだね(疲労感)」
なんかもう、うん。疲れた。かえってげーむやりたい(幼児退行)
「ふふ〜ん♪」
まぁ…いいか。広町さんがこんなに喜んでるし、出会った頃より仲良くなれたしで両者に得あるしwin-winだろ(復帰)
「じゃあ私はこの子を他の子と並べてくるから帰るね。四条君、本当にありがとう〜」
「おう。また学校でな」
広町さんと別れ、俺も帰路につく。ちょっと予想外な出来事だったが、結果良ければ全て良しだ。
程よい疲れを感じながら家への帰り道を歩いているところで、スマホに着信が入る。しかも珍しくLINE通話だ。相手は、大翔か。
「(あ、やべ……あいつにLINE送ってからそこそこ経ってら)」
通話に出て大翔に事情を話して謝りつつ、俺は自宅へ走り出した。俺この程よい疲れを感じてる状態でA◯exのプラチナ帯勝てんのか?
────おまけ────
「日菜先輩、これどうしましょうか……?」
「どうしようか〜。つぐちゃん、買う?」
「か、買いませんよ!?」
響也が強運を発揮してシークレットを引き当て、七深が魍魎列島をコンプリートした。その影響で羽丘女子学園の購買に魍魎列島が半額で売られていることなど、彼等には知る由もない。
はい、というわけで今回はガルパのイベントから派生して、七深メインの回でした。羽丘の魍魎列島は、まぁどうにかなるでしょう(投げやり)
そしてついに響也もバイトデビューです。バイト先に関しては深くは言いません。もう既に皆さん察しているでしょう。
次回は6月中には投稿出来たらと思っております(信用性皆無)