どっちがいいかアンケート置いとくので、もし良ければお願いします。
──響也side──
「意外と混むなぁ…」
俺は今、とあるライブハウスにいる。何やら桐ヶ谷お嬢がSNSでバンドの事を色々と呟いていて、それを見たライブイベントの運営?の人が出てみないかと声をかけてくれたらしい。最近結成したバンドを集めてのイベントなんだとか。んでそれをお嬢達は快く受けて、友達をたくさん誘ったらしく、俺もその一人だ。まぁ桐ヶ谷お嬢の友達からは離れてるけどな。だって眩しーんだもん。色々と。
それにしても結成したばっかのバンドが集まったイベントにはそこまで人は来ないと思ってたが、舐めてた。流石は大ガールズバンド時代。
「(そう言えばあいつ等、このライブまでにちゃんと練習したのかな…)」
そう。俺の知る限りではあるが、あいつ等は結局あの空き教室でしか楽器を弾くことはなかった。もしかしたら俺の知らないとこでちゃんと練習してたのかもしれないが、ちょっと不安ではある。
気づけばライブまで残り10分ってところか。会場入口で貰ったパンフレットでも見て時間潰すかね。今日のライブに出演するバンドは、倉田達のを含めて7つか。結構多いんだな…。
「(倉田達は…一番最初か。いい事なのか、それとも悪いことなのか…)」
今頃、裏では倉田が緊張でやばいことになってんだろうな。まぁそっち側に行けない俺がどれだけ考えても無駄か。倉田のメンタルケアは二葉と広町さんに任せよう。桐ヶ谷お嬢はダメだ。だってあの人緊張とは無縁だもん。
あれこれ考えている内に観客席の照明が暗くなり、ステージの光が一際強くなった。どうやらもう始まるらしい。このライブでも前の『CiRCLE』の時と同じ気持ちになるのか、楽しみだ。
──ライブ堪能中──
「(んー…会ったらなんて伝えようか…)」
ライブが終わった後の帰り道。ライブ全体で言えばめちゃくちゃ楽しかったんだが、倉田達のみの感想で言うと……な。素人目線の俺から見ても、色々と気になるとこがあった。ボーカルの歌声が演奏に負けててあんま聴き取れなかったり、全体的に間違えが目立ってたな。
そして何より、客席側にライブは楽しいと感じさせる迫力や熱気をあまり感じなかった。前に『CiRCLE』で観たライブは、どのバンドもずっと熱気の中にいる感じだったのにな。まぁ経験だったり今までの実績があるバンドと比べるべきじゃないけど。
「(はぁ…。嘘を吐くのも気が引けるし、かと言って正直に言い切るのもなぁ)」
仮に俺があいつ等側だったとしても、何も知らない奴が何言ってんだと思うしなぁ。いやー、どうしたものか。あいつ等も一回フロア来てたし、そこから刺激を受けて練習に気合を入れ直してくれればいいんだけどなぁ。俺のこの気持ちが杞憂である事を祈るばかりだ。
もういいや。考えるのやめて、帰ってゲームしよ。俺は大翔にLINEを送って、何かしらゲームの約束を取り付けながら家へ帰った。
──────
「おーす…」
「おっすー。どした。何か沈んでんな」
「あー、まぁ気づくよなぁ」
家に帰ってきて飯、風呂と済ませてゲームの時間。大翔とvc繋げて、第一声で勘付かれたわ。考えるのやめたとか言っといて、結局頭の片隅にこびりついて離れないんだよな。別の何かが終わったら直ぐそっちに頭が持ってかれる。そしたらちょっと疲れちまったよ…。
てか、何か久しぶりに大翔と話した気がするな(超メタ発現)
「今日倉田さん達が出るライブに行くって言ってたよな。そこで何かあったのか?」
「まぁそんなとこだ。危ね、樹脂溢れるとこだった」
「話くらいなら聞いてやれっから、言ってみ」
話しながらGe◯shinを起動して、軽く日課をこなす。お前…!やっぱ良い奴だなぁ!!(チョロい)
俺はGe◯shinをしながら、大翔に話し始めた。今日のライブのこと、倉田達と他のバンドとで感じた実力的な差、そして明日にでも聞かれるであろうライブの感想をどう伝えるかなど。
「なぁるほどなぁ。要は倉田さん達に今回のライブの感想をどう話すか迷ってるわけだ」
「そうなんだよ。あ、その特産品もらうな」ゼンブマルミエネ!
ゆるりとGe◯shinでマルチしながら、相談の件を話し終えた。因みに特産品を採取する許可はちゃんと貰ってるからな。みんなも野良だとなんだろうと特産品を採取する前は許可取るようにしろよ。
確認して少し考えると、大翔は自分の意見を話し始めた。
「まぁ俺だったら正直に話すな。自分自身もモヤモヤするし、倉田さん達のためにもなるし」
「それもそうだよなぁ。けど、音楽素人が言うの烏滸がましくないか?」
「なら最初に一意見って保険かけとくのがいいんじゃないか?」
「おま……天才か?」
普通にそこまで深く考えてなかったわ。もしかしてこいつって、意外と賢かったりするのか…?(困惑)
「思い知ったか。崇めよ、讃えよ」
「調子乗んなアホ面」
「はいー、もう許さん。マルチ終わりまーす」
「分かった分かったから!明日ジュース奢るから!」
「はい毎度〜」
悩みも晴れ、その後はいつものように寝る前まで大翔とGe◯shinだったりA◯exやってた。
あんがとな。大翔。こんなの本人に向かって絶対に言えないから、心の中だけに留めとくわ。
──翌日──
「ほいよ。昨日はサンキューな」
「あざっすー♪」
翌日の登校中。コンビニで大翔が希望した三◯矢サイダーを買って渡す。月ノ森がジュースありとはいえ、こいつ朝のこの時間から炭酸飲むのエッグいな。いやもう飲んでるし。
「そーいやさ、昨日vc切った後にふと思ったんだけどさ」
「おん?」
「お前、結局倉田さん達のバンドのサポートってすんの?」
あー、そんな話もしたなぁ。あん時は6やるの4でやらないくらいのつもりだったけど、あいつ等が思ってたより意欲ないかもしれないんだよなぁ。昨日のライブから練習時間を増やして上手くなろうと頑張ってくれればいいけど。
「多分やんないと思う。ひっそり応援だけすっかな」
「まぁ俺等は音楽もバンドも知識なしのド素人だしな。この学校ならマシな奴もっといるだろ」
「それは本当にそう」
いや、もう一度言う。それは本当にそう。俺に教えられる事は最初から何もないし、それよかもっと実力ある人になってもらった方がいいとは常々思う。
「まぁ近々伝えよっかな。今日は放課後バイトだし」
「忘れずにな〜」
様子見ながら判断すっかね。その後はいつも通りゲームの話をしながら、月ノ森学園へと向かっていった。
教室に入ると、珍しく倉田がもう机に座っていた。いつもは俺等より来るの遅いのにな。大翔と離れ、俺も自分の席に荷物を置いて座る。あいつ離れる時にグッジョブしていきやがった。
「よ、倉田」
「あ、四条君。おはよう」
特に何も無さそうだな。暗い雰囲気も感じないし。
「あの、四条君。ちょっといい…?」
そんなことはなかったわ。この一瞬で引っ繰り返る事あるんだ…。
「どしたん?」
「えっと……昨日のライブ、どうだった。正直に言っていいから…!」
今日のどこかで聞いてくると思ってたけど、いきなりかぁ。しかも前もって正直に言っていいと伝えてきた。これは自分達のライブの結果に何かしら不安要素がないと言ってこないはずだ。それと二葉がこの場にいない(自分の席で友達と喋ってる)ことを考えると、彼女は倉田のようには思ってないのか?全部俺の勝手な推測だけど。
だけどまぁ倉田からそう言ってくれるなら、俺も正直に伝えていいだろう。
「じゃあ正直に言うぞ?素人の俺からしても全体的にミスがかなり目立ってた気がするのと、他のバンドに比べて迫力だったり熱気をあまり感じ取れなかったかな」
「……やっぱり、そう思うよね。私達もイベント中に一回だけフロアに行ってみたんだけど、全く違った。ステージからは見えなかった光が、客席から沢山見えたんだ…」
これはあれだ。倉田なりの表現だろう。それがシンプルにサイリウムを指しているのか、全く別の何かなのかは分からん。だが良くないことだってのは分かる。
「反省会みたいなのはしたのか?次までにはここを直そうとかさ」
「ううん。今日学校だったから皆と帰ったよ」
「そっか。ならLINEでも話さなかったのか」
最後の問いに対しても、倉田は首を横に振った。ということはこの現状を良くないと思ってるのは倉田だけ、てことになるのか?まだ本人達の口から聞いてないから何とも言えないが。
「なら取り敢えず、今日の練習前に反省会しようって皆に言ってみてくれ。こればっかりは俺よりもステージに立って実際にそう感じた倉田の口から言ってもらう方が説得力あるだろ?」
「う、うん…。因みに今日って四条君は来る?」
「今日はバイトでいけなくてな。すまん」
仮に今日俺が行けたとしても、倉田の口から言ってもらう事に変わりはない。だからそんな期待する目で見ないでくれ倉田よ。
「けどあれだ。最初から何でも上手くいくことなんて絶対ない。練習して、少しずつバンドとして成長すりゃいいんだ」
「……うん。今日の練習で皆と話してみるね」
これで今日倉田が話して、次のライブに向けて練習の機会を増やして頑張ってくれればいいが。
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