隣のお嬢様はネガティブガール   作:星メガネ

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あけましておめでとうございます!星メガネです!今年も、私の投稿している小説たちをよろしくお願いします。

というわけで第三話です。この作品のサブタイトルは、大体がその場の勢いで決まります。よろしくお願いします。


第3話 高校の四限目終了のチャイムはいつも戦いの火蓋を切る

「響也ぁぁぁぁ……!助けてくれぇぇぇぇ!!」

 

「冒頭からうるせぇなぁ」

 

 

 倉田とのやり取りから一週間が経った日の朝、学校に来ていきなりこれである。ほら見ろ、隣の倉田もあまりの声量にびっくりしてるぞ。因みにあれから倉田とは一言二言しか喋ってない。

 

 

「でなんだよ?」

 

「数学の宿題見せてけれぇぇぇぇ!!」

 

「うっセイッ!」

 

「あだぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 断る気も失せるような勢いでシャウトしてくる大翔の額を教科書の角でどついて、とりあえずその場にひれ伏させる。断末魔までうるせぇなコイツ。オーバーリアクション過ぎんだろ。

 

 

「きょ、教科書の角はねぇだろ……」

 

「うっせぇ問答無用だ。朝っぱらからハイパーボイスかましてきやがって」

 

「お前の鼓膜にメガトンパンチ」(-д☆)キラッ

 

「天誅ゥッ!!」

 

「あああああああああ!?!?」

 

 

 な~にが「お前の鼓膜にメガトンパンチ(-д☆)キラッ」だこの野郎。一回どついても尚そんなこと出来るとかお前には痛覚ってものがないのか?

 

 

 

「お、ぉぉ……」

 

「お、元に戻った。ほら、見せてやっから終わらせてこいバクオング」

 

「さ、サンキュー……あと俺はバクオングじゃねぇ……」

 

 

 いやどう見てもバクオングだろ。あんなハイパーボイスの後にそれ言っても遅ぇよ。

 

 大翔が俺のノートを持って自分の席に戻っていって、やっと静かになった。なんか倉田には申し訳ねぇな。あんな大翔(バクオング)がいちゃ落ち着けねぇよ。

 

 

「あ、あの……四条君…?」

 

「おん?どうした、倉田」

 

 

 そっちから話しかけてくるとは。

 

 

「えっと……」

 

 

 倉田はさっき俺のノートを持っていった大翔(バクオング)をの方を見ていた。

 

 え、お前……まさか!

 

 

「まさか……お前も宿題忘れたのか?」

 

「うぅ、うん……」

 

 

 もしかしたら俺が思っているより、倉田はおっちょこちょいなのかもしれない。

 

 結局この後、大翔(バクオング)が返してきたノートをそのまま倉田に貸して、数学は事なきを得た。数学が四限目で良かった。一限目とかだったら絶対時間足りなくて倉田が詰んでたしな。

 

 

 

────

 

 

 

「えっと……ありがとね。ノート」

 

「どういたしまして。けど意外だな。倉田は宿題とか忘れないと思ってたけど」

 

「あはは……そんなことないよ。すっかり忘れちゃってて」

 

 

 まぁ誰にでもあるわな。俺の倉田に対する先入観がそうだっただけで。

 

 てか、今普通に話せてるくね?

 

 

「響也ー!飯食いに行こうぜー」

 

「おーう。んじゃな。倉田」

 

「あ…………う、うん」

 

 

 ……………………ズズズ!(もどかしさと競り合ってる)

 

 

「……スー、やっぱ一緒に行くか?」

 

「ふぇ……?ど、どうして……?」

 

「いや、なんか悲しそうな顔してっから」

 

 

 きっと倉田のことだから、今までここで一人で食べてたんだろうなぁ。誰かしら声かけてやってもいいだろうに。

 

 

「響也もいいよな?」

 

「おう。つっても倉田さんがいいならだけど」

 

 

 だな。何せ男二人だし、俺等このクラス内で多分一二を争う変人だろうし。朝のやり取りだって月ノ森生とは思えないやり取りだったからな。なんだよ「ハイパーボイス」って、なんだよ「お前の鼓膜にメガトンパンチ(-д☆)キラッ!」てよぉ。上品さの欠片もねぇな。

 

 

「わ、私は……」

 

「別に無理ならそれでいいさ。あそこは確かに色んな“凄ぇ”人が来るから」

 

「で、ですよね……」

 

「けどな?俺等だって充分“凄ぇ”と思うんだ」

 

 

 俺の言葉に大翔はうんと頷いた。やっぱこいつ俺と気が合うわ。

 

 

「外部からこの月ノ森に入学出来てんだから、“凄ぇ”ことだろ?ただ周りの“凄ぇ”が数段高いだけなんだよ」

 

「私達も凄い……」

 

「そう。外部生はこっから“凄ぇ”ことをして、そいつ等に追いつけばいい。だろ?」

 

 

 これは外部生全員がぶつかることだと思うんだ。まぁ俺と大翔みてぇな変人は当てはまらねぇかもしれないが、大抵の人はレベルの違いに悩まされるんだろうな。

 

 けど外部生として入学出来たということは、学校側が俺等に可能性を感じたってことだ。なら俺等はこの三年間で、その期待に全力で答える必要がある。

 

 

「お、珍しく響也がいいこと言ったな」

 

「一言余計だこの野郎」

 

「ははっ。悪い悪い。けどなんか、口説いてるみたいだったぞ?お前」

 

「えぇ!?」///

 

「は、はぁ!?お、俺は別に、口説いてなんかねぇよ!?」///

 

 

 幸い教室の隅っこだからクラスメイトには聞こえてねぇけど、めちゃくちゃ恥ずかしいわ!一言どころじゃなかったわ余計なの!ほれ見ろ!倉田だって顔赤くしちまったじゃねぇかよ!

 

 

「で、どうする?倉田さん」

 

「あ、えっと……私も、行って…いいですか?」///

 

 

 取り敢えずさっきまでの話は置いといて、倉田から滲み出ていた悲しさオーラはすっかり無くなっていた。良かった良かった。

 

 

「な、ならさっさと行こうぜ。購買は早いもの勝ちだからな」

 

「倉田さんも少し心の準備しておいた方がいいかも」

 

「う、うん。まだ分からないけど、頑張る……!」

 

 

 購買は正に戦争だからなぁ。特に育ち盛りな男子は勢いが凄い。毎回四時限目のチャイムが鳴ると獣のように走り出して群がるからな。まぁ普段は俺等もそれなりに急ぐけど、今回は倉田もいることだしゆっくり目に行くとしよう。

 

 

 

──ましろside──

 

 

 

『俺等だって充分凄ぇと思うんだ』

 

 

 四条君の言葉が、まだ頭を離れない。

 

 

『外部生はこっから“凄ぇ”ことをして、そいつ等に追いつけばいい。だろ?』

 

 

 私にも、出来るのかな……?

 

 この学校の凄い人達にも負けない、“凄い”ことが。

 

 

「(まだイメージは湧かないけど────)」

 

 

 不思議と四条君の言葉なら、信じられる気がする。周りにとんでもなく凄いことをしてきた人達がいる中で、自分のことを迷いなしに“凄い”と言える四条君の言葉なら。

 

 

「(私もいつか……自分のことを“凄い”と思えるような、そんな人になりたいな……)」

 

 

 私は後ろから、高本君と話す四条君の背中を見つめた。同じ外部生だけど、その背中は周りにたくさんいる凄い人達よりも大きく見えた。

 

 

 

 




クラスに一人はいますよね。普段はボケ散らかしてるのに、急に真面目なこと言う人。響也と大翔はそういう人達です。

次回は1月4日の9時に更新予定です。お楽しみに!
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