隣のお嬢様はネガティブガール   作:星メガネ

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タイトル長ぇ……。どうも星メガネです。というわけで第四話になります。

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そして評価にて☆9をくださった 新庄雄太郎さん
本当にありがとうございます!

因みに私は占いのラッキーアイテムは常備したこともないです。


第4話 朝のニュースの占いに出るラッキーアイテムは大体常備出来ないものばっかり

 入学から二週間が経ち、もう少しで学生フィーバーなゴールデンウィークがやってくるとある日の朝。俺は朝飯を食べつつ、ニュース番組を見ていた。と言っても今やってるのはニュース番組が最後にやりがちな誕生月占いなんだけどな。

 

 

「うわ、俺最下位じゃん」

 

 

 たまに見る気になって見ると最下位なのなんなん?毎日見ろって?つうか大翔一位じゃねぇかよ。

 

 

「ラッキーカラーは灰色……?ラッキーアイテムは、文鎮?」

 

 

 なんでニュース番組の占いのラッキーアイテムはこういうパッとしないのばっかなんだ?

 

 けどまぁ偶然文鎮は持ってるし、たまには信じてみるか。俺は一度立ち上がって自分の机の引き出しにある文鎮を適当にバッグへ放り込んだ。丁度色も灰色だし、これでなんかいいこと起こんねぇかな。

 

 

「(いや、最下位なんだからいいことは起こんねぇか)」

 

 

 というかニュース番組の占いをそんな真正面から信じ込むやつもいねぇか。

 

 そんなこんなで飯食って、俺は家を出た。

 

 

 

────

 

 

 

「おーす、響也」

 

「おーす」

 

 

 学校に着いて早々にスマホを弄っていると、大翔がこっちにやってきた。こちとらGe◯shinのデイリー消化中なんだけど。

 

 

「聞いてくれよー。俺ニュースの占いで一位だったんだぜー」

 

「だったな。俺最下位だったよ。なんでたまに見るときに限って最下位なんだよ」

 

「そんなの知るか」

 

 

 おいなんだこいつ、なんか辛辣だぞ。一位だったからって調子乗ってんぞ。

 

 

「あ、そうだ。今日帰ったらA◯exやろうぜ。もうちょいで初ダイヤなんだよ」

 

「あーいいぞ。確かそろそろリセットなんだっけか」

 

「そそ。お前もプラチナⅠだろ?滑り込みで入れねぇかなって」

 

 

 俺等がやるゲームって基本RPGだからな。Ge◯shinとかド◯クエとかポ◯モンとか、時折ス◯ブラとか。だからFPSはあんま上手くねぇんだよな。人には向き不向きがあるんだと実感したわ。

 

 それでもやり続けて、ぎりぎりダイヤⅣに踏み込めるかのラインまで来たわけである。下手くそ同士、ここは共にダイヤに至ろうか。

 

 

「おけー。じゃあ最悪今日は徹夜だな」

 

「でも今日金曜日だし、なんならリセット後もやろうぜ」

 

「それ完全にオールコースじゃねぇか……」

 

 

 しかもリセット後って……絶対俺等より強い人がうじゃうじゃいるだろ。勝てる気しねぇんだけど?

 

 

「帰りにZ◯Ne買わねぇと。少なくともあっさりダイヤに行ける気は微塵もしないし」

 

「それ、自分で言ってて悲しくならんのか?」

 

「もう悲しさなんて感情とっくに通り越したわ(虚無)」

 

 

 だめだこいつ、FPSの話になると急に目が逝きやがる。

 

 

「お、おはよう……」

 

「倉田か。おはようさん」

 

 

 一緒に食堂に行くようになってから、倉田とはそこそこ話せるようになった。このクラスで少ない外部生同士、仲良くなれて良かった良かった。それに倉田はクラスで話せる友達もいなかったらしいし、彼女としても良いことだったと思……いたい。

 

 

「倉田さんって誕生日いつ?」

 

「え?えっと……2月19日だけど……?」

 

「2月か……確か4位辺りだったっけ」

 

 

 こいつ、倉田の順位確かめてやがる。せめて前置きから入ってやれよ。倉田思っきし?マーク出してんじゃねぇかよ。

 

 

「し、四条君。これって……」

 

「大丈夫。朝の占いで一位取って舞い上がってるだけだから」

 

 

 占いでここまで幸せそうなんだから、大翔はめちゃくちゃチョロい。何かしら起きてテンション地の底まで落ちねぇかな。朝の占いは信じるに値しないことを思い知らせてやりたい。

 

 

「高本君は、占い信じるタイプなの?」

 

「いや、一位だったから調子乗ってるだけだと思う。最下位とかだったら話題にすら出さねぇぞこいつ」

 

 

 かくいう俺もそうなんだけどな。恐らく俺と大翔の立ち位置が逆だったら、俺が倉田に誕生日を聞いていたであろう。

 

 

「よし響也。昼休みにまた絶縁の厳選手伝え。今日こそは出るに違いない。何せ俺は今日一位だからな!」

 

「本格的に調子乗ってきたな……。あーはいはい、分かったから自分の席戻れ。もうそろ担任来るぞ」

 

 

 俺がそう言った直後にドアが開き、本当に担任が入ってきた。大翔はそれを見て渋々自分の席に戻っていった。

 

 てかあいつ、少し前に樹脂使い切ったんじゃなかったか?まぁいいや。

 

 

「一限目は、数学か」

 

 

 数学の教科書諸々を机の引き出しから取って、机に置く。んでその引き出しの空いたスペースにスマホを滑り込ませる。

 

 

「(あ、そういや……)」

 

 

 鞄に放り込んだんだっけ?最下位のラッキーカラーとラッキーアイテムを同時にこなせるこの文鎮。朝の占いなんて信じても何も変わらないと思うが。

 

 まぁ置いとくか。せっかく持ってきたんだし。文鎮を適当に教科書の上に置いて、引き出しに入れてたスマホを手に取った。

 

 

────

 

 

 眠い。眠い。

 

 

「(眠ぃ!)」

 

 

 一限目からこの様である。数学って解く問題全部終わったら急に眠気が押し寄せてくるよな…。更にそこに追い打ちを掛けるように窓から春の日差しが差し込んでくる。これはもう寝ろと言われてるようなもんだろうよ。

 

 

「四条君。四条君……」

 

「ぅおん?」

 

 

 倉田に突付かれて目を覚ますと、先生がこちらを凝視していた。黒板をあの棒?みたいなので叩きながら。

 

 

「四条。ここの問題の答えを黒板に書いてみなさい。動けば目も覚めるだろう?」

 

「ほぉーい。ふあぁぁ……」

 

 

 ノート片手に欠伸をこきながら教卓へ向かって、眠たげな瞳をこすりつつも答えを書き殴った。うん、チョークにしては我ながら上手く書けたのではないだろうか?シャーペンとチョークとじゃ書く感覚って全然違うよな。

 

 

「これで合ってます?」

 

「うん、正解だ。これくらい出来るのだから、あまり寝ないようにな」

 

「了解すー」

 

 

 凄い気怠げな返事を返したところで、自席へ戻る。なんか一つ冷たい視線が刺さってる気がするが気のせいだろう。

 

 

 カッーーン

 

 

 席について……う~~~ん?今の音、何処から……あれって、俺のスマホ……?

 

 

「(……………………やっべ!まっっっっっずい!)」

 

「何だ今の音は?四条の方から聞こえたな……」

 

 

 状況を理解するのに二秒。多分席についた時の揺れで、引き出し手前に置いてあったスマホが落ちたんだろう。

 

 

 なんて律儀に解説してる場合かぁぁ!!

 

 

 まずいまずいまずい!!幸いスマホは窓側の方に滑っていったから、それを拾って引き出しの奥へ放り込む。倉田も隣であわあわしてる様子。いや本当ごめんなさい。後でジュース奢るから許して。

 

 

 そんな話は今置いといて、問題は落ちた物をどれで代用するかだ。それなりに大きい音だったから、シャーペンとかで誤魔化せるもんじゃねぇぞ。

 

 

「(……………………はっ!?)」

 

 

 これだぁぁぁぁ!!!!

 

 

 俺は机に置いてあった“ある物”を掴んでスラッ!と立ち上がった。それはもう生意気な中学生が卒業式で始めて姿勢を本気で改めるくらいスラッ!と。

 

 

「四条。何を落とした?」

 

「あー、実は……この文鎮落としちゃったんすよ」

 

 

 俺は右手に持っている物を見せた。頼むからこれで納得して教卓戻ってくれ。お願い300円あげるからぁ!

 

 

「ふむ……けど何で文鎮を?」

 

「今日たまたま朝の占いを見たら最下位だったんすよ。それでラッキーカラーが灰色でラッキーアイテムが文鎮ときたもんで、授業中でも使えるしたまには信じて見るかと思って持ってきました。はい」

 

 

 オタク特有のピンチに追いやられたら饒舌になる&早口になる、発動中である。仕方ないだろスマホを没収されたら人生終わりだ…………!

 

 奥の大翔がニヤニヤとした顔で、ノートをプラカード代わりにして『ざまぁwwww』と書いたものを持ちながらこっちを見てきやがる。お前はエリ◯ベスかっ!!あとそんなくだんないことに使われるノートに謝れ!!

 

 

「なるほど。まぁいいだろう。実は私も最下位でな。お前と同じ理由で文鎮を持ってきている。だが文鎮は落としたら大きい音が鳴るから、周りの集中力を削いでしまう。次からは落とさないように」

 

「…!はい、ありがとうございます」

 

 

 み、見逃された……?

 

 俺は席につき、文鎮を前に両手を合わせて最大源の敬意を評した。ありがとう文鎮様。ありがとうニュースの神様。あなた方のおかげで俺は一命を取り留めました。

 

 

「四条君……」

 

「ん?なんだよくら……」

 

「四条君……!」

 

「…………はい。ごめんなさい」

 

 

 珍しく怒ってる倉田(当然であれば必然。けどムッと顔した姿は可愛かった)に、俺は両手を合わせて謝罪。

 

 その後、昼休みにて大翔に大笑いされ、倉田には授業中のスマホ禁止を言い渡された。全面的に禁止しない倉田は優しい。仏、女神!

 

 

 

 




ストックはここで終了です。次の投稿は完全未定です。別作品の羽休めも兼ねてのんびり書こうと思ってるので、気を長くしてお待ちいただけると嬉しいです。

それでは!
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