隣のお嬢様はネガティブガール   作:星メガネ

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そして評価にて☆9をくださった 藤木真沙さんに天球、黄金人間さん!
本当にありがとうございます!


前の話の後書きにて中旬の予定と書いていたのですが、予想より早く書き終わりました。


第7話 異性との連絡先交換は異様にドキドキする

「…………」

 

 

 コネコネコネコネコネコネ

 

 

「…………」

 

 

 コネコネコネコネコネコネ

 

 

「粘土やっっわぁ……!!」

 

 

 思わずそう声を出してしまう程に、粘土が柔らかい。いや冗談抜きで柔らかい。粘土には子供心を思い出させるような不思議な魔力が備わってるよなぁ。俺もいつでも心は少年のつもりだったが、まだまだだったわ。今後も精進しやす(?)

 

 なんて無駄の極みみたいな独り言は置いといて、美術部の体験で先輩方が粘土を出してくれたのだ。終わったあとは置いてくなり持って帰るなり好きにしてくれていいらしい。

 

 

「な〜に作ろっかなぁ♪」

 

「四条君、ノリノリだね…」

 

「おうよ。せっかく作るならいいやつ作りてぇだろ?」

 

 

 どうしよっかなぁ。この後家庭科部もあるし、ここにいれる時間は少ない。その時間の中で自分の納得のいく物を作りきりたい。

 

 複雑な物は作れないし完成まで作る時間もない。だとすると簡単でそこそこ上手く見える物がいいな。けどそんな物なんてあんのか…………?

 

 

「う〜〜〜ん…………」

 

 

 う〜〜〜〜ん。お…………?お〜〜〜〜!いいこと思いついたぁ!そうと決まれば早速作るとしよう。頭ん中のイメージ頼りだけどな!

 

 

「…………」

 

「倉田、まだ迷ってるのか?」

 

「う、うん…。中々決まらなくて……」

 

「そっか……。けど、何でもいいと思うぜ?自分が作りたいと思った物を、思うままに作ればいいさ」

 

 

 俺だってコネコネしてるけど完成する物は凄ぇ下んねぇ物だからな。でも作りたいと思ったからには、全力で作る。

 

 

「作りたいと思った物……」

 

「そう。発表するわけでもクラスメイトに見られるわけでもないんだし、気楽にやればいい」

 

 

 それだけ言って、俺はまた粘土いじりに戻る。俺は倉田じゃないし、あいつの作りたい物も分からない。だからこういうこと言うことくらいしか出来ないけど、倉田の手が少しずつ動き出したから良しとしよう。

 

 

 

────

 

 

 

「うし、出来た…!」

 

 

 我ながらいい出来ではないだろうか。この円筒状の体は思ったより綺麗に作れたと思うし、二本の腕も芯があってへなへなになることなく体にくっついている。そして一番俺的にポイント高いのはこの死んだ魚のような目!

 

 

「(いやぁ……やはりこれは出来がいい。俺史上最高傑作に間違いない)」

 

 

 これならあのチーズ蒸しパン大先生もいい評価をくれるに違いない。これは帰って部屋に飾ろうそうしよう。後で大翔にも写真撮って送っとこう。

 

 

「……!うん、これで完成かな……」

 

「お、倉田も出来……た……!?」

 

 

 倉田の前にあったのは、マスコットサイズのピンクの熊……いやピンクのクマさんがいた。確か商店街のマスコットキャラクターなんだっけ?名前は知らんが、どことなくドラ○もんに似てる。

 

 てか完成度高くね?いや実物をちゃんと見たことないからはっきりとは言えないけど、完成度高くね?

 

 

「それ、なんだっけ?商店街にいるのは分かるんだが……」

 

「これ?ふふ、ミッシェルさんだよ…!」

 

「ミッシェルか……。そういやそんな名前だったな」

 

 

 そうか、このピンクのクマはミッシェルって言うのか。女子はやっぱこういうの好きなんかね…?中の人がおじさんだったらムッフフだよなこれ。合法的に女子と写真撮れたりお近づきになれるんだから。

 

 

 

 ※響也はハロハピを知りません。

 

 

 

 けど絶対きぐるみの中暑いよなぁ。真夏なんて拷問に近いだろ。ムッフフだとしてもやらんわそんなの。

 

 

 

 ※響也はミッシェルが弦巻製なのを知りません。

 

 

 

「四条君は何作ったの?」

 

「俺か?俺は………………」

 

 

 俺は自分が作った……いや、俺何作ってんだろ……。だってさ、隣でこんなキラキラさせた顔で粘土ミッシェル見つめてる人がいるんだよ?俺その隣でコイツ作ってたってこと?

 

 

 ………………何それくっそ恥ずいやん。

 

 

「……四条君?」

 

「コイツはな…………ジャス○ウェイだ」

 

 

 俺何言ってんだろ。月ノ森に通うような人が銀○なんて見るわけねぇし、当然ジャス○ウェイなんて知ってるはずねぇだろぉぉ…!。なのに、俺はなんで倉田にジャス○ウェイを紹介しなきゃならんのだ。

 

 

「えっと、ジャス○……ウェイ?」

 

「あ、あぁ……」

 

 

 やめて!そんな目で俺を見ないでくれ倉田!説明してる俺だって恥ずかしんだから!くっそ大翔がいない今、ジャス○ウェイなんて作るんじゃなかった!出来るなら数分前の自分をぶん殴りたい。

 

 

「……ちょっと、可愛いかも……?」

 

「………………へ?」

 

 

 い、今……可愛いって言った?ジャス○ウェイを見ながらそう呟いた倉田の表情からして、嘘は言ってないようだった。

 

 

「この目とか、ナマケモノみたいだなって…」

 

「ナマケモノ……。確かに、気怠そうな感じに見えるな」

 

 

 まぁそりゃ目死んでっからな。けどまさか倉田から可愛いかもと言われるなんて思わなかった。てっきりドン引きされるかと…。

 

 

「写真、撮りたいな……」

 

「そんなに気に入ったのか?ジャス○ウェイ。元々写真撮って大翔に送るつもりだったから、倉田に送ろうか?」

 

「いいの…?あ、ありがとう///」

 

「おうよ」

 

 

 

「(ん……?ちょっと待って……)」

 

 

 

 凄いさらっと言ったけど、倉田に写真送るってことは……。

 

 

「(俺倉田と連絡先交換するってことじゃねぇかぁぁ!)」

 

 

 道理で倉田が顔赤くしてるわけだよ!どうすんだこれ!どうすんだこれ!?自分で言っておいてあれだけど緊張がやばい!

 

 

「と、とりあえず作り終わったし、家庭科部行くか…!は、早く行かねぇと時間無くなっちまうしな…!」

 

「う、うん……!そうだね……!」

 

 

 凄い気まずい空気になっちまったが、俺と倉田は美術部の先輩にお礼を言ってから美術室を出て、次に見学をする家庭科部が活動している家庭科室へ向かった。

 

 

 

────

 

 

 

「ありがとうございましたー」

 

 

 家庭科部の見学を終え、俺と倉田は家庭科室を後にした。美術部と違って家庭科室の見学は体験無しの説明だけだったから途中寝そうになっちまった。

 

 もう18時過ぎたし、予定通り今日はここまでだな。部活動も終わり時だろうし。

 

 

「さてどうだった?今日の二つは」

 

「うーん……。もちろん楽しかったけど、これだ!って感じはしなかった……かな」

 

「そうか……。まぁ一日目だからな。部活動もまだまだあるし、ゆっくり探せばいいさ」

 

「そう、だよね。うん、ありがとね。四条君」

 

 

 明日は大翔も来んのかな。あいつ来て三人、明日の部活見学はより一層騒がしくなりそうだ。そういやあいつ面接上手くやれたんかな。

 

 

「「…………」」

 

 

 沈黙。校外に出た俺は連絡先交換という難易度の高過ぎる壁にぶち当たって、何も喋れずにいた。連絡先交換ってどうお願いすればいいんだ……?それも異性の女の子に。

 

 

 …………ええい!止まってちゃ何も始まらねぇ!俺はスマホを取り出して、LINEのQRコード画面を開いた状態で倉田に指しだした。

 

 

「こ、これ……俺のLINEだ。学校は出たしスマホ使っても大丈夫だろうから……」///

 

「う、うん……あ、ありがと……!」///

 

 

 う〜〜あ、恥っず。今日この場に大翔がいなくて良かったと心底思う。絶対弄られてただろうからな。

 

 倉田は慌ててスマホを取り出して、俺の画面にあるQRコードを読み込んだ。それを確認してプロフィール画面に戻って、慌ててその画面を隅々まで確認した。変なこと書いてあったらなんか嫌じゃんか!

 

 

「…………ふふっ」///

 

「!?」///

 

 

 倉田は俺からは見えない自分のスマホの画面を見て、顔を赤くしながらも微笑んだ。それはもう優しくふにゃって擬音が聞こえるくらいに。

 

 その表情は、俺がこの短い付き合いで見たことのないものだった。それが衝撃で、思わず倉田から視線を逸してしまった。

 

 

「(倉田って、そんな顔もすんのか……)」

 

 

 その表情は恐らく、クラス内の男子全員を少なからず惹きつけるものだと思う。それくらいに今の倉田の表情はドキッとした。こ、これがギャップってやつかぁ……!

 

 

「じゃ、じゃあ帰るか。もう外も暗いし……お、送ってこうか……?」///

 

「え……い、いいの?」///

 

「お、おう……。暗い中女の子一人で帰らせるわけにはいかねぇだろうよ」///

 

 

 完全に俺のペースが崩壊しちまってる。連絡先交換するあたりから動揺が抑えきれん。

 

 外もまだ少し明るいとはいえ、帰ってるうちに暗くなっちまうからな。これはただ送るだけだ送るだけ。決して一緒に帰るわけではない!

 

 

「あ、ありがとう。今日は、四条君にお礼言ってばっかりだね。私」///

 

「ははっ、だな。けどちゃんとお礼言えるのはいいいことだ」

 

 

 これあれだ。倉田と一緒にいる時は変なボケとかツッコミを入れなくていいから楽だな。こうやってのんびりと話せるし。

 

 その分さっきみたいに仕草とかにときめいてドキッとくる時があるけどな。

 

 

「えっと……明日は、高本君も一緒に来てくれるんだよね?」

 

「だと思う。だから明日は騒がしいかもな。一箇所しか見学出来なかったらごめんな。もちろんあまり騒がないように善処はする」

 

「ううん。私は二人の会話、漫才みたいで面白いから、大丈夫だよ。それに────

 

 

 

 

 

 “特別なもの”は、そう簡単に見つかるわけないから」

 

 

「(“特別なもの”ねぇ……)」

 

 

 そう簡単に見つかるわけないから。というより、運命の巡り合わせな気もするんだよな。倉田の言う“特別なもの”が月ノ森にあるとも限らないし、もしかしたら校外に存在するかもしれない。

 

 

「(人と出会って、色々な経験の先にあるのかもしれないな……。“特別なもの”てのは)」

 

 

 俺自身、よく分からないけどな。だけど一度乗りかかった船だ。倉田の“特別なもの”探しに最後まで協力しよう。その先に俺の“特別なもの”も見つかったりしてな。まだイメージすら湧かないが。

 

 

 




次回は2月中の投稿を予定しています。お楽しみに!
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