隣のお嬢様はネガティブガール   作:星メガネ

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読んでくださり、本当にありがとうございます!

今回もまた、予定より早く書き終えました。そして後書きでこれからの投稿頻度についてお知らせしているので最後までよろしくお願いします。


第8話 クラスメイトの名前なんて友達と好きな子覚えてりゃなんとかなる

「し、失礼しました……」

 

 

 倉田の部活見学に付き合い始めてから3日、倉田は未だに入部する部活を見つけられずにいた。昨日は大翔も入れた三人で、倉田が自分から行きたいと言った弓道部に行ったんだが、倉田の“特別なもの”には至らなかった。

 

 まぁやりたいと思ったものが実際やってみたらそうでもなかったみたいなことはよくある話だからな。今も合唱部から出てきた倉田を見るに、良い結果は見込めなさそうだ。

 

 

「その様子じゃあ、合唱部もダメだったぽいな」

 

「うん……」

 

 

 部活はまだまだあるしいつか見つかるとは思うが、中々見つからない状況が続くと不安になるよなぁ。

 

 

「高本君はバイト先見つけれたのに……」

 

「そう凹むなって。まだまだこっからだ」

 

 

 大翔はファーストフード店での面接で合格を勝ち取り、今日早速バイトらしい。けど倉田の探してる“特別なもの”と大翔のバイト先とじゃこれからの付き合いの差は歴然だからな。バイトは精々高校の三年間か長くても大学までだけど、倉田の探してる“特別なもの”はこれから先ずっとの付き合いになる。高校生が金欲しさに始めるバイトと同じテンションで見つかる方がレアケースだわ。

 

 

「有名な先生のレッスンを受けてる子ばかりで誰でも歓迎って書いてあったけど、そんな人達の中に気軽に入れるわけないよ……」

 

「まぁそれは戸惑いもするか……。色々と察するよな」

 

 

 先輩方が優しく接してくれたとしてもだ。やっぱ初心者はそういう上手い人達の輪の中にいると、どうしても劣等感を感じずにはいられないんだよな。でも、そこで初心者がとんでもない努力と練習重ねて成り上がってきたらかっけぇよな。

 

 あとこれは俺だけが思ってるだけなのかもしれないが、倉田は何というか楽な道を探し求めてないかとも思えてきた。ここに外部生として入ってきたってことは、少なからず努力と隣り合わせに立つってことだ。内部生に追い付くために。

 

 

「(俺の考えすぎだといいんだけどな……)」

 

 

 “特別なもの”を見つけること。言葉で言うのは簡単だが、それを実現させる道は果てしない。もしかしたら果てなんてないのかもしれないな。

 

 

「うぅ……」

 

「あちゃー……完全にスイッチOFFったなこれ」

 

 

 まだ付き合いの短い俺でも分かる。こうなった倉田は立ち直るのが遅い。今日はもう合唱部だけで終わりかな。

 

 

 

『あ、倉田さん。それに四条君も。ごきげんよう』

 

 

 

「お、おう。ご、ごきげんよう……?」

 

 

 

 …………え?………………え?

 

 

 …………誰この人?見覚えあるようでないんだけども。

 

 

 流石に倉田なら知ってるやろと横目で倉田を見るとーーーー

 

 

 

「えっ……あ、ご、ごきげんよう。えっと…………」チラッ

 

 

 あ、目が合った。ていやお前も誰なのか分からんのかい!向こうは俺等の名前知っててクラスメイトだってのは確定なのに、何で二人とも名前すら覚えてねんだよ!

 

 

「ちょっと、倉田さんに四条君!私の名前思い出そうとしてない!?」

 

「いやんなわけねーって。待ってろー待ってろー。今喉元まで出かかってんだ」

 

「やっぱり思い出そうとしてるじゃん!」

 

 

 まぁ喉元まで出かかってるのも嘘なんだけどな。マジで誰だったけこの人。クラスメイトなのは分かるんだけど、いかんせん思い出せん。

 

 

「もう、二葉だよ!学級委員長の二葉つくし!」

 

「あ〜〜〜、それ聞いてやっと思い出した」

 

「入学式からひと月経つんだから、クラスメイトの名前くらい覚えて!」

 

「うーす」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 

 会っていきなりプンスコプンスコしちゃって。俺等これ初めましてだからな?一月でクラスメイト全員の名前覚えられるのはやる気のある先生とか学級委員だけだから。

 

 

「まぁ四条君はともかく倉田さんは外部生だし、学校に慣れるので大変なのは分かるけど……」

 

「あれ俺省かれなかった?一応俺も外部生なんだけど、酷くね?」

 

「だって四条君、高本君と一緒にクラスから何て言われてるか知ってる?」

 

「いや知らん。何て言われてんの逆に」

 

 

 

「月ノ森の異空間だよ」

 

 

 

 …………………………は?

 

 

 

「え、いや…………え?異空間?」

 

「うん。いつもゲームの話してて、周りのクラスメイトを寄せ付けないから、この呼び名が付いたとか」

 

「いやそれは知らんわ。別に寄せ付けさせないようにとか微塵も考えてねぇわ」

 

 

 てか月ノ森の生徒って男女関係なくゲームやってないんか?人生8割損してるぞ今すぐコントローラーを手に握れ。んでテイ○ットに来い。

 

 さぁ、どこまでも胸が高鳴る幻想世界へ!(ガ○ア風)

 

 

「けどあれだな。異空間って響き、なんかカッケェな」

 

『…………え?』

 

「いや男なら誰もが憧れるだろ?異空間とか異世界とか」

 

 

 多分大翔だって俺と同じこと言うぞ?

 

 『異空間!?うぉぉぉカッケェ!だってよ、俺等とあいつらで生きてる世界が違うってことだろ!?』(俺VISION)

 

 大分盛ったかもしれないが、これに近しいことは言うはず。まぁ生きてる世界が違うってのはわりかし的を射てるんだけどな。

 

 

「こほん。ところで、こんなところで何してたの?ここって合唱部の練習場所だよね?」

 

 

 あ、二葉のやつ話題変えやがった。しかも結構雑に変えてきたぞ。そのツインテタケ○プターみてぇにぐるんぐるんにして空に飛ばすぞコラ。

 

 

「実は部活の見学をしてて……」

 

「俺はその付き添いな。倉田がどうしてもって言うからついてきたんだ」

 

 

 倉田の部活見学が一通り終わったらバイト先探さないと。大翔はバイト始めてるし、このままじゃGe○shinのパーティ幅で差つけられちまう。それであいつにドヤ顔されるのだけは絶対にごめんだ。

 

 

「へぇ、部活見学かぁ。それで、合唱部に入るの?」

 

「う、ううん。やめとく。私には合わない気がするから……」

 

 

 合わない気がする、イメージしてたのと違う、大変そう、大体部活見学で入部を辞退する理由で思いつく三つ。倉田は案の定この合唱部で、その全てを使い切った。

 

 イメージしてたのと違うのはまだいいとして、大変そうと合わない気がするってのは勝手な思い込みだと思うんだがなぁ。今後“特別なもの”を見つける上で倉田がそれを分かってくれればいいんだけど。

 

 

「ふーん、そうなんだ。あ、他の部の見学に行くなら案内してあげる!」

 

「お、それナイスアイディア。さっすが委員長頼りなるー(棒読み)」

 

「ふふーん!まぁ私、クラスのリーダーだからね!」

 

 

 あ、二葉あれだ。褒め立てると直ぐ調子に乗るタイプだ。俺今かなーり棒読みで言ったのに真に受けやがった。こういうタイプの人って調子に乗ると次の瞬間には何らかの失敗するよな(偏見)

 

 二葉のアイディアは凄い有り難い。だがーーーー

 

 

「…………」

 

 

 今の倉田は完全な落ち込みモードだからなぁ。その誘いを受け入れてくれるかどうかだが……。

 

 

「倉田さん、まだ学校の施設に慣れてないでしょ?これも学級委員長のーーーー」

 

 

「あの、そろそろ行くね……」

 

 

 そう言って倉田は中庭がある昇降口に歩いていってしまった。うーむ、ここで俺が何か言い足しても結果は変わらなかっただろうけど、一言言った方が良かったかねぇ。

 

 とりあえず今は追い掛けねぇと。ネガティブ思考の人放っとくとずっとそのまんまだから何とかしてやんねぇと。

 

 

「え、ま、待ってよ。倉田さん!」

 

「悪い二葉。先行く」

 

「え、四条君!?」

 

 

 二葉には初めましてで申し訳ないが、今は倉田が心配だ。俺は倉田が歩いて行った道を走っていった。あいつ、まさか早々に“特別なもの”を見つけることを諦めるつもりじゃないよな?

 

 あいつが何で“特別なもの”を見つけたいのか理由は詳しく知らないけど、こんな簡単に諦めていいわけねぇだろ!!

 

 

 

 




これからは仕事帰りの電車内、そして土日で書き上げて週一投稿がベースになるかと思われます。私のTwitterの方と活動報告の方で随時お知らせしていくので、チェックしてもらえると嬉しいです。

Twitterページは私のマイページから飛べるのでよろしくお願いします。

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