それはそれとして、サンタコスって最高じゃね?(艦娘勢を見ながら)
ウマ娘? ガチャは悪い文化。はっきりワガンダね。
「ロイトレーナー!!中山レース場で目撃された飛行物体について、お話を…」
セントライト記念であの妙に息と特性が合っていた二人――おそらくは双子、ツインズだ。本能が間違いなくそうだと言っている。――と戦って逃がした結果、学園に帰ってからマスコミがうざくなった。
俺を横七と繋がりがあると考えているらしく、そしてあのツインズを横七の何かかと勘違いしているから俺を通じてそれを確かめようとしている。
「待ってくださいロイトレーナー!!」
「話を聞かせてください!!」
「お、おはようございます。ロイトレーナーさん…」
「おはようございますたづなさん。賑やかにしてすみません」
「い、いえ。慣れていますので…」
「本当に、申し訳ない」
取材許可のないマスコミは学園に入ることは許されていないから正門を潜れば当然そこで止まらなければならない。規則として当然のそれがあるから今もこうして堂々と学園に車で来たのだが、常識がない連中もいるらしい。
「学園に逃げさせるな!!」
誰かがそう叫んだ。間違いなくそう言った。あまりにも大声で言った結果、俺を止めるという強い意志は全員に伝播し、手段を選ばせなかった。いや、選ばせなかったのではない。選ばせてしまったのだ。
「う、うおおおお!!轢けるもんなら、轢いてみろおおお!!」
「・・・」
頭のおかしいサルが車の前に立ち塞がる。サルなので轢いてもいいが車が汚れるし血が何かしらの感染源になったら大変なので停止する。
「ほっほほっほ!!」
「ちょっとあなた!!」
「たづなさんは気にしないでください。サr…侵入者の駆除は警備員の仕事です」
狂暴化したサルに近付こうとしたたづなさんを制止する。この間にもサル化していないマスコミは詰めてしれいるが車の窓を破ろうとする輩はまだいないので問題ない。
そして、サルが車の前で踊り始めてから十秒もたたないうちに保健所の職員が捕獲ネットを手にやってきた。
「うきゃー!!うきょー!!」
「大佐が言ってたのはこのことか。動物園から脱走した本物が来たのかと思っていたが、楽に済みそうだ」
「ウキーウキー!!」
「学園の敷地内に入ってますから、どかさせてもらいますね」
「シャー!!」
本当にサルになってしまった人間をスパルタンが運んで行って車が動かせるようになったので、中に入れる。先祖返りする奴は他にはいないようで、学園内にまで入ろうとする奴はいなかった。
「はぁ…時間をずらしてくださったのはありがたいですが、これでは結局変わりませんね」
「自分も、まさかここまでだとは思っていませんでした」
そもそもとして、こうなることが予想できたのになぜ車で、しかも堂々と正門から入ったのか。確かに俺ならペリカンを使って空から入ることが出来るし、何なら身体能力的に塀を飛び越えれる。だが、敢えてしなかった。
わざわざ時間をいつもよりも数時間遅らせてでも普通に来たのは学園内に侵入することを防ぐためだ。今、マスコミは俺に取材しても何も言わないことが分かった。つまりこれ以上俺に話を聞こうとしても無駄だ。それでいて数時間後には横七が発表の場を設けている。そのため、ここで執着して労力を費やし、無理矢理侵入して学園に出禁を言い渡されるよりも待った方が最適だと判断させた。
だが、たづなさんや多分授業中なのに声は聞こえたであろう生徒諸君には本当に謝りたい。ごめんなさい。
――
「我々横七は、先月中旬、深海棲艦と呼ばれる知的生命体と交戦しました」
東京にある横七のホテルで外に向けた発表を行う。黙っていてもいいと思ったが、トレセン内では既に噂が広がっている。そのうちURAにも情報がいくだろうと、いずれ情報の波は止められなくなる。ならば、その波の中心にいよう。流されるのではなく、流す側でいよう。
「深海棲艦とは、お手元の資料にありますように、人型から半人型、獣型など、形態は多様ですが、知能と戦闘能力が高いものの多くは人型です」
セントライト記念で深海棲艦を目撃した者は多く、ここにはその真相を突き止めるため、マスコミから政府関係者が外国からも来ている。
「深海棲艦の身体能力は高く、ウマ娘を凌駕しています。格闘戦を仕掛けたならば、筋力にものを言わせた戦いをし、相手を粉砕します。しかしその名に艦とあるように、深海棲艦の本分は水上戦です。艤装と呼ばれる装備を着けた深海棲艦は、小さいながらも十分な威力を持った砲を持ち、艦種によっては艦載機を繰り出し、内地にも戦禍を拡大します。当然のことながら、母艦たる深海棲艦は人型のサイズですので、艦載機はそれよりももっと小さく、自衛隊などの対空網で捕捉し撃破することは困難です」
政府関係者、特に自衛隊員と思われる人間から驚きの声が上がる。そもそも、この世界は平和な世界だ。戦争も第一次世界大戦と第二次世界大戦が一つになった大戦争と呼ばれるものが前世紀に起こって以来、戦争と呼べる戦争はアフリカでテロリストが独立を宣言して侵攻を開始するまでなかった。つまりは、この世界において軍事技術とそれから発展した民間の技術があまり育っていない。そんな環境で、俺のいたドンパチ豊かな世界でさえ対処できなかった深海棲艦を対処できるのか。当たり前のことだが、できない。
「深海棲艦によるシーレーンの破壊、空襲による破壊、沿岸砲撃による破壊。これから先、世界は深海棲艦によって多くの苦難が齎されます」
忘れはしない都市への大規模空襲。地下鉄に避難した住民を殺すために爆撃機を地下鉄にまで入れたあの邪悪な殺意。ビル群から住宅街まで、全てを更地にした絨毯爆撃と沿岸砲撃。そして、輸入品が一時的に途絶えたことで起きた大混乱。別のことで苦しんでいる間に起き、過ぎていったことだが決して忘れはしない。
「ですが、事態はそこまで深刻ではございません。深海棲艦の戦力は少なく、作戦展開領域は狭くなることが予想されます。また、少なさゆえに、ゲリラ的戦法を取らざるおえないため、被害も少ないはずです。そして何よりも、戦力比は我々横七に圧倒的な分があり、正面からの戦闘において、敵が勝利する可能性など、万に一つもないのです!!」
どういう理由で深海棲艦が生存できたのか。それはよくわからないが、都市が放棄されていたことや海底調査に妨害が無いことから、絶対数は少ない。既にアフリカに展開していた部隊も撤収を始めており、テロリスト相手に無双をした海兵隊師団が120、スパルタン師団も40が既に横七島で待機している。これからも撤収は続くので、頭数だけでもこちらが有利だ。この前戦ったあの機械も弱点は見つかったし、装備も進化している。
「では、ここで改めて宣言をさせていただきます。我々、横七は深海棲艦と戦争状態に突入しました。戦争の終結はどちらかが戦意を完全に喪失し、降伏し、滅亡するまで続きます。ですが、我々には降伏という選択肢はありません。滅亡という未来もありません。勝利。勝利というこの二文字しか我々の未来がないのです!!」
この作品における戦闘力ランキング的なものを。見方は同じ列のは順不同で空白が大きければ大きいほど戦闘力に差があります。
テール
ロイ
加古
時雨・白露
ツインズ
姫級・鬼級・その他レ級など スパルタン
一般深海棲艦 海兵隊員
深海棲艦の機械人形
なお、本文でロイが言っていたように陸上型を除く深海棲艦は陸地で艤装が展開できないため、一律で最下層にまで落ちます。また、横七は戦闘力の差を埋めるため装備品などが発達しており、手持ちの武器次第でジャイアントキリングを達成できます。
つまるところ、諦めるな、海兵隊員。これから無双していこうぜ!!