呪術廻戦に酒呑童子   作:アークナイツと東方にドはまり

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呪い

・・

・・・

 

◎月○日

 

最近、呪霊が少ない。

 

罠を作り引っ掛かるのが2体

 

町を散策し遭遇するのは4体

 

数週間前まで祓えど祓えど減らなかったのに、今ではその気配すら失くなっていた。

 

なぜなのだろうか?

 

呪霊はいないに越したことはないが、あまりに少なくて不信感を覚えた。

 

悩んだ末、周囲を探索すると、呪霊が呪霊を食べている瞬間に遭遇した。

 

「襲ってこない…?」

 

今まで呪霊が呪霊を襲うのは何度も見たことがある。

 

それも、欠片も残さず食べた後に俺を襲いに来るのが、他より呪力を求める呪霊の本能的な行動だった。

 

しかし、俺の住む町の四方の4,5体は、呪霊を襲えど近くにいる俺は襲わなかった。

 

それどころかここの住民は誰一人として眼もくれない。

 

「…」

 

試しに、その呪霊の前に俺の呪力を呪霊が好む濃度にしてみるが、その呪霊は気にもしなかった。

 

この事実に俺は、心が晴れた気がした。

 

もう、誰かを呪う必要もないのだと、理解した。

 

「…もう…いいのかな…」

 

自分を縛る鎖が緩んだ感覚。

この呟きは神様にも届かなかったと思いたい

 

 

◎月△日

 

もう、呪いは使わなくていいんだ!

 

誰も呪わぬようにと、気を張る必要もない!

 

もうっ、呪いに怯えなくていい!

 

誰かを呪うことも!孤独に耐える必要はないんだ!

 

やった!よかった!これで、自由になれる!

 

これで呪いは消えるんだ!

 

 

●月✕日

 

『…なんで?なんで皆避けるの?』

 

「仕方がない、俺は人を傷つけた」

 

『ねぇ、皆、僕は大丈夫だよっ、もう誰かを傷つける力はないよ?』

 

「信頼がないんだ、流石に時間が必要になる」

 

『ほら!普通の人間だよ?触れてもなにも起きないっ!』

 

「役に立たなきゃ、俺は信用を買わなくちゃいけない」

 

『誰かが死んだり、誰かを苦しめることはもうないんだよっ!』

 

「その証明を、するんだよっ」

 

『…な、なんでそんな眼を向けるんだよ?』

 

「俺が悪いんだっ!耐えろ、耐えろっ!耐えるしかないっ!」

 

『なんで!そんな意地悪するんだよっ!』

 

「耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろっ!耐えるんだっ!」

 

『なんでっ!そんな事言うんだよっ!』

 

「耐えろ、耐えろ耐えろ耐えろっ、耐えて、くれっ、頼むから…………ノロエ」

 

『やめてよっ!もう僕は大丈夫なんだってっ!』

 

「ノロウンダ…やめろ…ノロエバイイ…黙れ…ノロッテシマ黙ってくれっ!」

 

『痛いっ、痛いよっ!止めて、お願いヤメテっ!』

 

「ノロエ…離れろ…ノロエノロエ…離れるんだっ…ノロエッノロウンダ…このままじゃあ…ノロッテシマエ…やめろ、近づくな…ノロエッ!」

 

『…なんでこんなに痛いの?』

 

「ノロエバイイ」

 

…黙れ

 

『…なんでこんなに苦しいの?』

 

「ノロエバイイ」

 

…黙ってくれ

 

『…なんでこんなに辛いの?』

 

「ノロエバイイ」

 

…頼むから、黙ってくれ

 

『…のろえばいいの?のろったらぜんぶきえるの?』

 

「ノロッテシマエッ!」

 

…頼むからさ…

 

『そうなんだ…それなら、それならっ、それならっ!』

 

「ダまれェぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!」

 

 

この日、とある地方の田舎にて、原因不明の病に犯された少年が発見された

 

容疑者として、移住した一人の子供が候補に上がったが、物的証拠が何一つないため、無罪釈放

 

後に、その子供は、周りから『厄災』と呼ばれるようになった。

 

 

□月✕日

 

「…痛い…」

 

祖父が出ていった後の居間にて、俺は畳に流れる自分の鼻血を眺めていた。

 

「…不味い…」

 

舌を動かせば走る激痛、恐らく口の中を怪我しているのだろう

喉に流れる鉄の味が不快だった。

鼻を満たす血の塊がウザかった。

 

でも、塗り薬もない

 

「…寒い…」

 

気温は高いと言うのに、汗で濡れたせいか寒く感じる肌。

温もりを感じようと身体を丸めるが、それすらも数々の青痣が痛みが阻止する

無理矢理丸めることでしか、もう身体は暖めれない

 

自由なはずして自由が奪われているが俺の現状

 

「…死ぬ…」

 

痛覚が本能に訴える

 

このままではお前は死ぬ、と。

 

嘘なんてない、言葉通りに死ぬんだ、と

 

お前は地獄ではいきれない、と

 

「…もう、無理だ…」

 

今日、俺の心に限界がきた

 

「…もう、どうしようもない…」

 

呪いが溢れてくる

 

「…もう、耐えられないっ…」

 

痛みを糧に、苦しみを糧に、辛さを糧に、呪いが増幅する

 

「…呪わなきゃ…」

 

無意識に求めたのは、呪いの行き先。

弱者と言う名の呪っても無害な雑魚。

 

つまり、人間

 

『「呪うしかない」』

 

つまり、非術師

 

「…駄目だ…」

 

しかし、それを一握りの常識が否定する。

 

人間でありたい理性が、それを止める。

 

輝かしい未来を想像して、それを静めていく。

 

「…それ、だけは…しちゃ駄目なんだ…」

 

呪いが、積み重なる死体の中踊る自分を明確にする。

 

呪いが、そんな現実感溢れる地獄を見せてくる。

 

一匙の悪性が、その呪いを受け入れる。

 

『ノロエ』

「…呪いたくないっ…」

 

文字通りの悪性と善性の戦い

 

『ノロエ、バ、ラクニナル』

「…心が、それを許さないんだ…」

 

知識が、経験が、良心が、善性を支える

現実が、憎悪が、呪いが、悪性を強くする

 

『ノロエッ!』

「のろ、え、ないっ、」

 

まさに張り詰めた糸、

 

『ノロッテシマエッ!』

(どうしたら…っ)

 

罪悪感と呪いの鬩ぎ合い

 

『ノロウンダッ!』

(このままじゃあ俺は…っ!)

 

憎悪と願いの渦巻き

思考が全力で解決策を探す

死の間際でこの状況の打開策を渇望する

 

「京都…」

 

その時、ふと思いついたのが、ある男が吐いたひとつの情報

 

大江山にある特急呪物『神便鬼毒酒』

 

あの男は言った、俺の呪力は毒だと。

呪いの中で何よりも呪いらしい呪いだと。

そしてそれ持つ俺は疫病で厄災なのだ、と。

 

加えてあの男はこう言った

 

俺が神便鬼毒酒を呑んだのなら、万が一の確率で裏返るかも、と

 

「行かなきゃ…」

 

俺の呪いは全ての元凶だ。

 

俺を蝕み、他者を苦しめ、その場に厄災を降り散らしてきた

 

この呪いさえなければ、俺はこうならなかった。

この呪いさえなければ、誰もが幸せになれた。

この呪いさえなければ、俺は普通であれたんだ

 

「カ、カ、か、カエカエカエカエ、カエリマショォォォォ??」 

 

家の外から聞こえる懐かしい声

 

俺は痛む身体を引き摺りながら外へと向かうと、そこにいたのは何かを噛み潰している呪霊。

 

噛まれているものを見ると、それはこの町を守っていた呪霊の死骸だった。

 

「ネェ?カエリマショ?」

 

立ち塞がる呪霊

 

行くてを阻むように拳を振り上げる

 

「邪魔だ」

 

懐に入って放出するのは、貯めに貯めた全ての呪力

 

炭酸のシュワシュワ音が鳴き止めば、残ったのは俺の呪力だけだった。

 

「あ…あぁ…あ~…」

 

俺は呪力を吸い戻す。

辺りに広がるの呪いの海を吸い戻す。

溶かした呪霊ごと吸い戻す。

 

無くなりかけた体力が戻る、

身体から痛みが消える、

心から呪いに対する呪いに整理がつく

 

「…全てを終わらせてやる…」

 

 

その日、厄災は町から消えた。

 

住民はそれはもうとても喜んだそう。

 

しかし、その後その町では度々奇妙なことが起きるようになったとか。

 

まるで誰かを害するように…

まるで誰かを痛めるように…

まるで誰かを苦しめるように…

まるで誰かを、殺すように…

 

その原因がなんなのか、その町で気づくものは今のところ誰一人としていなかった。

 

後日、調査にきた補助監督は住民に言ったそう

 

この町には、だれかの呪いが根付いている。

 

 




あっれれ~?酒呑童子出てこないゾォ~?

…本当にすいません、これ以上書くと相当長くなると思い次話にしようと結論付けました。

まぁ!この世には三度目の正直って言葉がありますからね!

まだ許されるよねぇ~!



次回には出すのでお許しを

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