ま、まあ次回は走者視点になると思うので犬夜叉要素は回収できると思います
なので見逃して?
楓の村の名主の家では険悪な空気が漂っていた
・・・・桔梗様をなんと申されましたかな?
名主の男は桔梗がそれこそ生まれてから彼女をずっと見守り続けてきた
父親は戦に駆り出されて亡くなり、母親もまたそれに引き摺られる形で亡くなった
幼い桔梗は更に幼い楓を守りながら、巫女としての修行に明け暮れていた
名主はそんな桔梗をいつも気にかけており、ある日桔梗に聞いた事があった
なあ、桔梗
其方辛くはないのか?
と
辛くないと言えば嘘になるでしょう
だが、こんな私でも楓を守り、皆の平穏な生活を守る事が出来る
それが何より嬉しいのです
そう桔梗は言っていた
だが、名主とて桔梗が赤子の頃より彼女を見てきた
だから分かってしまった
もう、桔梗は己の幸せを諦めてしまっている事に
そんな桔梗を知るが故に名主の男は犬夜叉と桔梗の関係を複雑な想いを抱えながらも応援していたのだ
村の者の中には、やはり半妖であり四魂の玉を狙っていた犬夜叉へ懐疑的な目を向けるものも多かった
だが、それを表に出して桔梗に言う者は誰一人として居なかった
皆桔梗が自身の幸せを諦めている事に心を痛めていたと思ったいたのだから
だからこそ、目の前の男の発言は決して許せるものではなかった
目の前の男は事もあろうに桔梗を自身の欲望の為に利用しようとするだけでは飽き足らず、桔梗の妹である楓すらその欲望の為に利用するつもりだと言うのだ
実際、彼と同席している村の男衆の代表は明らかに剣呑な空気をまとっているし、女衆の代表もそうだった
確かにこの時代において、農民は余りにも無力な存在と言えなくもない
だが、幼い桔梗が更に幼い楓を守ろうと奮励努力する様を見て何も感じない程にこの村の大人達は腐っていなかった
たとえ、力が無くともできる事はある
そう大人達は信じて、日々の合間合間に自分達が出来る事を成してきた
実はこの村が出す人員、それはこの地を治めている殿様から非常に重宝されていた
戦に出れば、指示をよく聞きどれだけ危険な事になろうとも、彼等は決して持ち場を離れようとしない
自分が逃げる事で村の他の者が兵として呼ばれる事をよく理解していたから
彼等はそう思っていた
殿様直々に褒められた者も
良くやってくれた
何か褒美をとらせよう
そう言われた時
でしたら、村の桔梗様への配慮をお願いします
私どもは桔梗様に守られて生きております
ですが、桔梗様はまだ若い娘なのです。どうかどうか
と懇願した者もいた
結果、殿様は美しく聡明で名高い桔梗に対して己が配下達には手出し無用との指示を出して貰っていた
村の者の中で桔梗に感謝していない者など殆ど居なかったのである
桔梗は儂らの代わりに辛い事をさせておる
なればこそ、儂らだけが安穏としてある訳にもいくまいて
村で最年長の老婆の言った言葉こそ、殆どの村の者の考えであった
ある豪商が桔梗の美貌に惚れ込み、彼女をどうにかして己が手中に捕らえようと楓に手を出そうとした時には普段温厚だった者すら般若の形相で名主の家に来て
あの無法者を何故放っておくのだ!
と怒鳴り込んできた事すらあった
その位、桔梗に対して村の人間は思い入れが強かったと言える
だからこそ、桔梗のそばをうろついていた犬夜叉に対する対応は真っ二つに割れたしまった訳だが
桔梗や楓を傷つける者は決して許さない
それが殆どの村の者達共通の
とある娘がいた
その娘はいつも不満だった
同じ歳の桔梗はいつも身綺麗にしているし、自分みたいに農作業の後に家でも何か作業しているわけでもない
なのに、村の者達は桔梗を特別扱いする
妖怪と言うが、娘は生まれて一度としてそんなものを見た事もない
唯桔梗が綺麗だから特別扱いされていると彼女は思っていた
ある日、変な奴が村に来た
犬夜叉などと言う変な名前を持つ者
忌々しい事にこいつも事あるごとに桔梗桔梗と言っている
目障りだった
別に農作業の手伝いをする訳でもなし、いつも桔梗のそばで無駄話をしているのに、何故か村の者達は文句を言わない
だから、彼女は村に出入りしている商人につい話をしてしまったのだ
村の者達は村の外の者に言うなと言っていたが、彼女からすればどうでも良かった
そして、その商人がまた来た時に
実は貴女のお話をとある方が大層気に掛けられましてな。是非詳しく話を聞いてこいと言われたのですよ
との話を聞き、商人から少しばかりのお金を貰った
彼女からすれば、村の者達には話せない愚痴と思ったいたので喜んで詳しい話をした
そう、してしまったのだ
そして桔梗が死んだ事を直ぐに商人に知らせた
いや、そうでしたか
もしかしたら、もっと良い生活が送れるかも知れませんなぁ
と商人は満面の笑みを浮かべていた
ふん、小娘が
商人の男は桔梗が死んだ事を娘から聞き出し、村から離れるとそう吐き捨てた
彼女は知らないだろうが、犬夜叉とやらは恐らく妖怪だったのではないかと言うのが彼の情報を買ってくれた人物の見立てであった
妖怪を倒すべき巫女が妖怪と共にある
例え桔梗とやらが素晴らしい力を持っていたとしても、例え犬夜叉とやらが村に受け入れられていたとしても、そんな事は何の慰めにも言い訳にもならない
その人物は確かな証を手に入れてこいと商人に命じた
もしも、それが明るみに出れば桔梗であっても何らかの罰を受ける事になるし、当然それを隠していた村も罰を受ける事は間違いなかった
つまりあの小娘は少しの金の為だけに村を売った
その自覚がなかったとしても、だ
あの村は他の村に比べて妖怪の被害が極めて少なく、その為か余剰な蓄えもある
今の殿様は管領様に比べると民に甘い
そう、優しいのではなく甘いと商人は思っていた
が、それ故に自分が儲ける機会があるのも間違いないので構わないと思っているが
その商人は桔梗が亡くなったととある人物に報告した後姿を消した
ふん。そも半妖の小僧を匿っていたと聞くぞ?名主よ
それが公方様の御心に沿うものでない事すら貴様らには分からぬか。分からぬだろうな
嘘である
公方と下っ端の退魔師であるこの男が会った事もないし、そもそも公方の話を聞いたとしても自分に不都合であれば、この男は平然と無視する
男にとって、全ては自分の為にあるものであり、利用できるものは利用しつくして使えなくなれば捨てるのみの価値しか持たないのだから
だが、畏れ多くも公方の名前を出せば例えどの様な身分の者であったとしても
というより、その様な行状が余りにも目に余るからこそ、彼は
それどころか、京にいた頃より更に悪化している部分すらあったのであるから始末に困っていたりするのだが、『知らぬは本人ばかりなり』であったのだから
退魔師の男は理解していなかった
畿内ではその理屈は通用しよう
たが此処は関州。時の幕府一門である公方達に寧ろ反感を持つ者がかなりいる地域なのだ
いや、正確には
加えて、武家や商人などはある程度とはいえ将軍などにも気を使う必要もあるだろうが、名主達の様な人間からすれば殿様が変わろうと将軍が代ろうとも生活が脅かされない限りどうでも良いのだ
その一方で名主の様な者達は身近な者達が傷つけられる事をひどく嫌う
これは戦乱の世でありながら、妖怪が跳梁跋扈いる為に極めて生きる事自体が困難である事も理由なのだろう
というか、戦乱において
そして、彼等はあっさりと村や里を襲い自分達の昏い欲望のままに暴虐の限りを尽くす
それだけでも脅威なのに、武家では到底太刀打ち出来ない妖怪までいるとなると生き残れる可能性は限りなく低い事になる
であるからこそ、退魔や破魔の術を持つ者達は優遇されるし、武家であっても粗忽な扱いをしない者もそれなりの数いる訳だ
とはいえ、例え退魔師であろうが、武家であろうが農民達も許せない一線というものが存在し、それを踏み越えぬ様に注意するのは寧ろ支配階級や特権階級の者達の暗黙の了解であったとすら言えた
それを踏み越えると
おう、退魔師だかなんだか知らねぇけどよ、随分と好き勝手に言ってくれるじゃねぇか!?
名主の後ろで控えていた男が語気を荒げる
な!き、貴様畏れ多くも公方様のご意向に逆らうというのか!?
たかだか片田舎の村民風情が
退魔師の男は思いがけぬ事態に動揺するも
双方少し落ち着かぬか
村の者達よ。お主達の激情は理解できる。が、だからとてこの者に拳を振り落とす事があれば、それこそ今までの桔梗殿の努力を無駄にしよう
と女性の声が聞こえてきた
つ、椿様?
名主の男は驚いた声を思わず出す
ついひと月ほど前にこの村を訪れ、桔梗と話をした高名な巫女である
相変わらず、
此処は京ではないし、お主達の権力の及ぶ所でない事も理解出来ぬとはな
椿は心底どうでも良さそうに話した
ふん、確か椿とやら
其方は桔梗に少し劣る程度の力を持つそうだな?
だからどうしたというのやら?
お主の様に群れなければ妖怪一つ退治できぬ半人前風情に何と言われたところで何一つ気にすると思うか?
京において、退魔師は公式な役職を有していないが、かつて退魔師の組織の一番上の人物は公家出身である為にある程度であれば武家の協力を要請できる特別な立ち位置にあった
更に必要とあれば、民草すら平気で囮として動員する事を躊躇わないという非情極まる面も存在する
彼等の優先事項は『京の守護』であり、その為の犠牲について考慮する必要を感じていなかったからである
ところが時を重ね続けた結果、特権意識だけが肥大化し、己が職責であったはずの『京の守護』の為の努力すら怠る者が増えてきたのだ
此処にいる男の様に
心ある者達は京の状態に失望し、地方にて自分達の職務に向き合う事になり、それが更に京に残った者達の質の低下を招いた
逆に地方に下向した者達から教えて貰ったのが椿や前作の紅葉である
当然だが、意識の時点で全く比較にならない差がついていた
後、一つ
彼は理解していない
この地は彼にとって敵地である事を
貴様が管領の所に属する退魔師とやらか
名主の家に武装した武者を引き連れた者が入ってきた
椿殿、時間稼ぎ感謝致す
一番格上と思しき男は椿に礼を言う
あいも変わらず、武家というものは面倒なのですね
椿の皮肉に
確かに我々のしている事は椿殿や日々を生き抜く者達からすれば、本当に迷惑でしかないかも知れませぬな
弁明は後で聞く
連れて行け!
この関州では公方の一門である管領家に従うものとそうでないものが存在し、この村は後者の武家に属する者が統治している事になっている
当然ながら、中央の権力を後ろ楯としながら大きな顔をする管領に良い感情を抱く国人や豪族は少ない
無論、かつての鎌倉みたいに全国へと影響力を有しているのであればまだ従う事も出来よう
されど、彼等は鎌倉以降の武家の習わしである『御恩と奉公』という大原則すら考慮しない傲慢な部分が見え隠れしていた
つまり、安心して下の者が付いていけないのだ
江戸にて、管領の一族の分家当主が自家の重臣を湯浴み中に誅したという事実もまた管領家に連なる者に対する悪感情を増大させるものであった
ましてや、中央から左遷されてきた者が統治の安定している村落に手を出しているなど到底看過し得ない事態だった訳である
わかりやすく言うならば
ウチのシマで勝手な事するなよ!
と言うのが今回の退魔師に対する領主の本音であり、その領主が仕えている組織の偽らざる本音であった
やれやれ
名主殿。桔梗殿の訃報は聞いた
もし良ければ、楓殿が一人前の巫女になるまで私が後見しようと思うのだが、如何?
良いのですか!?
桔梗殿と私は知らぬ仲ではありませぬし、流石にこの様な事態がまた起きた場合大変でしょう?
幸いにして私自身も亡き桔梗殿程ではないにせよ、それなりの実力はありますし、ある程度の伝手もありますからね
無論、楓殿やそちらの意志を尊重するつもりではありますが
椿としてはあくまでも狒々から『依頼』されているとはいえ、当事者である楓や此処の住人の感情を無視してまで力を貸すつもりはない
その辺りについては、あの『人間臭い』狒々であれば許容するだろうという位の信は置いている
尤も、信頼されたとしても信用するつもりは決して無いのだが
椿とて高名な巫女として名を馳せた者であるから、多少とはいえ武家社会の者との繋がりもある
実のところ、桔梗は巫女としての力量において椿に勝れども、事交渉ごとについては椿が桔梗に勝る
とはいえ、それで桔梗より優れていたとしても何ら椿にとって価値を見出せなかったのだがそれが今となっては必要とされる皮肉に椿自身は内心苦笑していたりする
桔梗よ。其方の守っていたところは暫し預かる故、安心しておくが良い
椿はそう誰にも聞こえない様に呟いた
オリ設定多すぎると思わなくもないけど、こうでもしないと椿が関わらなくなるから、仕方ないと思う
ではまた次回
このままの方針で良い?
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メインキャラも書いて、どうぞ?
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日陰者に光当てんだろ?あくしろよ
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ふーん、興味ないね