~mabinogi~【 Virus 】   作:菊雅雀

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1.『始まりの存在』

現世紀にパソコンが普及してからは、簡単に情報交換が可能となった。

情報が、世界を共有するのは当たり前になり…いつしか、娯楽用のモノを次々と作り上げられる。

 

 

それが―――『GAME(ゲーム)

 

 

数多く作られたGAMEには、人との繋がりが出来るオンラインゲーム(Online game)が、大変人気となった。

今までのゲームとは違い、姿は見えずとも共に遊べるのだ。

多種多様なオンラインゲームに、次々と誰かがログインしていく。

大規模多人数型オンライン(MMO)mabinogi(マビノギ)』も又その1つ―――――この世界に、少年少女の物語が始まろうとしている。

 

 

 

 

 

1.『始まりの存在』

 

 

 

 

 

まだ、この世界に造られる前は、ただのカードでしかなかった。

造られていく「器」は、カードと言う名の「存在」を入れていくこの世界。

それは、現実=リアルの世界では「魂」と言われているだろう。

出来た器に名前を付け、カードに魂を入れる。

彼の存在は、そこから始まった――――

 

 

名前【(おおとり) (まもる)

年齢【15歳】

性別【男】

 

 

目が覚めた時には、白い世界に『俺』が居た。

これから、どうすれば良いのか歩いている。

だが、そう長く続かない…半径3~4メートル位だろうか?

クローバーの形をする大きなお皿の上に乗せられた気分だ。

これ以上、歩いていても仕方ないと理解すると足を止める。

通れる道は何処にもない。

在るとすれば、『俺』がそこから来たのであろう…階段があった。

何故だが、戻る気はしない。

 

ふと、上空に飛んでいる白い鳥達に目をやると、何羽も飛び交う姿が綺麗でウットリされる。

突然、背後から白い光を感じ、背後を勢いよく振り返れば、そこには少女がいた。

17か18歳ぐらいなのだろうか?黒いドレスが、とれも似合っている。

翡翠色の瞳をしたその目を『俺』に向け、優しい笑みをみせた。

『俺』は、声をかけようと口を開こうとしたが、先に少女が口を開く。

 

「初めまして、鳳 葵さん。私は、ナオと言います。」

 

これが、『俺』と『ナオ』の存在が初めて認識した場所だった―――

 

 

 

 

 

ピッ…ピッ…ピッ…―――

 

別の白い世界では、テンポの良い音が鳴り響いた。

日差しが入る白い世界に、より一層白くさせようとする。

夏使用のセーラー服に、降ってもいない数滴の雨が滲んでいる。

何処からか風が吹き、彼女の綺麗な黒髪を撫でていた。

両手に強く顔を隠しながら泣き、何度も何度も彼の名を口にするが、返事がない。

 

「アァ…アア…」

 

泣き過ぎた声に何も出ない、返答もない、彼は動かない。

 

ただただ、機械音が鳴り響いた。




投稿:2009/10/22
補正:2014/5/26
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