百花王学園の支配人   作:匿名P

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またしても遅れてごめんなさいm(_ _)m


王道

豆生田と夢子のギャンブルが始まりここまで優勢だったが、皇の登場により豆生田に翳りが見え始めてくる。

 

 

「"()()"をレイズします!」

皇伊月が爪を剥ぎながら力強く宣言する

 

 

「ウフフ。そうでなくてはなりませんね」

夢子は恍惚な表情で眺めている

 

 

「爪を剥いでもらったところで悪いがそのレイズは認められない」

眼鏡を上げながら冷静に言った表情は冷酷だった

 

 

「あら。そんなことをおっしゃるんですね。ですが私のこの人生計画表は3億1000万の"()()"がつきました。つまり人生に価値がついているのでレイズは可能なはずですよ」

 

 

「第一、その人生計画表の最終決定者は会長だ。よって会長がいないかぎりレイズは認められない」

 

 

「そうですか…でもこの場には会長ではなくてもその()()()()の方がいらっしゃるではないですか」

 

 

「あなたはこのレイズをどう判断しますか?()()()

 

 

「俺が決めるよりもディーラーが決めるのが1番だろう。まぁ100億あたりのレイズが適当だとは思うがな。お前はどう思う?生徒会長(綺羅莉)

日夜はディーラーである副会長を見ながら会長の名を上げた

 

 

「「え??」」

会場にいる人間と豆生田の声が重なる

 

 

「あら、バレてたのね」

そう言いながらつけている仮面を外す

 

 

「か、会長。な、なぜ、あ、なたがここに?」

あまりの動揺に豆生田は普通に言葉を発することができない。

 

 

「あなたが知る必要はないわ。でも、そうねひとつ言うならあなたのその顔を見るためかしら」

豆生田に顔を近づけながら耳元で囁く。豆生田は動くことが出来なかった。

 

 

「さぁ始めましょうか」

綺羅莉は五十嵐清華を呼び、皇の爪の手当てをさせ自分の髪を結わせて準備ができたところで開始を宣言する。

 

 

「伊月のレイズは100億で認めましょう。さぁあなたのターンよ」

 

 

(マズイぞ…こんなはずじゃなかったのにこのままでは選択権を奪われる。それだけは避けなくては)

色々な思考をしている豆生田の顔に焦りが見える。

 

 

「楓。落ち着いて。震えてるわよ」

この時豆生田の中でなにかが切れた。

 

 

(全てはこいつのせいだ!こいつは頂点に立つ人間ではない!こいつは場を乱しその乱れようを楽しむ快楽主義者だ!)

豆生田の顔が焦りではなく怒りに変わっていく。

 

 

「俺も人生をレイズする」

その発言に会場がざわめき始める。

 

 

「あなたの判断は難しいわね。でも本当に外務省事務次官になるというのなら期待値も込めて100億としときましょうか」

この発言に明らかに動揺する皇。

 

 

「そんな…これじゃあ選択権奪われちゃいますよ!どうするんですか?早乙女先輩とかにも人生を賭けてもらいましょうよ!夢子先輩!」

震えた声で、だが目は死んではいなかった

 

 

「それはできないわね。このギャンブルに無関係な人間のレイズは認められないわ」

 

 

「そんな…」

落胆した声で半ば絶望した顔で消え入るようにつぶやく

 

 

「それじゃあいいわね?決着をつけましょう。手札開示(ショーダウン)

ディーラーである綺羅莉の宣言が終わる前に日夜はパソコンを開きカタカタとキーボードを打ち始める。

 

 

「あれ?真君見なくていいの?いい所なのに」

黄泉月の視界にキーボードを打つ日夜の姿が目に留まり思わず質問を投げかける。

 

 

「結果が分かってる勝負を見ることほどつまらないものはないからな」

パソコンを見ながら黄泉月の質問に答える。だがその顔は苦虫を潰したような顔だった。

 

 

「8のスリーカードだ!」

豆生田が力強く宣言する。

 

 

「あなたは皇さんがただの出資者(パトロン)としてここにいるとお思いですか?だとしたら間違いです。皇さんはここに賭博師として立っています。」

 

 

「なんのことだ?」

何を言っているのか分からない豆生田は笑みを浮かべながら夢子に馬鹿にするような視線を送る。

 

 

「御覧遊ばせ、これがあなたへの三行半(みくだりはん)です」

そう言いながらカードを開く。そこには豆生田の8のスリーカードを超えるJのスリーカードだった。

 

 

「すりーかーど?どうして?」

 

 

「どうしてってあなたが私を舐めたからですよ!どうですか?散々馬鹿にしてきた相手に負けるのは?」

笑いながら皇が豆生田を貶す。

 

 

「面白いものを見せてくれてありがとう楓。でもこれであなたという人間を知ることが出来たと思うの……だから()()よ」

綺羅莉からクビを通告され豆生田の髪は白化しその場で伏し、そして眼鏡も粉々に砕け散った。豆生田の心のように。

 

 

 

 

 

 

「あれ行かないの?」

豆生田も担架で運ばれ会場も落ち着きを見せ始めほとんどの人が出ていき生徒会役員も同じように出ていこうとした時、未だにキーボードを打っている日夜に黄泉月が質問を投げかける。

 

 

「面白いことになりそうなんでね」

そう言うと顔を上げ、ステージに対面するように座っている夢子と綺羅莉を見る。

 

 

「なるほどねぇ〜

物好きだよね真君も」

 

 

「フッ、まぁな」

軽く笑いながら言葉を返す。

 

 

「あなたも来ればいいのに」

人が夢子、綺羅莉、五十嵐、日夜しかいなくなり綺羅莉が日夜に向かって言う。

 

 

「いやここからで充分だ」

パソコンを閉じ2人を上から見下ろす。

 

 

「そう。でもまさか気づかれるとは思わなかったわ」

笑みを浮かべ、品定めするような目で日夜を見る。

 

 

「まさかとは思ったけどな。お前…このこと予想してたのか?」

若干呆れ気味の表情を顔に浮かべる。

 

 

「まさか。そんな予知能力、私にはないわ」

目を閉じて微かに笑い、そんなことはないといった表情を浮かべる。

 

 

「あなたは何故豆生田さんに力を貸したのですか?力を貸したところであなたにメリットはなかったですよね?」

夢子が2人を会話を聞き、自分から切り込むような質問をする。

確かに日夜が豆生田に力を貸したところでメリットは存在しない。豆生田は日夜の首を取るつもりだったのにも関わらず、力を貸した日夜の行動には疑問が残る。

 

 

「確かにあなたらしくないわね。メリットがないことをするなんて」

綺羅莉も加わり2人で日夜を問い詰める。

 

 

「別に…気分だよ。それ以外何があるんだ?」

 

 

「あなたは気分で行動するようには見えないけれど」

綺羅莉は日夜をまだ問い詰める。

 

 

「参ったな…そこまで深い意味はないのにな」

 

 

「まぁ知りたいならここまでやってこい」

自分が座っている席を指さす。

 

 

「じゃあこれで」

そう言うと会場を後にした。会場を出た日夜が向かった先は豆生田が運ばれた保健室であった。豆生田はベットに横たわり寝ている。

 

 

「まさかお前が喰われるとはね…可能性程度に考えてたけど本当に起こるとは思いもしなかった」

近くの椅子に腰掛けながら豆生田に語りかける。

 

 

「俺がお前に力を貸した理由、分かるか?」

返答は返ってこないとわかっていても独り言のように語りかける。

 

「お前が昔の俺に似てたんだよ。まぁ昔っていっても3年前だけど」

脳内に3年前の自分の姿が思い浮かぶ。

 

 

あの時の俺はただひたすら上へ上へとはい上がりたいがためにひたすら王道を進んでた。だけど、王道を進むだけじゃ頂点をとることは出来なかった。王道を行くのが頂点をとるために1番の近道だと思ってた。そこで俺は王道にも分岐点はあると分かった。俺はその分岐点で違う方向にいったまま戻ることが出来なかった。だけど、分岐点で間違えたなら間違えた分戻ればいい。いくら間違えたって最後にたどり着ければ関係ない。お前はまだ分岐点で間違った方向にいっただけだいくらでも戻って来れる。だから待ってるぞ

 

 

「這い上がってこい。どん底から。俺は頂点で待ってるぞ。豆生田楓

力強く豆生田に最後語りかけるとその場を後にした。

 

 

 

 

保健室を出た日夜は生徒会室へと向かっていた。ドアを開けると生徒会役員が揃っていた。1人を除いて。

 

 

「あら、どうしたの?」

生徒会室の1段高い場所にある椅子に座る綺羅莉から質問される。

 

 

「毎度毎度悪いが明日からしばらくフランスに行くことになった。学園を空けから頼む」

 

 

「そう…寂しくなるわね。それに近々()()()()()が起きるのに」

俺がしばらくいないことは綺羅莉にとっても寂しいものらしい。面白いという言葉に反応し生徒会役員が綺羅莉の顔を見る。

 

 

「そうか、それは残念だな」

 

 

「まぁ長くても1週間ほどだ。お前のいう面白いことには間に合うだろ」

 

 

「さぁそれはどうかしら?」

 

 

「まぁ楽しみしておいて頂戴」

綺羅莉が笑みを浮かべながら楽しそうな声で言ってくる。

 

 

 

 

「おい!ギャンブルしろ!」

作業をしていて終わりに近づいた頃、支配人室のドアが勢いよく開けられ2人百花王学園の生徒が入ってきたと思ったら、制服が見慣れたものではなかった。入ってきた奴らは中等部の制服を着ていた。そういえば今日体験入学とか言ってたな…でも、生徒会役員が引率するからここには来ないはずだが…

その後ろから見慣れた制服を着た生徒が入ってくる。その生徒は「ダメだって言ってるだろ!」と中等部の奴らを叱りながら入ってきた。

 

 

「なんだ?騒がしいな…」

明日の朝早くからフランスに出張に行くのだから早く帰りたいんだけどなぁ…それになんだって「ギャンブルしろ」とか言ってたか?頭おかしいな

 

 

「まぁとりあえず、名前教えてくれ」

 

 

「俺が金城勝己(きんじょうかつき)

 

 

「あたしが金元碧依(かねもとあおい)

 

 

「勝己と碧依か分かった。で、なんで俺とギャンブルがしたい?」

 

 

「「お前の首を取るためだ(よ)!」」

 

 

「へぇ〜なるほどねぇ〜」

久しぶりに俺と勝負したいって奴と会ったな…そうだな相手してやるか。

 

 

「分かった。いいだろう」

 

 

「し、支配人!!」

 

 

「ヘッ、あんたならそう言うと思ったぜ」

金城がそう言うと誰かが入ってくる。

 

 

「にゃはは、やっほ〜」

入ってきたのは選挙管理委員会委員長黄泉月るなだった。

 

 

「ん?え?なんでいんの?」

 

 

「なんでってそこの2人に呼ばれたんだよね〜」

 

 

「真君のギャンブル見れんだったらいいかなぁ〜って思って」

 

 

「はぁー…全く、いつもそうだよな(少しはちゃんと仕事してくれ)」

 

 

「まぁまぁそれくらいにしといて、ギャンブル始めようよ」

 

 

「そうだな。何をやる?」

 

 

「なんでもいいぜ」

 

 

「だそうだ。何かあるか?るな」

 

 

「うーん。そうだなぁ〜あっ!アップダウンなんでどう?」

 

 

「アップダウン?なんだそれは?」

 

 

「各プレイヤーに2枚ずつカードを配って、そのカードの合計が13以下ならダウン、13以上ならアップと宣言する。だけど、この宣言は嘘をついても良い。そして、カードをオープンして合計の高い方の勝ちっていうルールだよ。ベット額の最低金額は1万円。最高ベット額は500万円。お互い手持ちが500万円だから500万円でやろう。どちらかの手持ち金額がなくなったら、そこでゲーム終了。これでどうかな?」

 

 

「それでいいんじゃないか?」

 

 

「私たちもそれでいいわ」

 

 

「じゃあそれで始めよう〜あれ!?トランプがない!」

来ている服からトランプを取り出そうと内ポケットを探すが無いようだ。

 

 

「トランプならここにあるよ」

碧依が内ポケットからトランプを取り出し、るなに渡す。

 

 

「ありがとう〜これ借りるよ〜」

箱からトランプを取り出し、シャッフルを始める。

 

 

「賭け金はどうする?」

シャッフルをしながらるなが俺たちに聞いてくる。

 

 

「俺は今ここに500万しかない。だけど、俺に勝負を挑んで来たやつなんて久しぶりだからご褒美の提案だ。お前たちが勝てば1()0()()やるよ」

 

 

「「じゅ、10億??」」

るなと勝己、碧依の声が重なる。

 

 

「だ、だけど負けたら?」

碧依が勘のいい事を聞いてくる。

 

 

「負けたら…そうだな、10億借金してもらおう。10億なんて価値は安くはないからな」

 

「しゃ、借金?」

10億の借金というリスクに怯えたのか勝己の声が震えている。

 

 

「さぁどうする?お前たちが選べ」

2人はコソコソと耳打ちし合いながらどうするか決めている。すると相談が終わったのか2人が同時に前を向き、息を大きく吸った。

 

 

「「やってやる!!!」」

気迫のこもった宣言を揃ってした。後ろの引率の生徒会役員はお手上げといった顔をしていた。

 

 

「フッ、面白いね。そうじゃないと」

 

 

「じゃあ、賭け金は10億。負けた方がかった方に支払う。これでいいね?」

るなの声に俺たちは首を縦に振った。

 

 

「「絶ッ対勝つ!!」」

 

 

「やれるもんならやってみな」

 

 

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