百花王学園の支配人   作:匿名P

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生徒会長選挙

「で、状況は?」

わずか1日しかフランスに滞在せず、日本に戻ってきた俺は不機嫌だった。本来であれば1週間はいるはずだったのに綺羅莉のせいで全て飛んでしまった。

 

 

「現状、誰が1番多く票を獲得しているのか全く分かりません」

俺が不機嫌なのを感じたのか、杜和が気に触れないように言う。

 

 

「ですが、生徒会長選挙が始まってから学園の各々の賭場場でかつてないほどの勢いでギャンブルが行われているとの報告がありました」

 

 

「そうか、あいつの狙いはこれかもな」

自分で勝手に辻褄を合わせて頷く。

 

 

「狙いとはなんでしょうか?」

そんな俺の行動が意味不明だったのか、尋ねてくる。

 

 

「最近、綺羅莉が賭場場の活気がないって言ってたんだよ。だから、賭場場を盛り上げるためにこんなことしたのかもなって勝手に思っただけだよ」

 

 

「そうですか」

これ以上聞くと気に触れると分かっている杜和はもう聞いてこなかった。

 

 

「でも、この票を俺が1番多く集めても意味無いんだよね。まぁ綺羅莉の方が意味無いけどね」

 

 

「その票チップどうするんですか?」

 

 

「んー、でも滅多にギャンブルする機会ないからね」(この前のはノーカンにしとこう)←5話参照

 

 

「参加されますか?強制的に参加させられてますけど」

 

 

「たまにはいいかもね。ギャンブル漬けの日々っていうのも」

 

 

「ひとつ言っておきます。ギャンブル漬けになって仕事を全部押し付けたら、キレますよ?」

 

 

「分かってるって、全部は押し付けないよ。3分の2、任せる」

 

 

「さっきキレるって言いませんでしたか??聞こえないならもう一度言いますよ?」

ヤバイ、これは完全に杜和がキレた。不機嫌だったのが吹き飛んでった気がする。

 

 

「はぁー…仕方ないなぁ。半分ずつでいいよ」

 

 

「それでいいんですよ」

俺より立場は下なのになんで逆転してるんだ?でも杜和がいなかったら、俺はここまで来れてないしな。そういう意味で杜和には叶わない。同性だからこそ、俺のことを良く理解してくれるし、俺も杜和を良く理解してる。

この日は結局、綺羅莉が放置した業務を杜和と半分ずつにして終わらせた。

 

 

〜次の日〜

 

 

「おはようございます」

いつも通りの時間に登校したのだが、この時間にはいないはずの杜和が支配人室にいた。業務をしながら挨拶をしてくる。

 

 

「おはよう。今日早いね」

 

 

「ええ、賭場場の報告書がいつもは生徒会に行くはずなのに、その生徒会が解散してしまったので、私たちに回ってきてるんです」

 

 

「なんでそれ俺に言わなかったの?」

 

 

「支配人はこれ以外にも仕事がございますから、このような予想外のことは私がやりますよ」

杜和が早く来てたのはそういう事か。感謝しないとな

 

 

「ありがとう」

 

 

「いえいえ。それよりも今日はギャンブル参加しますか?」

 

 

「そうだね。そろそろ票集めないと」

せっかくギャンブルをする機会を綺羅莉が作ってくれたんだ。ここは綺羅莉の手の上に乗ってもいいだろう。

 

 

〜放課後〜

 

 

授業が終わり日夜と月永はギャンブルをするために近場の賭場場へと出向いていた。

 

 

「そろそろ辞めた方がいいかと」

杜和が辞めろと催促をしてくる。その理由は簡単。単に俺が勝ちすぎた。最初は支配人の俺とギャンブルができる機会がないから、物珍しくてみんなギャンブルをしたがってたけど、俺とギャンブルやってる人がボロ負けしてるのを見て戦う気が失せて、ギャンブルしたいと言って近くにいた奴らはいつの間にかいなくなっていた。でも十分だろう。1枚から70枚程度には増やせた。今日はこれで辞めるか。明日からは票を多く持ってるやつにフォーカスを当てないとな…

 

 

「おい、俺とギャンブルしろよ」

 

 

「君、票持ってるの?あと名前は?」

ギャンブルに誘ってきたやつは見た目は普通だが、実力はただ者じゃないことは分かっていた。さっきから俺の隣でずっとギャンブルやってて、全部勝ってたからな。

 

 

「あぁ、お前が望むくらいの票数はな。俺の名前は小川秀太」

 

 

「へぇー、どれくらい?」

 

 

「30枚程だな」

そんなに勝ってたのか、面白い。相手になりそうだ

 

 

「じゃあギャンブルやろうか」

 

 

「ああ。ブラックジャックにしてくれないか?」

ブラックジャックといえば、世界ではポプュラーなトランプゲー厶のひとつだ。カードを引いて21を目指すゲームだが、心理戦も鍵となる。

 

 

「いいよ」

 

 

「ルール説明はいいか?」

 

 

「じゃあ始めよう。ディーラーは…」

 

 

「ディーラーは杜和にして欲しい。安心してくれ、杜和は仕込んだりしない」

 

 

「そこまで言うなら、大丈夫そうだな」

 

 

「ああ大丈夫だ」

 

 

「杜和、ディーラーを頼む」

 

 

「かしこまりました」

杜和がトランプを2枚ずつ俺と秀太に配る。その後杜和がコイントスをした。どちらが先に賭けるかを決めるためだ。

 

 

「表」

秀太がコイントスが終わるなり、すぐに言った。

 

 

「裏」

秀太が表と言ったなら、俺が表と言ってもつまらない。

 

 

「表、小川様からです」

先手を取られたか。幸先が良くないな。

 

 

「スタンド」

カードを見た秀太がすぐにスタンドと宣言した。良い手でも入ったか?俺の手は2と6。ヒットするしかない。

 

 

「ヒット」

俺はそう宣言し、杜和がカードを俺に1枚渡す。カードは8だった。計16、なんとも言えない。ヒットをしても21を超える可能性の方が高い。だが、おそらく秀太の手は少なくとも今の俺の手よりは高いはず…まぁ、まだ最初だ。ここは勝負しておこう。

 

 

「ヒット」

しばし悩んだ後、ヒットと俺は宣言した。カードが配られる。そのカードは6だった。計22、俺の負けだ。だが、ブラフでなんとかできるかもな。

 

 

「スタンド」

 

 

「では、ベットへと移ります。小川様からです」

 

 

「ベット、1枚」

消極的だな。初手で強い手は入っているはずだがな…さっきまでずっと勝っていた人間がここで日和ることはしないだろう。

 

 

「レイズ、10枚」

相手が戦いの場に来ないなら、引きづり出すだけだ。

 

 

「コール」

これであいつも少しは闘争心が出ただろう。こいつには俺を楽しませてもらいたい

 

 

「では、ショーダウン」

杜和の掛け声と共に2人ともカードを見せる。

俺は22、秀太は20。結果は分かっていた。

 

 

「あんた、俺を戦いの場に引きづり出すためにレイズしたんだろ?だとしたら、その判断はあんた自身を破滅させるぞ」

忠告するかのようなことを言うと、秀太は席を立ち上がり去っていってしまった。

 

 

「なんだよ…つまんな

吐き捨てるように俺は呟いた。

 

 

相手がいなくなった日夜は月永とともに賭場場を移動し、支配人室に戻っていた。

 

 

「はぁー」

思わずため息が出てしまう。なんだよあいつ…面白そうだと思ったら、全然つまんなかった…それまで勝ってたのに、パァになった…

そんなことを思っていると支配人室のドアが急に開き、誰かが入ってきた。その相手は綺羅莉だった。

 

 

「えっ?」「ん?」

急な来訪に杜和と俺は思わず声が出てしまう。

 

 

「あら、見ない顔ね。あなた」

杜和は最近来たから綺羅莉が分からないのは仕方ないことだ。

 

 

「あぁー言ってなかったな。こいつは、俺の付き人の月永杜和だ。入学はしてたんだが、ちょっと訳あってあまり出席してなかった」

 

 

「そう、真に似て面白そうね。あなた」

 

 

「そうですか。それは嬉しいです」

そんなことは絶対思ってない杜和はとりあえず場を考えて合わせる。

 

 

「それよりもどうかしら?選挙の調子は?」

 

 

「踏んだり蹴ったりだよ…今日賭場場に行ったんだが、勝ちすぎて相手がいなくなってしまった。それに…」

これ以上は辞めよう。俺の機嫌が悪くなる

 

 

「相手が途中で投げ出したんでしょ?」

 

 

「なんで知ってるんだ?」

 

 

「あなたの情報なんていつでも筒抜けよ」

 

 

「人気者になりすぎたな…」

 

 

「そうね…相手ならいるわよ」

意味深な間を空けて綺羅莉が話す。

 

 

「へぇー、誰?」

 

 

「…私の()()()が」

 

 

「クックック、面白そうじゃん」

俺と綺羅莉は互いに笑みを浮かべていた

 

 

〜一方〜

 

 

「ここが私立百花王学園…すごいね、定楽乃」

 

 

「ああ確かにな」

桃喰綺羅莉に招待された、百喰一族の面々は決戦の場である私立百花王学園に足を踏み入れていた。

 

 

「決戦の場にふさわしいね」

 

 

「そうですね。凛さん」

 

 

「みんな目的を忘れるなよ。ここに来たのは綺羅莉と日夜真(害虫共)を潰すためだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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