異世界はダイアモンドドッグズとともに   作:ユウキ003

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楽しんで頂ければ幸いです。


第3話 適性検査

討伐依頼を完遂した俺達は、リフレットへと戻りギルドに報告をした。無事依頼を終えた俺達は報酬を貰い、更にエルゼの提案で、お茶をすることになった。依頼を受けるに当って昼食は抜いていたし、かといって夕食には早い。俺としては断る理由も無かったので、一緒になった。

 

で、軽食とお茶を食べているときだった。軽食を食べ終われば、待っていたのは2人からの質問の嵐だ。

 

とは言え、ダイヤモンドドッグズの事を話すわけにも行かないだろうと、適当に曖昧な話をしておいた。

 

そんな中での事だった。

「スネークさんは、色々凄い武器を持ってます、し。魔法も使えるんです、か?」

「魔法か?生憎そっちはからっきしだ。適性とやらも調べた事が無いからな」

 

『魔法』。それはこの世界において普遍的な存在だ。だが前世がある俺からすれば十分驚くに値する存在だ。

 

その魔法についても事前に調べてある。魔法には火や水と言った属性があり、人間にはそれぞれ生まれ持った各属性への適性がある。火属性への適性があれば火の魔法が使える。だが、火属性の適性があっても、他の属性、例えば水の属性の魔法は使えない。

 

「へ~?じゃぁ、スネークは自分が適性あるかも分からないんだ」

「気にしたことが無かったからな。調べる方法があるのは知っていたが、試す機会も無くこの歳だ」

そう言って俺は茶に口を付けた。

 

「なら、調べてみる?」

「ん?」

「リンゼが魔石を持ってるのよ。これを使えば調べられるけど?」

「……」

エルゼの提案に俺は少し考え込んだ。

 

魔法、か。正直興味は無い。が、戦場では何が起こるか分かった物ではない。対応能力、と言う点に関して言えば、魔法は覚えておくべきだろう。まぁ、適性があればの話だが。

 

とにかく、調べてみるとしよう。

「分かった。ならリンゼ、すまないが少し魔石を貸してくれ」

「はい。分かりました」

 

 

と言う事で、場所を銀月の裏庭へと移した俺達。俺はリンゼが持っていた魔石を借りた。魔石を使って特定の呪文を唱えると、魔石から属性に応じた物が発生する。水の魔石で水の適正があれば水が溢れ、火の魔石で火の適性があれば火が噴き出す。

 

そうやって調べていたのだが……。

「「……………」」

どうやら俺には全ての属性の適性があったらしい。おかげで2人とも絶句していた。

 

しかも、先にリンゼがお手本として見せてくれた時、彼女は水の魔石から少し水を出しただけだった。対して俺の場合は、壊れた蛇口のように一気に水が溢れてきた。他の属性である火、土、風、光に闇。そのどれに対しても俺は適性を持っていた。

 

「す、すごい、です。6つの属性、全ての適性を持ってる人なんて初めて見ました……っ!」

「スネーク、アンタもしかして凄い才能持ってるんじゃないのっ!?」

「……才能、ねぇ」

驚く2人と対照的に、俺はどこか首をかしげていた。今の所、ただ火や水、風や土を出すばかりだ。

 

「最後はこれか」

そう言って手にしたのは無色の魔石。……ん?待てよ。

「リンゼ、そう言えば無属性魔法はどうやって調べれば良いんだ?確か無属性魔法は、個人魔法と呼ばれているのだろう?」

「あ、はい。そうです。無属性魔法は個人魔法とも言われ、例えばお姉ちゃんなら『ブースト』の無属性魔法が使えますが、それ以外の無属性魔法は使えません。似たような効果を持つ無属性魔法もありますが、全く同じ魔法を異なる人物が使えた、と言う話は、聞いた事がありません」

「……つまりブーストはエルゼだけの技、と言う訳だな。エルゼ、君はその魔法をどうやって覚えた?」

「う~ん、覚えたって訳じゃないのよね。ある日、なんて言うかこう、頭の中に魔法の単語?名前が浮かんできたと言うか。で、試しに使ったら、ホントに使えたって訳」

「……まるで天啓だな」

アバウトな会得方法に俺はそう言って静かに息を漏らした。そして目を瞑ってみるが、エルゼの言うとおり、何か単語や名前が浮かんで来る事は無かった。

 

「何も浮かばんな。俺には無属性魔法の適性は無いと言う事か」

「いえ。諦めるのは早いかと、思います。試しに何か無属性魔法の名前を口にしてみて下さい。適性があれば、魔石が光ったり、震えたりするはずですから」

「もしそれらが無ければ?」

「残念ながら、スネークさんには無属性魔法の適性は無い、と言う事です」

「……そうか」

 

とは言え、どうしたものかな。試しにエルゼのブーストを唱えてみるか。

「……≪ブースト≫」

そう小さく唱えた次の瞬間、魔石が光輝き、同時に力が漲るのを感じた。

「えっ!?」

「スネークさんっ!?」

 

まさかの事に2人が戸惑っている中、俺はゆっくりと四肢を見つめた後、魔石を手にしたまま握りこぶしを作り……。

 

『ブンッバッ!!!』

演舞のようにCQCの動きを繰り出した。短い動きでブーストの効果を確認するが、成程。これは便利だ。ブーストの魔法を解除し、2人の方へと向き直る。

「身体能力をアップさせるブースト、か。悪く無い」

まだまだ若い者には負けんが、それでもこの肉体はもう50代を迎えている。まだ無理は利くが、それでもこう言った補助によって身体能力を強化出来るのはありがたい。

 

「ありがとうリンゼ。おかげで俺の適性を調べられた」

「あ、い、いえっ、お役に立てて何より、です」

俺はリンゼに借りていた魔石を返した。

 

「それにしても凄いわねスネークッ!まさか全属性の適性持ちだったなんてっ!しかも無属性までっ!」

「どうやらそうらしい。おかげで随分な収穫だ」

「私の3属性でも希な方なのに、全部の適性がある人なんて、聞いた事無いですっ」

「ん?何だ?全属性の適性持ちというのは居ないのか?」

「はい。今の所、私達が知る限りではスネークさん以外、全ての適性を持つ人が居た、なんて聞いた事もないです」

「……となると、俺もそこそこ貴重な存在、と言う訳か」

 

そうなると、やはり情報は出来るだけ秘匿しておいた方が良いだろう。物珍しさから怪しい連中に目を付けられても困る。それに、俺の厄介事にエルゼ達を巻き込む訳にも行かんだろう。

 

「エルゼ、リンゼ。すまないが俺の適性の事はオフレコで頼む」

「え?どうして?」

「何時どこで、どんな敵と戦うことになるか、分かった物じゃないからな。出来るだけ俺の情報は秘匿しておきたい。そう言う事だ」

首をかしげるエルゼに答えると、2人とも顔を見合わせた後、頷いた。

 

「まぁスネークがそう言うのなら別に良いけど」

「はい。私も構いません」

「すまないが、頼むぞ」

 

 

と、こうして検査を終えた俺は、2人と共に銀月の中へと戻った。っと、時計に目をやるともう昼が近い。そのまま俺達は食堂に向かったのだが。

「ん?」

 

食堂に着くと、見慣れない女が宿屋の看板娘、『ミカ』と何か話していた。

「あぁ、丁度良かったっ!」

するとミカが俺達に気づいて近づいてくる。彼女と話をしていた女もだ。

「何だ?俺達に何か用か?」

「そっ、ちょっと3人に相談したい事があってさ」

「相談?」

 

「そうなの。っと、スネークさん達は知らないか。彼女の名前は『アエル』。パレントって喫茶店をやってるんだ」

「はじめまして。アエルと申します」

「俺はスネークだ。こっちは俺の仲間で双子の……」

「リンゼ・シルエスカ、です」

「私はエルゼ・シルエスカよ。よろしく」

 

「それで、俺達に相談というのは?」

「あぁ実は、アエルがね。お店で出す新商品のアイデアを探してるのよ。で色々考えたんだけど、私達だけじゃ良いアイデアが出なくてさ~。どうせなら旅人の3人に聞いてみようかな~って思ってさ」

「成程な。分かった」

「そう言う事でしたら協力します」

「良いわよ。って言っても、私達が良いアイデアを出せるかは分かんないけど」

俺とリンゼ、エルゼは順番に頷いた。

 

「ありがとうございます」

「それで、具体的にどんな料理を作るつもりなんだ?」

「そうですねぇ」

俺が問いかけると少し考え込むアエル。

 

「私としては、軽く食べられる物が良いですね。あとは、欲を言えばデザートのような、女性に人気の出る料理が良いですね」

「成程」

 

しばし思考をめぐらせてみる。……が、如何せん俺は男でこんな歳だ。菓子や女が好きそうな物とはてんで縁の無い存在だ。

「どう?スネークは良いアイデア出た?」

「いや。俺は特にない。逆にエルゼ、君はどうだ?」

「私もさっぱり。リンゼは?」

「ううん。私もダメ。パッとは思いつかないなぁ」

 

どうやら俺達3人、良いアイデアは出ないようだ。どうしたものか。と少し考えた後。

「……少し仲間に聞いてみるか」

「「「「え?」」」」

俺の言葉に4人が首をかしげる中。俺はiDROIDを取り出し、通信をマザーベースと繋げた。更に会話内容をiDROIDのスピーカーを通して周囲に伝える。

 

「こちらスネーク、聞こえるか」

『はい。こちらマザーベース、聞こえますよボス。どうされましたか?』

 

「えっ!?何これっ!?」

「小さな箱から人の声がっ!?」

突然の事にミカとアエルが驚いている。その隣で呆然としているエルゼとリンゼ。

 

俺はそんな4人に対し、口元に人差し指を当てた。まぁ、静かにしていろと言う事だ。少し慌てた様子でミカとアエルが口を塞ぐ。

 

「すまないがちょっとお前達の知識を借りたくてな」

『ハァ、俺達のですか?』

「そうだ。部隊の中で、誰か菓子作りに精通している奴は居ないか?ちょっとそう言った所で相談を受けてな」

『了解ボス。確か、菓子作りが趣味の奴が居たので今連れてきます。少しお待ちを』

「あぁ、頼む」

 

そう言うと、スピーカーから人が離れていく音が響いた。

「あ、あの。スネークさん。今のはは一体?」

戸惑いながらも興味ありげにiDROIDを見つめるリンゼ。

 

「こいつには遠く離れ場所に居る仲間と会話するための機能がある。それを使っただけの事だ」

「ホントスネークっていろんなの持ってるわよね~。それ、どこで作ったの?」

「悪いがそれは企業秘密だ」

エルゼの言葉に俺はそう返す。まぁ、これについてあれこれを語ったとしても、大半は彼女達が理解出来ない単語の羅列になるだろうからな。

 

すると……。

『お待たせしましたボス』

「あぁ。悪いな。それで相談の事だが」

『はい。ここに来るまでに聞きました。菓子作りに関係しているとか?』

「そうだ。実は町の喫茶店を経営している女性から新しい商品についてアドバイスが欲しいと言われてな。条件としては、軽く食べられる物。更にデザートのような女性に人気が出そうな物が良いそうだ。何かあるか?」

 

『女性に受けが良い、デザートのような、軽く食べられる物。ですが、ちょっと待って下さい。今そちらの状況とかを調べた上で良さそうなのをリストアップしてきます。リストアップが終わったら連絡しますので』

「分かった。通信終了」

 

やがてしばらくして。

『ブブブッ』

iDROIDが小さく振動した。それに気づいて通信に答える。

 

「こちらスネーク。どうだ。良いのは見つかったか?」

『はい。そちらで用意出来る物で調理可能な物を見つけました。ただ……』

「ん?ただ、どうした?」

『こちらから調理器具を持っていきたいのですが、ボスにゲートを開いて貰っても構いませんか?』

「まさかお前がこちらに来て直接教えるのか?」

『はい。その方が早いかと』

「分かった。すぐにゲートを開く。一旦通信を切るぞ」

『了解です』

 

 

正直、彼女達にゲートの展開機能を見せるのは一瞬迷った。だが考えた。これを奪った所で大体の人間は操作方法が分からないだろう。しかも文字は全て、この世界の人間からすれば異世界の言葉だ。

 

なので、俺はiDROIDを使ってゲートを開くことにした。システムを起動し、左上のアンテナのようなパーツを前方に向ける。

 

するとそこから一筋の光が走り、俺から数メートル前方でワームホール型のゲートが開いた。それに4人が愕然としている中、ゲートの中から現れたのは、いくつかの荷物を抱えた、軍服姿の白人女性だった。

 

彼女はダイヤモンドドッグズの創設初期から医療班で活躍していた部下だ。ちなみに、ダイヤモンドドッグズ創設に当ってMSF時代に存在した給糧班は医療班に統合されている。部下の食は士気や体調に関わるからだ。

 

「お待たせしましたっ、ボスっ」

彼女、『マリー』は開いている手で敬礼をする。

「よく来てくれた」

そう言って俺が彼女を出迎える傍らで、エルゼ達4人が愕然としていた。

 

「あっ、ボス。彼女達は?」

「あぁ。紹介しよう。俺の右から冒険者仲間のエルゼ・シルエスカ。エルゼの双子の妹、リンゼ・シルエスカ。この宿、銀月の従業員であるミカ。街でパレントと言う喫茶店を経営しているアエルだ」

 

「はじめまして。ダイヤモンドドッグズ、医療班所属、マリーと言います」

そう言って開いている右手でビシッと敬礼をするマリー。

 

しかし、肝心の4人は今も呆然としたままだ。

 

「あ、えっと?」

「気にするな。全員呆けているだけだ。おいっ、大丈夫か?」

そう言って俺が声を掛けると全員やっと我に返った。

 

「アエル」

「は、はいっ!」

「俺の部下のマリーだ。趣味が菓子作りらしいし、こうしていくつか調理器具や材料を持ってきて貰った。彼女から料理を教えて貰ってくれ」

「わ、分かりましたっ!」

 

その後、アエルはマリーから料理を教えて貰っていた。俺の方は、料理など大して出来ないので適当にくつろいでいた。

 

そんなとき。

「ホント、スネークってどういう人なの?魔法の適性に不思議な道具に武器。色々不思議すぎ」

「……ただ少し、戦場で長く生き延びてきただけの老人。そんな所だ」

俺はエルゼにそう言って、ミカが出してくれた茶に口を付ける。

 

しかしエルゼと彼女の傍に居たリンゼは、どういうこと?と言わんばかりだ。まぁ、今は彼女達に俺の素性を話すつもりは無い。

 

「お待たせしました、ボス」

すると、そこにマリーとアエルが来た。彼女達の手にある皿には、棒状の菓子が置かれていた。

 

「これは?星形のパン、ですか?」

「いいえ。これは『チュロス』って言う菓子よ」

首をかしげるリンゼにマリーが答えた。

「まぁ実際には揚げパンに近いんだけどね」

そう言って彼女はチュロスの乗った皿を俺達の前に置いていく。

 

「なんで星形なの?」

「それは爆発防止のためよ。丸くした状態で揚げると、生地が膨張して爆発したりするの。そうすると高温の油が飛び散ったりして危険だからよ」

「「「へ~~~」」」

と、マリーの説明にミカやエルゼ、リンゼ達が頷く。

 

「ボスも良ければどうぞ。砂糖を振りかけてあるので少し甘いかもしれませんが」

「あぁ、ありがとう。頂くとしよう」

俺は出されたチュロスを1本手に取り食した。

 

「ふむ。俺個人で言えば悪くはない。他の3人の反応は……」

ふとエルゼ達の方に視線を向けたが、エルゼとリンゼ、ミカの3人は美味しそうにチュロスを頬張っていた。この分なら採用だろうな。

 

と考えていると……。

「ボス」

「ん?何だ?」

「少しお話しがあるのですが、よろしいですか?」

「……分かった」

 

わざわざ話がある、と言うのだからエルゼ達に聞かれる訳にも行かないだろう。俺は席を立ち、彼女達から離れた所でマリーと話しをした。

 

「それで、話というのは?」

「はい。実は先ほど、アエルから『パレントで働いてくれないか?』と誘いがありました」

「ほう。理由はやはりその知識と腕か?」

「はい。加えて私が持ってきた調理器具や調味料にも興味を持っていましたから、私経由でそれらを得たい、と言う欲求もあるようです」

「ふむ。……アエルは労働報酬について何か言っていたか?」

「はい。私の賃金と、調味料や食材を提供してくれる場合、個別に相応の報酬を出すと言ってくれています」

 

その言葉を聞き、俺は少しだけ考えた。……そして。

 

「よし。ならばマリー。お前はこれからパレントに出向という形で彼女の店を手伝ってやれ。加えてお前がパレントとマザーベースの仲介役となって物資をパレントに卸す。また、お前はダイヤモンドドッグズの兵士だ。なので緊急時にはアエルや店を守るように」

「それについては了解しましたが、護衛は必要でしょうか?」

「一応は、な。お前がこの世界にとっては未知の道具や食材を卸せば、それは商品として売られ人々の注目を集めるだろう。そうなった時、秘密を探ろうと企業スパイのような者が送り込まれる可能性や、実力でレシピを奪いに来る輩もいるかもしれん。そう言った連中から彼女や店を守ってやれ」

「分かりましたボスッ、任務を拝命しますっ」

 

こうして、以降マリーはアエルのパレントで働く事になった。

 

ちなみにパレントで売り出したチュロスは瞬く間に大ヒット商品になったようだった。

 

また、マリーがパレントで働く事が決まった後にiDROIDを確認すると、少しだけ医療班のレベルが上がっていた。……人の繋がりがどうのと言って居たが、まさかアエルと出会い色々協力したからか?実際にそうとしか言えないが……。しかしおかげで、どうすればマザーベースの強化に繋がるかも分かった。

 

 

 

あれから数日が経ったある日。俺達はギルドで依頼を吟味していた。興味を引いたのは、メガスライムという魔物の討伐依頼だ。スライムに関しては日本の少年だった前世で学習済みだ。問題は奴らに俺の持つ銃の弾が通用するのか、だ。検証も兼ねて討伐に行きたかったのだが、他の2人に断固拒否されてしまった。……どうやらスライムは服を溶かしてくるそうだ。……これでは女性に嫌われても当然か。結局他の依頼を探す事にしたのだが……。

「ふむ。これなどはどうだ?」

 

俺が見つけたそれは手紙の配達依頼だった。依頼主はこの前俺が知り合ったザナック。交通費は支給され、報酬は銀貨7枚だった。

 

「王都への配達以来ねぇ」

「何だ?距離があるのか?」

「はい。王都までは馬車を使っても5日はかかりますね」

少し乗り気ではないエルゼに問いかけてみると、リンゼが答えてくれたが。5日か。俺ならばマザーベースより四輪駆動車の『ZaAZ-SB4/4W』くらい投下可能だが、この世界で車は悪目立ちするだろうから、まだその時ではないだろう。精々非常時に使うくらいか。

 

「どうする?幸い俺は依頼人と顔見知りだ。特に問題のある人間ではないが?」

「あっ、そうなの?じゃあ良いわ。どうせ他に良い依頼は無いし。リンゼも良いでしょ?」

「うん。私は大丈夫」

 

と言う事で、俺達はこの配達依頼を受ける事になった。

 

その後、俺はザナックの元へと行き手紙を受け取った。依頼は王都に居るソードレック子爵へ手紙を渡し、返事を貰ってきて欲しいとの事だ。急かしはしないが、出来るだけ早く持って帰って欲しいそうだ。

 

その後、馬車を駆り、移動中の食料などを調達したりした後、俺達3人はレンタルした馬車に乗り早速王都に向けて出発した。

 

その道中で、いくつもの出会いがある事を。その時に俺には知る由も無かった。

 

     第3話 END




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