ワリとクズな主人公が行く! 異世界洗脳!! 作:名無しのクズ
頑丈な身体にしたい……というか治癒魔術か回復魔術が欲しい
追記:アレェッ?! サブタイちゃんと入れたのに……
「他に
「ねえな。……ああでも、ん~。なんか良い感じの依頼とかってある?」
「強い敵と戦えるかってこと?」
「そ。金よりもやりごたえ」
「それだとにゃいよ。王都だし」
「それもそっか」
強いモンスターのほとんど出ない王都近郊。
ここでそういう都合の良い依頼はない。
受けるなら別の街で、だ。
どうすっかな~~。
北か西か南か。
まあしばらく適当にこの街で過ごすつもりではあるけど。
……てかすぐどっかに行くって選択肢出たのは驚きだ。
前は適当に理由つけてこの街にいようとしたろうに。
「な~んか楽しいことねーかな」
「前みたいに他の人と関わったりしたら良いんじゃにゃいかにゃ? 楽しそうだったし」
「そう?」
「他はモンスターのことについて勉強するとか」
「あ~……たしかにそういう手もあるか」
ちょくちょく勉強はしてっし文字とか単語とか覚える程度にはやってるけど、ガッツリやったことってほとんどねーな。
やってみるのも良いかもしれん。
「新しい他人と関わりたいにゃら
「面白そうな奴が良いで~す。攻撃的じゃなければ多少性格に難があっても大丈夫」
「そういうのが望み?」
「え、別にそういうワケじゃないけど……ただ普通に余程のクソじゃなきゃ誰でも受け入れられるってだけ」
「えーっと、パーティ募集中の人……あったあった。今は三人だね」
「ほう」
三人っていうのは多いのか、それとも少ないのか。
多分……多い方だろう。
募集でパーティを集めることは少ないはずだ。
「クリシュ
「詳細は? ついでに今この場所にいる?」
「クリシュ
「パーティ探す気あるのかね……」
「サマラはサマラ・スプライト。
「
「イヴォンヌ。未分類種族、得意武器は弓、魔術は得意じゃにゃい。本人はあそこにいる」
「ほうほう。……じゃあちょっくら話聞いて来るわ」
指示された方向にいたのは一人の小柄な少女。
常磐色の髪に紅色の瞳。
目元から頬にかけて刻まれた刺青のような模様。
それはマユゲやヘルベルト――
「パーティを募集してるって聞いたんだけど。――ああ、俺はヒイラギ、一般開拓兵だ」
「聞いただろうけどイヴォンヌ、見習い開拓兵」
「区分は気にせず普段通りの口調で良い。で、本題だけどイヴォンヌは開拓兵になって何がしたい?」
「個人的なことに踏み込んでくるの? キモ……」
「違う……。互いの目的が大まかな方向すら一致してなかったら一緒に行動できないだろうって話」
久々にドストレートな罵倒を喰らった。
仲良くできるかな、これ。
「とりあえず俺は世界を見尽くすってのが目標ね」
「山脈の外にあるらしい亡国の遺跡を見たい」
「亡国の遺跡? そんなのあるんだ……それってアウグストゥス?」
「そう。昔……お兄ちゃんがそういう話をしてた。それで興味を持った」
「なるほど。他に見たいモノとかは?」
「ない」
「そうか。まあ別に良いか」
「……遊びのつもりならウザいから消えろ」
苛立ちを隠すことなくそう返してきたイヴォンヌはそのまま立ち去って行く。
え……何今の。
そんなに変なこと言った?
キレやすい?
いや、俺に何か悪い所があった?
とりあえず目的を言いはしたけど本当の目的は別にあってストレスの限界になったとか……。
俺が軽薄だったとか。
要領を得ない話をし過ぎた?
確かに話しているようで話してなかったかもしれない。
問題は色々あった。
今こうして思い返せば自覚できる程度には相手を見習いだと軽視していたし。
ヘラヘラし過ぎた自覚もある。
そういうのが許されるのは仲の良い相手、少なくとも真面目にやっている人間相手にそれをしたら確かに相手にとってはストレスでしかない。
一切本題もなかった。
俺もそう言う奴は嫌いなのに同じことをやってしまった。
俺は用件を話しているようで一切用件を話していない人間が大嫌いである。
恐らく本人としては用件を話しているつもりなのだろう。
けどその内容が酷く曖昧なうえ、場合によっては用件と本心が酷く矛盾し破綻しているのだ。
俺も似たような状態だった。
ただ軽薄に話すだけで彼女が欲している言葉。
パーティを組むにあたっての本題を全く話していなかった。
彼女にとってはただの時間の無駄。
得るモノが一切ない。
それではナンパと変わらない。
「辛いな……」
勘違い、だろうな。
多少強くなったからと自分が優れたなんでもできる人間だと勘違いをしていた。
愚かにもほどがある。
世界が変わったからって自動的に受け入れてもらえるワケじゃない。
強ければそれでいいワケでなければそもそも俺は強くない。
努力をしなければ何も変わらない。
人と接する努力をしなければ。
運がいい程度で強くなったと勘違いしたか?
クアークにキスされて思い上がったか?
ちょっと功績を立てただけで自分の実力でもないのに傲慢になったか?
友好関係が広がった程度で受け入れて貰えていると思い込んだか?
全部真実だ。
俺は俺を美化しすぎて、俺に酔っていた。
だからだろう。
マユゲに告白をしたのは。
気持ちを伝えれば受け入れてもらえると思ったのだろう。
そして振られたのが俺が優れた存在ではない証明だ。
「訓練しよ……」
今この事実をすべて受け入れられる気がしなかった。
だから逃げるように訓練場へ向かう足を一切止めない。
逃げを自覚しながらも訓練場へ。
「あ……」
同じく訓練場に来ていたイヴォンヌと目が合った。
気まずくすぐ眼を逸らした。
立ち去る?
露骨すぎる。
それに逃げのためにここに来たんだし……。
視界に入れないように眼を逸らし、構える。
的に意識を向け、指輪から大量のナイフを生みだして固定魔術で軌道を設定。
レールの上を滑らせるようにナイフを投げ放つ。
そうすると自分の身体の動かし方によって力の有無がハッキリわかる。指先にかかる無駄な力による強い抵抗。
固定魔術で軌道を設定し、必要なベクトルを受け入れて余分なベクトルは反発することで適切な力の加え方というモノがよくわかる。
そしてその動かし方を身体に憶えさせて身体の感覚を頼りに再現する。
【洗脳】による補助は使わない。
それを使えば依存する。
それを使えば成長させられる場所が成長させられない。
だったら少しでも早く成長するために自力でやる。
幸いこれまでの経験でなんとなく自分の身体の動かし方というモノは掴めてきた。
あとは経験したことのない
こっから滑らせるように……。
投げるが途中で地面に落ちてしまう。
力が足りな過ぎだ。
ああ、そうか。
さっきは始点と終点を定めてたから重力の影響を受けず上方向の力が要らなかった。
そのおかげでどんな速度でも届いていたけど動作を丁寧にしようとするあまりナイフの速度が遅すぎてる。
だからやるべきは……縦横の二次元固定を解除して横の一次元固定に縛りを外すこと。
縛りが少なければその操作は俺の投擲技術に対する依存が強くなる。
さっきまでは力の無駄を自覚するための訓練。
今からやるのは縦、上下の操作と奥行き、速度の調節。
運動音痴――運動音痴というのはつくづく面倒だ。
経験の少なさゆえに上達を知らない。
投擲など普段やらないから操作が全然できない。
上にズレすぎる。
もっと鋭く。
真っ直ぐ。
ヘルベルトの見せてくれた矢みたいに。
お互いに会話するため少しの理解が必要な相手とはちょっと話し辛いですよね
ちゃんと話してみれば意外と話せるけどそれをするための第一歩が中々手ごわいという
ヒイラギは真面目過ぎて痛い目を見た過去があるため絵に描いたような軽薄を顔に張り付ける時があります
生来の真面目を経験が軽薄で上書きしている感じですね
三つ子の魂百まで、幼少期の性格というのはどれだけ成長しても変わらないモノ
変えられたと思っても根本のどこかに残るモノ
完結まで描けるか最近は心底不安ですが頑張って生き延びながら頑張って書きたいところです
成長や変化を描いて、ヒイラギを多少面倒ではありつつも魅力のある一人の人間として表現できればなぁ、と