ワリとクズな主人公が行く! 異世界洗脳!! 作:名無しのクズ
変更というより修正でしょうか
元々はアヴァムギーヴ石樹林という地域名を翻訳したモノをタイトルにする予定だったのですが、想定外の外出を強いられ「あれ? アヴァムギーヴのアルファベット正気なんだっけ? たしかAvamとGuivだよな……あれ? 自信がなくなってきた」となったのでとりあえず石樹林として表記しました
内容に変更はないので許して
そっと静かに跳び、緩やかに飛び立つ。
音もなくマーリンは高く上がり、高所から滑るように向かう先にはゲジゲジが一体。
翼を大きく広げてゲジゲジの真上へと移動し、宙で身体を回転させて勢いよく落下する。
バサッ、と大きく上へ持ち上げられた翼は魔を掴み、重力以上の加速を生んで地中貫通爆弾のように敵の背に鋭い鉤爪を突き刺し地面ごとその背を破壊した。
「一撃……マジかぁぁぁ」
潰れた背。
砕け、散った硬殻は霧散する。
それは衝撃と相まって爆発のようで、威力の高さが窺い知れる。
「ま、こんなモンダナ。流石に相性が良すぎるけどヨ」
「相性とか抜いても威力がたけぇよ」
翼ありきとはいえ落下で殺すってエグイわ。
威力に脚力関わってないのにアレって……怖っ。
「それよりお前、武器は良いのか?」
「あ、そうだよッ! 武器!! 俺が初めて自腹で買った武器がァッッ!!」
「ギャハハハハッ!」
「その反応……マーリンお前知ってたな!?」
「おうっ! なんせ今の石多脚虫の異名が“
「おしえろよ……」
バラバラに砕けた剣身。
見せつけるように噛み砕いてきたゲジゲジもとい石多脚虫への恨みが中で肥大する。
もし感情を魔術として発現させる固有能力を俺が持っていたら俺は今烈火に包まれていることだろうことは確実だ。
「その方が面白れぇダロ」
「俺は面白くねぇッ!」
「ギャハハッ!」
チクショー!
やっぱコイツは悪戯小僧だ!
俺コイツちょっとキライ!
知っていたのなら一時的なモノとはいえ仲間として教えるのが普通だろうと思う一方で、それ以上に自分が情報収集を怠ったからだという考えや
だが理屈を抜きにして、
「あ~、お前良いナ」
「良くねぇッ」
「俺的には良いゼ」
「チキショー、性格悪いぜクソがッ」
「自覚してるし言われ慣れてるからナ、平気ダ」
「お前も同じ目に遭っちまえっ」
「それはアイツが飛ばない限り無理ダナ」
「魔術で飛ばすぞおらぁっ」
「飛行って観点デ有翼種に勝てると思ってんノカ?」
「……くそぉっ」
淡々と正論で返してきやがって……。
飛べよっ、クソ虫!
「ほら、次行くぞ」
「……この苛立ちは虫にぶつけるッ!」
だが確かに
値段も見習いで買える程度。
現時点で使うには頼りないだろう。
それが事実だ。
遅かれ早かれ壊れていた。
本気で怒るのは間違い。
が、やはり愛着はあったから壊れて残念という気持ちはある。
使えないなら使えないなりに指輪に収納して保管して、引退後に思い出に浸ったりと使い道はあった。
通用しないという事実を突きつけるだけに止めておいて欲しかったものである。
……けどなぁ、俺の性格的に通じないのは相手が悪かったからってしばらく使った挙句壊しただろうからなぁ。
結果は変わらん……。
スマン、ポーラッ、壊しちった。
そもそもポーラが造ったものかすらわからないがとりあえず謝りつつ破片を全て回収し、あまり触れたくはないが石多脚虫の魔石や硬殻や脚を回収して次の標的を探す。
見つけた石多脚虫を狩り、また探し、それを体感一時間ほど続け。
マーリンが近くにいることを隠すせいで背後から襲い掛かってくる石多脚虫に気づかず襲われかけたり、単純にミスをやらかしたり、少し屈めば下に入り込めるからと下に回避した結果その裏面を見てしまったりと度重なる
「人型って……良いな」
「お、おウ……頭、大丈夫カ?」
「今はそこらのオッサンですらカッコよく見えるよ。……実際歴戦の人はカッコいいんだけどさ」
「酔ってるのカお前!? 道を踏み外す前に正気に戻レッ!? ホラ、女でも見てロ!」
「あ~、カッケーなぁ……女の人の腹筋って良いよな。健康的で」
「……」
「撫でまわしたいっていうか、頬擦りしたいっていうか。健康的でよろしい。とてもヨロシイ」
「おい、ホント、大丈夫か? 頭」
流石にやりすぎじゃね、って感じの身体は怖いけど。
というか俺の好みは“鍛えた”身体じゃなくて“鍛えられた”身体だし。
「マーリンはどうなんだよッ! 女の腹筋は嫌いか!?」
「嫌いじゃねえケド。てか今そういう話なのカ?」
「そーゆー話だろォが」
「……まずお前から言えヨ」
「俺ぇ? 俺は……まず性格だな。とりあえずやたら攻撃的というか、理不尽な性格は嫌いだ。冷静なのでも元気なのでも粗雑なのでもワリと広くイケる。見た目もよほど不快感のある見た目してなかったら平気だ」
「不快感のある見た目? 虫か?」
「おい……なんの嫌がらせだ。思い出すからヤメロ」
「ギャハハハハッ!!」
チクショー、お前なんかキライだ!
「顔に傷があろうが何してようが基本は平気だがよ、不摂生で太ってたるんだ頬とか顎とかさ、出来もの出来た顔とかは流石に嫌じゃん?」
「あ~、ワカルゼ。何事にモ自堕落なんだろうナって感じがスルよナ。特にこの仕事やってからそう思うようになっタゼ」
「そうそう。病気で、とかならともかく普通の身体でそういうのは身体が資本な
「病気? ……あ~、魔石病とかカ?」
「なんぞそれ?」
魔石病……聞いたことないな。
でも名前からして魔石……魔石?
の病気?
ダメだ、想像できん。
魔道具の使い過ぎで体内の回路が壊れるとか?
「簡単に言えば全身に体内の魔力が析出しテボロボロになる病気ダ」
「え……マジか。原因は?」
「詳しいことは知らンガ個人の問題らしイナ。感染とかはないラシイゾ」
「それは大変そうだな……治療法は?」
「ないらしいナ。できた魔石を切り取って皮膚を治癒することでなんとかするっテヨ」
「対症療法か……」
見たことないからイマイチ感情が湧かない。
テレビで見る子どもの貧困のように、本心から同情も何もできない。
同情は何の力にもならないし、俺が同行できる話でもないだろう。
そんな簡単にできたら問題になっていないという話だ。
「あ~、ヤメヤメ。こういう話は考えても無意味。んでなんだっけ? 好みのタイプ? ……なんでそんな話してるんだ、俺?」
「お前が始めた話ダロ……ようやく正気に戻ったカ」
「まあ別に隠すような話じゃないから話すけどさ。……そうだな……種族年齢的に年取ってるのはちょっと嫌だな、もし引退後老いて死ぬとしたら一緒に死にたいじゃん? 同じような理由で若すぎるのも嫌」
「確かにナ。ちょっとの差ならともかく寿命の何十年も前に死なれるのは愛してるって仮定の上ダト嫌ダナ」
「つっても、実際好きになっちまったらそういう理屈とか関係ないんだろうけどさ」
マユゲは
普通に考えたら俺の方が圧倒的に早く死んで、マユゲはずっと俺のいない世界を生きるもんなぁ……。
死んであっさり忘れられたいワケじゃないけど。
だからって何百年も引きずられたくはない。
そりゃずっと想っててくれるのは嬉しいが。
それ以上に何よりも、俺のせいで愛する人が傷つき続けるのだとしたら早いところ割り切って貰った方が……でもやっぱ忘れられたくはないしなぁ……。
なんとも複雑なものだ。
どれも偽りはなく。
けれど両立できるモノではない。
だがやはり、その瞬間が来るまで答えを出せる気はしない。
その瞬間が来ても答えを出せる気がしない。
「お前……話すのヘッタクソだナ」
「うっ……」
「話題を根本から否定してんジャねぇヨ」
「すまん」
「まぁいい。で、なんだったカ、俺の好みか……髪が長くて俺より背が高い女」
「わかりやすいな」
「強ければなおよシ」
「てかマーリンより背が高い女ってそうそういない――居たわ」
その間コンマ三秒。
フラグ回収が早くて良いですね。
「……外れててほしいと思う反面経験則といウカこれまでの流れ的にコイツだろうナ、って女が一人いる。今から特徴言うから合ってるか教えてくれ」
「お、おう?」
えっと?
「背は俺よりも一〇センチ高いくらイ。見た目は普人種の二〇代前半。髪は長くて背に付ク。髪色は青と紫で大量に外ハネしテル。武器を持ってるなら多分デカい槍が二本」
「正解……知り合い?」
マーリンの言うようにギルドに入ってきたその女は身長が大体一九〇と少し、見た目は大人びつつも若さがハッキリとしていて凛々しい表情、髪は毛先が腰に当たるほど長く色は青が六で紫が四ほどのメッシュになっていて全体的に外ハネしていて、二本の短槍が見える。
結構綺麗だけど苦手なのか?
美人にトラウマがあるとかそういう?
もしくは元カノとか?
歳同じくらいだしな。
反応的に二人が知り合いなのは間違いない。
一体どんな関係なのだろうと思いつつ眺めているとその女の人に視線を気づかれ、視線が交わる。
そういえば見すぎると視線を感じるんだったと思い出しながら同様交じりに会釈をした。
彼女からすればワケがわからないのは当然。
戸惑いの雰囲気を発した彼女はふと視線を俺の横へ、マーリンへ向け――露骨に嫌そうな表情に切り替わった。
「おいおい、よほど恨み買ってるみたいだな」
「……うるセぇ、俺も後悔してンダヨ」
嫌なら離れればいいはずなのに、彼女は何故か近づいて来る。
ゲジゲジこと石多脚虫の異名“
牙を意味する
病気は人体に影響を与えるモノ以外にも特定の金属に作用する系のもいたりします
それに関してはモンスター云々関係なく、単純にこの世界で魔という環境の下独自の進化を遂げた菌や細菌やウイルスです
本編に絡むかは……未定な気がします
絡める可能性はあっても名称を出すかどうか……そんなトコロ