ワリとクズな主人公が行く! 異世界洗脳!!   作:名無しのクズ

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キャラの名前考えるの難しい
特に異世界側のキャラ
変な意味だったらどうしようって調べるけど中々意味とか語源とかが出てこなくて、出てきてもそれが正しいのかわからないっていう……


第二六話 得たモノは多く

「や~、色々話聞けて良かったっす。お疲れさまでした~」

「おう、さっき言ってた件、こっちとしては構わねーからな」

「了解です」

 

 報酬は銅貨二〇枚ほどと正直俺としては物足りないが。

 これで下準備は整った。

 銅貨二〇枚あればその日暮らしは出来るし、ほんの少しではあるけれど貯蓄も出来る。

 女たちは現状共同生活をやってるからしばらくそのまま続けてたら多少体調を悪化させても周囲で助け合えるから問題ない。

 

「今日で六日目……やろうと思えばちゃんと一週間で全員分の暮らしは保証できるもんなんだなぁ……」

 

 明日でちょうど一週間。

 初期の金が尽きるとされていた期間だ。

 けれど真面目に働けばちゃんと暮らせるようにはなった。

 あとはあいつら次第。

 流石にそこまでやってやるつもりも義理もない。

 

「長かったような、短かったような……これまでになく濃度の高い一週間だったな。まだ終わってないけど」

 

 幼少期でもこんなに長い一週間は過ごしていない。

 ジャネーの法則はどこに行った。

 

「あ~、気が楽になった」

 

 心なしか晴れ晴れしてる。

 実際雲ひとつない晴天だし。

 

「これからどうすっかな~」

 

 いつまでもベアトリクスに世話になるってのもダメだ。

 依存してしまう可能性があるし養殖の強さは自分を苦しめる。

 ちゃんと自分で強くならないと。

 そろそろマトモにモンスターと戦う必要もあるかもしれない。

 せっかく霜村たちの件が片付いたんだからそろそろ自分の方もちゃんとしないと。

 

「ま、人生長いんだし適当に生きてりゃなるようになるか」

 

 異世界に来たからって少し焦りすぎな気がしてきた。

 もう少しのんびりするのもいいかもしれない。

 まあのんびりっていってもすぐ終わりそうだけど。

 

 現状、この世界には国はただ一つ『ルートヴィヒ』だけだ。

 昔は他にも国があったらしい。

 名前はたしか『アウグストゥス』だったか。

 他にもあったはずだけど他は忘れた。

 ともかく色々あった国が龍害で一度滅んで、ルートヴィヒができて~っていう流れだから人間の住んでる領域がかなり限られてる。

 だからこその開拓(・・)兵。

 龍の侵攻によって縮小した人間領域を拡張(かいたく)する。

 旅をしてこの世界を見て回りたいと思うが、現状ではロクに見れる場所がない。

 北・東・西は龍壁山脈と呼ばれる巨大な山に囲まれていて、南にあるのは広大な海。

 海には凶悪なモンスターがいるとされていて長距離航海は難しいし、そもそも海路は一切通じていない。

 現存する国家がルートヴィヒだけだから当然と言えば当然。

 見て回ろうと思えば簡単に観光し尽くせそうなこの状況、外を目指すほかない。

 

「っあ~! 楽しみだなぁ!」

 

 噂によると空に浮かぶ大陸を見たという人間がいる。

 流石に人間は住んでいないだろうけど楽しみだ。

 一体どんな原理で浮かんでいるのか、そこからの景色はどんなものなのか。

 

「それに龍は滅んだワケじゃない。もしかしたら会えるかもしれないし……ワクワクしてきたぜ」

 

 流石に今の俺じゃ手も足も出ないだろうけど、それでも一生に一度くらいは一目見たい。

 欲をいえばじっくり見たい。

 もっといえば仲良くしたい。

 多分モンスターとは違う枠の生物だろうから。

 

「色々考えてたらあいつらのことで悩んでたストレスもどっか行ったし~、今なら人に優しくできる気がする~」

 

 自由って良いなぁ。

 もうここまですりゃ罪悪感なしで自由に生きられる。

 ここまでしてこれ以上を求められたらもうそれはただのがめつい奴だ。

 もう何もしなくて良し。

 俺は薄情じゃない。

 自己肯定ヨシ!

 

 

 

「お~っす、やってる?」

「何そのお店に入る時みたいなノリ」

「今日は優しいオニーサンが良いお話を持ってきましたよ、と」

 

 これまで俺がロクに話をしていなかったからだろう、俺がそういうと目に見えて周囲の動きが変わる。

 明らかに俺の話に意識を向けている。

 特に愛那や前宿に来た時に一緒にいた四人が強く警戒した。

 恐らく、というかほぼ確実にアホ陽キャと俺を同一視している。

 十中八九売春か、もしくはそういう系のヤバい話を持ってきたと思われているに違いない。

 実際俺も愛奈たちの立場ならそうするから別に腹は立たない。

 むしろここで警戒してくれないと警戒心が薄すぎるのが心配になって余計な世話まで焼きそうだから警戒してくれて安心だ。

 

「なんの……話?」

「ん~? 普通に街の清掃業。いやぁ、苦労したよ? 普通に街の人に働き口聞いても警戒して教えてくれないから外堀埋める形で関係ない部分から信用築いてさ? そっから人種経歴とか関係なく雇ってくれる仕事の候補聞いてさ、そっから更に精神的に楽かとか一般人の身体能力でも可能かとか見極めるために自分で試しにやってみて~って色々やったからさ」

「……」

「俺からのアドバイス。旧下水道の掃除は止めといた方が良いぜぇ、クッセエからな」

 

 そう言って俺はわざとらしく笑って見せる。

 こうでもしないとマジに受け止められかねない。

 俺がこいつらに理解させたいのは仕事を見つけるのは大変だってことだけで別に寝てない自慢みたいな苦労自慢をするつもりはないし。

 

「アンタ、訓練しながらそんなことしてたの?」

「うんにゃ? 流石に訓練の方が疎かになってたぞ? オメーは俺をなんだと思ってやがる。俺は完璧超人じゃねえっての」

「そうじゃなくて……アンタは関係ないじゃん。アンタはもう既に一人で生きていける力があったんだし」

「? 俺がお前らの計画を根っから否定して俺の考えを押し付けたんだし、面倒見るのは当然だろ?」

「だから……関係ないじゃん。なんで見捨てなかったの、って」

「見捨てられたかったのか?」

「そうじゃなくてッ」

 

 本気で何が言いたいのかわからない。

 流れ出仕方なくとはいえ頼られて俺がそれを承諾した以上これくらいは当然だと思うんだが?

 それとも何か違うことに関して言ってる?

 

「お前が今ここにいるのは俺がそう言ったからだろ? 来る来ないの選択肢はあったが元までたどれば俺が原因なワケだ。となると普通見るだろ、面倒」

「おかしいでしょ」

「なんで? 俺が原因でそうなったんだから。俺のケツは俺で拭くに決まってるだろ」

「……」

「?」

 

 もしかしてずっと自分の発言に責任を一切持たないクズ野郎だと思われてた感じ?

 確かに俺ってかなりチャランポランだけどさぁ、それくらいは流石にやらないと人としてヤバいでしょ。

 クズは自覚してるけど流石の俺でも無意味に引っ掻き回して死なせるようなゲスじゃないぞ。

 

「じゃあ……柊はずっと私たちのために動いてたってこと?」

「ずっとではないがやるってなってから毎日やってたな。つっても三日程度だけど」

「……ありがと」

「え? いや、なんでお礼?」

「だって私たちのことに巻き込んで、ロクにお礼だってできないし」

「いや、俺が首突っ込んだのって不快だったからだし。その不快を正すために俺が好きでやったワケだし? 俺の考え押し付けたのにお礼はねーだろ」

 

 まあ洗脳した奴がどの口で言うって話だけど。

 

「それでも! 私たちが助けられたのは事実だし!」

「あ、なら勝手に感謝してて。んで俺には言わないで、お礼なんて言われ慣れてないから気持ち悪い」

「キモッ!?」

 

 そこで終わるな、まるで俺が気持ち悪いみたいじゃねーか。

 事実だけど。

 事実だけども!

 

「あるだろ、自分の視点じゃ他人が明らかに間違ったことしてて、その間違いが許し難い、みたいな」

「ある……けど」

「要はそれだ。アホがアホなことしてたからそれを妨害したくなったしお前が馬鹿だったからその馬鹿を訂正したかっただけ、つまりは俺の精神衛生のため」

「ワケわかんない」

「わかって欲しいとも思ってねーから安心し腐れ」

 

 ロクにメリットもないのに自分の理性に抗えないこの優柔不断な性格が少し嫌だ。

 ……メリットはあったか。

 今の段階で色んな依頼に手を出そうと思ったからシャプルやエリナやオルロヴァに出会えたし、マユゲは向こうからの接触だったけどもしかしたら俺の行動次第じゃ出会わない未来だってあり得たかもしれない。

 だとしたら愛那と出会って、それを助けようと思ったのは俺の人生において重要な事だったかもしれない。

 

「だからお前は、お前らは何も気にしなくて良いんだよ。それでも気になるってんなら将来俺が困ったときに助けてくれりゃいいよ」

「柊……」

「それまで死なないでいてくれりゃ俺も助けた甲斐があったってモンだしな」

「わかった」

「働き口の詳しい情報はこの紙に書いたから。話も通してある」

「ホント、ありがとね」

 

 だからやめろというに。

 

「ありがとう、永井くん」

「ありがと」

「感謝してるよ、永井」

「ありがとうございます、永井くん」

「助けてくれて、感謝してる」

 

 ため息を吐きたい気分でいるといきなり様子を窺っていた奴らが一斉にこっちに来て好き勝手お礼を言い始めやがった。

 キミたちはなんだね?

 理解力がないのかね?

 

「恥ずかしいからマジやめろッ、ホント頼むからマジやめて」

「照れんなよ」

「照れるわ! 全力で照れるわ!」

 

 ん? あれ?

 気持ち悪いのに照れる?

 ……わからん。

 

「あ、ベアトリクス」

「よう」

「今までありがとうな。流石に依存するわけにもいかねーからこれからは自分の力で頑張るからさ」

「そうか、ならこれから頑張れよ」

 

 初日に出会って、今日までずっと教えてくれて、女子たちの面倒も見てくれた。

 ホント感謝しかない。

 

「女子の中にもこれから戦おうって子が出るだろうからさ、そん時はまた面倒見てやってくれねーか?」

「ああ、お前もいつでも頼って良いからな」

「そん時ゃありがたく胸を借りさせてもらうか」

 

 器がデケー。

 カッケー。

 俺もこんな感じで懐の広い男になるべきか?

 まあ懐は狭いよりかは広い方が良いよな。

 大は小を兼ねるっていうし。

 

「お前らも頑張れよ」

「うん……」

「なんだよその顔。前の世界じゃロクに関わりなくて一週間未満の付き合いなのにショボい顔顔すんなよ」

「べ、別にしてないし」

「今生の別れじゃあるまいし、会おうと思えばいつでも会えるんだからいちいち気にしてんじゃねーよ」

 

 まあ、別れを惜しんでもらえるってのはなんだかんだ言って嬉しい。

 今までそんなことなかったし。

 というか別れを惜しむってことは別れたくないってことだよな。

 てことは一緒にいたいってことか?

 ……まさか、な。

 好かれるようなことはしてないし別の理由だろ。

 保護者がいなくなって不安とかそういう。

 非モテ族の俺がそういう勘違いはダメだ。

 ベアトリクスに言われた言葉を忘れちゃいかん。

 俺はまだ根性も実力も全然。

 それに立派な精神性もない。

 こんな俺を好きになるなんてそんな奴はどんな物好きでもありえないに決まってる。




現状柊を好きな人は女子生徒はゼロです
薄情とかじゃないです
多分これが普通

確かに色々柊はやってるけど、女子生徒たちには真鍋(アホ陽キャ)たちのゲス取引を知っているので前提感情に『疑い』があるんですよね
だから柊が色々やっても精々が『あれ、意外とマトモかも』っていうマイナスが若干改善された程度
加えて言えばその『疑い』という下地があるから柊がどれだけ色々やったって言っても結局は柊の目論見通り『苦労自慢かよ』って呆れるんです

なので大多数の柊に対する好感度はゼロか若干プラス程度
そこそこ付き合いのある香月、愛那、辰壬、彩とあとは一応愛那が宿に来た時に一緒にいたメンツの好感度が若干高い程度っていう

大丈夫? コイツはワリクズだよ?


ちなみに女生徒は全員訓練に参加してます
初日は一部の人間だけでしたが、参加したメンバーが割と平気そうだったのと何もしてない罪悪感に耐えかねて逃げるような形で訓練に全員参加しました
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