ワリとクズな主人公が行く! 異世界洗脳!! 作:名無しのクズ
【お気に入り】も増えたし、ホント嬉しいです、モチベがある程度補充されました
「お~っす、おはよ~」
「おはようございます、永井くん」
「おはようございますヒイラギさんっ」
特にすることもないからと目覚めたのはいつもよりも遅く、大体八時前だった。
「俺も飯」
「は~いっ、ちょっと待っててくださいね」
他の客が食べ終えたモノを片付けていたエーベルヴァインに注文をすると静かな動作で素早く店の奥に向かっていった。
「……あの子と何かありました?」
「スゲェな、なんでわかったんだよ。つっても特別なことはなんもしてねーぞ、ただ単に厄介事に巻き込まれたのを助けただけだ」
「……充分特別な気がしますけど」
そうか?
開拓兵として依頼を受け続けたら何回も人助けくらいするだろうし、そのあたりは大体全部昨日清算したはずだから多少の感謝程度だろうよ。
「お待たせしましたっ、パンとスープですっ」
「おぉ、美味そうだな。……美味い、普段と比べたらちょっと違うが調味料でも変えたのか?」
「いえ……変えてないはずですけどぉ。……何か変でしたか?」
「あ~、なんて言えばいいんだろうな。美味いには美味いが平坦っていうか、アクセントがないんだよ。クレイオスのオッサン体調崩して味覚でもバグったか?」
なんというか、胡椒を入れ忘れたオムライスみたいだ。
好物だし美味しくもあるんだけど量を食おうとしたら途中で飽きる。
そんな感じがする。
「なるほど、変化ですかっ」
「お、おう」
流石に変だな。
香月に言われて
「……」
もしかして今日のスープってクレイオスのオッサンじゃなくてエーベルヴァインが作ったのか?
自覚しつつもハッキリとはわかってなかった改善点を教えて貰って喜んでるとか?
……ないない。
流石に考えすぎ。
「……」
想像に想像を重ねて当たった
俺に他人の心なんてわかるワケない。
「……」
「さっきからジッと見てくんのはなんなんですかねぇ?」
「酷いくらいに鈍感ですね」
「何がだ」
「明らかに永井くんを見る目が違いますよね」
あまりにも的外れな言葉。
思わずため息が出る。
「俺は鈍感じゃない」
「鈍感です」
「鈍感じゃない」
「鈍感です」
「……仮に俺が鈍感だとして、なら香月は少女漫画脳だな。アイツの俺を見る目がこれまでと違うのはわかってる、が、それは思慕ではなく憧憬だろぉが」
思慕も憧憬もどっちも向けられたことはないが少なくとも思慕はありえない。
少なくとも今の俺がその感情を向けられることはないだろう。
だから消去法で憧憬だ。
「そうですかね?」
「そうだろ。逆に聞くがよ、俺だぞ? クズでロクでなしの俺だろ? 試しにオメーが俺と付き合ったり結婚したりしてる姿想像してみろよ、絶対イヤだろ」
「え、ええ? というか付き合うのと結婚するのがほぼ同列ですか?」
「ほぼ同列っつーか付き合ったら結婚するだろ。一緒にいたいから付き合うわけだし、一緒にいたいから結婚する。一緒にいたいのにそうしない理由、あるか?」
「な、仲違いとかあるじゃないですか……」
「そりゃお互いに理解してないのに付き合ってるからだろ? ちょっと関わり合って、仲良くなって、時間をかけてお互いのことを理解して。そういう工程を経て付き合うモンだろ、普通。普通じゃねー俺が言うのもなんだけどさ」
まあ、ぶっちゃけこれは俺の恋愛経験のなさが原因かもしれないけど。
強く惹かれる、一目惚れをしたという経験がないから一瞬で仲を深めるっていうのがわからない。
外見だけで
確かに外見は人間の交流の中で重要な要素だ。
目を見てコイツは内心人を見下してるんだ、とか。
全体的な表情の雰囲気を感じて好感度は確かに決まる。
ハッキリ言って盲目の人間以外初対面の人間の印象は顔で決めると思う。
俺も顔はそこそこ見てるはずだ。
けれど誰かに裏切られるのは嫌だから初対面で深く踏み込みにくい。
多分マユゲに対しても少し壁がある。
「なんというか……少し意外です。クズでロクでなしとか言うのでDVとかを想像しましたけど恋愛観は意外と普通というか、現代には珍しく一途ですね」
「好きな女の子に暴力振るって何が楽しいんだよ? 俺は俺が好きで、相手も好きって相思相愛の関係を保ちたいんだよ、というか好きな子には幸せでいて欲しいだろ、泣かせてどうするよ。大体俺はいろんな女のことイチャイチャしたいだってのッ」
「あ、意外とアレな感じでした。一途な性格かと思えばそうじゃなくて結構変態寄りの思考っていうか……ワリとクズでした」
「人間何かしら、どこかしらに変態性を秘めている。俺はその変態性に素直なだけだ」
「自制心がない、の間違いでは?」
「自制はしてる。してなかったらもっとヤバい」
特に君とかヤバいよ?
俺が自制しないドクズだったら俺の毒牙に真っ先に掛かってたのは同室の君だからね?
……あ、でも今の俺から自制心を失くしても食指は動かないか。
だってニキビだし。
「そうだ、ニキビって今どんな感じ?」
「え……ちょっとおでこ見せるの恥ずかしいなぁ……」
「あぁ、もう、じれったいっ」
チラチラとこっちを見て額に手をかけては何もせずに離す香月。
なんとなく気になって仕方ない俺は額に手をかけて一気に髪を上げる。
「ひぇっ!?」
「かわッ!?」
カワ、イイッ!!
やば……カワ……。
素材が良かったのは確かだ。
この世界に来てすぐしばらく前髪を上げておくように命令した時にそう思った記憶はある。
けれどニキビひとつでこんなに変わるモンなのかという感想が強い。
ニキビっていうマイナス要素が大きすぎて全体がくすんでたが改めてこうして見ると普通に美少女だ。
目立つような美少女じゃないけどふとした瞬間にあれ? と思うようなくらいにはカワイイ。
「おっ、おおおおお、おう。カワイイと、思う。うん」
「動揺を隠しきれないくらい酷いんですか!?」
「いや、インパクトが凄かった。……改善して平凡ちょい上程度だと思ってたからニキビがなくなった影響でマイナス補正が一気に消えて……結構カワイイと思う」
「可愛い。……ぇへへ、そうですかね?」
照れんな!
カワイイから!
「てかニキビってそんなすぐ消えるモンなの? いや、元々この上なく酷かったってワケじゃないけどさ。潰したのか潰れたのか知らんがかさぶたとかもあったし」
「ニキビ自体は綺麗にしてたら意外とすぐに治りました。やっぱり現代のような食事をやめたら効果あるみたいですね。……あとそれと、能力のお陰でかさぶたは治りました」
「ああ、なるほどね。だからか」
ということはかさぶた以外は自然に治ったということだろうか。
まあ一週間あればニキビも改善できるか。
食事は食品添加物ないし。
空気は排気ガスがないから肌へのダメージも皆無。
ちゃんとしてたらそれは当然治る。
「あ、ひとつ面白いこと、というか凄いことがありまして。以前目が悪くて眼鏡をかけていた人たちが皆裸眼で過ごせるようになったんですよ!」
「え、マジ? それって香月の能力のお陰で?」
「あ、いえ。そうなったのはこの世界に来てすぐのことらしいです」
「えぇ……ワケワカメ」
異世界転移の副作用、というか恩恵みたいなモノなのだろうか。
二世界でそれぞれ免疫とかが違うはずなのにこっちに病気を持ち込まなかったしこっちの病気にかかることもそういえばなかった気がする。
若干身体が重かった気もするけど日のよって変わる誤差の範囲内だったし。
「まあレンズ交換できない以上良かったな」
「ですね」
異世界転移の副作用
それによって引き起った結果は様々ですが現状多くは明かせません
設定上のちょっとした謎もそこに関係してたりして本編でそのうち出すつもりだからです
まあその設定がストーリーに関わることはまずないです
現状作者の頭がその設定をストーリの核心に組み込むことができません
設定としては結構大事で、のちの展開にも関係するもののその設定でひと悶着ってのはちょっと話として無理があるので……