ワリとクズな主人公が行く! 異世界洗脳!!   作:名無しのクズ

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 評価で3がついて、ハーメルンじゃ5が『普通』の基準だからつまらないのかと落ち込んだけど評価されるだけマシと考え、頑張って自分を励ましました
 頑張ります


第三五話 名声と実績点

「あ、ヒイラギ、(はにゃし)は終わったの?」

「おお、盗賊退治のお礼だってさ。律儀だよなぁ」

「国を護る英雄に付き従った英雄の一族(・・・・・・・・・・・・・)だからにゃ、珍しいけどあの方らしいよね」

「よね、って。俺アデルのことよく知らんし」

 

 顔面偏差値がトップクラスに高くて、戦闘能力も半端なく高いってこと以外よくわからん。

 

「まあとりあえず報酬くれ、報酬」

「わかった。え~っと、受け取れる報酬は三つ……じゃにゃくて四つ」

「ん? 盗賊退治だけじゃねーの?」

 

 そんなに依頼達成したか?

 下水のヤツ?

 いや、あれは昨日の午前中に受け取ってるし……。

 ?

 

「まずヒイラギも自覚のある盗賊退治と盗賊の統領に掛かってた懸賞金」

「うん。むしろそれしか自覚ない」

「そしてその手柄でアデル様からも」

「……ま、貰えるなら貰っておくか」

 

 俺の帳簿で貸し一つってなったのにわざわざ金をくれるのか。

 まあ時間的に金は前提だったんだろう。

 

「王都近辺の森の調査の報酬」

「うえっ?! なんで?」

「盗賊たちのアジトが問題の地点の中心に近かくて、そのせいで範囲内にいたゴブリンたちは外に向かって回収部だけが一時的に遭遇数が増加したってのが見解」

 

 なるほど、もしかしてマユゲが言っていたヒントはこれも含まれてたのか?

 地形から考えずとも、思考を察さずとも盗賊たちのアジトが王都近辺の森にいるって要素と王都近辺の森のこの異常事態を組み合わせれば範囲はかなり絞り込めるし、事態の中心を見極めれば場所も正確に特定できる。

 ……そう考えるとものすごく後悔が襲ってきた。

 俺に広い視野があればもっと素早くエーベルヴァインを発見できて恐怖をもっと減らせただろう。

 依頼にもしゲームのような評価値があれば今回のクレイオスのオッサンからの依頼達成評価は『B』いや……『C』だ。

 

「ゴブリンの異常行動も盗賊が何かしらの力でゴブリンを従えたんだろうって」

「何かしらって?」

「奴隷とかかにゃ?」

「出来るんだ」

「普通はしにゃいよ。言葉が通じにゃいんだから」

 

 奴隷の隷属魔術は言語のやり取りが不可欠、と。

 やっぱ固有能力なだけあって【洗脳】ってチートだな。

 それとスマン、盗賊たち。

 けどその方が俺も金貰えるしゴブリンの異常行動はお前たちのせいにさせてもらう。

 バレたら面倒だしゴブリンの【洗脳】は解いておくか。

 解くだけなら遠隔でも出来るし。

 

「それで最後に村近辺の森の調査」

「うん。盗賊だったの?」

「正解っ。ゴブリンよりおっきくて剣も持ってたから村を襲おうとしてたんじゃにゃいかって」

「なるほど」

 

 余罪ばりばりにあるじゃねえか。

 未遂でもアウトですよ。

 殺人未遂、窃盗未遂、拉致監禁。

 てか殺人と窃盗は別件で未遂でもなんでもなくなってるし。

 

「そういうワケでヒイラギは同時に三つの依頼をこにゃしたことににゃるの。お疲れ様、お金ウハウハににゃったね」

「おうともよ、ちょっと多すぎてビビってるけど」

「にゃら口座に入れる? 開けるのに必要な実績(・・)お金(・・)は揃ってるし」

「ちゃんとあるんだな。じゃあそれで」

 

 フェーニャン曰く口座を開くのに必要なのはその二つらしい。

 この世界、というかギルドには創作物(フィクション)の多くにあったようなランク制がない。

 SとかAとかBとか。

 あるのは『見習い』『一般』『遠征』の三つ。

 そして口座を開いているか開いていないか。

 口座や、一般、遠征になるためには一定の実績点が必要。

 この実績点とは『名声』と言い換えてもいい。

 人々を救い、希望を与える開拓兵(もの)として重要な事はどれだけ人々に知られているかという英雄性だ。

 どれだけ依頼をこなしたかによって実績点が変わる。

 それによって特権が変化するらしい。

 

「へぇ……面白いな」

「そう?」

「面白いぞ。ちゃんと顔を売らないとダメとは思わなかった」

 

 けど流石に詩に詠われるとかは恥ずかしいな。

 初めのうちは耳塞ぎたくなりそう。

 

「ちなみに一般開拓兵にはなれるのか?」

「ん~、まだ! 所得に対して依頼をこにゃさにゃさすぎ。常駐依頼は稼ぎやすいけど実績点にはにゃらにゃいの」

「そっか。んじゃ口座開いて……そうだな、村からの依頼の報酬全部と、ある程度纏まった金が欲しいな」

 

 パッと思いついた金額を指で示して二つの硬貨袋を受け取る。

 ついでに今日やることも決まった。

 

「それじゃあちょっと顔売って来るわ」

「え?」

 

 時間的に考えて戻ってくるのは夕方になるだろうけど、まあ良い。

 いざ行け、マイヤー村!

 きっと足の速い騎獣でも借りれば間に合うはずだ。

 

 

 

「用事があるからマイヤー村まで行きたい。今日中に戻って来れる速い騎獣を貸してくれ」

「ふむ、何人で向かわれるので?」

「一人だ」

「なるほど、一人と。……ではこの辺りはどうですかな?」

「角の生えた……馬か?」

 

 一人での移動にはこいつが良いのだろうか。

 獣の臭いが充満する中で角の生えた馬はこちらに近づいてきて俺をジッと見つめ、やがてそのまま目を逸らして元の場所へと戻っていく。

 

「ええ、名は角馬。生えた角で周囲の音を集めて索敵を行う優れた馬です。逃げるにしても戦うにしてもどちらにも役立つ汎用性の高い種として人気がございます」

「ほう。それは便利だな」

「他にもこちらは逃げ足に優れた緑馬。こちらは戦闘も行える闘熊。どうですかな?」

 

 熊も騎獣なのか。

 こうして見ると結構可愛い。

 牙とか爪とか怖いけど。

 

「角馬で良い」

「そうでございますか。ではお代金はこれほどで……」

「もう少し安くならないか?」

「そうですねぇ、長期ならお安くできたのですが一日となると流石に値引きは……」

「そうか、無理を言ってすまないな」

「いえいえ、初めてのお客様にはよく聞かれますから」

 

 ま、別にアデルからの金でウハウハな以上そこまで気にはしていない。

 

「ほら」

「ご利用ありがとうございます」

「機会があったらまた使う」

 

 多分しばらくは使わないだろうけど。

 臭いし遠出の予定もないから。

 

 街を出て角馬に跨ると馬に乗るのは意外と難しいということが理解できた。

 そういう風に調教されているのか、今のところ激しい動きはしないがそれでも上下に揺れる感覚と姿勢で意識が持っていかれる。

 初めての感覚は精神をほんの少し疲弊させるし、姿勢の悪い俺には姿勢が大事であろう乗馬はいつ落馬するか不安で仕方がない。

 

「……よし、もう少し速くだ」

 

 少し呆れられるような息遣いの後、角馬はちょっとだけ歩く速度を速めてくれた。

 差は微々たるモノ。

 けれどたったそれだけで難易度が一気に上がった気がした。

 

 確か背筋は真っすぐだっけ?

 ……うおぉぉぉぉ、たけぇぇぇ。

 いつもより目線が高くて怖いんだけど?!

 

 猫背から正しい姿勢を意識するとわかる馬の高さ。

 

 赤ちゃんってスゲェな!?

 高い高いの最高到達点ってこれくらいだろ?!

 メンタルで負けるんだけど?

 

 乗馬の動揺からか思考がややおかしな方向に向かっている。

 俺がおかしいのはいつも通りなのだが、いつも以上におかしい。

 

「よぉし、もっとだ!」

 

 こうなったら自棄だ、と心が叫ぶ。

 次どうするかは失敗(らくば)してから考えることにした。

 ハッキリ言ってしまえば思考停止である。

 

 むしろこの状況を楽しもう。

 楽しめば怖くない。

 はず。

 

「ちなみにモンスターはいるか?」

 

 答えるかわからなかったが調教されているのなら、ということで試しに聞いてみると角馬は小さく首を振った。

 意外と賢いようだ。

 

 あ、でも慣れてきたな。

 まだ振動とかには慣れないけど怖くはない。

 てかステイタスあるしバリアも張れるから別に問題なくね?

 ……余裕だったわ。

 

「よしッ、無理ない程度に速く行け~」

 

 角馬が「なんだこいつは」という風に思っているのがなんとなくわかる。

 正直俺もテンションを無理やり上げてるのが自覚できるから辛い。

 けど一度上げたテンションは中々下がらないのだ。

 

 ま、楽しくないことやっても意味ないし。

 無理でもなんでも楽しんじまえ。

 

 昨日の疲労もあってぶっちゃけ深夜テンションに近かった。




 最後の辺りを書いたのは実際深夜でした
 書き直そうかとも思いましたが疲れでテンションが異常になるのってワリとよくあることのはずなのであえてこのまま載せることにしました
 酒を飲ませてストレス発散でもさせようかと思いましたがロクに酒を飲んだことのないヒイラギが酒を飲んで楽しめるかと言われたらそうじゃないと思ったので

 ヒイラギのストレス発散法は主に戦うこととマユゲたちとの交流くらいです
 趣味が二次元系だったヒイラギにとって開拓兵というのは性格上では結構適性があります、成長率が高いかと言われたらそうでもないですけど
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