ワリとクズな主人公が行く! 異世界洗脳!! 作:名無しのクズ
今回ほとんどそういう話しかしてないんじゃよ
「それで他の人だと、ベアトリクスっていうセンパイ開拓兵がいるんだけどその人滅茶苦茶強いのよ」
「おお、強い人か憧れるよな」
「来たばかりの頃、つっても来て一週間ちょいなんだけど。その頃にちょっと鍛えて貰ったり一緒に来た奴らの訓練とかも助けてもらったんだよ」
「ヒイラギ意外と面倒見良いんだな」
「そうか? まあそれは置いておいて、ベアトリクスの要素としては赤髪の目つきが鋭い系の美人で、背が高い」
「二〇〇くらいあるのか?」
「多分?」
測ったことがないからわからないけどそれくらいはありそうだ。
そういえばこっちに来てから背は伸びてるのか?
転移の所為で成長止まったとか言われたら辛いわ。
「装備いらないくらい強いから露出多いんだけどさ、見える腹筋が、な?」
「またマニアックなところに行ったな」
「良いじゃんッ、ついてないワケじゃなく、かと言ってつきすぎてるワケでもない。あの適度な感じが良いのよッ」
「強そうではあるな」
「男として憧れるだろ!? 俺もあんな風に強くなりたいって思うだろ!?」
「お、おう、見たことないからよくわかんねーけど、強くなりたくはあるな」
「だろ!?」
やっぱり世界が変わっても男が力に憧れるのは変わらないな。
前の世界だと知力と武力で二つに分かれてたけど。
「ンでさ、戦う時……訓練だけど、その時ってすっげえ楽しそうに笑うのよ」
「女の人の笑顔は良いよな、わかるぜその気持ち」
「真面目な時は凛々しくてカッコいいし、普通の時は美人だし、ふざけたりするときは親近感が湧く感じでカワイイし……それにやっぱ強いからいつか一緒に戦いたいって憧れが、な」
「あ~、想像すると楽しいなそれ。家で迎えてくれるのも良いけど背中を預け合えるってのも」
「やっぱそういうのを妥協せずに求めるとハーレムになるんだよなぁ」
「それな」
色々壁はあるだろうけど、憧れずにはいられないんだよなぁ。
憧れで妥協したくないってのはマトモな大人からしたら
「デューベはそういう感じの一緒に戦える仲間ってのはいないのか?」
「憧れはいるけど一緒はなぁ。自慢に聞こえるかもしんねーけど……いや、やっぱ自慢しとくか」
「お?」
「俺ってもう、さ? そんじょそこいらの奴とは格が違うから強くなるスピードが違うわけよ。だから並び立てるのってなかなかいねーんだよな」
「はっ、ぬかしおる。ただ事実なだけになんも言えねえ」
歴は知らないがこの歳で俺以上の強さだもんな。
俺がなんと言ったところで負け犬の遠吠えでしかない。
ああ、くそ、強くなりてー。
「本音を言うとさ、そういう仲間が欲しくはあるんだけど同時にこえーんだよな。仲間護れる自信なんて全然ねーからさ」
「……そりゃお前、ちと傲慢なんじゃねーの? デューベが強いのは事実だが、強くないのがイコールで弱いってのはちげーだろぉが。それに定義にもよるけどよぉ、お前にとってリンさんとかネヴァちゃんはお前にとっての
「
「だったらビビる必要ねーだろ」
わかるけど。
その気持ちはわかるよ。
けど失うのが怖い、なんてのは普通の対人関係でも同じだ。
それにビビって立ち止まり続けてたら多分今の人間関係のほとんどが存在していない。
「ま、そういう精神面は急いでもあまりいい方向には転がらん。気長にやれよ」
「ヒイラギ……お前良いヤツだな」
「ふっ、今更気づいたか」
「ああ、ただの弱い奴だと思ってた」
「失礼だな!? お前!」
ずっと弱いと思われていた。
事実ではあるが実際に面と向かって言われると悲しくなる。
人間、抗いたい事実の再認識がなんだかんだでトップレベルに辛いと俺は思っている。
「あっはっは! スマンスマン!」
「自覚してっから別に良いけどよ」
悲しくはあるが怒りはない。
事実の指摘で怒るのは幼稚な行為。
俺もいい歳だ、大人にならないと。
……大人になるって考え自体が幼稚か?
「……んで何の話だっけ?」
「え~と? どんな女が好みか、だっけか?」
「そうだったっけ? なんかちょっと違う気もするけど……あ、好きな人がいるかどうかじゃね?」
「そうだったな」
お互いに結構酔っているのがわかる。
「他はシャプルっていう神星教の巫女がいてだな」
「巫女か、ちょっとハードル高くね?」
「まま、気になってるだけだし?」
「そうだな」
「見た目は、そうだな、幼さの残る大人な美人って感じで柔らかい雰囲気の人だ」
「……おう」
ただあの優しさが時々好きなんじゃないかって勘違いしそうになる。
止められたらそれはそれで悲しいけれども。
「微笑む静かな笑顔、あれが良い。ぶっちゃけ孤児を見てるのと大差ないのが悲しいけど」
「あ~、異性として意識されてない感じな。リンさんのこと異性として意識しはじめて主張をした時に相手されなかったの憶えてるぜ」
「平等な優しさで、一切特別じゃないって感じがするんだよな」
「まあ、頑張れ!」
「おう」
近しい人間で言ったらこんなモンか?
やっぱり恋愛感情はイマイチよくわからん。
「多分こんなモンかな~」
「それは好きな人が多いと捉えるべきなのか、それとも感情定義が曖昧過ぎて対象外の人も入っていると捉えるべきなのか……」
「多分好きとは違うけど気になってるのは他にもいるな」
「……どんな人だ?」
「アデル。騎士」
「アデル、アデル……アデル!? あの!?」
「やっぱ知ってたか」
上級騎士で騎士の家系なだけあって流石に王都じゃなくてもアデルの名は知れているらしい。
まあそうだろうとは思っていた。
最強格の一人らしいし。
「おまっ、それはいくらなんでも流石に……」
「わかってらいッ。でも憧れはするだろ!」
「まあ噂を聞くだけでも充分憧れるけど……」
「一度見てもみろよ! 素人目でもわかるほど雰囲気が違うから!」
「会ったことあるのか?!」
「二回だけな」
「いや、それでも充分すげーだろ」
そうか?
……そうかもしれんな。
普通貴族と接点のある一般人、しかも異世界人ってのはなかなかいない。
俺の運おかしいな。
「けどアデルさんかぁ……戦士としては良いけどそういう仲になったら結構キツそうって話だぞ?」
「どゆこと?」
「噂だから本当かわかんねーけどよ。結構キッツイ性格だって話だし、戦いになると性格が豹変するって話だぜ?」
「へ~」
「反応薄くないか?」
「だってそういう態度は上司だからだろ? 別に普通じゃね?」
「……豹変は?」
「命懸けだし、多少は変わるだろ。俺だってちょっとは変わるし」
「それは俺もだな……」
話した感じそんな悪印象は感じなかった。
ただ隠すのが上手いだけかもしれないけどそれだったら他のところでも隠してるはず。
一般に知られるようなレベルでそういう性格をしているんだったら隠す必要もないし。
噂が独り歩きしたって可能性の方が高いんじゃないのかと俺は思う。
「誰かに対して暴力を振るったとかは?」
「聞いたことはないな」
「だったらいいんじゃね? 少なくとも俺がこの目で見たアデルは良い人だったから好きだしよ」
現状俺に害はない。
好きになればその性格ごと全部まとめて好きになれば良いし。
妥協可能な範囲なら普通に妥協する。
オールオッケーだ。
「そういう噂が嘘だとして、あのアデル・オーガストだぜ? どんだけ条件緩くしたって難易度高くね?」
「別に良いだろ、難易度なんてよ。今は俺が抱いてるこの感情たちが何なのかはわかんねーけどよ、仮にそれを
「どんだけ大変でもかよ」
「おう。俺は我儘だからな、好きなんだったら全力で掴みに行く。問題がありゃ全部解決して大団円だ」
「なんつーめでたい考え……」
「……俺の世界には魔術なんてなかったしモンスターもいなかった。だから以前の感覚じゃこの世界はありえないことだらけだ。けど現実に存在した。石が空飛んだりなんて無理な道理が通じちまってる。だから今の俺にとって
俺の目からしてみれば魔術は事象を好き勝手に操作する力だ。
筋力も、五感も、強化可能で。
魔力を対価にするとはいえ無から有を生み出すが如く虚空に物質が創造できる。
極めれば万能にすらなりそうな力。
だったら無理なんざ知ったことかってもんだ。
「ヒイラギ……お前かっけー奴だな」
「ふっ、今更気づいたか」
「ああ、ただの良い奴だと思ってた」
「もっと褒めろぃ」
あれ?
似たようなやり取りさっきもやった気がすんな。
「けど、そうか!
「おう」
「ありがとよ。多分俺はもっと上を目指せる」
「そうか……あれ? 実力差どんどん離れるなぁ?」
「お前もさっさと強くなれよ。んでもっていつか一緒に
「……ああ!」
比べてたのは俺だけじゃ、なかったか……。
ちゃんとデューベも俺のことを見て、
……なんか自分以上の奴にそうやって言ってもらえると嬉しいモンだ。
嘘なんかじゃなくて、本心で。
少なくとも俺の限界はこんなトコじゃねえって感じがする。
実際はただの勘なんだろうけど。
それでもやる気は出た。
まだ進める。
基本『優しい』があればなんでもいい系の主人公ヒイラギくん
性格が相容れない、デブ、不潔を好んでいる、とかじゃなければ多分ヒイラギは誰でも愛せる気がしてきた……
自分より優れてる奴に認められたらそりゃテンション上がりますわな
その言葉が本当か嘘かは重要じゃなく、本心かお世辞かがヒイラギにとって大事
本心で言ってるからヒイラギの中でデューベ株が爆上がり!
……BL展開はありませんからね?