ワリとクズな主人公が行く! 異世界洗脳!!   作:名無しのクズ

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 そういえば第七九話を書いてて現実でもオイルショック起こるんじゃねーかな、と思いました
 持っている教科書が少し古い奴なのでちょっとアレですが、原油の輸出はロシアかなり上位で順位の上下はあれどそこはあまり変わってないでしょうし
 天然ガスも、あとは石炭も

 けど世界が今この状態だからこのストーリーになったかといえば、そうじゃないです
 こういう流れになるのはノースミナスという街を考えた時点から、つまり第三〇話~第四〇話の頃には既に決まってましたし(細かい流れはともかく)

 話は戻りますが、実際どうなんですかね?
 既にオイルショック起こってる感じなんでしょうか
 あまりニュースを見ないので世界情勢詳しくないんですよね
 現状そこまで興味もないですけど


第八〇話 三人寄ってなんの知恵?

「場所を変えた、ということは聞かれたくないということだな?」

「まあ、それもあるし、他の協力者と待ち合わせもしてる」

「なるほど」

「あ、来た」

 

 約束の場所でヘルベルトと二人、待っているとアイヴィがやって来た。

 少し疲れたような、少しうんざりしたような、そんな表情をしている。

 

「子どもを巻き込むのか?」

「巻き込むというかこの子がきっかけでこういう状況になってるワケよ」

「なんと。詳しくはよくわからんがそうなのか。……それにしてもなんともみすぼらしい子どもだ」

「浮浪児だからしゃーない」

 

 てかハッキリ言うんだな、みすぼらしいって。

 もうちょいオブラートに包んでいうモンだと思ってた。

 そりゃ俺も汚(きたね)ぇとは思ってたし全てが片付いたら風呂屋にでも放り込んでやろうと思ってたけど……。

 

「フロウの子ども……? 一体なんだそれは」

「あ、アレぇ? 浮浪児わからない? 浮浪は一定の住所と持たないこと、浮浪者はその人間のことで浮浪児は浮浪者が子どもだとそう呼ばれる」

「おお、なんと人の世は恐ろしい……。このような者は他にも多数存在するのか?」

「多いな。親とか保護者が死ぬとこうなるし」

 

 病気が全くないワケではないが基本的に通常のモノなら魔術などで治療可能なこの世界。

 恐らく前の世界の同じくらいの文明時代で考えるなら恐らくはこっちの方が孤児は少ない。

 が、それは比較であって絶対数で考えるなら充分多いだろう。

 病気で親を亡くした子どもの他、両親が開拓兵でその結果孤児になった子。

 生活が苦しくて捨てられた子。

 理由は複数あり、自分には直接の関係性がないからあまり感情は動かないとはいえ見ていて楽しいモノではなかった。

 

「まさか拾って育てるとか言うんじゃないだろうな?」

「それこそまさかだ。脆弱な命を拾って何になる。弟子にするにもこれではすぐ死んでしまうから無意味だ。そんな無駄なことに興味はないともさ」

「左様で」

 

 寿命と文化の違い、かね?

 確かに比較すれば短命だし、何倍も生きる長命種からすれば手伝いにすらならない存在に手を掛けるのは無駄かもしれない。

 けどたった一〇〇年程度の離別でここまで意識に差が生まれるとは……。

 よっぽど昔差別されたのかね?

 まあいい。

 利益がなきゃ動かないのは誰だって同じだ。

 

「それはさておき。これからの方針を決めるぞ」

「え……ボクが集めてきた情報は?」

「纏めてから後で聞く」

「僕はヘルベルト・ホルシュタインだ。よろしく、少女」

「あ、ボクはアイヴィ。よ、よろしく……」

 

 育てる気がないだけで挨拶とかそういうのはちゃんとするのか。

 嫌ってもないみたいだし。

 ちょっと安心。

 

「とりあえず今集まってる情報はララリマン鉱業が犯罪組織である黒鉄の墓に横流ししているというモノ、黒鉄の墓の拠点位置……ちなみに見た目は普通の店で客としては入れる範囲に空らしい場所はなかった、そしてリーダーの名前がヴァーチュということ。市場に出回る鉱山資源の量が少ないのもこいつらが原因の一つであるかもしれなくて、さらにはこれはあくまでも俺の勝手な推測だが最近の物価上昇はそいつらの仕業による可能性がある」

「ちょっと待て。何故黒鉄の墓とやらが物価に関わってるのだ。経済とは容易く変えられるモノではないはずだ」

「良くするのは難しくても悪くするのはある程度の資金とかがあれば可能だ。例えば経済に大きく関わっている資源――今回は鉱山資源――の流通量を裏で操作し、流通量を減らす。そうなると需要に対して供給量が減るワケだ。そこまではわかるな?」

「無論だ」

「なんとなく……」

 

 別にアイヴィは理解しなくても良いんだけど。

 まあ理解する気があるのは良いことだ。

 てか意外と理解力あるね。

 

「そうなると物価が上がる」

「そうだな」

「そうなの?」

「例えば俺がアイヴィとヘルベルトの二人に何かを売るとして、その何かは一つしかない。二人ともその何かが欲しいから当然二人の間で奪い合いが起こる。二人は買おうとするが俺は売れればどっちでもいい、けどできればお金はいっぱい欲しい。お金を全然持ってないアイヴィとヘルベルトのどっちに売りますか、って話だ」

「なるほど!」

「多分正確にはもう少しややこしいんだろうけど俺も経済のこと詳しくないし、イメージとしてならこれで充分なはずだ」

 

 希少性が増せば価値は高まる。

 前の世界で貴金属が高かったのと同じだ。

 もちろん全てが希少性で決まるワケではないだろうけれども。

 

「で、話を元に戻すが。そうやって物価が上がってもそれは景気が良くなったワケじゃない。特定の商品だけが不正に物価上昇しているから限りあるお金が無駄に浪費される」

「裏に犯罪組織がいるなら浪費された金は裏に流れそうだな」

「そして厄介なのがそこに人間心理が絡むことだ」

「ど、どういうこと? わかんないよ、ヘルベルトはわかったの?!」

「いや、僕もわからん」

「簡単に言えばな、連想によるものだ。鉱石不足になる、装備が作れなくなる、開拓兵が活動できない、モンスター退治の手が回らなくなる。んでそこから例えば一般人にも馴染みがある影響だと、モンスターを狩って得ていた分の食料が無くなってしまう、食糧不足、買い溜めをしよう。てな具合だ」

 

 まあそれは可能性があるだけ。

 そういう変な憶測が飛び交わない限りは平気なはず。

 

「まあもっと単純な話。鉱石の製錬を仕事としてる奴は仕事が回らなくなって失業するかもだし、そうなったら連鎖的に他の仕事にも影響が出るだろうからそれは最終的に負の循環になりかねない。失業者が生まれれば経済が崩壊する」

「ご飯を売る人がいなくなったら困るね……」

 

 お、おう。

 せやな。

 

「んんっ……まあそういうワケで、きっかけさえ与えれば経済は壊せる。そして質の悪いことに相手も基本は一般人なワケで、敵の目的がもしそこにあったら一般人としてそういう噂を流すだけで悪い流れが生まれる」

「ふむ、なるほどな。個人なら下らぬ戯言と嘲笑されるだろうが複数となればそうもいかない」

「そうなの?」

「無論だ。間違っていると判断できる内容を言われても相手が一人なら問題はないだろう。だが周囲の者全員にその間違ってると思う内容を自信あり気に言われたらどうなる?」

「……ボクが間違ってるかもって」

「つまりはそういうことだ」

「なるほど……じゃあダメじゃん!?」

「だからこうしてどうにかしようって言ってるんだ」

 

 チクショウ、めんどくせえよぉ。

 なんでこんなことになったんだよ。

 見過ごしたら絶対俺にも周囲にも影響出るし……。

 チキショー!

 

「状況は理解した。場合によっては探し人にも被害が出る。恩義関係なく手伝おう」

「ボ、ボクも……ちゃんと理解したワケじゃないとは思うけど。そんなことになったら絶対死んじゃうでしょ? ボクは死にたくない……だから手伝う」

「……ありがとう」

 

 死にたくない。

 だから手伝う……か。

 そういう時多分頭の悪い奴は死にたくない、だから逃げる。

 って考えるだろうに……。

 子どもとはいえ、ロクに教育受けてないとはいえ、考える頭はあるんだな。

 ……終わったらちょっとくらい面倒見てやろう。

 最低限一人でも生きていける程度に。

 

「で、それを阻止するには向こうのことを調べないといけないワケだが。さっき言ったように普通に調べられる範囲は限られている。かといってそういうことをやってくれる信用可能な知り合いがいない。……いるか?」

「そもそも知り合いが皆無だ」

「ボクもそんな知り合い……」

「あっ、察し。……まあそういうワケで人脈も技術もない俺らは正攻法プラス搦め手で相手を調べるしかない、と」

 

 三人寄れば文殊の知恵というが、ずぶの素人が集まったところで本職のレベルには遠く及ばない。

 どれだけ頑張っても専門の人間と比較すれば素人に毛が生えた程度でしかないのだ。

 なら初めから専門の技術で勝負しようとするのではなく普通の技術を組み合わせた方が良い。

 

「で、だ。アイヴィ、お前って鏡つくってそこの反射で遠く見れるよな?」

「うん」

「数と範囲は?」

「見える範囲なら多分どこでも。けど遠くなると魔力が足りないからあまり遠くは無理。数は……いっぱい」

「んで鏡は他人からは見えないと」

「うん」

「なるほどな。意外とやるではないか、少女よ」

 

 お、ヘルベルトはわかったっぽいな。

 肝心のアイヴィがわかってないっぽいけど。

 

「どういうこと?」

「まあ詳しいことは現地に行ってから教える」

「そう……」

 

 今知りたい、って顔だ。

 まあ問題を出されてその答えがわからなかったら答えをすぐ知りたいって思うだろう。

 だからこそ教えないのだけれど。

 

「まあ教えるまでに答えがわかったらお小遣いをあげよう。何かしらの飯でも良いぞ」

「ホント? なら頑張る」

 

 おう、考えろ考えろ。

 考えた奴が生き残るモンだ。




 勉強してないから頭の使い方がわからず賢くはないけど考える意思はあるアイヴィちゃんスキ(唐突な告白)
 現状は普通にバカな子だけど理解力は悪くないし、逃げて問題を後回しにしても死ぬだけってのはずっと弱者の地位にいたからこそちゃんと理解できて……
 ぽっと出の子だけどワリと好きランキング上位に来てます

 まあそもそもランキング作るには登場人物少ないんですけど
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