色違いロコンが出ないので初投稿です。
ココガラは348体目、コイキングは724体目でした。
ヒバニーがエスバになっちゃったヤバいヤバい……
やはり戦闘はいい………前回の2倍書いてる……
描写が本当に楽しいんだ………
「やるしかないのか……」
仕方がないのでゾロアに視線を向けると、ゾロアは悪い笑みを浮かべたまま前に進み出た。頼もしい。ゾロアの覚えている技は身体が記憶している。だが精神の方はバトルが初めての素人だ、どうなるか。
「あのポケモンは……?」
「サルノリ、えだづき!」
早速仕掛けてきたのは、ホップのサルノリだった。女主人公は、こちらのポケモンの様子に気がついているようだが…………さて、ゾロアの方は……成る程?どうやら杞憂だったようだ。
「ゾロア、まずはあのウサギだ」
「─────!」
「─────」
ゾロアも準備は終わっていたらしくニヤリと笑い、木枝を手に迫るサルノリを見定めている。そして、サルノリが木枝で突きを放つ──────
「────!?」
が、それは空を切るのみ、だ。
ゾロアの姿が払われた霧のように薄れ、霧散する。これがゾロアの特性〝イリュージョン〟の実際だ。イリュージョン………言葉のまま、幻影を作る特性。
ゲームでは後続のポケモンの姿で現れるものだが、実際では、映画など映像作品であったように幻影で相手を惑わせる、狐の本領と言うワケか。
「なんだ!?」
「!?」
その現象に目を見開くのはサルノリだけではない。呆然とするトレーナーたちは命令が止まり、そしてゾロアは既にサルノリ…………ではなく、ヒバニーの背後へと忍び寄っていた。自らの姿も隠し近付いていたようで、俺にしか見えていなかったらしい。
成程、これは性格が悪くなってしまう。
ゾロアのような悪い笑みも浮かぶというものだ。
「ひっかく」
「──────!」
「───ッ!?」
「えっ!?」「なっ!?」
女主人公とホップの声が重なった瞬間に、ゾロアの鋭い爪の一撃がヒバニーを強く吹き飛ばしていた。驚いた顔でサルノリの近くまで転がったヒバニーはすぐに立ち上がるものの、背中に受けた傷は深い。急所に当たった!というヤツだろうか。
ゾロアの幻影は有用だが……使えるのは一回きりだ。どうやらゾロアにも幻影の準備時間が必要なようで連続で、幾つもの幻影は流石に無理らしい。そこは進化した時に期待、だろうか。今から楽しみだ。
「何、今の………」
「ひ、卑怯だぞ!」
「─────」
「卑怯、ね………俺はさっきのココガラに
盗られた帽子を取り返しただけだったのに、
悪党扱いしてきたお前たちはなんだよ」
「「えっ」」
ゾロアは「卑怯」という言葉にドヤ顔だ。というかそもそもバトル初心者としては良い経験になるし、相手側もまだまだ初心者の筈だ。ここらでお互いに経験を積んでおくのも悪くはない………と思う。
そう思えばバトルも悪くはない。
折角なので悪党扱いは水に流して普通に楽しもう。切り替えるために一度パン、と手を叩き命令する。
「接近しながらスピードスター」
「ちょっ!?」
「──────!!」
さっきとは立場が逆だがまぁいい。ゾロアの周囲に星型弾が装填され、ヒバニーとサルノリが構える。さて、必中だが奴等はどうするのか。
「ユウリ、スピードスターは避けられないぞ!?」
「ならヒバニー、ひのこで全部撃ち落として!」
「────!?………─────ッ!!」
やっぱ女主人公の名前はユウリか。ではない。全部撃ち落とせってマジで?こっち連射できるんだが……驚き顔のヒバニーだが、そちらも覚悟を決めたのか頬を膨らませる。
「く、でもやっぱ物量が……」
「えぇ……やっぱり勢いだけか」
「………サルノリ! えだづきで叩き落とすぞ!」
「──────ッ!!」
どうやらサルノリの方もやる気になったようだが、接近しながらのスピードスターは距離感も掴み難いだろうが………直接叩き落とされるのは不味いか。
まぁ何はともあれ、見せてもらおう。
……………あれ、悪役っぽくなってきてない?
「まぁいいか、スピードスター発射」
「─────、──ッ!!」
「今っ! ひのこ!」
「────ッ!!」
満を持して発射される星型弾を、吹き出される炎が迎撃していく。だがそれは幾つか狙いを外し完全に迎撃しきれないまま、しかし半数以上を霧散させた星型弾はヒバニーへと迫っていく。
だが。
「サルノリ、前に出るんだ!」
「──────ッ!」
ヒバニーの前に出たサルノリが、木枝を構えて迫る星型弾を次々と迎撃する。……………驚いた、まさか、本当に全て迎撃されるとは思わなかった。
「ゾロア、サルノリを狙え」
「むっ! 今度こそ当てるぞ、えだづき!」
「──────!!」
後衛を守る前衛に突っ込めば迎え撃たれるのは目に見えているが、当然、こちらの策も用意してある。サルノリが木枝を振りかぶった瞬間に命令する。
「見切れ」
「────、──、─────ッ!」
「──、──、─!」
「ぐ、また当たらないのか!?」
みきり………名前通り、相手の技を見切る技。
有名な〝まもる〟と同じように、相手の繰り出した攻撃技を完全に無効にする技だ。あちらはバリアを張るが、こちらは普通に回避する格闘タイプの技。
するりするり、とサルノリの枝突きを回避していくゾロアは余裕の表情で、何時でもやれる、と視線をこちらに向けてくる。それに頷き、命令する。
「ひっかく」
「───ッ!!」
「─────!」
「しまった、サルノリ!」
ゾロアの爪が、正面からサルノリを捉える。衝撃にサルノリは吹き飛ばされ、後衛のヒバニーの守りが完全に無くなる。そのヒバニーは遠距離型とはいえ未だ覚えてる技はひのこ、なきごえ、たいあたり、そのいずれかの筈だ。この距離ならおそらくだが、体当たりが来ると思われる、が、さて。
「っ、ヒバニー、たいあたり!」
「─────!」
「ゾロア、後ろに下がって回り込め」
それなりに距離はある。その技に合わせて下がれば避けることは容易い。指示した通りに後ろに下がるゾロアはそれを軽く回避する。
「っ、やば───っ!」
「スピードスター、速射」
「────、──ッ!!」
勢いに任せて真っ直ぐ突進する、体当たりの背後はガラ空きになる。振り向く前にはスピードスターを装填させ、即座に発射させる。
装填され次第に発射されるスピードスターに反応が遅れたヒバニーに、スピードスターは容赦なく全弾命中、大きく吹っ飛んだヒバニーは気絶し、動きを止める、が、まだサルノリが残っている。
「ヒバニー……!」
「っ………まだ、終わってないぞ!
サルノリ、えだづき!」
「────!!」
特攻か。まぁホップらしいと言えばホップらしい。だが、こちらはそれに応じてまともに殴り合わせる馬鹿ではないので………終わらせる。
「スピードスター発射、近付けさせんな」
「撃ち落とすぞ!」
「──────!!」
サルノリが次々と飛翔してくる星型弾を木枝で迎え撃とうとするが、処理しきれなかった弾が少しずつその体力を削っていく。このまま押しきる。
「倒れるまで、スピードスター」
まぁ卑怯………と言えば卑怯か。
冷酷だが勝負は弱肉強食、こういうものだ。弱者は強者に喰われるしかない。
「………? 喰わ、れる………?」
自分で考えておきながら、何故そんな表現にしたのだろうか………別に勝者に倒される、でも良いのに。
………なんだか、酷く頭が痛くなる。
それに、今は勝負中だ。まだ終わってはいない。
「────、───!」
「まだ、まだ終わってないぞ!!」
「…………………」
まだやるのか。
諦めそうになるサルノリを、ホップの声が止める。それにサルノリは……………なんと、歩を進めた。
「………おいおい。ゾロア、速度上げろ」
「まだまだ!!」
「───────ッ!!」
更に速度の上がったスピードスターを弾きながら、ジリジリとサルノリが距離を詰めてくる。
一歩。
二歩。
三歩。
小さな焦りを感じた、その時だった。
「ヒバニーーーーっ!! 体当たり!!!」
声が、響いて。
それに気が付いた。
「っ、はぁっ!?」
ゾロアの背後で立ち上がるヒバニーに、気付いた。それに反応が間に合わずゾロアは大きく吹っ飛び、そして…………傷だらけのサルノリが木枝を構える。
「───────!!」
吹っ飛ばされては、見切りは使えない。
ヒバニーは力尽き倒れたが、跳躍するサルノリが、大きく手にした小枝を振り上げる。
「ゾロア」
「──────!!」
まだ、だ。
相手もまだ終わっていなかったように、まだ勝負は決着していない。ゾロアの意識もまだある。空中の回避が不能ならば─────正々堂々、迎え撃つ。
「ひっかく」 「えだづき、だぞ!!」
放たれた声は、同時。
それがポケモンたちの耳に届いたのも、同時。
ポケモンたちの技の発動も、同時。
だが。
こちらの方が、速い──────!!
小枝と爪が、交錯する。
けれどそれは一瞬。
サルノリの
そして。
「─────────ッ!!!」
放たれた爪の一撃が、サルノリを地に落とした。
主人公:知識量の勝利
ゾロア:Lv13 ♀️
技 スピードスター
ひっかく
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みきり