我こそは〇〇〇〇っ!   作:ノイフェル

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そろそろ投稿してみる

続くかどうかは未定


 ファンタジー

拝啓、皆さま如何お過ごしでしょうか

 

私めは現在

 

 

グウウッッ!

 

 

命懸けの逃走劇をしていますです、はい

 

 

 

 

 

此処が何処かは知らない

知らないけど、知ってるという矛盾

 

 

 

間違ってて欲しいと強く、強く願うのだが

 

 

 

 

特徴的なコイツ

 

 

 

お主、フロータイボールじゃな?

 

 

 

 

 

フロータイボールとは、ファイナルファンタジー4において最序盤バロン周辺に出没するモンスターである

 

色違いに悪名高きアーリマンがいる為、そのフォルムは印象に残っている方も多いと思う

 

 

 

FF4は主人公が暗黒騎士ということと、もう1人も竜騎士ということも手伝ってか、通常ならば(・・・・・)バロン周辺で苦戦することはまず無い

 

縛りプレイ?

それはワイの管轄外やで?

 

 

 

 

そんなわけで、媒体にもよるとはいえ雑魚といえるフロータイボール(初代一つ目)ダイブイーグル(そのお供)ソードラット(ハリネズミ)

 

そして、

 

DQ(ドラゴンクエスト)ならば、スライム

FF(ファイナルファンタジー)ならばコイツ

とまで言われる程のある意味では有名な雑魚キャラ

 

 

 

 

 

そう、私がゴブリンです(涙)

 

 

何か違う?

ここはギトランドじゃない?

 

 

 

せやな

 

 

 

ギトランドとはロマンシング・サガ3における町の一つ

隠しキャラ?であるポールをパーティに入れるくらいしか、旨味のないイベント(超偏見)がある町

 

が、此処の町長が非常に印象深い

 

近くに生贄をしないとならないほどの危険生物がおり、その生贄として主人公達を騙して巻き込む。閉じ込めた後は危険生物を倒したら、出す。と言って放置

別段対策さえすれば(全体攻撃によるゴリ押しなら)問題ないが、そうでない場合は非常に面倒なボスキャラが相手

更に主人公達を助けた女性を平気で生贄にするかなりの外道

 

そこまでしておいて、イベントが終われば奴はこうのたまうのだ

 

私が村長です

 

幸いにして、ロマサガ3のリメイクに伴い、この外道(村長)への多少意趣返しができるようにはなっているが

 

 

何故かスマホのアプリにおいて、此奴が実装されている事にいささかならぬ気持ちとなるのは仕方ないだろう

 

 

 

 

 

それはいいとして、だ

 

 

どうやら当方はゴブリンになった様です

ええ、近くの川で確認しましたので間違いないかと思われます

 

 

 

 

 

さて、FFのみならず、当時のRPGにおいて『色違いキャラ』と言うものがいた事は当時プレイしていた方にはお分かりかと思われます

 

当然ですが、此方の世界においても先に挙げたようにフロータイボールという最序盤の敵とアーリマンというラスダンの敵も色違いでございます

 

何が言いたいかと言いますと、進化(クラスアップ)出来るのではないかと、考えております

 

幸いにして、この世界にはレッドキャップ(赤いの)地底のやつ(青いの)リルマーダー?(黄色いの)がいた様な気がします

 

 

レッドキャップなのか、ドモボーイなのかはタイプによったような気もしますが、とにもかくにもゴブリンとて上の階級があるということ

 

つまり、最序盤の雑魚であるゴブリンとて、強くなる余地があるということである

 

多分、恐らく、きっと

 

 

 

あともう一つはかなり難しいが、召喚獣になるという手もある

 

歴代FFでも珍しくFF4では雑魚キャラであるはずのゴブリン、コカトリス、ボム、マインドフレアがレア召喚獣として存在している

 

 

まぁ、ドロップ場所が序盤に集中してる事と、マインドフレアはリディア離脱後にしか入手出来ない事。その召喚士であるリディアが序盤で一時離脱するためにかなーり使いどころの困る召喚獣なのではあるのだが

 

 

次の作品においてならば、ゴブリンとて活躍の場がある『ゴブリンパンチ』を習得しているので多少は(・・・)ましといえるだろう

 

別のRPGにおいては、素晴らしい一門(マスタートビーなど)を擁する事もあるのだが、いかんせんかの世界線にはその様なものは存在しない

 

 

 

 

召喚獣といっても、中盤に合流した時にはシリーズ精勤御三家(シヴァ、イフリート、ラムウ)に加えて、タイタンとドラゴンまで習得しているので、必然的にレア召喚獣の出番はほぼなくなる

 

火力ないからね、仕方ないのさ

 

 

 

ただ、召喚獣になるとしても問題がある気もしなくもないが、それはそれと割り切ろう

 

 

 

 

因みに進化系(仮)の居場所は覚えている

 

赤いのはホブスの山からファブール近郊

青いのは地底世界全域?

黄色いのは月面の地下渓谷。つまりはほぼラスダンである

 

 

歩いていくならば、ホブスの山なのだ。しかし、困った事に主人公であるセシル一行が、向かった後だと山間の町であるミストとオアシスの町カイポの間に崖崩れが発生し、相互通行が不可となる

 

続編であるFF4ジ・アフターにおいても確か通行不可だった気がするのでそれまでに通行しないと多分、詰む

 

 

とはいえ、いきなりホブスの山にのりこめー。などと寝ぼけた事を言おうものなら屍を晒す事となるだろう事は容易に想像できる

 

 

何せミスト周辺はまだ対応できるとしても、カイポ周辺は無理

あそこにはサンドウォーム(りんご配給係)がいるのだ

 

はっきり言うと、主人公であるセシル・ハーヴィにせよ、相棒のカイン・ハイウィンドにせよ、この世界においても上位の実力者

 

であるからこそ、魔物を蹴散らしていけるわけだ

 

 

セシル(暗黒騎士)リディア(うわようじょつよい)がタッグを組めば如何に強いサンドウォームとて打倒できるが、果たしてゴブリンの域を出ない程度の実力しかない私が独力でサンドウォームを打倒し得るだろうか?

 

 

 

無理と言わざるをえない

 

あの地域において、サンドウォームは突出した能力を誇る

どれだけ鍛錬したとしても、彼奴に届くとは思い難い

 

 

 

だが、少なくとも原作開始してしまった場合はカイポ周辺まで進出しておかねばどうにもならなくなるのも事実

 

サンドウォームが落とすリンゴは非常に価値が高いともなれば、メリットは絶大といえよう

 

 

 

現在、どの様な情勢かわからないが、ミストの洞窟を越えなければならないのは確定

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミストの洞窟を踏破しました

 

 

宝箱は全て手をつけない様にしております。主人公(セシル)も大変だからね、仕方ない

 

しかし、ドラゴンもといリディアママンが出てこなかったのは非常にありがたい

 

多分、レベルは上がっただろうからワンパンで沈む事はないとは思うが、それでもミストドラゴンとやりあうなど無理ゲーである

いや、マゾゲーかな?

 

 

さっさとミストの町をスルーしてカイポ周辺まで進出しなければならない

 

 

全ては私の生存戦略の為に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

 

ゴブリンです

 

 

現在、地下水脈の入り口で黄昏ています

 

 

 

 

奴が居ました

 

 

そう

 

最序盤のお荷物こと、賢者(笑)のテラです

 

 

 

 

賢者テラ

 

賢者の名に恥じぬ黒魔法と白魔法両方を駆使するキャラクター

更に中盤?のイベントにて一部以外の黒白魔法を使用可能となり、マジックアタッカーとして、回復役として縦横無尽の活躍を見せる

 

のだが、このテラは致命的な問題を抱えている

 

このテラは老齢故か能力(ステータス)が成長しない!

せっかくの上位魔法(ガ系)とて、消費MP(マジックポイント)が30もある。ぶっちゃけると3発で打ち止めなのだ

 

なまじ、他の能力はボロボロなので魔法が使えないテラは囮くらいにしか使えない

しかし、賢者とはいえどどこかのシリーズみたいに守備力が高いわけではないので、とにかくすぐおちる

 

大体中級魔法(ラ系)かバイオ先生にお世話になる

アスピルで自給自足も出来なくもないが、かなりキツイ戦闘を強いられる

 

 

なまじ、双子の子供魔道士《パロポロ》がレベルを上げればどんどん能力と魔法を習得していくものだから、離脱した時には「テラと替えろやぁ!」と絶叫したプレイヤーも多いのではあるまいか?

 

 

スカルミリョーネ(不意打ち上等)カイナッツォ(死んでなお道連れ増やす外道)バルバリシア(無敵バリア(笑))ルビカンテ(人格者かもしれんが、部下に恵まれない)

 

やっぱり四天王は最悪やな!(ゴルベーザ四天王に対する風評被害)

 

 

 

 

とはいえ、賢者の名に恥じぬ活躍をして大敵ゴルベーザを一時的ではあるが退ける事が出来たのは正しくテラの功績だろう

 

 

 

 

 

 

はてさて、サンドウォーム(リンゴ配給係)がいるから突破は難しいなどといっていたが、ある秘策が私にはあった

 

 

 

この世界の元?となったFF4

 

この作品は他のシリーズと大きく異なる点が一つ存在する

それは同じ作品である筈にも関わらず、二つのタイプが存在するのである

 

FF4とFF4イージータイプと呼ばれるものである

 

 

 

何が違うんだよ?

と思われるだろうが、割と違う

 

シリーズ通してのお供アイテムであるフェニックスの尾(蘇生アイテム)

だが、イージータイプにおいてはふっかつやくとなっていたり、先に述べた中級魔法ことラ系や上位魔法ことガ系もまた、2、3と表記されている

 

 

最大の違いはこの作品におけるラスボス

通称ミジンコとも呼ばれるゼロムスの姿から一部の行動まで異なるのであった

この辺りはPSPに移植リメイクしたFF4において、隠しダンジョンの最後に出てくる

名称もゼロムス(EG)となっており、通常タイプのみプレイしたプレイヤー達を驚かせたのではあるまいか

 

 

そんな仕様の違いの一つに、最序盤であるバロンのある敵の落とすアイテムがある

 

 

 

その名をおうぎの書

 

次の作品における魔法のランプの様なものである

 

 

 

違う点としては、魔法のランプは使用回数無限であるが、おうぎの書は消費アイテムである事

 

だが、消費アイテムであるが故に魔法のランプの様な召喚獣の著しいレベルダウンは存在しない

いうなれば、一回きりの召喚獣ガチャといったところだ

 

今更いうことでもないが、召喚獣というのは決戦戦力となりえる絶大な力を持つ

それ故に軍事大国であるバロンより危険視され、後に悲劇を生むことになるのだが

 

更に言えば、召喚士だからとて召喚獣のみが武器とは限らない

ミストの村においてならば、召喚魔法と白魔法。あるいは召喚魔法と黒魔法を使いこなせる召喚士はかなりいる

 

 

飛空挺団『赤い翼』を有する大国バロンとて、ミストを攻略するとなればかなりの被害を覚悟せねばならなくなる

 

召喚獣や中級以上の黒魔法ならば、熟達した魔道士が行使する事で飛空挺にすら効果を及ぼす可能性はある

 

翼をもがれた人は地に墜ちる(血に濡れる)は必定

 

飛空挺技師シドとその弟子により、飛空挺団は維持されているとは言えどもかかる負担は尋常ではないだろう

当然、運用する側の育成とて簡単ではない。赤い翼は飛空挺団であり、尚且つバロンの(きっさき)であるからだ

 

 

空路がダメならば、陸路での攻略となろう

 

しかし、この場合はミストの村の立地がそのままバロンの負担となる

 

ミストは山間部に位置する村であり、バロン方面からならばミストの洞窟を踏破する他にルートはない

北から侵攻する場合はオアシスの町カイポ方面からとなるが、その周辺は広大な砂漠地帯

大軍を運用する場合、補給線が問題となろう。加えてカイポはダムシアンの勢力下にあり、ダムシアンとの関係にも悪影響を及ぼす公算は高い

 

 

さらに言えば、狭い戦場となれば大軍を展開するとなると、どうしても密集するか戦力の逐次投入となる

 

暗黒騎士セシルや竜騎士隊隊長カインを先鋒とするならいざ知らず、並の隊長クラスをまとめて送り込んだところで召喚獣や黒魔法の餌食にしかならない未来しか見えない

 

 

しかも、バロン王の中身ことカイナッツォの目的はあくまでもクリスタルを集める事

わざわざ主任務に差し支える状況を許すとは思えない

原作において、ボムの指輪をセシルに持たせたのは、そういった意図があったのだろう

 

 

長々と語ったが、結局のところは召喚獣の力は絶大。という事なのである

 

 

 

イージータイプにおいては、このバランスブレイカーとも言えるおうぎの書が何故か(・・・.)ゴブリンドロップなのである

 

 

 

なんでやねん

 

と思われるかも知れませんが、当時の自分はひたすらに相棒(カイン)不慮の事故(・・・・・)としてしょ、もとい亡くしてひたすらにセシル育成に勤しんだのです

 

 

その結果、おうぎの書を複数入手したわけではあるのですが

 

 

 

その経験から、忌まわしい行為であるはずのゴブリン狩り(同族殺し)を繰り返して、なんとかおうぎの書を手に入れたのであります

 

 

 

 

結果として、なんとかカイポ周辺を突破できた次第ではあります

 

無論、ゴブリンとしては破格の能力を持ち、この辺りに出てくるゾンビーくらいならばワンパンで倒せる程の実力を有するに至りました

 

 

 

 

しかし、これで分かった事が一つあります

 

テラが此処(地下水道)待っている(ウォール化している)と言う事はテラの娘のアンナとダムシアンのギルバートはダムシアンへと駆け落ちしたと言う事でしょう

 

 

 

つまり、後からもうすぐセシル(主人公)リディア(ハイパー幼女)が来るということであります

 

 

となれば、自分のする事は一つのみ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。カイポ周辺を南下して、ミストから砂漠に続く山間部を視認できるところにつきました

 

 

とりあえず銀のリンゴを配給係(サンドウォーム)からごうだ、げふんげふん。提供してもらいましたので、腰の袋に入れてます

どうするのか?と聞かれても困りますが

 

 

既にこちらの世界に来てひと月ほどになりますが、精神的に変わりはない様ですね

まぁ、序盤のゴブリンであったからこそ、どうにかなっている可能性もなくはないですが

 

因みに、ほとんど寝なくても大丈夫な仕様のようですね

ほんとしょう(・・・)もない話ですが

 

 

何故此処に来たかと言いますと、セシルが赤い翼隊長の任を解かれ、親友のカインとミストの村へと『ボムの指輪』を輸送する任務を与えられます

 

一見すると何も問題ない任務に見えますが、この『ボムの指輪』が曲者でして、発動すると指輪に封じ込められたボム達が解き放たれ、周囲を火の海に変えてしまう外道極まるアイテムなのです

 

これにより、セシルとカインは図らずともミストの村にいる召喚士を全滅させてしまうのです

村一番の使い手であったリディアの母親はミストの洞窟にて召喚獣ドラゴンを使役していましたが、ドラゴンを倒された事によるフィードバックにて亡くなっております

 

そして、唯一の生き残りとなった母親を亡くしたリディアをセシルとカインは保護しようとしますが、セシルとカインが母親のドラゴンを殺した事によりリディアは発狂。召喚獣タイタンを呼び出してしまいます

 

ですが、リディアにとってもタイタンはかなりの負荷となっていたことと彼女の精神状態が不安定になっていたことからタイタンは暴走

 

結果、ミストの村とカイポ周辺を結ぶ山道が山の崩落により塞がれることになります

 

その後、セシルは行方不明になったカインを案じながらも意識を失ったリディアを連れてカイポへと向かう事になるのです

 

 

 

 

つまり、山が崩落するのを確認すれば、セシル達の進行状況を把握できるということなのです

 

 

 

 

 

それまでは、近くのモンスター達を始末しながら気長に待つ事としましょうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オアシスの街カイポ

 

 

そこはミストの洞窟と地下水脈という難所に囲まれている僻地であり、周辺が砂漠地帯という事も相まって他所から訪れる者は殆どいない

 

いるとすれば、カイポに関係している者あるいはダムシアンの関係者くらいであろうか

 

 

徒歩でカイポに至る為には前述した難所を踏破しなければならず、専ら海路を利用して訪れるのが常となっていた

 

 

 

 

だが、その様なカイポに来訪者が訪れた

 

 

漆黒の鎧を纏う、軍事大国バロンの暗黒騎士と衰弱した少女だった

 

 

見るものがみれば、その少女には尋常ならざる魔法の才がある事が見てとれただろうが、その様なことは此処カイポでは関係なかった

 

 

日中は尋常ならざる暑さを持ち、日が沈めばその暑さと反比例するかの様な極寒の地に変ずるのが砂漠である

 

 

更に獰猛なモンスターが跋扈し、常に命の危機に晒される

 

 

この様な環境で育ったカイポの者達は何よりも命を重んずる

 

 

 

であるからこそ、カイポの宿屋の主人も怪しげな2人を無条件で宿に泊めたわけである

 

 

砂漠地帯に住むもののルール

 

助け合いの原則の元で

 

 

 

 

 

 

 

バロン国王より直々に密命を帯びた暗黒騎士セシル

 

 

しかし、其の命は平和だった村を焼き払う事であった

 

辛うじて、難を逃れた少女を保護したセシル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、大陸一とも言われているバロンの手は2人を捕らえようとしていた

 

 

 

 

 

 

 

此処はカイポがある砂漠地帯に隣接する海岸

 

そこには十数の影(・・・・)があった

 

 

 

 

 

 

隊長!

総員準備完了しましたっ!!

 

 

その中の1人が報告する

 

 

ウムッ!

これより我々はセシル・ハーヴィーの捜索とミストの村の生き残りの討伐にかかるっ!

 

 

 

彼等はバロン王国の兵士

 

 

今回、ミストの村付近の山が崩落したと赤い翼より連絡を受け、行方不明になった暗黒騎士セシルとミストの村の生き残りがいる可能性を考慮しての捜索隊だった

 

 

言うまでもなく、カイポ周辺の砂漠地帯は広大であり、生息する魔物もバロン近郊より手強いものばかり

 

 

故にカイポ周辺の捜索であるからこそのこの部隊数だった

 

 

 

 

 

総勢40名

小隊と各分隊長で4人編成で10個小隊

 

 

それこそが、セシルとリディアを追うバロンの魔の手であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしである

 

 

物事は早々うまくいくものではないのが世の摂理

 

 

 

ましてや、魔物も絡むのであれば、尚更だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カイポに避難したセシル一行を監視してたら、バロン兵が来た件について

 

 

 

どう見ても追っ手です

本当にありがとう(以下略)

 

 

 

しかし、予想以上に数が多い

 

 

周辺にはギルバート育てるマン(サハギン)状態異常先生(フライングアイ)先生のお供(インセクタス)地震起こしそうなやつ(ハンドレッグ)リンゴ配給係(サンドウォーム)がいる

 

 

恐らくはリンゴ係以外だと苦戦は必至

となると、手傷こそ負わせたとしてもセシル一行を襲う可能性は高い

 

 

 

 

 

 

や、別にね原作に介入するなどという考えはない。あくまでもこの世界で生をまっとうする事が自分の望み

原作を知っているからとて、最強に至れるなどと思い上がるつもりも毛頭ない

 

ないが、セシル・ハーヴィーという人物はこの世界の中心人物であり、後々バロン国王にまでなる人物

 

続編では息子であるセオドアにややスポットは移りはしたものの、決して脇役ではなかった

 

というか、此処でセシル達が亡くなった場合など考えるのも恐ろしい。

 

 

黒幕であるゼムスがどの様な戦略の元で行動していたのかは不明だが、大きな指標であるセシル一行を失うのは余りにもリスキーな事であるのは間違いない

 

 

 

 

 

現在のセシルはミストの村を自分の意思とは無関係に焼き払ってしまい、親友のカインは行方知れず。辛うじて生き残りであるリディアを連れて何とか此処まで来れた

 

常ならば、勝てるかも知れないが迷いのあるセシルであっても、四十名ものバロン兵を相手取るのは可能かも知れないが、不利は否めない

 

更に言えば、カイポの住人を人質に取る可能性だってなくはない

 

 

 

 

 

となれば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大国バロンに属する彼等兵士は指揮官の指示により、赤い翼の元隊長である暗黒騎士セシルを追跡していた

 

 

何故ならば、赤い翼の新隊長であるゴルベーザが言うにはセシルの行方が不明な上にミストの生き残りを連れて逃亡している可能性があるらしいのだ

 

それ故に彼等はこの様な砂漠地帯にまで足を運んだのである

 

 

この砂漠地帯はそれなりの広さを持ち、敵もバロン近郊に比べるとレベルが高い

 

 

本来ならば、竜騎士団や精鋭を派遣せねばならないはずであるにも関わらず、今回動員されたのはバロン城の各部署から抽出された兵士達であった

 

 

 

 

これはバロンにおいて、国王の秘蔵っ子とまで言われ、国王により暗黒騎士に任ぜられたセシルを使い捨てるかの様な事をした事に不満や疑問を持つ兵士達を集めたからである

 

 

赤い翼の隊員は流石に高度な教育を受けている為に早々クビをすげ替える事がかなわない

 

だが、国王に扮しているカイナッツォからすれば一般兵士などどうでも良い存在でしかなく、今回などの機会に少しずつ『処理』していくつもりだったのである

 

 

 

原作において、ファブールからバロンに侵攻する際、セシルはバロンの海上兵力は比較的(・・・)手薄と言っていた

 

しかしながら、この世界においてバロン以外で国としての規模を持つのはバロン北方オアシス地方を治めるダムシアン。そこから、東の峻険なホブスの山を越えて更に東方に位置するファブール

バロンからすると北東に位置する森林地帯を治めるトロイア

バロン南東部に位置するエブラーナ

 

この4カ国ぐらいであろう

 

 

しかしながら、文治を旨とするダムシアンと諍い自体を否定するトロイアには際立った戦力は整備されておらず、ファブールのモンク僧部隊とエブラーナの忍者部隊くらいがバロンに抵抗できるものとなる

 

 

エブラーナは既にゴルベーザ四天王最強の武人であるルビカンテとその配下により、本拠であるエブラーナ城が落城しており、防衛戦と撤退戦において熟練の忍び達の多くが命を落とした

僅かな生き残りはエブラーナ城の西方にあるエブラーナの洞窟にて反撃の機会をうかがっている

 

つまり、エブラーナの実質的な戦力は壊滅した事と同義であったのだ

 

 

 

ファブールのモンク僧部隊はモンク僧長であるヤンの手腕と現国王も元はその地位にあった事もあり、ホブスの山中において部隊の練度向上に日夜励んでいた

 

 

 

しかし、バロンは竜騎士団に近衛兵団、更には他国では持ち得ぬ飛空艇団『赤い翼』が存在する

 

 

ファブールと隣国であるダムシアンは友好関係をとっており、これはひとえに風のクリスタルと火のクリスタルを有しているという共通点と近年動きが活発であるバロンを警戒しての事でもある

 

同大陸に位置するこの2国とて諸々の理由より、双方の往来にはそれ相応の時がかかるし、近年魔物の動きが市民生活などにも影響を及ぼし始めた事もあり、かなりの準備を必要としていた

 

 

ところが、バロンは飛空艇の存在により、わざわざ地上の洞窟や山地などを踏破せずとも、様々な国や地方へと向かう事が出来る

 

 

赤い翼の隊長が国王の信任あついセシルであったのも、騎士としての自覚や倫理観などを鑑みての事だったのだろう

 

バロン王の命により、水のクリスタルを保有するミシディアにおいてその暴威を振るい、帰国する際も

 

 

 

我々誇り高き赤い翼

力なき者から略奪など!

 

 

と当時のセシルの部下が発言していた事からも、彼等は高い倫理観や信念を持って行動していた事がうかがえよう

 

 

 

更に

 

 

赤い翼も、おちたもんですよ!

 

 

と帰国後、やはり赤い翼のメンバーと思われる人物が言っていた事からもそれは分かるだろう

 

 

 

 

 

相手の頭上という絶対的な優位性を持つ以上、爆撃などをすればたちまち虐殺などを容易に成し得てしまう

 

 

であるからこそ、彼等は高い意識を持ち続けていたのだろう

 

 

 

 

それだけ、飛空艇というものは存在だけでも圧倒的なものだったのだ

 

 

しかも、それを単艦でなく、複数有するとなれば他国におけるバロンの危険性はいうまでもないはず

 

 

 

 

 

 

 

何が言いたいのかと言うと、バロンはセシルが意識する以上に危険な存在だと言う事だ

 

 

 

 

 

 

 

ゴブリンである、彼は一つの企みを実行した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所謂、トレインである

 

 

彼とて元人間だ

元同族を攻撃する事に躊躇いはあるものの、既に禁忌(同族殺し)をしている身だから迷いはなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼくはバロンの暗黒騎士

 

 

王の方針に異議を唱えてしまったから、カインと共にミストの村へとボムの指輪を輸送する命を受けた

だが、それはミストの村を焼き払う為のものだったのだ

 

 

陛下は変わってしまわれた

幼い捨て子だったぼくを拾い上げて、暗黒騎士として育ててくれたあの優しい陛下が何故?

 

 

隣のベットで眠る少女を見る

 

この子には本当に申し訳ない事をしてしまった

母親を殺してしまった上に故郷を焼き払うなど

 

 

 

 

 

 

パターン

 

!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここにいたか、セシル!

 

 

何故、ぼくを

 

 

ミストの生き残りを連れて逃げた貴様を放置できぬと陛下よりのお言葉よ!

・・・今ならまだ間に合う。その娘さえ引き渡せば、私がベイガン様にお頼みして貴様の復職を願い出よう

 

 

・・・断るっ!!

 

 

ならば、仕方ない

やれっ!

 

 

 

 

如何にバロンを象徴する暗黒騎士のセシルであっても、その戦い方を理解しているバロン兵相手ではどうしても苦戦は免れない

 

セシルとて砂漠を少女を背負ってここまで来た以上、疲労の度合いも無視できないレベルとなっていた

加えて、少女を守らねばならない事により、ただでさえベットなどの障害物の多い室内での戦闘は困難を極めた

 

 

 

セシル!覚悟!

 

 

っっ!?

しまっ

 

兵士二人に気を取られていたセシルはいつの間にか至近にまで接近していた隊長の攻撃への対処が一瞬だけ遅れた

 

だが、戦場においてその一瞬が最も命を落としやすい要因でもあった

 

 

 

 

 

しまっ!

 

 

避けられない

セシルは迫り来る凶刃に覚悟を決めた

 

 

 

だが

 

 

 

サンダー!

 

 

がっ!?

 

 

 

 

セシルに迫った隊長を一筋の稲妻が打ち据えた

 

 

 

隊長はその場に崩れ落ち、他の3名は隊長を連れて撤退していった

 

 

 

 

 

 

 

 

きみ、は

 

 

セシルは驚いた

 

母親を殺し、故郷を焼いた自分を少女は助けてくれたのだから

 

 

 

 

私は、リディア

 

 

 

 

それが召喚士リディアとセシルの出逢いであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やれやれ

 

手間がかかりすぎたな、こりゃ

 

 

 

彼は独り呟いた

 

 

周辺にはバロン兵の死体があちらこちらに散乱しており、それ目当ての魔物達が遠くに見えていた

 

 

 

 

こりゃ、俺は既にヒトじゃないなぁ

 

 

彼は独り寂しく呟いた

 

 

 

 

 

 

 

翌日の昼過ぎ、セシルとリディアは地下水脈の方角へとカイポから出て行った

 

 

 

となると、砂漠の光を手に入れるのだろうとは思う

つまり、通行禁止が解除される訳です

 

 

ですが、焦りは禁物です

 

既にサンドウォームくらいなら、ワンパンで沈めれるとはいえ、この身はゴブリン

 

 

油断は大敵

しかも、セシル一行が彷徨う可能性もありますので、とにかく時間が経つのを待ちましょう

 

 

遠望すれば、もしかしたらダムシアンの爆撃が見えるかもしれませんし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、セシルやゴブリンは理解していなかった

 

『軍事大国バロン』が反逆者の始末をそう簡単に諦めるわけがない事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わってバロン城内

 

 

ベイガンよ

どうやらセシルめは逃げおおせた様だな

 

はっ!

その様で

 

玉座に座るバロン国王と近衛隊長ベイガンは密談をしていた

 

 

 

既に城内で逆らう者達は地下牢に入れるか『処分』していた

 

それでもなお、逆らう者達もいたが

 

 

 

クカカカカッ!

ならば、其奴らをセシル追跡に当たらせろ

 

御意

 

 

 

『邪魔者』は『反逆者』に始末させるに限るのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その少し後

 

 

地下水脈、結界内

 

 

 

そうか、その娘はミストの

 

ええ。許されない事をしたと思っています

 

 

ダンジョン内に時折存在する『聖なる結界』

そこで、セシルとテラは話をしていた

 

 

しかし、『ボムの指輪』とはのう

 

テラは唸った

 

 

『ボムの指輪』

魔法の研究が盛んな大陸南方にあるミシディアにおいて、とある魔道士が創り上げた忌むべき代物である

 

それは『火の化身』とも言われているボムを無理矢理指輪内の結界に封じているものであり、特定の条件によりボムは解放される仕組みだ

 

無理矢理閉じ込められていたボムは周囲を焼き尽くすまで止まる事はなく、その危険性からミシディア長老である『ミンウ』はそれを厳重に封じた筈であった

 

ミシディア出身であるテラもその存在は知っていたが、実際どこに封じられているのかは全く知らない

 

 

 

 

あれはミシディアの物と?

 

うむ。何故それがよりにもよってバロン国王の手の者に渡っていたのか不明じゃが

 

 

テラは思う

このリディアという少女も辛いだろうが、セシルというこの青年も辛いだろうと

 

 

テラ殿は何故ダムシアンに?

 

うむ、私の孫娘であるアンナがダムシアンの王子と駆け落ちしたのだ。だが、ダムシアンには不穏な気配が立ち込めておる

それ故にダムシアンに行かねばならぬのだ

 

 

 

ダムシアンの王族は『砂漠の光』を知っていると聞きました

 

確かにそうじゃが

 

 

聞くところによると、目の前の青年を心配して追いかけて来た女性がカイポにて『高熱病』で倒れたらしい

『高熱病』は『砂漠の光』による治療が最も効果が高いのは事実

 

 

しかし

 

 

そなたは騎士

確かに暗黒剣の使い手じゃろうが、アントリオンは厄介じゃ

 

覚悟の上です

 

 

 

ダムシアンの東南にある『アントリオンの洞窟』の主アントリオンはテラの様な熟練の魔道士でも苦戦する魔物である

 

元は温厚な魔物だったそうだが、昨今の魔物達の凶暴化を考えると危険だとテラは思っている

 

 

 

とにかく先ずはこの地下水脈から出ぬことには始まらん

セシル殿、よろしく頼む

 

ええ、此方こそ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、カイポ周辺にはバロン軍の第二陣が到着していた

 

 

 

 

第二班から第六班までは、地下水脈を通り『反逆者』セシルを追え!

 

残りのものはカイポを制圧するっ!

 

 

 

 

バロン軍第二陣

 

 

兵数四十八名

 

小隊数にすると十二隊となる

 

 

 

本来カイポは隣国ダムシアンの勢力圏内だが、これを機に一気に制圧してしまおうというのが国王とベイガンの考えだった

 

 

 

しかし、彼らは知らなかった

 

 

 

此処にはカイポで暮らす者達が最近恐れ始めている魔物がいる事に

 

 

 

 

血塗れ(ブラッディー)ゴブリン

 

 

いつの前にその様な名前で呼ばれはじめたそれは、カイポ周辺の最強モンスターであるサンドウォームすら一刀で切り捨てる危険モンスターだった

 

 

 

既に元人間である事など一切考慮しなくなったゴブリンは、その矛先をバロン軍に向けた

 

 

 

先に述べたように、バロン軍を構成するほとんどの兵は『バロン近郊』の魔物掃討や、他国への威圧などに動員される

 

原作冒頭にて精鋭である筈の『赤い翼』隊員がフロータイボールやズーの襲撃で負傷している事からも、直接的戦闘力がそこまでない事を示していると思われる

 

対するゴブリンはサンドウォームを一撃で屠れる

 

 

 

つまり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐっ

 

 

このゴブリンに勝てる要素など一つも無かったのだ

 

 

 

 

 

文字通りの『全滅』だった

 

 

軍事的用語の『全滅』ではなく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、征くか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語の中に一粒の異物が放り込まれた

 

 

 

 

それが何をもたらすのか、まだわからない

 




初期FFの顔とも言えるゴブリン主役が無さそうだったので、自分で補給してみる

どうなるかは、とりあえず決まってるけど完結時期は未定です



それでも宜しければお付き合いください

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