ありふれた?デジモンテイマーは世界最強を越え究極へ至る―0章 テイマーズ編―   作:竜羽

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01話 深まる絆 デジモンキャンプ

 偶然、デジタマを拾った小学五年生南雲ハジメ。

 そこから生まれたのは幼年期デジモンンのプニモンだった。プニモンが生まれたことに喜んでいると両親に見つかってしまい騒ぎになるが、プニモンがパートナーデジモンであることを説明すると、二人はプニモンを受け入れた。

 やがて生まれた日の夕方にはプニモンは進化して、ツノモンになった。しかし、その姿はハジメの知るツノモンとは少し違っていた。

 デジタマを孵した次の日、ハジメはツノモンを連れてタカト達に会いに来ていた。ツノモンは同じデジモンであるギルモン、テリアモン、そしてパートナーデジモンではないがギルモン達と仲がいいクルモンという白いデジモンと遊んでいる。

 

「ツノモン。幼年期。レッサー型デジモン。必殺技は酸の泡。

 うん、やっぱりツノモンだと思う。姿はちょっと違うけど」

 

 そこでタカトのデジヴァイスでツノモン? のデータを確認してもらった。その結果、ツノモンであることはわかった。

 しかし、ハジメのツノモンはデジヴァイスに表示されているツノモンと違い、額に青いXの形をしたクリスタルがあった。

 

「僕のデジヴァイスにもツノモンって出てる」

「私のもよ」

 

 ジェンとルキのデジヴァイスにも同様にツノモンのデータが表示されていた。

 

「もしかしたら亜種かもしれない」

「亜種?」

「うん」

 

 ふと思いついたことジェンが話す。

 

「生き物の中には普通の種とほとんど同じだけど少しだけ違いを持った亜種っていうのがいるんだ。体の色だったり、角の本数が違ったり。ハジメのツノモンももしかしたら、そういう亜種のデジモンなのかもしれない」

「なるほど。そうなのかもしれない」

 

 ハジメたちはジェンの説明に納得する。その時、ツノモンのデータを表示していた三人のデジヴァイスからピピッという電子音が鳴った。

 

「何?」

「プログラム解析完了?」

「X……なんて読むのこれ?」

 

 デジヴァイスにはこう記されていた。

 

 X-antibody

 

 

 

 ■■■■■

 

 

 

「抗体だな。X抗体」

 

 その日、帰宅したハジメは夕食後にリビングでテレビを見ていた父である愁に、タカト達のデジヴァイスに表示された文字を見せた。すると愁はすぐに意味を教えてくれた。

 

「抗体?」

「抗体っていうのは、体が持っている病気と闘う力のことだ。お父さんやハジメも持っているんだ」

「なら特別に変なことじゃないんだね」

「ああ」

「よかった」

 

 ハジメが安堵しているとテレビを見ていたツノモンが膝に飛び乗ってきた。

 

「ハジメ!!」

「どうしたのツノモン」

「テレビに映ってるアニメって面白いね! ガン〇ムかっこいい! あんな風に飛んでみたい!」

「ツノモンも進化したら飛べるんじゃないかな?」

「進化?」

「うん」

 

 デジモンにはいくつかの成長段階があり、進化することで姿を変え、新たな能力を獲得する。

 今のツノモンは幼年期Ⅱ。ここからさらに成長期→成熟期→完全体へと進化し、最後は究極体という絶大な力を持つ存在になる。

 

「ツノモンが進化したらガルルモンになるよね。そしてその先はメタルガルルモンだから飛べるよ」

「メタルガルルモン?」

「うん。ちょっと待ってて」

 

 ハジメはツノモンを膝の上から降ろすと自室に行き、そこからいくつかのデジモンカードを持ってくる。

 

「まずこれがツノモンの次の進化。成長期のガブモン」

 

 ハジメが取り出したカードには二足歩行の青い毛皮を羽織ったデジモンが描かれていた。頭には一本の角がある。

 

「そしてガブモンが進化したのがこのガルルモン。そして完全体のワーガルルモンに、究極体のメタルガルルモン」

 

 さらに取り出した三枚のカード。

 四足歩行の青い狼のガルルモン。

 ガルルモンが二足歩行になった人狼の姿をしたワーガルルモン。

 そして、全身を機械化したサイボーグになったメタルガルルモンのカード。

 

「メタルガルルモンになれば空を飛べるよ」

「これが俺! すごい! 進化するの楽しみ!!」

 

 ハジメの言葉に喜ぶツノモン。二人はそのまま一緒にテレビを見ながら、早く進化したいという話しをするのだった。

 

 

 

 ■■■■■

 

 

 

 ツノモンが生まれてから一か月程経った。

 その間、ハジメとツノモンは平和な日常を過ごしていた。ハジメが学校に行っている間、ツノモンは家に大量にある漫画やアニメDVDを見たり、愁や菫の職場で遊んだり、ギルモンやテリアモン、クルモンと遊んだりして過ごし、ハジメが学校から帰れば一緒に遊んだり、ハジメの宿題について一緒に考えたりと充実した生活をしていた。

 だがその一方でタカト達は再び謎のデジモン、サンティラモンと地下鉄で戦った。その時はツノモンが幼年期ということで戦いには赴かず、ハジメはタカト達の勝利を待っていた。

 タカト達にまかせっきりにするのは悪いとは思ったが、ゲームならともかく現実での争いごとが苦手なハジメは少しほっとしていた。

 

 それから数日後、学校のサマーキャンプの日がやってきた。

 

 近くの山にあるキャンプ場にハジメ達の学校の五年生全員で向かい、一泊二日のキャンプをする行事だ。

 タカト達はデジモン達が置いてきぼりになることと、最近戦い続きになっていたことを憂い、気分転換をさせるためにデジモン達もつれていくことにした。当然、ハジメもツノモンを連れていくことにした。

 ツノモンやテリアモンは体が小さいため、ぬいぐるみやバッグのふりをさせれば連れていくことができた。だが体の大きなギルモンは引率の先生たちに見つかってしまう。

 そこでタカトとハジメ達はクラスメイト達に協力を求めた。タカトが担任の浅沼先生の気を引いているうちにクラスメイト達の体で隠したギルモンをバスに乗せることに成功。そのままキャンプ場へ出発した。

 バスの中では浅沼先生が寝ているのをいいことに、ギルモンも交えたカラオケ大会を開いたり、ツノモンがその可愛さから女子生徒たちに可愛がられたりと賑やかな道中となった。

 

 キャンプ場に着いたハジメ達はすぐにテントを張り終えると、ヒロカズとケンタに断りを入れて山の奥へ向かった。

 先生たちの目がないことを確認すると大きなシートを広げ、ハジメが持ってきた重箱の弁当を広げる。

 

「うわぁ、すごいお弁当」

「うん。大きさもそうだけど中身も豪華だね」

「おいしそー!」

「早く食べよう!」

 

 タカトとジェンが驚き、ギルモンとテリアモンが早く食べようとする。

 

「うちの家族にはデジモンのことばれているからね。頼んでみたらデジモンたちの分も用意してくれたんだ」

「菫のご飯おいしいよ!」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

「「「「「「いただきまーす」」」」」」

 

 ハジメ達は菫の用意した弁当を堪能した。味もそうだが、大自然の中でみんなと食べるその時間は掛け替えのない思い出の一つとなったのだった。

 

 

 

 弁当を食べ終えた後、ヒロカズとケンタ、他のクラスメイト達も加わり、先生たちに隠れながら山での遊びを堪能した。普段、あまり外で遊ぶことをしないハジメもツノモンと山を駆け回った。

 やがて日も落ち、夕飯になってキャンプファイヤーを囲みながら自炊したカレーを食べたり、タカト達とは別のクラスの担任の森先生の怖い話に震えたりした。

 

 夜中、みんなが寝静まった頃にヒロカズとケンタに頼み、ハジメとタカトとジェンはデジモン達を連れてテントを抜け出した。

 綺麗な夜景が見えるというスポットに向かうためだ。

 デジモンたちは夜の山道を楽しそうに駆けていく。ツノモンはギルモンの頭の上に乗っている。

 その様子をハジメ達は微笑ましそうに見つめている。

 

「テリアモン達嬉しそうだね」

「連れてきてよかったよ。特にギルモンは、普段は人目につかないようにしているし」

「ツノモンも幼年期だからあまり自由にさせたら危ないんだよね」

 

 そして、夜景の見える崖にやってきた。

 三匹と、いつの間にか現れたクルモンはその光景に目を奪われる。その様子を見て連れてきてよかったと思うハジメ達だが、突然デジヴァイスが鳴り始める。

 

「まさかデジモン!?」

 

 思わずつぶやいたジェン。デジヴァイスを見てみると確かにデジモンの反応を示す赤い反応があった。だがその反応は今まで見てきた反応よりも、

 

「反応が小さい」

「どうする? ツノモン達を呼んでくる?」

 

 ハジメの言葉にジェンは少し考えこむとデジモン達の方を見る。まだデジモンがいることに気が付いていないようで、夜景を見ている。

 

「僕とタカトで確認しに行こう。ハジメはデジモン達をお願い。僕達が戻ってくるまでごまかしておいて」

「わかった。気を付けて」

「うん。行こうタカト」

「うん」

 

 ジェンとタカトがデジモンの反応のある森の中に入っていくのを見ながら、ハジメはデジモン達を引き続き見守り続けた。

 幸いタカトとジェンが戻ってくるまでデジモン達は二人の不在に気が付くことはなかった。

 戻ってきた二人によると反応のあったデジモンはとても小さく、暴れる様子はなかったらしい。

 とはいえ、デジモンのことに気が付くとまた戦いになり、せっかくのキャンプが台無しになってしまう。そのため三人はデジモン達を連れ急いでキャンプ場に戻ったのだった。

 

 その夜、東京では大規模な停電が起こっていたことをハジメ達は知る由もなかった。

 

 

 

 ■■■■■

 

 

 

 翌朝、朝食を食べた後ハジメ達は川で遊んでいた。

 ここでもハジメ達はデジモン達を遊ばせるために上流にある人気のない沢を見つけ、そこで遊んでいた。

 ツノモンは手足がないため泳ぐギルモンの背中に乗っている。

 

「ギルモン泳ぐのうまいね」

「でしょでしょ。もっとはやくなるよ」

「わー!!」

「僕も乗るー!」

「クルモンも乗るクルー!」

「わぁ──!? おもいよ──!!」

 

 ギルモンの上にテリアモンとクルモンまで乗っかる。すると一気に重くなったため、ギルモンはひっくり返ってしまった。

 

「何やってんだよ」

「あはは。でも楽しそうだ」

「ツノモンって水の上浮かべるんだ」

 

 それを見てタカト達は微笑む。ハジメはツノモンが水の上に浮くという事実にちょっと驚いていた。

 それから何故かギルモン達によく絡んでくる野良デジモンのインプモンが現れ、水遊びに混ざり始めたりしたが、賑やかに時間は過ぎていく。

 だがその時間は、突如として破られた。

 

「ギエエエエェェェェッ!!」

 

 響き渡る金切り声。ハジメ達が声のする方を振り返ると、木の枝の上に一体のデジモンがいた。

 その姿は金色の鶏。背中には二股の金具のようなものを背負っている。

 

「昨日のデジモンだ!」

「昨日より体が大きくなっている」

「ギエエエエェェェェアアアアアアアァァァッ!!」

 

 タカトとジェンが困惑していると、そのデジモンは背負った金具のようなものから電撃を放出し始める。

 それは真っ直ぐにギルモン達へ放たれる。

 

「「「うわああああああっっ!!??」」」

「ギルモン!?」「ツノモン!?」

「昨日の今日でこんなに大きくなるなんてっ」

 

 ジェンはデジヴァイスを取り出し、デジモンのデータを見ようとするが表示されない。

 

「データが出ないってことはミヒラモンやサンティラモンと同じ」

「デーヴァとか言ってたよね」

「あれがデーヴァ」

 

 先日地下鉄に現れたサンティラモン。消滅する間際、タカト達に自らを『デーヴァ』の一体だと名乗ったのだ。

 現れた二体のデーヴァはデジヴァイスにデータが最初は表示されなかったため、目の前のデジモンも『デーヴァ』であるとジェンは考えた。

 

「同じデーヴァだとしたら完全体かもしれない」

「成長期のギルモン達じゃ勝てない」

「ツノモンは幼年期だから……まずいっ!」

 

 ハジメは幼年期で防御力が低いツノモンが危ないと思い、駆け寄ろうとする。そこにデジモンから再び電撃が放たれる。

 

「ギエエエエェェェェアアアアアアアァァァッ!!」

「ハジメ危ない!?」

「ハジメッ!」

 

 タカトとジェンの静止の声もハジメには届かない。ただツノモンを助けたいという一心で、ハジメは駆ける。その姿を見たツノモンが叫ぶ。

 

「ハジメッッ!!」

「クルゥゥゥゥッッ!!!?」

 

 その時、まるでハジメの危機に呼応するようにハジメのデジヴァイスとクルモンの額の赤い三角模様が輝いた。

 

 ──XEVOLUTION──

 

「ツノモン! X進化!」

 

 ツノモンの体が光に包まれる。その光の中で体がデータに分解され、再構築されていく。

 手足のない体から、長い爪が生えた立派な手足のある体に。

 刃のようだった角は鋭く伸びる一本角に。

 体の上に青い獣型デジモンの毛皮を被り、さらにその一部を取り込みレッサー型から獣型へと変わる。

 

「ガブモンX!!」

 

 光の中からツノモンから進化したガブモンが飛び出し、ハジメに当たりそうになっていた電撃へ自ら飛び込む。

 電撃は直撃するが、とっさに盾にした自らの毛皮がダメージを軽減する。

 

「ツノモン? 進化したの? ガブモン??」

「フンッ!! ……うん、進化したみたいだ。ハジメ」

 

 両腕を振り回し、電撃を弾き飛ばすガブモン。その姿は確かにガブモンだ。だがツノモンと同じく、お腹の模様や、目つき。毛皮に覆われていない右手など所々違っていた。

 

「よくもハジメを攻撃したな!! 《プチファイヤーフック》!」

 

 ガブモンはハジメを攻撃された怒りを露わに、まるで獣のようにデジモンへ俊敏に飛び掛かる。

 固く握りしめた右腕を振りかぶると、そこに青い炎が迸る。そのまま右腕をデジモンの胴体へ叩きつけた。

 その攻撃を大したことはないと思っていたデジモンはまともに受けるが、

 

「ギエエエエェェェェッ!!??」

 

 成長期とは思えないその威力に悲鳴を上げながら枝から叩き落された。

 

「すごい」

「あ、データが出た。シンドゥ―ラモン。完全体。聖鳥型デジモン。やっぱり完全体だ」

 

 ジェンがデジモン──シンドゥ―ラモンのデータを確認している間に、枝から叩き落されたシンドゥーラモンは翼を羽ばたかせて飛び立つと、何処かへ飛んでいく。

 

「待てっ!」

 

 それをガブモンは唸り声を上げながら追いかけていく。

 

「ギルモンも行く!」

「僕も!」

 

 それにギルモンとテリアモンも続いていく。

 

「僕たちも行こう」

「「うん」」

 

 ジェンの言葉に、ハジメとタカトも同意する。

 三人は急いでテントまで戻ると、水着から着替える。その時、ヒロカズとケンタから麓の町で昨晩停電が起こったことを聞く。

 シンドゥーラモンの体が大きくなったことと電撃を放ったこと。それに停電のことを聞いたジェンの頭の中で三つのことが繋がった。

 つまり、シンドゥーラモンは電気を吸収することで体を大きくさせることができるのではないか? 

 そして、シンドゥーラモンは更なる力を求めて飛び立ったのではないか? 

 その推測から導き出されるシンドゥーラモンの行先は、この山にあるダム。水力発電所だ。

 

 

 

 ■■■■■

 

 

 

 バスに乗ってダムに向かったハジメ達三人はそこで発電所の電気を吸収するシンドゥーラモンと、そこに攻撃を加えるガブモン達を見つける。

 

「《ファイヤーボール》!」

「《プチツイスター》!」

 

 ギルモンの火球とテリアモンの小型竜巻が放たれるが、シンドゥーラモンは動じない。

 

「《プチファイヤーフック》!」

 

 ガブモンのプチファイヤーフックも繰り出されるが、電気を吸収してパワーアップしたシンドゥーラモンにはもう効いていない。

 

「何とかしないと。今なら……」

 

 ハジメはポケットから持ってきていたデジモンカードを取り出す。

 戦うのは怖いが、もうガブモンは戦い始めているし、タカト達もギルモン達を助けようとしている。なら四の五の言っている場合じゃない。

 

「僕もテイマーなんだ!」

 

 取り出したカードの中から一枚のカードを手に取る。それをデジヴァイスの側面にあるカードリーダーに通す。

 これこそデジモンと共に戦うテイマーの戦い方。

 

「カードスラッシュ!」

 

 パートナーデジモンへカードの力を与える唯一無二の方法。

 

「高速プラグインHハイパーアクセル!」

 

 ハジメがスラッシュしたカードの情報がガブモンへ送られる。その情報はガブモンのスピードを強化させる。

 

「走り回ってやつをかく乱するんだ! 顔を狙って!」

「わかった! 《プチファイヤー》!!」

 

 ハジメの指示に従ってガブモンは口から青い炎を吐きながら、シンドゥーラモンの周りを走り回る。

 そのスピードと顔に当たる炎に、シンドゥーラモンの注意がガブモンだけに向く。

 

「今だよ、タカト、ジェン!」

「うん」

「ありがとう」

 

 ハジメとガブモンが気を引いている隙に、タカトとジェンもカードを取り出す。

 

「「カードスラッシュ! 超進化プラグインS!!」」

 

 それは進化を起こすカード。その力を受けたギルモンとテリアモンは進化する。

 

 ──EVOLUTION──

 

「ギルモン進化!」

「テリアモン進化!」

 

 ギルモンとテリアモンのデータが分解され、再構成されていく。

 より大きく、強靭な体へ。

 強力な武器を手に入れて、その姿を現す。

 

「グラウモン!!」

「ガルゴモン!!」

 

 ギルモンは見上げるほどの巨体を持つ真紅の魔竜型デジモン、グラウモンへ。

 テリアモンは両手にバルカン砲を持つ獣人型デジモン、ガルゴモンへ。

 二体の成熟期デジモンがシンドゥーラモンへ挑む。

 

「グラウモン!」

「《エキゾーストフレイム》!」

「ギェイッ!?」

 

 グラウモンの口から放たれたのは、ギルモンの頃とは比較にならない火炎。それはシンドゥーラモンの態勢を崩す。

 その隙を優れたハンターであるガルゴモンは見逃さない。

 強く高く飛び上がると、シンドゥーラモンの顔に向かって右手のガトリングアームで突き上げる。

 

「《ダムダムアッパー》!」

「ギエエエエェェェェッ!!?」

 

 打ち所が悪かったのかふら付いたシンドゥーラモンは、グラウモン目がけて落下する。

 グラウモンは右肘にあるブレイドにプラズマを発生させ、シンドゥーラモンに叩きつける。

 

「《プラズマブレイド》!」

 

 シンドゥーラモンは吹き飛ばされ、ダムの湖に落下する。

 

「ギェイッギェエエエエエッッ!!??!??!」

「あいつ自分の電気で苦しんでいる」

「漏電しているってこと?」

 

 そのまま苦しんだシンドゥーラモンは、爆発して消えていった。

 

「勝ったの?」

「勝ったよ。ハジメ」

 

 シンドゥーラモンが消えるのを見届けたハジメが呆然と呟くと、そばに来ていたガブモンが答える。

 それを聞いてハジメは全身の力を抜いて座り込む。初めてのデジモンバトルに知らないうちに体に力が入っていたようだ。

 そして、今日新たな姿を手に入れたパートナーにねぎらいの言葉を送る。

 

「改めてこれからよろしく。ガブモン」

「こちらこそ。ハジメ」

 

 余談だが、この後進化して大きくなってしまったグラウモンとガルゴモンが帰りのバスに乗れなくなり、結局夜にハジメの父の愁に迎えに来てもらうこととなった。

 




〇デジモン紹介
ツノモンX抗体
レベル:幼年期Ⅱ
タイプ:レッサー型
属性:なし
プニモンの頭部の触手の1つが硬化した小型デジモン。幼年期にしてX抗体を取り込んだ希少な存在で、普段は憶病だが、仲間のために立ち向かう、勇敢な心を持っている。


ガブモンX抗体
レベル:成長期
タイプ:獣型
属性:データ
ハジメのパートナーデジモン。
X抗体を持つガブモンは毛皮のデータを取り込むことで、爬虫類型から獣型へ変化。獣らしい俊敏性と野性的な戦い方を好むようになった。
必殺技は「プチファイアー」とプチファイアーを右腕に宿らせて敵を殴る「プチファイアーフック」。この技を使うために右腕は毛皮に覆われていない。


明日にもう一話更新します。お楽しみに。
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