気づいてみたらこのエッセイ『私は休むのが下手』も150回である。
という訳で、今回はリセット後のリセット方法について語ろうと思う。
何を言っているのかわからないという人向けに説明だ。
仕事で疲れてリセットだ!うん。それは大事。
そのリセットは本来やりたい事だっただけに、大体全力でする事になる。
そうなるとどうなるか?
疲れる訳でして。
また、そんなテンションでストレスがかかる仕事なんてしようものなら、当然負荷がすごい事に。
この話を私にしてくれた友人は、これをギアチェンジと言ってくれた。
「坂道上るのはローにするけど、下る時はそれが邪魔になるでしょう?
平地を突っ走るならトップギアにするけど、それで坂道は走りづらいでしょう?
状況に応じてギアを変えるのだけど、私たちの体は残念ながらオートマ車じゃない訳で。
ちゃんとギアを切り替えるために、休憩が必要なのよ」
との事。
特に、その友人の言葉で心に残ったのは旅行後の休憩である。
「旅行に出かけた後、最低でも一日休みなさい。
自分の知らない場所から戻るだけでも、見えない所にストレスがあるものなのよ」
これを心掛けた結果、旅行後の肉体的トラブルがほぼ急減した。
魚が水に馴染むがごとく、何もしない。
それがリセット後のリセットのコツである。
とはいえ、人というのはご飯も食べるし眠る生き物である。
その際にはできるだけいつもの食事といつもの睡眠を心掛けるべし。
人間は習慣化する生き物なので、そういういつもの事をするだけでも体のリズムが整ってゆくのだ。
それと、この何もしない日を設けた事で急なトラブルの回避に役立つ事も。
キチキチのスケジュールを組んだはいいが、昨今の災害の多さで交通手段が定時に動くかどうかわからないからだ。
せっかくだから実体験を提示しよう。
西日本の旅行先から東京に帰らないといけないのだが、めでたく台風直撃と相まって飛行機の欠航が予想された訳で。
帰宅後仕事だったらまず東京に居ないからアウトという状況なのだが、その時の私には一日のお休み日があった。
「うん。最悪の事を考えて大阪のチケットを取っておくか。
大阪なら新幹線で三時間、新幹線が止まってもバスがあるし」
この時にはぎりぎり動いていた早朝東京便に変更できた事で事なきを得たが、疲労と心配のストレスで見事にダウン。
奇麗に一日を使い切って体力回復をする羽目に陥りましたとさ。
こういう所でも、予備日という存在はとても大事なのである。
格安航空会社でなくて大手航空会社だとこのあたりフォローしてくれるので本当に大事。
後、この経験から掛け捨ての旅行保険に入るようになったのは言うまでもない。
500円から1000円でこんなトラブル時の宿代とかが出るので安心を買うという事で買っておくべし。
さて、この話リセット後のリセットについて語っているのだが、ここまで読んだ読者はこう思う人もいるかもしれない。
「リセット後にリセットするのならば、リセット前にもリセットした方がよくない?」
その通り。あなたは正しい。
ギアを元に戻すために休憩するのならば、ギアを上げるためにも休憩は必要なのだ。
だから私は移動一日目、宿に入ったら迷うことなく寝る事にしている。
これだけでも、体が日常から非日常に安全に切り替わるのでお勧め。
その途中で観光もOKだが、派手に楽しんでめでたく体調を崩して後悔なんてしたくない訳で。
ちなみに、この話をしてくれた友人は、旅行先で睡眠誘導剤を飲んでいるのだとか。
「私、元々ショートスリーパーで睡眠障害の気があってね。
一日5-6時間しか寝れてなかったのよ。
それに気づいて、睡眠誘導剤を飲みだしたのだけど、7-8時間寝ると体調が見違えるようになってね。
旅先では興奮して寝れないから、この薬を飲んで確実に寝れるようにしているのよ」
との事。
まぁ、その友人お酒が駄目というのもあって薬なのだが、私なんて土地のお酒をがぶ飲……ゲフンゲフン。
さて、ここまでいい事尽くめに聞こえるこのリセット前後のリセットだが、もちろん欠点がある。
その最たるものは、リセット時間が長期化する事だろう。
一泊二日の旅行に行こうと考えるとしよう。
で、帰宅後の何もしない日を入れるとお休みは二日ではなく三日。
旅行前の何もしない日まで入れるとなんと四日になってしまう。
普通の人なら有給確定な訳で、おいそれとリセットに使える訳もなく。
だが、私はありがたいことに売文稼業でこの手の制約から一番遠い職業なので、ほぼこのリセット前後のリセットを入れた一泊二日四泊休憩旅を行えるのだが、そうでない人はどうするか?
やはり、移動しながら寝るタイプの乗り物を使うのがいいのだろう。
ブルートレインはほぼ死滅した現在、使えるとすれば船と深夜バス。
深夜バスでやられるのは某北海道地方番組を見た人なら分かるのでこの話的には除外するとして、船一択となるがこれが使い勝手が悪い。
じゃあという訳で、仕事後に飛行機に飛び乗るのが次善なのだが、それならば空港近くに必ずホテルを取るべし。
翌日楽しむなら8時間は寝てほしいので24時にはホテルのベッドに入る計算ならば、最低でも21時の飛行機で出て23時にチェックインができるホテルがお勧め。
もちろん素泊まりではなく食事つきで。
こうやって考えてゆくと、当たり前だがお金がどんどん飛んで行く。
これもこのリセット前後のリセットの欠点の一つだろう。
若かった青春時代。鍵のないカプセルホテルやネットカフェに泊まり、深夜バスで体に鞭打って旅行を楽しんだ体ではなく、代わりにある程度の金があるのだから、それは有効に使いましょうという話。
リセットに行ってリセットできなかったなんて一番もったいないでしょう?