私は休むのが下手   作:北部九州在住

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駆け足立ち寄り松山中予こぼれ話

 愛媛県愛南町町には紫電改が展示されている紫電改展示館がリニューアルする為に休館するのでそのサヨナライベントに行くために飛行機で松山へ。

 マリコと芳倉篤美さんと三人で飛行機で松山へ。

 飛行機で松山空港に降りると、玄関に愛媛県らしいものが。

 

「ああ。ポンジュースの蛇口ですね」

「「じゃぐち??」」

 

 ハモる私とマリコに篤美さんが四国ジョークを教えてくれた。

 

「四国の有名なジョークなんですよ。

 四国の台所には蛇口が二つあって、一つは水でもう一つは……

 愛媛はポンジュース。

 高知はお酒。

 香川はうどんの出汁。

 徳島は水が出るだったかな?

 お国柄あるあるジョークです」

 

「何で徳島だけ水なんですか?」

 

「吉野川の河口が徳島県なんですよ。

 日本の河川は河口の自治体がその川を管理する決まりがあります。

 つまり、四国の水がめ早明浦ダムを握っていると」

 

「うーわー」

 

 ジョークの中にきらりと光る人の業。

 四国という島の仲間が仲良くという建前の下で互いの足を踏んだり引っ張ったりというものはこういうジョークからでも見えてくるものだ。

 昼前にレンタカーを借りてさあ南下という前にお昼ご飯をば。

 という訳で鯛めしご馳走様でした。

 

「実は鯛めしのブームって最近なんですよ」

「そうなんですか!?」

 

 食事をしながらそんなトリビアで盛り上がる。

 篤美さんの鯛めしトリビアがまた面白い。

 

「まず鯛めしって二種類あるんですよ。

 南予の鯛めし、宇和島鯛めしなんて区別していますが、こちらは海鮮丼の卵かけご飯という感じで、中予の鯛めしは炊き込みご飯なんです。

 この宇和島鯛めしは新鮮さが命なので、南予の知る人ぞ知る料理だったのですが、技術の進歩で生鮮食品が都市部に流れるように、デパートのイベントなんかで知られるようになって、2007年の農林水産省『郷土料理百選』に選ばれた事で一気に知名度を得たんです。

 ちなみに、愛媛のグルメで鯛めし以外にももう一つ選ばれていて、それはじゃこ天なんですよ。

 松山では『じゃこ天うどん』で有名です」

 

 じゃこ天うどんか……うどん……さぬき……考えていたのだろう。

 篤美さんがそれとなく窘める。

 

「隣が讃岐うどんなので、松山もうどんには力を入れているんですよ。

 また機会がありましたら食べてみてくださいね」

 

 なお、松山の祝い物グルメに鯛にゅう麺なるものがあるとか。

 にゅう麺……熱いそうめんのお椀の上に焼き鯛を乗せる豪快な料理だとか……じゅるり。

 

 そんなこんなで松山を出発。

 都合上道後温泉に寄れないので後ろ髪を引かれながら、車は松山自動車道を南下する。

 松山は松山で色々と寄りたい所があったりするのだ。

 夏目漱石や正岡子規の暮らした街であり、日露戦争で活躍した秋山兄弟の故郷でもある。

 おかしい。

 時間に振り回されない暮らしをしているはずなのに、どうして旅てはこんなに時間に振り回されるのかと首をひねるのもつかの間。

 松山市から伊予市を抜けると一気に海と山の大パノラマが視野に入ってくる。

 このあたりは平成の高速道路建設という事もあって山をくりぬきトンネルをぶち抜くから景色が変わる変わる。

 特に夏の瀬戸内の海は空と海が溶けて青が視界を塗りつぶしてゆくから気持ちいい。

 そんな景色の激変を堪能すると車は大洲盆地へ。

 この辺りにほれ込んで、このあたりの架空戦国物を書いたら、当時の戦国時代もので本当に空白地帯だった愛媛県を掘り当ててしまい、そこから書き続けてついに小説家になった変わり者が朝倉さくらだったりする。

 

『大洲盆地で戦国時代の空白地帯を掘り当て、別子銅山由来の住友財閥と生まれが高知だった岩崎家と三菱財閥がらみの資料をベースに悪役令嬢を作りました!』

 

……うん。何度聞いても意味が分からない。 

 

 そんなこんなで宿に到着。

 ビジネスホテルなのだが……とすなおにフロントに聞いてみる事にした。

 

「このホテルAZって何て読むんですか?」

「ホテル エーゼットです」

 

 ちなみに、運営している会社の名前はアメイズである。

 この安さで朝食までついているのが素敵と先ほど出した朝倉さくらに語ったら面白い裏話を教えてくれた。

 

「このホテル、ファミレスのジョイフルの創業者一族が始めたホテルでね、ホテルにジョイフルが入っている事が多いのよ。

 で、このホテルもジョイフルと同じで安い土地を抑えて建設コストを抑えているから低価格を実験しているのよね」

 

「はえー」

 

 その為、他のホテルがあまり見向きもしない場所に建てて安さと道路交通網の整備が重なって店舗が拡大していた時にこのインバウンド大爆発である。

 インフレもあって価格を値上げしたがそれでも安く、少し前まではなんと5000円でお釣りがもらえるという信じられない安さだったのだから凄いとしか言いようがない。

 東京でこの部屋泊まって、朝食つきなら一万コースがざらなのだから。

 

 南町町の紫電改展示館についは改めて筆を設けるつもりで、旅のこぼれ話で原稿も埋まったので、最後はこの話で〆ようと思う。

 さきほどから出た朝倉さくらから聞いたじゃこ天うどんの話だ。

 

「何で食べなかったの?

 松山空港入り口にあるうどん屋さんに売っているのに?」

 

 それ、早く言ってよ……

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