私は陽葉の生徒会長   作:浦賀

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私は生徒会長の日花里藍だ。

 長い授業が終わり、放課後の時間が訪れた。ある生徒は家路を急ぎ、またある者は部活動や友人たちと遊びに出かける者もいる。そんなどこにでもあるような学校の放課後。

 

 外の喧騒を気にせず、書類に挑んでいる銀髪の少女が私こと、陽葉学園生徒会会長日花里藍(ひかりらん)だ。

 

「会長、来週のライブスペースの使用申請書類と掲示板の使用申請書の一覧です」

 

 申請書類の入ったクリアファイルを私に差し出して来た茶髪の少女が生徒会副会長兼会計の平塚美星(ひらつかみほし)だ。

 

「来週、ライブスペース3を使用するグループはPeaky P-key(ピーキー ピーキー)で申請先に被りはなし」

 

 申請書にサインをして時計を見ると後10分で下校時刻だった。

 

「今日の執務は終わりだな、副会長は鍵を掛けて先に帰って良いぞ」

 

 美星にそう言って自分の鞄を持ち生徒会室を出て職員室へと歩き出した。

 

さっきの申請書は?なんで学校にライブスペースがあるの?と皆は疑問に思うかもしれないので説明させてもらうとこの陽葉学園は普通の学校とは違う所がある。

 

一応言っておくが学校の地下に巨大のロボットの基地だとか超能力の研究施設とかではないとだけ言っておこう。

 

 DJと言うのをみんなも一度は聞いたことはあるだろう。クラブとかでよく見るディスクで音楽を繋いだりするあれだ。そのDJがこの世界では流行っている。

 

 そしてこの陽葉学園もまたDJ活動に力を入れているだから学校にライブスペースと言う普通の学校ならあり得ない物があるわけだ。

 

 さっきの申請書に書かれていたPeaky P-key、生徒の皆はピキピキと呼んでいるグループもこの学校の生徒が作ったDJユニットだ。

 

「失礼します、生徒会の陽花里です申請書類を届けに来ました」

 

 私は職員室のドアをノックし用件を伝え入室する。

 

「陽花里さん、いつもありがとうね」

 

 職員室にいた女性の先生が書類を受け取りお礼を言う。

 

「来週のパフォーマンス、ピキピキなんだ見に行きたいなぁ」

 

 申請書を見た先生が羨ましそうに言う。

 

「陽花里さんは見に行かないの?生徒会ならチケットも……」

「いえ、まだ仕事も残っていますし次の陽葉祭とかも考えなといけないので」

 

 先生が私がライブに行かないのを不思議がって聞いてくるが、それをはぐらかし職員室を出る。

玄関へ向けて歩く中、ふと外を見るとライブの帰りなのか生徒たちが楽しそうに家路に向かっていた。

 なぜだろうか私はそれを見て羨ましく思ってしまった、私も彼女たちの輪に加わりたいそう思って外を見ていると。

 

「あら、藍会長、また生徒会ですか?」

 緑色のツインテールをリボンで止めた少女が話しかけてきた。

 

「清水さんか、すまないが後5分で下校時刻だが他のみんなはどうした」

「響子たちは先に、今回は来てくれると思ったのに」

 

 緑髪の少女は残念そうに言う。この緑髪の少女の名前は清水絵空(しみずえそら)、先ほど申請書を出して来たDJユニットPeaky P-keyの自称ラブリー担当だ。

 

「すまないね、あまり私も時間が取れないのでね、それではまた明日」

 

 私は絵空に悟られないように短く帰りの挨拶をしその場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 (私はこれで良いのだろうか?)校門を出て家路へと向かいながら一人考える。この学校に通う皆が幸せに過ごせれば良いそう考え、私はライブなどには積極的には関わりはしないかと言って彼女たちがやる事にケチを付けたり妨害するような真似もしない、いわゆる中立の立ち位置を常に保って生徒会と言う形で彼女達が誰にも邪魔されずに輝けるように陰で尽力し続けてきた。

 

 でもこれで良かったのかと最近何度も考えるようになってきた。

 

「誰かがやらねばいけないなら私がやった方が良いに決まっている」

 

 そう呟きながら歩いていると家のドアの前に付いていた、私はドアを開けた。

 

「ただいま帰りました」

「お帰りなさいませ、今日の学校はどうでしたか」

 

 玄関を開け居間へ向かうと私の家のお手伝いさんが今日の自分の様子を聞いてきた。

 

「問題はない、それよりお父様とお母様は」

「お父様は遅くなるそうです、お母様はもうお夕飯を頂いてお休みになられるそうです」

 

 どうやら今日も父は遅くなるようだ、政治家をしている父が家に帰るのが遅くなる事などはよくある事であったし母親は体が弱く喘息持ちで家に帰った時には眠りにつくことも時々あった。

 

「そうか、すまないが私も少し休む、あと薬用の水を用意してくれ」

 

 そして私も母と同じようにあまり体が強くない上に喘息を患い16歳まで薬で発作を抑えながら生きてきた、当然こんな体では激しい運動は禁止、体育も調子によっては見学、ダンスやパフォーマンスなど言語道断だ。だから生徒会長と言う名前と聞こえは良いが実質的な雑用のような仕事をやっている訳だ。

 

「それに私の体では皆に迷惑をかけてしまうだろうしな」

 

 手慣れた手つきで喘息を抑える薬を取り出しながら呟く、いつの間にかお手伝いさんが机の上に水が注がれたコップを置いておいてくれたのでそれで薬を流し込む。

 

 

 

「これで良いんだこれで」

 そう呟き自分の部屋へと向かい眠りについた。




ここまで読んで下さりありがとうございます。

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