愛本さん、いやりんく達と仲良くなってから少したったある日放課後、その日は雨がふっていたがそんな日であっても学校はある。そんな訳で雨による頭痛で少し沈みそうな気分を抑えながら生徒会で仕事をしている訳だが特に今日のような雨の日は他の委員と一緒に校舎の安全を守る為の見回りも仕事に入ってくるので放課後は忙しのだ。
「まったくこうも雨が続くと仕事にも気が入らんな」
頭痛の原因である今の天気に文句を言いながら私は校舎の見回りを始める、まずは1階、ライブスペースや控室のあるエリアだ。どうやら今日はハピアラのライブがあるようなので大勢の生徒がライブスペース周辺に集まっていた。
「あ、藍会長、ライブを見に来たんですか」
「いや、今日は雨だからな雨漏りや壊れた個所がないか見回りだよ、今からライブかい楽しんでいってくれ」
頭痛を我慢しながら私は話しかけてきた生徒の問いかけに若干ひきつった笑顔で答え見回りを続ける。
「地下のライブスペースは問題なし、副会長たちは他の階を見てるからあとは10階だな」
他の生徒会や風紀員会の生徒たちの担当か所を思い出しエレベーターで10階に向かった。
陽葉学園の10階は教室や特別教室が多くそのため昼間は多くの生徒で廊下はぎわっていたが放課後しかも雨の日とあってか生徒の姿は少なく静かな光景が広がっている。私は窓が開いていないかどうかを確認しながら見回りを始めた。最初は奥側の教室から見回りを始め窓のカギを触ってしまっているかどうかを確認する。次に特別教室のカギが閉まっているもしくは部活動等で使用している生徒がいるなら声を掛けた。
最後にこの学校は外の光を入れるために大きな窓が天井に着いている。今はあいにくの雨だが晴れているときは日の光に照らされ居心地が良いのでベンチも置かれている。私はベンチ方を見るとそこには暗くて良く見えないが人のような何かの影がベンチに座っていた。
誰か具合の悪い生徒がいるのかもしれないと思い近づくいてみるとそこには銀の髪をした少女がまるで童話のお姫様の様に眠っていた。私はその少女の顔をよく見ると一年生に転校してきた芸能事務所所属、平たく言えばアイドル系のDJユニット、
私は出雲さんを起こすべきか迷ったが、今日はそこまで気温が高くないと思いだして風邪をひいてしまうと思い出雲さんを起こす事にした。
「出雲さん、出雲さん、起きてくださいこんなところでは風邪を引きますよ」
「誰ですか?」
私は出雲さんの肩をゆすりながら声を掛けた。出雲さんは目をこすりながら話しかけてきたので私は出雲さんから手をどけ出雲さんに目を合わせ話しかける。
「おはよう、出雲さん、ぐっすり眠っていたようだけど大丈夫?」
「たしか、生徒会の人ですよね、私は大丈夫です」
私は出雲さんに目線を合わせられるよう身を屈めながら話しかける。すると出雲さんの意識もはっきりとしてきたのかこっちを見ながら答える。
「そうか、ならいいんだ、出雲さんお仕事の方も頑張ってるし辛いなら新島さんや花巻さんに言うんだよ」
私は出雲さんの答えに安心したが、念のため出雲さんの事を気遣う、特に彼女の様に芸能人として活動している場合特に学業だけでなく仕事も入るので体や精神負担が多くなりがちとなるから特に注意しなければならないからだ。
「会長さんこそ、大丈夫ですか?こんな雨の日なのに見回りは大変だと思いますけど」
出雲さんは心配そうな顔で聞いてくる。
「大丈夫ですよ、いつもの事ですから」
私は出雲さんに頭痛を我慢している事を気取られないように表情や声に気を付けながら会話を続けた。
「嘘、ついてますね」
出雲さんは、きれいな透き通る声で私が嘘を言っていると鋭く指摘してきた。
「いや、どういうことかね私はとても健康的だぞ」
私は表情でバレたかと思い取り表情を繕いながら私が健康であるとごまかして切り抜けようとする。
「会長さんの声、痛いのを我慢している人と同じ色が見えましたから」
出雲さんはまるで人の感情が見えるような発言をしていた。そういえば、私は出雲咲姫と言う少女が陽葉学園にやってくる前、担任と生徒会の一部だけに先生から見せられた出雲さんのプロフィールの内容を思い出していた。
今から少し前、陽葉学園学長室。
「学園長、出雲咲姫さんのプロフィールについてご質問が?」
私は学園長を前に、出雲さんの書類の一部を指さしながら問いかける。
「この共感覚と言うのは出雲さんの場合、具体的にどのタイプに当たっているのでしょうか、後具体的には我々も支援などを行う必要がどうかをお聞きしたく」
私は出雲さんがこの学校に来るに当たって心配していたことがあった、ただでさえ芸能活動と言う周囲から浮きやすい状態である上に共感覚と言う。多くの人間との差異を抱えている。
もちろん私はこの学園の生徒の善性、いわゆる人の心の光と言うべき物を信じてはいるつもりだ。しかしどこかのロボットアニメの特殊能力者の様に排斥されたりいじめを受けるなどと言う事態はないと信じたい。
しかし万が一と言う場合に備えるのも生徒会、ひいてはその長である生徒会長の役割であると考え、生徒会としても支援する事があるかどうかを確かめておく必要があった。
「藍会長、心配はするな我々や出雲さんの担任予定の先生もしっかりと出雲さんの事を理解して最適な対策を準備している」
学園長は落ち着かせるように優しい顔と口調で対策をしていると言ってきた。
「ですが学園長、この陽葉学園では今までにそういった生徒の受け入れの経験は多いとは言い難いと思われます、特に出雲さんのような人のケースは」
私は学園長に思っている不安を投げかけてみる。
学園長はコーヒーを手渡しながら、諭すように問いかけてきてきた。
「もしかして生徒が彼女を排斥したりするのではないかと疑っているのかね?」
学園長は顔に少し笑みを浮かべながら、私の懸念を言い当ててくる。
私はコーヒーに軽く口を付けながら答える。
「我々人間は、歴史が証明するように自分や集団と違うものを恐れるものです、警戒をするに越したことはないと考える次第です」
私はこの状況を見て嘘を言ってもメリットがないと判断し白状する事にした。
学園長もコーヒーに口を付け私をまっすぐ見据える。
「君の父譲りの警戒心と用意周到さは美徳だが、君を生徒会長に選んだ生徒たちを信じてあげなさい」
学園長はコーヒーを飲み続ける。
「それが、君に教育者として言える事かな」
私は学園長に言われた事を反芻しながら出雲さんを傷つけないように言葉を絞り出した。
「出雲さん、見ていたのか君の眼の力で?」
すると出雲さんは、少し呼吸を置いていたずらが成功した子供のような笑顔で言った。
「嘘です、流石に話し声だけじゃなんとも言えません、けど頭が痛そうなのを我慢している顔をしていましたから」
どうやら私は無意識的に痛みを我慢するのが顔に出てしまっていたようだった。
「なんだ、そうだなこれが終わったら保健室で頭痛薬でも貰うさ」
などと出雲さんに答え安心させると。
「咲姫ー!」
と遠くから元気が湧くような少女の声が聞こえてきた、私はそっちに向くと見事な銀髪をポニーテールにし制服には同じ2年のリボンを付けた、元気はつらつとしている少女が咲姫をよんでいた。
彼女の名は
「藍会長もいるの?」
驚いたように新島さんは私に話しかけて来た?
「あぁ新島さんか、見回りの途中で眠っている出雲さんを見つけてね、私はまだ仕事があるので失礼するよ」
私は出雲さんを新島さん預け足早にエレベーターへと向った。
ベンチへと残された咲姫に衣舞紀は話しかける。
「そういえば咲姫って藍会長と話すの初めてだっけ? どう、だった?」
衣舞紀は咲姫に藍と話した感想を聞いてみた。
「どうだったと言われても、悪い人じゃないと思います」
咲姫は先ほどの自分の体験を踏まえて答えた。
それを聞いた衣舞紀は苦笑交じりに
「私、藍会長と同じクラスなんだけどなんだか近寄り辛いなって、悪い人じゃないと思うんだけど」
衣舞紀は自分が藍に抱いている感覚を正直に言った。
「前、りんくさんや真秀さんと楽しそうにしてたので今度はこっちから話しかけてみましょう」
咲姫は自分が前に見た光景を思い出し衣舞紀に提案する。
「今度話すときはこっちからで決まりね」
そういい二人はこちらから話しかける事を決めた。
「はぁ~私は頭痛薬の副作用でぼーっとしながら考えていた」
もう少し新島さんや出雲さんと話すべきだったかなど頭の中で考えがぐるぐるしていく。
「まぁくよくよしてもしょうがないかと、窓の外を見ると雨は上がり少し星が見えていた」
私は少し星に願ってから眠るとする内容は(次は積極的に話せますように)と。
お楽しみいただけたでしょうか、次はピキピキ編です。
次回もお楽しみに