万魔殿の主〜胡散臭いトレーナーとウマ娘たちは日本を驚かせたい 作:仙託びゟ
離職に伴うワチャワチャが続いております。
今回も短めです。閑話的な感じでお読みください。
『????年 有馬記念 ラストスパートへの反応』
「ちょっと待てぃ!!」
『雷切かな?』
『雷切のボブじゃん』
『相席酒場か?』
「エエねんそういうんは!! なんや今の最後の!! ナイスネイチャなにしたん!!?」
「"
『話は聞かせてもらった。あれは領域ではない』
『領域研究に自信ニキ!?』
『生きてたのかゾーン研究ニキ!?』
『《八方睨み》や《疑似ゾーン網》のような技術の一種だろう。やっていることはヒシアマゾンの領域に近いな。威圧を当てることで起こる反応を「視野が狭くなる」ことに特化させた目くらまし……ここまで来ると《奇術師》と言っても過言ではない技量だな。いきなり使えるようになったというよりは、今まで練習してきたものを、ヒシアマゾンの領域を食らったことでコツを掴んだといったところだろう』
『急にめっちゃ喋るじゃん』
『言ってることわかるけどわからん』
『それだけじゃなくね? ネイチャ《八方睨み》のとき明らかに速くなってるよね?』
『確かに……』
『偶然だぞ』
『いや、速くなってるな……』
『技術の応用法を知ったことで別方向に活用させられるように進化したのか……? 少なくとも領域には見えないが確かなことは言えないな……』
『長文ニキ、ありがとうございます』
「ほえ〜……もうなんかわけわからんな……」
「私たちもまだ強くなる余地がある、ということだろう?」
「……オグリぃ、そない言い方してエエんか?
「あぁ、望むところだ」
『あぁ、シングレってる……』
『いいよね、シングレ路線……』
『シングレ路線ってなんだ』
『それまでなんだかんだかわいい路線ばかりだったウマ娘写真集界隈で唐突に出てきた、レース中のバッチバチな表情を写したオグリメインの写真集「シンデレラグレイ」のこと。転じてバチバチしてる様子』
『結局なんで急にあの路線になったんだっけ?』
『機器の進化でようやく走行中のウマ娘をまともに撮れるようになったからだったはず』
『CG技術の発達で領域のイメージをあとから加工で付け加えられるようになったのもデカい』
『今じゃ割と多くなったもんな、シングレ路線』
『????年 ドリーム・ウィンター・クラシック振り返り放送』
《オグタマライブ!》
「まいど〜! ドリームシリーズウマ娘のタマモクロスやぁ!」
「まいど。ドリームシリーズウマ娘のオグリキャップだ」
『まいど』
『まいど』
『まいど』
『オグリのまいどたすかる』
「今回は年末に行われたドリーム・ウィンター・クラシックの振り返りだ」
「結局発走前に鯖落ちして、その日のうちは直らんかったからなぁ」
『いやでもしかたない』
『そら(あんなん見せられたら)そう(なる)よ』
『うちの爺ちゃん病室で観てて「悔いはない」って言ってそのまま逝きかけたからな。峠は越えたからよかったけど』
『洒落にならねぇ』
『実際伝説だからな……』
『ついこの間まで永世三強引退でしばらくこんな強い世代も来ないんだろうな……とか思ってた気がするんだわ。蓋を開ければこれだもんな』
『神話時代、伝説時代から引き継いだ英雄譚時代とか言われてるよな』
『そういうの好きな連中、一定数いるよね』
『まぁ言うて今回のレースに関しては賛否両論あったろ』
『ドリームシリーズに出る資格のないウマ娘がドリームシリーズに出走したことについてか?』
『いいじゃんな。ファンは喜ぶ、ウマ娘も喜ぶ。Win-Winで』
『喜ぶウマ娘が一部に限られるのが問題なんだよ。あの4人、あるいはマルゼンだけを特別扱いしていいのかってことだ。特別扱いってことにしなきゃきりがなくなるし、変な前例は作らないほうがよかったって意見は別に間違ってないだろ』
『スケールを下げれば、賞金額で足切り食らったレースに自分より賞金額低かったやつが出てるようなもんだからな。そら出られなかったやつらからすれば鬱憤溜まるわ』
『ドリームシリーズのくくりでやるからアカンのや。そういうコンセプトのレースを企画すればエエねん。ルドルフを主役に据えて参加してもらって、優先出走権を例えばスズパとかギャイナさんやエース、シービーとかシリウスとかにつける。そんであとは抽選にするとか』
『まぁそれが安定だよな……今回は多分企画に間に合わなかったんだろ。次回あたりはその辺うまく調整してくれるさ』