万魔殿の主〜胡散臭いトレーナーとウマ娘たちは日本を驚かせたい   作:仙託びゟ

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オグタマライブ ??/05/27

《オグタマライブ!》

 

「まいど〜! ドリームシリーズウマ娘のタマモクロスやで〜!」

 

「まいど。トゥインクルシリーズウマ娘のオグリキャップだ」

 

『まいど〜』

『まいどー』

『オグリのまいどかわいい』

『まいど〜』

 

「さて、今日は本年度クラシック2つ目、日本ダービーの実況をしてくで!」

 

「出走者はこんな感じだな」

 

「うちらのファンの娘おるやん。こないだ皐月賞勝っとった娘」

 

『ハクタイセイちゃん』

『デビュースベり芸』

 

「ファンだから贔屓するわけではないが、注目に値する娘だな。だが今回は少し距離が長いか?」

 

「見るからに2000ジャストが得意ですみたいな走りしとったからなぁ。距離の不利をどう覆すかやと思うで。皐月賞で"領域(ゾーン)"に入りかけとったから、そこからどこまで成長したかやな」

 

「メジロライアンは皐月賞では不調そうだったが、今日は仕上げてきているな」

 

「若干張り切りすぎとるのはまぁ許容範囲やろ」

 

『会場歓声すげぇな』

『黄色い声すご』

『ライアン女子の圧よ』

 

「オグリもこんなんやんなぁ? キャーキャー言われとる」

 

「そうなのか?」

 

『オグリギャルな』

『オグリギャルは散歩中の柴犬見てる感覚だろ』

『オグリントコトコでワロタ』

 

「犬なのか……」

 

「不満なら街で餌付けされんのやめぇや」

 

「断ると寂しそうな顔をするからな……」

 

『アイネスフウジンはいけんのか?』

『アイネスフウジンに2400mは無理だろ。2000mが限界』

『出たな距離不安おじさん』

『アイネスフウジンの脚心配』

 

「あー、いけるんとちゃう? 言うて中2週やし」

 

「あそこのトレーナーはケアの腕がいい。見ていてわかるくらいだ」

 

『お前ら基準だとそうかもしらんが』

『マイルCSからJC行った感覚は信用ならねぇ』

『G1連闘奴〜wwwwwwwww』

『何気に桜花賞トライアル→桜花賞→オークストライアル→オークスのイクノディクタスもイカれてる』

『イクノはそれで勝ててればな……』

 

「いやうち基準でも中2週はキツイわ。オグリと一緒にすなや」

 

「突然の裏切り」

 

「そうやなくて、今日アイネスフウジンびっくりするくらい仕上がっとるから、全然走りきるんちゃうかなって」

 

「確かに。絶好調といった面持ちだな」

 

『ホワイトストーンちゃん!』

『白石さん今日こそG1勝ってくれ〜』

『善戦マンからいきなりダービーウマ娘になったらカノープス壊れちゃう』

 

「いきなりってか善戦マンはこれまで善戦しとったから善戦マンなんやからいきなりとちゃうやろ」

 

「今回はGⅠ2勝のアイネスフウジン、ハクタイセイにGⅠ級のメジロライアンの3強プラスホワイトストーンに、他のウマ娘がどこまで食らいついていけるかというレースになりそうだな」

 

「ほなコースチェックしよか。日本ダービーのコースは東京レース場の芝2400m」

 

「特徴は中央のレース場では最も長い526mの直線だな」

 

「直線が長いと芝の荒れてへんとこを選べるし、加速のしやすさがダンチや。府中が後ろ有利って言われる所以(ゆえん)やな」

 

「スタートから第1コーナーまで距離があるから、結果的に内枠の有利は薄くなる。それから、第3コーナー手前に上り坂、第3コーナーから最終コーナーにかけて緩く下り坂があり、最終直線で緩い上り坂がある」

 

「とことん逃げの体力を削りに来るコース設計やね。『ダービーを逃げで勝つのは難しい』なんて言われるだけあるわ」

 

「事実、ダービーを逃げ切ったウマ娘はカブラヤオーを最後に現れていない」

 

『ドビビリのカブラヤオーか』

『現役時代は狂走なんて呼ばれてたのに……』

『俺当時完全にクールビューティーだと思ってたわ』

『カブラヤオーと比べるとアイネスフウジンの逃げ方がマトモだとわかる』

『そうかな……そうかも……』

 

「とか言ってる間に発走や」

 

「今回のファンファーレは海上自衛隊東京音楽隊の皆様に演奏していただいている」

 

『そういえばなんで自衛隊がレースのファンファーレなんてやってるん?』

『広報活動の一環』

『ぱぱぱぱー』

『ぱぱぱぱー』

『ぱぱぱぱー』

 

「コメ欄もよう鳴いとる」

 

「スタートしたな。おおかたの予想通りアイネスフウジンがハナを切った」

 

「トバしてはいるけど今までほどじゃないなぁ。流石にスタミナ温存してくるかぁ」

 

『いやわからん』

『今までと違いがわからん……』

『ライアンとハクタイセイは後ろか』

 

「ハクタイセイはいつも通りの中団好位やね。ライアンはやや後ろ……縦長になってきたなぁ」

 

「ハイペースで進んでいる。コーナーを抜けて向正面、単騎のハナと先行集団先頭のカムイフジとは3バ身から4バ身差。縮めようと追走しているようだが……」

 

「無理やろうね。アイネスフウジンはあれでスタミナ温存しとるから、前でガツガツくっついとったら先にバテてまうわ。掛かっとんのか?」

 

「マイルの朝日杯で完敗して、中長距離のダービーでも負けるのが我慢ならないのだろうか。だいぶ焦れ込んでいるように見えた」

 

「あー、わかるわー。ウチも毎日王冠1着が2500mで差してきた思たらその後安田とかマイルCSとか勝っとってわけわからんくなったし」

 

『こいつらに実況させると凄さが霞むな』

『緩い雰囲気出してるから忘れるけどこのふたりもレジェンド級なんだよな』

 

「第3コーナー前の坂はなんとか乗り越えたようだが、先行集団の多くはここで脱落だろうな」

 

「後ろのウマ娘はこの辺で仕掛けんと詰むで」

 

『ライアン来た!』

『ハクタイセイも仕掛けた』

『一流は流石なんだなぁ……』

『ホワイトストーンちゃんも来てるよ!』

『アイネスフウジンは4角スパートか……スタミナ温存策が吉と出るか凶と出るか……』

 

「コメ欄も言うとるけど、アイネスフウジンが最終コーナーまでスパート渋ったんはスタミナ気にしたからやろうね」

 

「見た目ほどスタミナは残っていないようだな」

 

「こっからは根性勝負や。気持ち途切れたやつから負けるで」

 

『おわっ』

『ふぁー』

『なんや』

『どしたん?』

『領域キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』

 

「あぁうん、ハクタイセイの"領域(ゾーン)"が出たんやね」

 

「流石にカメラ越しだと視えないな」

 

「現地勢のどんくらいがしっかり見えてんのかもわからんけどな」

 

『ハクタイセイのゾーンってどんなん?』

『猛吹雪の夜みたいな感じ』

『俺オグリンの領域見たことあるけどあれにちょっと似てた。オグリンのに比べて攻撃的だけど』

『皐月で食らってダービー落とされたけどスゲェ寒かったゾ』

『おはワイルドファイヤーネキ』

 

「アガってきたライアンと逃げるアイネスの脚色が曇ったな」

 

「ホワイトストーン上手いな、"領域(ゾーン)"食らわん位置で待機しとるわ」

 

『アイネスフウジン再加速!!』

『アイネスも覚醒!?』

『アイネスの"領域"キタ!?』

『ハクタイセイー!!』

 

「あー……"領域(ゾーン)"やね……今年のクラシック質高ない? あれ普通シニア期とか、早くてもクラシック秋天辺りできっかけ掴むもんとちゃうんか?」

 

「よく見てみるとライアンも"領域(ゾーン)"に入りかけてるな。こちらはまだうまく発現していないが」

 

「精神性の違いやろね……ハクタイセイ落ちてきたな……」

 

「アイネスフウジンはここでゴール、2着はハクタイセイ抜いてメジロライアン、3着にホワイトストーンだな」

 

『まーたカノープスだよ』

『何故皐月賞ウマ娘を差しておいて勝ちきれないのか』

『距離不安おじさん見てるー?』

『不安なのは事実だろ、3連対含め全員うずくまってるし』

『うおっ、スゲェコール』

『今までこんなんあった?』

 

「気持ちええ勝ち方したからなぁ……応援したくなったんやろ」

 

『ヒトカスやるやん!』

『その優しさを普段から見せろヒト畜生』

『なんだぁ……テメェ……?』

 

「ヘイトスピーチ……」

 

「対立煽りに触んなや。無言で通報、ええな?」

 

「ウイナーズサークルで授賞とインタビューだな」

 

『出た、黒い人』

『相変わらず怪しい』

『なんか青いのいない?』

『アイネスフウジン騙されてない? 大丈夫?』

『ダディー! 青いのおるー!』

 

「ここまでコテコテに怪しいと逆に怪しくないんちゃうか?」

 

「ジェイソンが斧を持っているようなものか?」

 

「いやそれは100パー殺人鬼やん」

 

『Q.日本ダービー出走はどちらの希望?』

『A.選択肢として提示したのは自分(トレーナー)だが、希望したのはアイネスフウジン』

『黒くてデカくて笑顔が胡散臭いからもう怪しすぎる』

『Q.勝利は確信していた?』

『A.勝率はそれほど高くないと思ったからこの日までにコンディションを整えた。それを踏まえれば間違いなく勝てると断言できる』

 

「どんな管理能力やねん」

 

『おかしいこと言ってる』

『アイネス「レース前に"領域"に入ってこいって言われた」』

『入れって言われて入れるもんじゃないんよ』

 

「確かに一発目の"領域(ゾーン)"って絶好調なときか苦戦してるときやけど……ムチャクチャやな……」

 

『Q.意図して"領域(ゾーン)"を発現させた?』

『A.それはない。仕上がりきった手応えがあったからハッタリで言った。精神的な比重が大きいことは知っていたからハッタリでも効果的だと思った』

『アイネスすごい顔しとるやん』

『アイネスめっちゃ驚いてて芝』

『そらハッタリじゃなかったら超人の類やろ。領域やぞ』

 

「普段からの信頼が見て取れるな。トレーナーが期待を裏切らないからこそウマ娘も指示を信じられる」

 

「怪しいナリしとるけど関係は良好みたいやね」

 

『月刊ターフの記事はやっぱガセか。トレーナーが話題作りのために無理矢理ダービー走らせたってやつ』

『こんだけ信頼してるのわかるんだからガセで間違いないだろ』

『なんであそこ潰れないの?』

『陰謀論好きとか人類ウマ娘対立厨がこぞって買ってるから』

『アイネスとメイクデビュー走った娘から聞いたけど月刊ターフそこで難癖つけて網Tにろんぱっぱされて逃げ帰ったらしい』

『逆恨みやんけ!』

 

「はいはい、当放送は月刊トゥインクルの企画でお送りしておりますがコメ欄の他社叩きは触れないでいくでー」

 

「タマ、それは触れているのでは……?」

 

『Q.これからも中長距離に出走する予定?』

『A.今回はアイネスフウジンが出たいと言ったから出した。アイネスフウジンの適正距離はマイルで間違いないから基本的にはマイル路線、長くても2200m』

『宝塚出す気満々で芝』

『日本総大将やってくれんかなと思ったけど無理か。海外勢にアイネスの超高速バ場食らわしたかった』

『インタビュアー青い娘チラッチラ見てて芝』

『アイネスフウジンが出たいって言ったら出るぞ』

 

「まぁ担当の意見を尊重するってゆーとるようにもとれるわなぁ」

 

「なるほど、これが情報戦」

 

『Q.そちらの方(青いの)は?』

『A.担当ではないが個人的に指導している娘』

『ターボやんけ!』

『ツインターボやん』

『誰や』

『開幕ダッシュちゃん』

『有名人?』

 

「いや、見たことはないな……」

 

「ウチ模擬レースで見たことあるわ。開幕からスパートかけて途中でバテて沈んでくとこ」

 

『芝』

『アホで芝』

『ターボ「ターボはツインターボだぞ!」』

『これは愛しいアホ』

『個人的に指導……?』

 

「なんかまたエラいこと言うてんねぇ!」

 

「自信満々だな」

 

『ターボに全部バラされてて芝』

『【速報】アイネスT、ダービー勝つの前提で事前スカウト』

『朝日杯終わってからって言ってたからNHKマイル勝つのも前提か?』

『笑顔引きつってて芝』

『アイネスとライアン表情逆やろ、なんでアイネスが驚いててライアンが苦笑やねん』

『しかも今年デビュー予定かよ!?』

 

「この青いのも青いのでなんで受け入れてんねん……」

 

「なにかまずいのか?」

 

「詳しくは省くけどアイネスフウジンが全勝してへんかったら正式なスカウトがメイクデビュー開始に間に合わんねん。未勝利戦の回数は決まっとるから、メイクデビューがズレ込むほど不利やろ?」

 

「1回目のメイクデビューで勝てばいいのでは?」

 

『それはそう』

『怪物に常識を説いてはいけない』

『タマ、諦めろ。オグリだ』

『ツインターボってこれ言えるくらい強いんか?』

『昨年末の選抜レースはドベ』

『ダメじゃん』

『問題行為にはならんの?』

『ウマ娘側が納得しとるから問題にはできひんけどグレーゾーン』

 

「まぁ実際に勝たせてるわけやからな……チーム制度も優秀なトレーナーにいっぱいウマ娘育ててもらおうって制度やし……」

 

『ライアンとハクタイセイ知っとんったんか』

『【悲報】ターボ、アホ』

『最大の仮想敵相手に最大の挑発カマされたアイネスTェ……』

『もしかして:自業自得』

『担当の誕生日プレゼントのリサーチする優しさと悠々と制度のグレーゾーン歩く悪辣さの高低差で耳キーンなるわ』

『レースより盛り上がってきてて笑うわ』

 

「インタビュアー困ってるぞ」

 

「色々聞きたい気持ちとライブの時間が近いことの板挟みなんやろなぁ」

 

『ターボ「ターボ、テイオーに勝つ!」』

『癒やし』

『テイオーってトウカイテイオーか?』

『皇帝の秘蔵っ子やん』

『茨の道っていうか有刺鉄線』

『流石にシメの指示が出たか』

 

「はい、このあとはライブやね。長かったわ」

 

「いつもどおりウイニングライブ前にお別れだ」

 

「それじゃあみんなぁ」

 

「「ほなな〜」」

 

『ほなな〜』

『ほな』

『ほつー』

『ほななー』

『オグリのほなな〜助かる』




タボボの件でアイネスフウジンが驚いてるのは、そのことをライアンたちが知っていたことに対しての驚きです。
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