トレセン用務員のおっちゃん   作:魔女っ子アルト姫

42 / 76
ヒビキさんの初期設定①

元々はスペの父親設定があった為、40代の予定だった。


第42話

他のチームを巡りながらのサブトレーナー業務をこなすヒビキ、そんなヒビキをサブトレーナーとして望むチームは多い。それだけ彼がウマ娘達からの信頼を集めているという事になる、実際彼がサブトレーナーとして入ったチームは明確にウマ娘達のモチベーションが上がって練習効率が上がっていることがあげられる。それが顕著であるのはチームスピカだろう。

 

「よしいいタイムだ……スペっ調子上がって来てるな!!」

「はいっ!!これならジャパンカップでもいい結果が出せそうです!!」

 

コースを走り抜けたスペは好タイムを残せたことに好感触を感じている、これならばスズカにも良い報告が出来そうだと思っていると大きなクーラーボックスを担いで来たヒビキが目に入ると其方へと駆け出して行く。

 

「ヒビキさん見てくださいっ良いタイムが出たんですよ!!」

「おおそりゃ凄い、んじゃご褒美タイムと行きますか。皆、差し入れ持ってきたよ~水分補給は忘れず~」

「わ~いおじさん頂戴頂戴~!!」

 

そんな言葉と共に降ろされたクーラーボックスの中にはドリンクがたくさん詰まっていた。早速いただこうとテイオーが手を伸ばして飲むと思わず吃驚したように声を出した。

 

「何これ美味しい!?ってこれもしかしてはちみーじゃん!?」

「あっそれ当たり。テイちゃんが好きだって言うはちみつドリンクに俺特製のニンジンジュースをブレンドしたスペシャル仕様」

「ニンジンはちみー!!そういう物もあるのか!!凄い美味しいよこれ~!!」

 

喜んで一心不乱に飲みだすテイオーの姿を見て他のメンバーも我先にとドリンクへと手を伸ばしていく。

 

「プハァッ!!ニンジンじゃないけどこれ美味し~!!リンゴジュースね!!」

「こっちはスポーツドリンクっぽいけどバナナとオレンジっぽいな!!」

「これは豊かな甘みと爽やかな口当たり……仄かな塩も良いアクセントになっておりますわ」

「おっあったり~はちみーだなこれ」

「ゴールドシップさん良いな~!!それじゃあ私はこれ!!……あっ私もアタリ!!」

「良しそれじゃあこれだっ!!」

 

最後になったアキラがドリンクを掴んで一気に飲み干すのだが―――一気に顔が青くなっていく。

 

「あれっ如何したんだアキラ」

「顔が青く……って今度は一気に緑になってる!?」

「アキラが引いたか、運が悪いなぁ~」

「何混ぜたんだよとっつぁん!?」

「青汁風味のはちみー。栄養抜群で運動後には最適、いやぁ作るの大変だったよ~」

『青汁!?何で作ったの!?』

「アタリがあるんだったらハズレもあった方が良いかなぁって」

 

態々手の込んだハズレを作る辺り、ヒビキも中々のエンターテイナーである。幸いなのが、口当たり自体は良いので口の中に苦味が残らなかったりする事だろうか。それでも苦いのが好きではないアキラにとっては普通に辛い水分補給タイムとなってしまったので、口直しとしてニンジンはちみードリンクを渡すのであった。

 

「トレーナーさん、これなら私ジャパンカップ行けますよね!!」

「タイムも好調、スタミナもパワーも順調に付いてる。とっつぁんの朝練の成果も出て来てるし筋肉量も順調、最高の仕上がりで行けるだろうな」

「こりゃジャパンカップ、スペ先輩が頂きだな!」

「そう言うには早いと思うわよ。ジャパンカップにはエアグルーヴ先輩だって出てくるし、簡単にはいかないと思うわ」

 

ウオッカの言葉を御するようにダスカがそういう、実際問題ジャパンカップに出てくるのは強豪ばかり。同期で言えばエルコンドルパサーもでてくるし、これまで経験した事が無いような決戦が待っている。

 

「いやぁ~私のメイクデビューが終わったと思ったら今度はジャパンカップ、イベント盛り沢山ですね~」

「そうだな、つってもアキラはアキラで次のレースも控えてる。お前も確りと準備はしとくんだぞ」

「は~い」

 

アキラは先日メイクデビューを済ませた。結果はなんと2位と8身を付けての圧勝だった。適性を見てダートに行くか芝で走るかはまだ検討中だが、本人的にはどっちでも走りたいとの事。

 

「まあ何とかなんじゃね?おっちゃんのメニューもこなしてんだぞ」

「少々浅く考えすぎなきも致しますが、実際私たちは成長しております。故にどんどん前へと行けると思いますわ」

「そうそうっ!!今のスペならきっとジャパンカップでも勝てるって!!」

「皆さん……うんっ私頑張ります!!ヒビキさんもお願いしますね!!」

「勿論、まあ俺はジャパンカップ見に行けないけど応援はしてるよ」

『えっ!!?』

 

突然の暴露に全員の時が止まったかのように静止したスペはまるでこの世の終わりのような表情で固まっている、そしてそれを見た沖野は思わずあっ……という声を上げ、それにマックイーンは素早く反応した。

 

「トレーナーさん、今のあっ……というのは如何言う意味ですか、貴方どういうことなのか知っていたのではありません事?」

「いやその……悪いとっつぁん、言うの忘れてた……」

「ええっ……」

「ゴールドシップ」

「うす」

「グエエエエエエエエエエエッッッ!!!」

 

見事なツープラトン、普段からは想像出来ない……いや普段があれだからこそ出来る連携によってなされる技によって極められる沖野。ウマ娘のパワーで行われるので並の人間では脱出は不可能、ゴルシはお前は電子レンジに入れられたダイナマイトだ!!と言っているが、色々と間違っている気がする。

 

「どどどどどどどういう事なんですかぁヒビキさぁん!?どうして応援に来てくれないんですかぁ!?」

「俺里帰りしないといけないんだよ、鬼としての使命もあるし」

「里帰り!?えっおじさんもしかして辞めちゃうの!?」

「辞めないって……長期休暇で実家帰るようなもんだよ」

 

本当は年末などに帰るべきなのだろうが、鬼としての使命は絶対に外せないのでこの時期になる―――まあ長期休暇と言っても1週間程度になってしまうが……用務員も足りない状況下でそれを補うヒビキが不在。そうなると自然と他の用務員への負担が凄い事になるので、理事長から出来るだけ早く帰って来て欲しいと懇願されている。まあ最悪、清めの儀式に参加出来れば良いので1週間処か行きと帰りを踏まえて2~3日貰えれば十分。

 

「そんなぁっ……ヒビキさんに見て欲しかったのに……」

 

明らかに落胆するスペ、申し訳ないが清めの儀式に不参加は許されない。それこそ入院したなどの事情が無い限りは、それに―――清めの儀式以外にもしなければいけない事もある。

 

「行かないといけないんだ、アスムに挨拶もしないといけないし」




雷電 響鬼。

里帰りする事になったトレーナー兼任の用務員のおじさん。休みは取れたけど、都合であまり長く帰れないが気にはしていない。

割かし悪戯は好き。その被害に合うのは大体がアキラだったりする。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。