「やぁっヒビキさん、歓迎させて貰うよ」
「やっほ~差し入れに来たよ~」
生徒会室へと訪れたヒビキ、その手には差し入れとして様々な物を持って来ていた。それを見てルドルフは普段通りに凛々しい表情の中に感謝と嬉しさを混ぜていた。
「エアちゃんとナリちゃんも一息入れな、お弁当作って来たから。どうせお昼まだなんでしょ?」
「やれやれお見通しか、先見之明だなヒビキさんは」
「何時もの事だから分かるだけだよ、前美味しいって言ってくれたニンジンポタージュもあるよ」
「ああ、あれか。私が居なかった時に飲んでた奴か」
ジト目を作るブライアンだが、彼女がサボっていなかった時の話なので自業自得とも言える。結局その時はエアグルーヴが罰としてポタージュを飲ませなかったらしい、その事で一悶着起きたらしい……因みにそのポタージュはもう一人の三冠ウマ娘が頂いて、ちょくちょく飲ませて欲しいと訪ねてくるようになった。
「まあまあまあ、今回はちゃんと飲めるから良いじゃん。ほらっナリちゃん専用に作った弁当だよ、お肉たっぷりだけどカロリー計算もバッチリな一品」
「流石だな、アンタは姉貴と違って無理に野菜を食わせようとしないから助かる」
「俺としては偏食はいけないと思うけど無理に食べさせるのもな~って甘やかしに近いから、ハヤちゃんには怒られるけどね」
重箱のような弁当を受け取って中身を見てみると肉が大好物であるブライアンの為のような中身が広がっている。見事な肉尽くしだが、色合いにも確りと心配りがされており見ている分にも美味しそうに見える。そして副菜として特製のニンジンポタージュ、完璧すぎる布陣だとブライアンは早速食べ始めた。
「おいブライアンお前は少しは……全く……」
「まあまあまあ、はいエアちゃんにも。卵多めにしといたから、はいシンちゃんにも」
「有難うヒビキさん。エアグルーブ、此処で休憩にしよう。折角の差し入れだ」
「分かりました、有難う御座います」
感謝しながら受け取る二人は自分達の弁当を見て同じように目を輝かせた、ブライアンに比べて控えめだが喜んでくれているのが分かるというのは作った身としては嬉しい限りである。
「このカツ……美味いな、肉厚だが噛み応えと柔らかさが良い。だが妙にコクが強い」
「おじさん特製カツ、普通のカツよりタンパク質は多いからウマ娘には最適だよ。ナリちゃんなら気に入ると思ったから多めにしときました」
「……アンタがチーム作ったらすぐに教えろ、移籍する。そして毎日作ってくれ」
「飯目的かい。ハナちゃんに怒られるから勘弁してくれる?」
チームリギルで占領されている今の生徒会室、そして三冠ウマ娘の一角であるナリタブライアン。食事一つでチーム変更まで考えるのは安いというべきなのか、それともそれだけの価値があると考えるべきなのか……。
「ブライアンそんな事で安易に移籍を考えるな!!そもそも東条トレーナーが許すと思っているか!?」
「知るか」
「お、お前という奴は……!会長も何か言ってやってください」
「落ち着け、彼女がそういう性格だという事は分かり切っているだろう。それに私だってヒビキさんがチームを作ったら移籍を検討するだけすると思うから強く言えん」
「会長!?」
「フフフッ冗談だよ、考えるだけさ」
まあ仮に今、自分がリギル入る前でヒビキがチームを起こしたらそのチームに入るだろうと思うのであながち冗談ではない。そんな事を想いながらも大胆にカットしてステーキ風に焼かれているニンジンを口に運びその味に感心しながらも、ヒビキ自身へと目を向けるルドルフ。
「ヒビキさん、何かあったのかな。初めて会ってから今日ほど貴方が嬉しそうな姿を見るのは初めてのような気がするが」
「ん~そう見えるかな」
「見えるとも。良い事でもあったか?」
先日の一件があってから、ヒビキは大きく変わったといってもいいだろう。何か憑き物が落ちたかのように明るくなったというか、雰囲気が良くなった。温和で優しい大人の男性だったのがより魅力的になったと語るウマ娘も多いしルドルフもそれは同意する。今までのそれに何かが加わっている気がする。
「そうだね、何かあったといえばあったかな―――余裕が持てるようになったって事かな」
「余裕、解せないが……私から見たら貴方は常に余裕を持っている人に見えたが」
「装ってただけだよ、上っ面の笑みで一歩引いてたからそう見えただけ」
「では、今は心からの笑みだと?」
何処か心外だな、と思っているルドルフ。今まで自分達が見て来たヒビキの笑みが上っ面だと言われて少しショックな気もするが、今の笑みを確かに今までのは軽い笑みだったと分かる。今のは心からの笑みだ、楽しそうに嬉しそうにしている。
「何時か教えてあげるよ、シンちゃんの目標である全てのウマ娘を幸せにするっていう第一段階、自分の幸せを見つけられた時に、ね♪」
「―――っ全く貴方という人は……ああ、その時が来たら是非教えて貰うよ」
「ああ、それじゃあ俺は行くよ。弁当箱は後で取りに来るよ」
「確りと洗って後で用務員室に届けさせてもらうよ」
そんなやり取りをしてから立ち去っていく後姿を見送ってからポタージュを口にする、優しい味わいに強く深いコクに安堵の息が漏れる。
「フフフッ意地でも教えて貰うよヒビキさん」
「ブライアン、移籍は本気じゃないだろうな。本気の場合、私はトレーナーに言わなければいけないんだが」
「本気も本気だが」
「たわけ!!」
「お~おっちゃん!!ターボのトレーナーになれ!!」
「やっほツインちゃん。う~ん……如何しようかな」
「おおっ何か今までと違ってなんか感触良いぞ!?」
「いやチーム作ろうかなってちょっと本気で考えてるから」
「ターボ入る!!絶対に入る!!」
雷電 響鬼。
マンハッタンカフェとマチカネフクキタルのお陰で色々と吹っ切れた結果、雰囲気が更に良くなって人気でそうになってるおじさん。チーム作りには意欲的になっているが、リギルから恨みを買いそうで少し怖いと思っている。
なんか、ヒビキさんがチーム作った場合のメンバーを考えてみたら大半がロリ系ウマ娘が多くなってきてあれぇ……?って思ってきました。
候補、ライスシャワー。ハルウララ。ツインターボ、マヤノトップガン。
パッと思い浮かんでこんなかな?って思ったけどあれ……なんで?って思ってます。というか師匠はカノープスだから不味いよなって思ってます。