過去を乗り越え、またひとつ前に進むことのできた彼女ですが…まだ人の目には慣れていない様子……。
人の目の多い雄英体育祭で無事、活躍することはできるのでしょうか?
それでは、体育祭編スタートです!
嫌われ者と体育祭
商業施設が立ち並ぶとある場所のバーの中に男のうめき声が木霊する。
「ってえ…」
「両腕両脚撃たれた…完敗だ…」
その男は雄英高校を襲撃した
「脳無もやられた、手下共は瞬殺だ…子供も強かった…」
「平和の象徴は健在だった…!」
「話が違うぞ先生……」
彼が話しかける先の1枚のモニターからは声が2つ。
「違わないよ、ただ見通しが甘かったね」
1つは低い壮年の男の声であり。
「うむ…なめすぎたな
もうひとつはしゃがれた爺の声であった。
「ところで、ワシと先生の共作 脳無は?回収していないのかい?」
黒いモヤのような男…黒霧がそれに答える。
「吹き飛ばされました、正確な位置座標を把握出来なければいくらワープとはいえ探せないのです。そのような時間は取れなかった」
「せっかくオールマイト並のパワーにしたのに…」
「まァ…仕方ないか…残念」
「パワー…そうだ……」
なにか思うところがあるのだろうか死柄木が口を開く。
「一人…オールマイト並みの速さを持つ子供がいたな……」
「……………」
「へえ」
「あの邪魔がなければオールマイトを殺せたかもしれない…」
「ガキがっ…ガキ…!」
「それにもう1人、俺の事を殴ったやつもいた…」
「脳無が殴っても死ななかったゴキブリ女…次会ったらあの地味なやつとまとめて殺してやる…!」
「へえ………随分頑丈な子もいたもんだ……後で調べておこう……まァ、悔やんでも仕方ない!今回だって決して無駄ではなかったハズだ。精鋭を集めよう!じっくり時間をかけて!」
悪は動き出す……
「我々は自由に動けない!」
「だから君のような”シンボル”が必要なんだ。死柄弔!!次こそ君という恐怖を世に知らしめろ!」
………ゆっくりと、確実に。
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今回のUSJ襲撃事件はヒーロー側の勝利で幕を閉じた。生徒は私と出久くんを除いて全員無事、先生たちも命に別状はなかったそうだ。
私の怪我は…っとこれを説明しようとするとまず私の体の構造から説明しないと。
私の体は腕と脚、腕は肘先の半ばから手にかけて、脚は太腿の半ばから下が外骨格(脚は丸々ゴキブリの脚って感じで、腕はゴツゴツとした宝石のような多面体で指の先が尖っている感じ)に覆われている。他の部分は外骨格とまでは行かないがヒビが入る程度には硬い皮膚で覆われていて人間と何ら変わりなく骨がある。つまり何が言いたいのかと言うと私の今回の怪我…特に反対に折り曲げられた脚や粉砕された腕などの、骨のない部分の怪我が多かったから割れた外骨格を取り除いてリカバリーガールに治癒してもらえば、簡単に治ってしまう怪我だったのだ。
すっかり完治し今日は登校日
「皆ーーー!!朝の
「ついてるよついてねーのおまえだけだ」
相変わらずの天哉くんに安心していると
「お早う」
「「「相澤先生復帰早えええ!!!!」」」
全身 包帯グルグル巻のイレイザー先生が入ってきた。
良かった…イレ……あ、相澤先生 無事だったんだ…。
話には聞いていたけどやっぱり実際に見ると安心感が違う。
「先生無事だったのですね!!」
「無事言うんかなぁアレ……」
「俺の安否はどうでも良い何よりまだ戦いは終わってねぇ」
「「「!?」」」
うぇぇ!?ま、まだなにかいるのぉ……?
「戦い?」
「まさか…」
「まだ
「雄英体育祭が迫ってる!」
「よ…よかっ「「「クソ学校っぽいの来たあああ!!」」」!?!?」
びっ……びっくりしたぁ……たまに出るこの団結力には毎回驚かされてしまう…
「待って待って!
「逆に開催することで雄英の危機管理体制が磐石だと示す…って考えらしい。警備は例年の五倍に強化するそうだ」
「何より
「
「ウチの体育祭は日本のビッグイベントの一つ!!」
「かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂した。今は知っての通り規模も縮小し形骸化した…」
「そして日本に於いて今「かつてのオリンピック」に代わるのが…雄英体育祭だ!!」
「当然 全国のトップヒーローも観ますのよ、スカウト目的でね!」
!?
「
「そっから独立しそびれて万年サイドキックってのも多いんだよね。上鳴あんたそーなりそう、アホだし」
「くっ!!」
!?!?
「当然名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる」
「時間は有限プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ」
「年に一回…計三回だけのチャンスヒーローを志すなら絶対に外せないイベントだ!」
!?!?!?
あ、ああああああ!!!??そうだったあああ!!??雄英体育祭!!それは、それは、もう……
「ひとがいっぱいだぁぁぁ……」
「せんせぇー!蜚蠊の魂がー!」
体育祭……活躍……注目……うぇぇ……どうしよう………
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あーダメだぁ全然 集中出来なかった……やっぱりまだ、みんな以外の大人数は怖い……うーん、もう放課後になっちゃったし……
………わかってる、今まで私のことをいじめてきた奴らを見返すチャンスだって、わかってる、わかってる、けど…
はぁ…もう帰ろうって、ええ!?
「うおおお…何ごとだあ!!!?」
教室の入口にはB組や他の科の生徒でごった返していた。
「うぐぐ……ひと、いっぱい……」
「蜚蠊また魂出かかってるよ」
み、三奈さん…ありがとう…
「出れねーじゃん!何しに来たんだよ」
「敵情視察だろザコ」
「
くぅ…!こっちの気も知らないでぇ……!
「意味ねぇからどけ モブ共」
「知らない人の事とりあえずモブって言うのやめなよ!!」
いいぞー!勝己くんー!やっちゃえー!と、教室の隅っこに隠れながら心の中で応援する。
「ふん……!ふん……!」シュッ…!シュッ…!
「ひ、蜚蠊……」
なんだか三奈さんに呆れられた気がするけど気にしない。
……だって怖いし……
「どんなもんかと見に来たがずいぶん偉そうだなぁ、ヒーロー科に在籍する奴は皆こんなのかい?」
「ああ!?」
「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ」
「普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴けっこういるんだ知ってた?」
「体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって」
「その逆もまた然りらしいよ………」
「敵情視察?少なくとも
「調子のってっと足元掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」
わぁ…大胆不敵だなぁ…この人…
「隣のB組のモンだけどよぅ!!
「本番で恥ずかしいことんなっぞ!!」
何……?流行ってるの……宣戦布告……?
さぁ…我らが勝己くんはなんて返すのかな…!
「………」グイ…
アレ…!?無視しちゃうの…!?出来ればあの人たちをどうにかして欲しかったんだけど…
「待てコラどうしてくれんだ、おめーのせいでヘイト集まりまくっちまってんじゃねえか!!」
「関係ねぇよ………」
「はあーーー!?」
「上に上がりゃ関係ねえ」
な、にそれ……なんだかすごく……
「か、かっこいい………!!」
「ひ、蜚蠊!?」
「く……!!シンプルで男らしいじゃねえか」
「上か…一理ある」
「騙されんな無駄に敵増やしただけだぞ!」
すごく…かっこいい……!そうだ……そうだよ……!上に上がれば関係ないどんな目で見られようが何人に見られようが……関係ない……!
「あ!の…」
ひぃ……!目が…たくさん……ひといっぱい……
「なに…?」「うわ…ゴキブリ」「キモ…」ザワザワ…
「や…その……帰るから、その……どっ、どいて……ほし………く、て……」
あ……ダメだ……怖い……皆……みて……私……いや……大丈夫……大丈夫……
「は……!は……!」
「君たちどいてくれないか!」
!?
「出入り口を塞ぐのは迷惑行為だぞ!皆が帰れないじゃないか」
天哉くんの声に続きA組の皆がそうだそうだと言う。
それに気圧されされたのか曲がりなりにも雄英生であるからなのかゾロゾロと人混みが割れていきみな教室に帰って行った。
「だ、大丈夫?蜚蠊さん」
出久くんが声をかけてくれる。
「…っは、あ…ありが…とう……みん、な」
「困った時はお互い様だ。」
うんうんと、皆口々に頷いてくれる。また、助けられた、守るって決めたばかりなのに
………よし!
「私……がん……ばるね……」
彼のように………
「勝己くんみたいになれるように!」
彼のように堂々とできるようになれたらこの恐怖心も消えるだろうから……
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