碇レイさんシリーズ   作:ありやす

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貴方は一人じゃないわ、だって私が居るもの

「ダメだ綾波!、そうしたら、綾波が助からない!」と綾波が、

今しようとする行為を止めようとするが、綾波は、

「ごめんなさい碇くん…こうしなければ…碇くんが助からないわ」と、

僕に、寂しそうながらも僕に微笑んで、死んでしまった。

「…あや…なみ……」と一言、言って僕は膝から崩れ落ちてしまった。

どうしてなんだ、綾波、どうして、君は最期まで、

僕の事を優先するんだ。どうして、毎回僕は君の事を

助ける事が出来ないんだ。どうしてなんだ、綾波が何をしたと言うんだ。

僕が何をしたと言うんだ。

「教えてくれ、綾波、僕が何をしたんだ、前みたいに、笑ってくれよ、

頼むから、お願いだよ綾波」と懇願するが、綾波からの返事は、

返って来ない。それもその筈、だって、綾波は僕の代わりに目の前で、

死んでしまったからだ。認めたく無い、綾波が死んでまったという、

事実を僕は決して認めたく無い。

体を誰かに揺さぶられている気がする。

その揺さぶりはとても、心地良く感じる。

どうしてだろう、前にも、経験した様な気がする。

でも、それを思い出す事が出来ない。

決して忘れてはいけない様な、大切な物のような気がする。

なのに、思い出せない、どうしてだ。

思い出そうと必死に記憶の中の思い出を探す。

「そうだ、これは夢だ」思い出した、これが夢だという事を、

前も同じ様な夢を見た、前はどの様にして、夢から覚めたんだ?

それが思い出せない。そんな事を考えていると、

体への揺さぶりが強くなって来た。

そして、「…かり…くん…い…かり…くん」と誰かが僕の事を呼ぶ。

でも、声の主を思い出す事が出来ない、

決して忘れてはいけない存在なのに、

思い出せない、その人が僕にとって、何よりも大切で、

何者からも守るべき存在なのに、思い出せない自分が、嫌になる。

自己嫌悪に陥っていると、気付いたら、目が覚めていた。

隣には、綾波が心配そうに、僕の事を見つめていた。

「綾波!」と僕は綾波の事を強く抱き締めた。

綾波の存在と温もりを感じるため、骨が折れてしまいそうなまでに、

細く華奢な身体を強く抱き締めた。

最初は綾波も驚いた様子でいたが、優しく、抱き返してくれた。

僕の耳元で「また、怖い夢を見たの碇くん?」と優しく囁いてくれた。

「うん、また、君を、目の前で、失う夢を、見たんだ」と、

目元を滲ませて言うと綾波は僕の頭を優しく撫で始めて

「貴方は一人じゃないわ、だって私が居るもの」と子供をあやす様に、

囁いてくれる。僕は綾波の優しい言葉を聞いて、安心したのか、

気付いたら、泣いてしまった。

泣いてしまっている僕に、綾波は優しく頭を撫で続けてくれる。

温かい、普段から、こうして、お互い、抱き締めながら、

綾波の温もりを感じる事はあるが、普段とは違う温もりを

綾波から感じる。いつ、だっただろうか?

こうやって、綾波に抱き締めて貰い、綾波から、

温もりを貰ったのは、そうだ、僕が、自暴自棄になり、

全てがどうでも良くなってしまっていた時に、綾波に今みたいに、

抱き締めて貰い、僕を優しく励ましてくれた。

「あり…がとう…あや…なみ…」と鼻を啜りながら言うと綾波は、

「良いの碇くん、私はいつまでも、碇くんの傍に居るわ」と、

優しく言ってくれるだけで嬉しい。

「綾波、手、握って貰えないかな?」と聞くと、

綾波は「良いわよ碇くん」と優しく微笑みながら、手を握ってくれた。

初めて、手を握った時は、綾波の手は酷く冷え切っていたが、

今は、そんな事、微塵も感じれない程、温かい。

僕は、これからも、この温もりに、助けて貰う事が、あるのだろうか?

もし、そうなら、綾波は迷惑だと感じ無いのだろうか?と、考えていると

「碇くん、今、余計な事、考えていたでしょ」と綾波に、

見透かされてしまった。こうゆう時の、綾波はいつもより鋭い。

「ごめん綾波」と謝るが、綾波は

「良いのよ碇くん、私は碇くんの全てが好きだから」と言ってくれた。

「あり…がとう…あや…なみ…」と安心したからなのか、

睡魔が僕を襲ってくる。「眠かったら寝て良いわ、碇くん」と、

綾波に言われ、目を瞑る。どうやら、綾波は、僕のために、

子守唄を歌ってくれている様だ。

どこかで聞いた事ある、歌だけど、思い出せない。

でも、どこか懐かしく安心する。

僕はそんな安心感に包まれて眠りについた。

 

 

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